先日、NHKドキュメンタリー、GREAT RACEのシリーズをまたまた見てしまいました。再放送ですが「熱砂の海を走り抜け!ナミブ砂漠250km」。今回のレースの舞台はなんと熱砂の海、アフリカのナミブ砂漠。
無駄に力を入れても、かえって砂の中に足が深く沈んでしまって、思うように走れない砂の壁…。42℃まで上昇する猛烈な暑さの中、目標となるフラッグさえも小さくて見失ってしまったり、更には悪天候もあったりで、自分が参加したいとは全く思わないのですが、つい見てしまう不思議な魅力…。今回は、全行程250kmを6つのステージに分けて走り抜き、各ステージの合計タイムで順位を競うというものでした。
またまた、こうしてこんな過酷なレースをブログでご紹介したくなったのは、飯野さんという日本人が大活躍したから…というよりも、こんな酷いレースに参加していた71歳の石原さんのメッセージをお伝えしたくて…。2016年で71歳ですから、今年73歳になられるのでしょうか…。
そもそも、こんな過酷なレースにご高齢と言っては失礼なのかもしれませんが、71歳の方が参加しようと思うだけでも驚きです。石原さんがGREAT RACEに参加するようになったのは確か50歳を過ぎてからと言われていたような気がしますが、第1ステージのゴールまでで6時間25分のランニング。200人以上が参加する中、143位で第1ステージを終えていました。石原さんはドキュメンタリーの中で、走りながら色々と物凄い事を言われていました。
最初の2日間は、砂漠とは言っても、それほど砂地ではなかったのですが、3日目に突入すると、いよいよ足を吸い込もうとする砂地へ…すると、石原さんはこう言われたのです。
「やっと砂漠らしくなってきた」
「今日は楽しいコースだ」
「景色もいいしね これじゃなきゃ」
「71歳が こんな頑張らなくていいんだけど」
・・・レースも5日目後半に入ってくると…
「こういうレースは体力だけじゃない」
「楽しむためには全てのストレスに勝つ者が勝つ」
「そこが面白いところ」
「痛さ かゆさ 汚さ」
「人がやるのが難しいのをやり遂げたみたいな」
「してやつたり みたいな感じや」・・・
なんかレースの教訓というよりも、もはや人としての生き方みたいなものを感じたんですよね。
レースの結果は先程もお伝えした飯野さんが1位でトータル走行時間が22時間28分。なんと4位も日本人の若岡さん走行時間28時間20分。女性の部でも日本人の井土さんが第4位で走行時間31時間23分。そして、あの石原さんは前半から更に順位を上げ123位、トータル走行時間50時間33分で見事に完走。日本人大活躍の大会でした。蒸し暑い日本で培った底力なんでしょうかねぇ…。
「楽しむためには全てのストレスに勝つ」こと…暫くは頭の中に焼き付いていそうです。
2月20日放送のガイアの夜明け『 夢を拓く!ニッポンの〝島″』の回、ご覧になられましたか?"
しまぐに"と言われる日本には、およそ6,800あまりの離島があるそうです。改めて聞くと、多いですよね。そのうち離島振興法で指定されている有人離島は約260。ここ50年で離島の人口は大幅に減少。無人となる離島も増加しているそうです。それでも離島は、国土・海域の保全や海洋資源の利用、多様な文化の継承など、日本にとって欠かすことの出来ないもの。
今回は、そんな島の衰退・無人島化を食い止めようと、島の資源を有効活用し、新たな産品・雇用・観光を生み出そうと取り組んでいる「島の革命者たち」が主役でした。
瀬戸内海に位置する広島県の「大崎上島」。昭和の頃から何度も架橋計画が持ち上がりながら、結局本土や四国とも橋が架かることはありませんでした。主な産業は柑橘栽培や造船業でしたが、造船所の廃業が相次ぎ、かつて1万7000人以上あった人口は現在約7700人に減少。65歳以上の高齢化率が約45%を占めるようになっています。
そんな島を変革しようと奮闘しているのが「ファームスズキ」の鈴木社長(41歳)。東京出身の鈴木さんは、島内に放置されていた塩田跡を活用し、2011年からカキの養殖を始めました。日本ではカキは海で養殖するのが基本ですが、実はフランスなどでは、塩田跡の養殖池(クレール)でカキが育てられ、世界的にも名高いカキが数多くあります。海で育ったカキに比べ、小粒でも甘みが強く味わいも芳醇。日本では、食感が肉厚な大きなカキが好まれますが、欧米では、このクレールオイスター(塩田熟成カキ)が好まれることを知っていたのです。
試行錯誤の末、鈴木社長は、日本国内で主流となっているカキと勝負するのではなく、いきなりシーフード最大のマーケットである香港に輸出し、2017年には24万個のカキを出荷するまでにいたりました。現在、養殖池のほとりには採れたてのカキが食べられるオイスターレストランをオープン。島外から観光客を呼び込むだけでなく、新たな雇用も生み出しています。さらに鈴木さんは、塩田跡の養殖池で車エビの養殖も始め、それも香港へと…。
番組では、この他、長崎県の本土と五島列島のちょうど中間に位置する小さな離島「江島(えのしま)」に移住し、体験型民泊宿「江島さとや」を始めた女性の話も取り上げられていました。
私も3年ほど離島で暮らしたことがありますが、とりあえず島の中に高校まではあったものの、大学はなく、子を持つ意識の高い親は、高校から島外に子供を連れていく人も居ましたし、高校を卒業すると島ではない都会で暮らしたいと、とにかく島を出ようとする人も多く見られました。
島の衰退や無人島化を食い止めることは大変な事だと思いますが、努力が報われていくと良いなぁと心から応援したい気持ちで一杯になりました。大切な国土なのだから、国の支援も、もっともっとあると良いのですがねぇ…。
昨日は『ヒャッキン!~世界で100円グッズ使ってみると?~』という番組を見たと言いましたが、今や番組の主役になってしまえる100円均一のお店。私も、何か冒険旅行にでも行く感覚で、何を買うわけでもないのに、ヒャッキンのお店に突入して、ウロウロしてしまったりします。
そんなヒャッキンの先駆者であり、業界売上トップを誇るダイソーさんが1月18日放送のカンブリア宮殿『安くても高品質!100均の王者が登場 唯一無二の薄利多売ビジネス』に出られましたが、ご覧になられましたか?昨年6月15日にもこのブログで【関わる人達が幸せに見える会社『ダイソー』』というタイトルで書かせて頂きましたが、せっかくカンブリア宮殿に出たので、またまた書いてしまいます。
社長の矢野さんの人生は、前回も少し触れたように波乱万丈。大学在学中に結婚し、卒業後は妻の実家のハマチ養殖業を継ぐも、3年で倒産。兄から借りた多額の借金を踏み倒して、妻子を連れ東京へ夜逃げ。その後も転職を9回重ねて行きついたのが、日用雑貨の移動販売。なんとか商売が軌道に乗りかけた時、今度は自宅兼倉庫が火事にあってしまう…
そんな苦難の末に矢野さんが行き着いたのが、100円ショップだったのですが、借金を踏み倒して逃げ、再び兄と再開した時に兄が発した言葉…なんと借金を踏み倒した事への怒りの言葉ではなく、矢野社長の健康を心配して「元気だったか?」という様な言葉をかけられたとか…。そんな強い兄弟愛に支えられたことも矢野社長の人柄形成に役立ったのかと思いました。
ダイソーでは各店舗への出荷作業を、障害を抱えた人たちに任せています。ダイソーは障害者雇用にも積極的に取り組んでおり、更に、社内に飾られた絵画の多くは障害者が描いたもの。実は、このイラスト、商品として売られている今年のカレンダーに使用されたもので、矢野社長は、新たな夢として「障がい者の理想郷をつくる」というのです。
売上を支援にまわし…「最後は人のために」と語る矢野社長、やっぱり素敵な方でした。そんな矢野社長の金言は
『恵まれない幸せ 恵まれる不幸せ』・・・恵まれない幸せに感謝・・・
起業者にアドバイスをと言われると
『運を良くするかは、人に対していかに役立てるかということ。自分の為では上手くいかない』ときっぱり言ってのけます。
村上龍の編集後記では、こんな風に書かれていました。
**********************************************************************
登場するゲストは、共通して優れた業績や理念を持つ。だが、「面白い」と感じるゲストはそう多くない。矢野さんは、面白かった。「希望よりも不安を大切にする」と明言する100円ショップのチャンピオン、要は「不安に耐えるだけの力がある」ということだ。「仕事人生は苦い思い出ばかり」らしいが、「客が驚き、喜ぶのを見たい」という思いで、ダイソーは数え切れない危機を乗り切り、生き残って、業界トップとなった。言動は多少ユニークに映るが、矢野さんは、実は非常にシャイな人で、かつ価値観は普遍的だと思う。
**********************************************************************
ちょっと頼りない印象を与えてしまう矢野社長ですが、益々応援したい気持ちで一杯になりました。
2月6日放送のガイアの夜明け『後悔しない"供養"』ご覧になられましたか?今回の番組は、冒頭から砕かれた墓石がゴミのように扱われるというシーンから始まりました。
いま、東京都内の「お墓」の平均価格は、200万円を超えると言われていましたが、我が家は田舎なのに周辺のお墓はもっと高い気がします。資金的な問題で墓を買うことができず、手元にある遺骨の扱いに悩むケースも多く見られ、そんな悩みを抱える人たちが首都圏には約100万世帯でみられるとも言われているそうです。やはりお墓参りで遠出をしたくないと思うと近場の霊園を探したいけれど、なかなかないんですよね。
これまでの「お墓」の他に、マンションのような霊園であったり、樹木葬であったり、遺骨を宇宙へ打ち上げて散骨する「宇宙葬」といった新しいケースも登場しているらしいのですが…。供養の形は多様化しているものの、故人をどう見送るか、残された家族の選択肢が広がる中、身内を亡くした人たちの中で、「葬式で弔いきれなかった」と後悔している割合は45%にも上るそうです。
ある人は、3年前に夫を癌で亡くし、闘病で大金を費やしたためお金がなく、お墓も買えないままでいました。首都圏では、自分が入るお墓を持たない家庭が約4割あるそうです。また、ある人は、父親が五男のため、自分で用意するしかお墓が持てず、7カ月間も自宅に父の遺骨を保管しておられました。大好きな父のために、墓を建てたいと願うその人の為に提案されたのが、合同のお墓と、自宅にも置ける小さなお墓。
番組では、この他、息子さんが6年にわたって介護を続けてきた寝たきりの母が、医師から「余命1週間」を宣告されると…「母との思い出が詰まった自宅から母を送り出したい」と願って、手作りの葬式をあげる話も取り上げられていました。自宅での手作り葬に、決められた葬式プランはありませんから、母親の想い出の味「ハヤシライス」を、弔問客に振る舞い、母親が好きだったクチナシの花を飾っていきます。心のこもった素敵な葬儀でした。
今、一般葬や社葬は、減少傾向にあり、家族葬、直葬(葬儀を行わない)が増えているとか。私も実は身内だけで故人を偲ぶ家族葬が、今の社会には合っている気がします。他人に気兼ねなく、仕来たりやルールに縛られない、訳の分からない高額な相場に従うことなく弔ってあげた方がと…。
こうした番組を見ると自分が意思表示できなくなる前に、エンディングノートは書かなければならないなぁと思ってしまいます。Wikipediaにはエンディングノートとは、高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノートと説明されていますが、自身が死亡したときや、判断力・意思疎通能力の喪失を伴う病気にかかったときに希望する内容を記すものとされています。
書かれる事柄は特に決まっているわけではなく任意なのですが、主に「病気になったときの延命措置を望むか望まないか」「自身に介護が必要になった際に希望すること」「財産・貴重品に関する情報」「葬儀に対する希望」「相続に対する考え方」「プロフィール・自分史」「家系図」といった中身になります。
法的効力を有する遺言とは異なり、存命中や死後の家族の負担を減らすことを目的としたもので、書籍や文具として実際にエンディングノートが販売されています。私も自分の親に渡したことがありますが、手をつけてはいないようです…。自分の意思表示ができるうちに、健康なうちに、その思いを残してもらえると、残された家族は助かると思うのですが、これはこれで、なかなか難しいようです・・・
2月1日放送のカンブリア宮殿『世界を驚かせた日本製の鋳物ホーロー鍋バーミキュラ~倒産寸前の町工場 大逆転の秘密~』の回、ご覧になられましたか?愛知ドビーという社名はご存じなくとも、バーミキュラを知らない人はいないのではと思われるほど大ヒットしている鋳物ホーロー鍋を作った会社が今回の主役。他の番組には何度か登場していましたが、ようやくカンブリア宮殿に登場してきたといった感じです。
愛知ドビーは、創業当時“ドビー機”と呼ばれる機織り用機械のメーカーだったことが社名の由来となっているそうです。ハリーとは関係なさそうですね。繊維産業の衰退とともに、1990年代には船舶部品などの下請け工場に転換。2000年に入ると、海外の下請け工場に仕事を奪われ、次第に業績は悪化。父の苦境を見た、長男・次男は父や工場の人たちを助けたいと実家に戻り、兄弟二人三脚での立て直しが始まったそうです。
下請け工場の限界に突き当たっていたある日、次男が立ち寄った本屋で、フランス製の鋳物ホーロー鍋を紹介する本を見つけ、同じ鋳物ならば自分たちにも作れるのではないか、と思いつきます。そして、二人は、「世界一の鍋を作る」という目標を掲げ、開発に乗り出しますが、開発は失敗の連続。気がつけば3年がたち、失敗作は1万個にも及んでいたそうです。
挫けそうになりながらも、試行錯誤を続けていたある日、「これならば」と思える鍋が完成し、無水調理でカレーを作ってみると、驚きのおいしさになっていました。3年…1万個…本当に、よく投げ出さなかったものです。2人の不屈の精神が、無水調理ができる世界初の鋳物ホーロー鍋を完成させたのです。
鋳物ホーロー鍋といえば、フランス製が人気の市場でしたが、7年前に発売すると、「調味料を使わなくても野菜が驚くほどおいしくなる」と評判となり、一時15か月待ちになるほどの大ヒット商品に。さらに、IH調理器を組み合わせた炊飯器「バーミキュラ ライスポット」を2016年に発売すると、こちらも一時入手困難となるヒット商品となりました。
番組を見始めて間もなく、「こんな鍋欲しいよなぁ」と私がつぶやくと、家内は、「そんなもの要らないわよ」と一言。ところが番組を見終わる頃には、「やっぱり、この鍋欲しいわ」って。ビタクラフトを持っている家内でしたが…それだけ魅力のある鍋という事なんでしょうね。
当初はなかったように思いますが、お客様サポートセンターの様な所で、鍋を買ってくれたお客に対して、使い方の相談だけでなく、レシピの相談まで受け付けるようになっていました。番組では離乳食が作れないかという相談に対応していましたが、徹底的に客の声を聞き、開発にも役立てているのです。2016年に発売されて人気が爆発した炊飯器「ライスポット」も、「バーミキュラでお米を炊くとおいしいけれど、火加減が難しい」という客の声から産まれたヒット商品だったようです。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
*********************************************************************
多くの中小企業は後継者不在という危機に瀕している。「愛知ドビー」は兄弟が協力し後を継ぐという理想型で再建された。だが、その道のりは、厳しい、ではなく、「ほぼ不可能に近い」だった。異業種出身の二人は、あきらめなかったのではない。あきらめることができなかったのだ。バーミキュラは、革命的な鋳物ホーロー鍋で、料理人が変わったのではないかと錯覚する。さらにレシピの種類が、鍋が持つ可能性にまだ追いついていない。兄弟は、社名を変えなかった。「愛知ドビー」創業以来の、技術力への誇りが刻まれている。
*********************************************************************
私も社名に関してはバーミキュラにでもしてしまえばとも思いましたが、それも変えずに拘る姿も、また素敵に思えたものです。お小遣いでも貯めて、秋の家内の誕生日にでも、プレゼントしてあげましょうかねぇ…。
今更ですが、昨年11月5日放送のNHKスペシャル 神秘の巨大ネットワーク第2集【「人体」驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る】書いたつもりで書き損なっていたので書かせて頂きますね。脂肪と筋肉、2つの言葉から何を連想するでしょうか。脂肪はただのアブラのかたまり?筋肉は体を動かすための装置?そんな思い込みが、最新研究で大きく覆されているというこの回のお話…大事ですよ。
私たちの体にある脂肪と筋肉は、なんと体の7割をも占めており、“人体最大の臓器”。そんな脂肪と筋肉が、全身に向けて“メッセージ”を伝える特別な物質を放出し、命に関わるさまざまな病気の発症と密接に関わっていることが分かってきたというお話でしたので、この回を書き逃してはいけませんよね。
最新研究から、この脂肪細胞が、「レプチン」と呼ばれるメッセージ物質を放出していることが分かってきました。この物質は、血液の流れに乗って、脳の中心部にある視床下部というところに到達し、そこの神経細胞の表面に並んだ “受容体”と呼ばれる装置で受け取られると、脳は「もう食べなくていい」と判断し、食欲を抑える指令を伝えてくれるらしいのです。
いまや世界には、およそ6億人以上もの「肥満」の人がいると言われます。勿論、私も肥満です…。そもそも食欲を抑えるメッセージ物質「レプチン」が大量に放出されて、食欲を抑えてくれるはずなのになぜ、肥満になっていくのか…?そのメカニズムは、まだよく分かっていません。これはちょっと残念ですが…。メカニズムが分からなくても、肥満解消の努力をしなくてはならない事実が話されていきます。肥満状態が進んで、やがて陥るのが「メタボリックシンドローム」。実はこの『メタボ』、その体内では、体を守る免疫細胞が“暴走”しているらしいのです。
メタボの人の脂肪細胞は、「敵がいるぞ」という警告を伝えるメッセージ物質を誤って放出していることが分かってきており、それを受け取った免疫細胞は、活性化して「戦闘モード」に変化し、自らも「敵がいるぞ」という誤ったメッセージを拡散していきます。脂肪を吸収した免疫細胞は、やがて限界に到達して破裂し、この時、敵を攻撃する為に持っている毒物が放出されてしまい、突然死をも招く動脈硬化や心筋梗塞、さらには糖尿病など、さまざまな病気を引き起こしうるというのです。
免疫細胞の暴走をどうやったら食い止められるのか。実はそのカギが、筋肉が放出する“メッセージ物質”にあると考える研究者がいます。運動をすると筋肉から放出されるメッセージ物質・IL-6に、免疫の暴走を抑える作用があるというのです。このIL-6は、もともと免疫を活性化する物質として知られていました。ところがIL-6の働きによって、メタボの人の体内で異常放出されている「敵がいるぞ」というメッセージ物質・TNFαの量を大幅に抑えるという効果も分かってきたのです。
運動で筋肉を動かすと、エネルギーを消費して過剰な脂肪を燃焼させる効果や、血流が良くなる効果があることは知られていますが、その他にも、メッセージ物質を出すことによって「体の状態を正常に保つ」という未知のパワーが秘められている可能性が、注目されているのです。
筋肉の「メッセージ物質」については必要以上に筋肉が増えてエネルギーを消費し過ぎないように、周囲の筋肉の細胞に向けてミオスタチンを放出し、「成長するな」というメッセージを伝える仕組みがあるとか、運動することで筋肉から出てくる「カテプシンB」というメッセージ物質が脳に働きかけて、なんと“記憶力が高まる可能性がある”というお話もありましたが、今回は個人的に衝撃的だった免疫細胞の破裂について、どうしても書きたかったので、その辺は省略させて頂きますね。
諸事情で運動できない状態に陥り、尚且つ肥満で困っている方、「何で?」はどうでも良いから、しっかり減量してメタボから脱出していきましょうね!! 私も肥満と闘う事うん十年・・・、サプリまで使って頑張ってはいるのですが・・・減らない食欲や飲酒との闘いは苦戦の一方で・・・
2月4日放送のNHKスペシャル【「人体」”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体】ご覧になられましたか?体の臓器同士で密接につながりを持っているという話が続いていましたが、そんな臓器との連携を図りながらながらも、その内部に高度なネットワークを築き上げてきた、「究極のネットワーク臓器」の『脳』。楽しく見させて頂きました。
私たちの脳には1,000億の神経細胞があると言われ、それぞれの細胞が電気信号をやりとりすることで情報を伝え合っています。脳はただ単純に電気信号をやり取りするだけではなく、神経細胞と神経細胞との間で「メッセージ物質」を使って情報を伝えているとか。脳の中を飛び交うメッセージ物質の中でもっとも多くの数を占めるのが、「電気を発生させて」というメッセージを次の細胞に伝える「グルタミン酸」。このメッセージ物質があるおかげで、電気信号は細胞から細胞へ次々とリレーされていくそうです。
更に、この電気の伝わり方に様々なバリエーションを生み出すため、数十から100種類ものメッセージ物質が脳の中を飛び交っているのだとか。メッセージ物質のさじ加減ひとつで、電気信号の伝わり方に無数とも言えるバリエーションが生まれ、その不安定さが、時に想像すらしない「ひらめき」を生み出す原動力になるというのです。取捨選択する脳…効率だけではない、広がりを許す脳の仕組み、面白いシステムです。
「ぼーっと」している時、私たちの脳は決して活動をやめているわけではなく、むしろ脳の広い領域が活性化している「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる不思議な状態にあることが分かってきています。このネットワークが、無意識のうちに私たちの脳の中に散らばる「記憶の断片」をつなぎ合わせ、時に思わぬ「ひらめき」を生み出していくのではないか、と注目されているのです。なんと山中先生も、シャワーを浴びてボーッとしているときに、IPS細胞のひらめきが生まれたと仰られておりました。
さらに番組では、「ひらめき」を生む上で重要となる「記憶」の秘密…脳の奥深くにある「海馬」、その入り口にある「歯状回」と呼ばれる場所で神経細胞が新たに生まれ続けていることで、新しい記憶を次々と作り出しているとか。さらに最新の研究では、この歯状回で新たに生まれる神経細胞の成長を、私たちが物を食べたりした時に「すい臓」から出される「インスリン」が役立っている事が分かってきたとか。
番組では関連する認知症の話や、それを解決する取り組みについても取り上げられていました。メッセージ物質を選別してしまう関門を突破させて認知症を改善する薬。血管の通過を許されているインスリン…詳しくは、是非番組の再放送でご確認下さい。
健康な人の脳では90歳を過ぎても細胞が生まれ続けているそうです。まだまだ、「ボケてきたなぁ」なんて、のん気な言い訳は言えないし、認知症やアルツハイマー病の対策も進んできているのだから、沢山の記憶を補充して、ひらめきを楽しみながら健康に生きていきたいですよね。
平昌オリンピックの最中、皆さんも日本人選手の勇姿をワクワクしながらご覧になられていることと思います。そんなタイミングで、東京オリンピックにつながる話って言うのも変なのかもしれませんが、つい先日、行われた全日本卓球選手権。男子の部、水谷選手対張本選手の闘いも、なかなか凄かったのですが、やはり目が離せなかったのは女子の熱い闘い。急成長を遂げた高速卓球の平野選手、みまパンチを繰り出す伊藤選手、それに日本のエースとして君臨してきた石川選手…。
つい先日の1月15日ですが、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀『挑戦を、強さに変える プロ卓球選手・石川佳純』が放送され、丁度その日から始まった【天皇杯・皇后杯 平成29年度 全日本卓球選手権大会】
2017年に行われた日本一を決める大会では、4連覇をかけた石川選手でしたが、高校生の平野選手に惨敗しました。その背景に、公式ボールの変更があったことは、番組を通して初めて知った話。ボールの材質がセルロイドからプラスチックに変わり、ボールに回転がかかりづらくなったことで、回転を生かした石川選手の卓球が通じなかったというのです。
たかが材質と思いきや、あれだけのスピードでラリーをする世界では、その回転数の違いがタイミングを狂わせてしまい、殆ど完成されたレベルまで達していた石川選手にしてみれば、引退を余儀なくされてもおかしくない程の異変だったのです。あの卓球の鬼、既に引退している平野早矢香さんは、「私だったら、続けられない」と言い切るほどの珠の材質変更だったのです。
番組では、完成度を高めてきた卓球から、新たな高速卓球へとスタイルを変えるべく挑戦し続けている石川選手の姿が流されていました。
そんなタイミングに合わせるかのように始まった全日本選手権…。昨年、石川を圧倒して高速卓球のレベルの違いを見せつけた平野選手。プロフェッショナルで新たなスタイルに変貌しようとしているエースの石川選手。注目はこの2人でしたが、出てきたのはみまパンチを繰り出す伊藤選手。
終わった見れば、伊藤選手は準決勝で石川選手を撃破し、決勝でも高速卓球の平野選手を圧倒し、なんと混合ダブルス・女子ダブルス・女子シングルスで優勝して、3冠達成の快挙を成し遂げてしまったのです。
相手のスマッシュを叩き返してしまうみまパンチやドライブ、表ラバーでのチキータと、伊藤選手も進化を着実に遂げており、石川・平野・伊藤…この3人の選手がお互いに切磋琢磨して成長していく事で、東京オリンピックでは、まさかの金銀銅ラッシュも夢じゃないかもしれない…そんな期待を抱かずにはいられなくなってしまうのです・・・。
プロフェッショナルの中では、石川選手が中国のプロリーグへの参加希望をしていましが、受け入れられなかったという話がありました。あの中国がこれ以上日本選手に強くなられては困る…そんな風に警戒し始めているというのも確かな話ですからねぇ…楽しみだぁ!!
1月23日放送のアナザーストーリーズ 運命の分岐点「007 ジェームズ・ボンド誕生の真実」の回、ご覧になられましたか?世界的に有名なスパイ映画で、主役も何代かに引き継がれ、半世紀以上にわたってシリーズ化されている娯楽大作。
第1作となる「ドクター・ノオ」を監督したテレンス・ヤング。監督としては知名度が低く、当初はお金に困っていたそうです。そんな彼が、ジェームズ・ボンドの役にショーン・コネリーが抜てきされたと知り、「大惨事だ!大惨事だ!大惨事だ!」と嘆いたとか…。
映画をご覧になった方なら『何で?』と誰も思うことでしょう。私も、数々の名優がボンド役を演じてきましたが、ショーン・コネリーが一番だと思っていたので…。ところが、当初のショーン・コネリーは英国紳士とはかけ離れた人物で、ただのマッチョだったとか…。売れない監督と単なるボディービルダーの紳士ではなかったショーン・コネリー・・・
当然、映画の成功のカギは、無名の新人俳優ショーン・コネリーを華麗な英国紳士としてのスパイに仕立て挙げていくことでした。お金に困っていた監督は、最初に報酬を受け取っていたために投げ出すこともできません。監督は、高額な服をコネリーに身につけさせ、マナーや物腰まで、監督自らがボンドを作り上げていったのです。
番組では、定番となったジェームズ・ボンドのテーマ曲の誕生秘話や、映画を華やかに彩るボンドガールたちの話も聞くことができました。実はボンドガールたちの活躍の裏側には、「姿なきボンドガール」と言われたある一人の女性の存在があったというスクープ的なお話も。
実はこの姿なきボンドガール「モニカ・ヴァン・ダ・ジル」さん。女優でありながらも、表舞台に出ることのなかった彼女の秘密は、歴代のボンドガールたちの声を吹き替えていたという事。巧みに声を使い分け、その見事さから本人にすら気付かれることがなかったとか…。
酷い話ですが、モニカさんは、映画のスタッフとしてすら名前が公開されず、引退するまで存在すら知らされることがなかったそうです。引退後、本人の口から公開された真実…。ボンドガールに相応しい話し方にこだわった2人のプロデューサーが仕組んだことらしいのですが、女性軽視だと、珍しく私の家内が激怒していたほどです。
何はともあれ、数々の裏話がありながらも、『007』というだけで、あのテーマ曲に黒髪の英国紳士、ボンドガールに様々な秘密道具と、私たちの頭にしっかり焼き付けられるまでになっているのですから大成功のシリーズですよね。歳のせいか、今更見たいとは思いませんが、「ロシアより愛をこめて」の ダニエラ・ビアンキさん…美人でしたねぇ…
1月30日放送のガイアの夜明け『 「不自由」が価値を生む!~“車イス社長”の挑戦~』の回、ご覧になられましたか?
今回紹介されていたのは、「ミライロ」社長の垣内俊哉さん、28歳。生まれつき骨が弱く骨折しやすい「骨形成不全」という難病と闘っておられる方です。
自らの病気を受け入れるまで、葛藤を重ねてきた垣内社長は、17歳から18歳にかけて、3度の自殺未遂を起こしたこともあり…やがて、車椅子でもできることをやろうと決意すると大学在学中に友人と2人で起業。今や社員は50人にもなるそうです。
これまで骨折は20回以上、手術も15回以上経験し、現在も2〜3年に一度は必ず長期の入院が必要で、3年前には入院中に一時、心肺停止の危機に面してる垣内社長。一昨年から去年5月まで入院したときには、家族や社員に向け「遺書」を書いて臨んだそうです。ようやく本格的に仕事に復帰したのは去年6月。しかし、11月には、手術の後遺症の痛みで救急搬送されています。凄い人です。
この「ミライロ」という会社の特徴は、目線の高さ、106センチという車椅子から見える世界を体感して学ぶこと。他の人には見えていないことが見渡せるというのです。 障害者や高齢者、ベビーカーを使っている人たちが感じる不自由や不安を見つけ出し、「なんちゃってバリアフリー」の世界から問題点をあぶり出していきます。
さらに、それを敢えてビジネスにすることで改善活動を持続的なものにし、どんな人も住みやすい日本にしよう、という活動に取り組んでいるのです。本当に素晴らしい取り組みです。
今や「ミライロ」が行う高齢者や障害のある方への接し方を学ぶ異色の講座「ユニバーサルマナー検定」の受講企業は延べ400社、受講者は6万人を超えています。自治体や金融機関、ホテル、テーマパーク、結婚式場、飲食店、霊園に至るまで、講演や監修依頼が寄せられ、相談が続々と持ち込まれていました。
垣内さんの主張は明確でした。高齢者は約3,000万人以上。障害者が約800万人。それに、ベビーカーに乗る3歳未満の子どもが約300万人。合わせて4,000万人超が移動になんらかの不自由や不安を感じています。日本の人口の約30%を占めるマーケットがそこにあります。バリアフリーにすれば儲かり、儲かることで取り組みが持続的なものとなり、本当の意味でバリアフリーが定着する、というのです。
印象的な話はこうでした。困っている人に声をかける時「段差を越えられますか?」では「越えられる」と答えてしまう人間の心理について…。「階段が怖い、足が曲がらない…」そうした状況下でも本当に相手の立場にならなくては、感じられない…思いやれない世界があるという事。
正しい言葉の投げかけはこうでした…
『何かお手伝い出来ることはありますか?』
しっかり、覚えておきたい言葉と、気持ち・・・ですよね。