今年の4月27日から放送の始まったNHKスペシャル「人体Ⅲ」(全4回)が6月8日に最終回を迎えました。大好きな【人体】のシリーズは大昔から録画して、じっくり見させて頂いている大好きなシリーズものです。
タモリさんとノーベル賞科学者・山中伸弥先生のW司会で放送される「人体」の最新シリーズ。今回のテーマは「命とは何か」。最新科学が解き明かした命のメカニズムを、驚きの実写と超高精細CGで映像化されています。
お二人が出演する「シリーズ人体」は、2017~2018年放送のNHKスペシャル「人体~神秘の巨大ネットワーク~」(全8回)にはじまり、関連番組を含めて15本を制作してきた大好評シリーズ。
今回のシリーズで注目したのは「細胞」。私たちの体を作るおよそ40兆個もの「細胞」の中には、これまでのイメージをくつがえす不思議な世界が広がっていました。「命の部品」となるさまざまな物質が、まるで生きているかのように動き回り、互いに連携することで、わたしたちの命は営まれていたのです。
命のない部品が集まって、命が生まれるという神秘。それは、まるでファンタジーのような、まぎれもない科学的事実。最新の顕微鏡映像と超高精細CGも活用して、4回にわたって放送されました。
第1集 命の源 細胞内ワンダーランド
第2集 細胞40兆 限りあるから命は輝く
第3集 命のつながり 細胞40億年の旅
第4集 果てしなき命の探求
「キネシン」という名前は覚えましたよ。「それだけかい!?」と言われそうですが、CGの動きが何とも印象に残った次第でして(;^_^A
最終回の第4回では、弊社ともゆかりのある日本分子生物学会年会に山本先生が登壇する大会映像の一部が放送されていました。思わず家族に大声で言ってしまいました(;^_^A
このシリーズは何度も再放送されているので、見ていない方は再放送の際に、是非どうぞ!! 2025.6.20.11:55
5月15日 放送のカンブリア宮殿「シーベジタブル」の回は、ご覧になられましたか?
「世界中の海を元気に新たな海藻の食文化を!」そんなタイトルで放送された今回。
スイーツからフレンチまで、今 世界的ブームの兆しとなっている食材が「海藻」ということですが、絶滅の危機に瀕する海藻を発掘し、独自のノウハウで養殖体制を構築、市場に供給するスタートアップ企業となっている「シーベジタブル」。日本の健康的な食文化を世界に売り込み、さらに"海の砂漠化"の問題にも挑む、常識破りのビジネスで注目される「海藻ベンチャー」が今回の主役です。
セブンからディーン&デルーカまで!続々登場 美味しすぎる“シーベジ”メニュー
今、海藻メーカー「シーベジタブル」の商品が、次々に登場しているとのこと。セブン-イレブンのPBブランドの焼きそばからスイーツ、ディーン&デルーカには海藻を使った美味しそうなカルパッチョなどの惣菜が並んでいるそうですが、御存知でしたか?しかも使われるのは、とさかのりや若ひじきなど日本では獲れなくなった品種ばかり。
そんな海藻を養殖して流通させるのがシーベジタブル。高知や熊本など、全国に生産拠点を持ち、それぞれの海藻ごとに独自の生産技術を構築。種から30種類以上を生産しているのです。その品質の高い海藻は、有名シェフからも注目され食材として海藻が大きな注目を集めるきっかけを作ってきました。
そして陸上養殖だけでなく現在、力を入れるのは海上での海藻作り。海藻が激減して魚が減ってしまった海を再生する取り組みにも挑んでいるのです。
全国を放浪して地方の問題に取り組んでいた友廣と、高知大学で海藻の研究をしていた蜂谷が出会い、2016年に創業したシーベジタブル。そのきっかけはお好み焼きソースの大手・オタフクだったそうです。当時、お好み焼きに欠かせない「すじ青のり」が入手できなくなり困っていたオタフクさん。2人はその窮状を解決すべく、すじ青のりの養殖に挑戦したのです。そして、海藻の危機的状態を知るや、全国で様々な海藻を研究し、その養殖技術を確立していきました。シーベジタブルでは生産するだけでなく、有名シェフを巻き込み、美味しい食べ方も研究し、様々なアプローチで、あらたな海藻の食文化を生み出すべく奔走しています。
高知大学農学部で海藻を研究していた蜂谷さんと、そんな蜂谷さんの魅力に引き込まれて、2人一組で支えてきた友廣さんのチームワークが、何とも羨ましい今回となりました。ちょっと店舗で探して、まずは試食してみたいと思いました。いつもの村上さんの編集後記では、こんな事が書かれていました。
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「シーベジタブル」ってどちらが思いついたんですか、と聞いたら、2人で考えましたという答えが返ってきた。仲がいいという感じではなかった。ただ、強烈な信頼感がある。「蜂谷は海藻の声が聞けるんです」と友廣さん。どんなことを話すんですか、と聞くと「腹が減った」とかだと真剣に答える。海藻の声を聞くためには最低でも3年は必要だと。ずっと海藻のことを考えて3年なのだ。長期契約を結び、前受金としてのお金を預かって、それを設備投資に充てることで事業は走り出した。「海藻に対して愛があるのか」海藻は、美しい。
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今、さまざまな国や地域で、ウェブサイトやSNSの規制が行われており、権力者にとって都合の悪い情報が報道されずにいる現状があります。国境なき記者団(RSF)のウェブサイトでは、サウジアラビア、ロシア、ベトナム、メキシコ、エジプトのジャーナリストが「自国に報道の自由がない」と訴えかけています。
報道の自由は、民主主義を形成するための権利です。そこで活用されたのが、世界的人気のゲーム、マインクラフト(Minecraft)。マインクラフト内にできた仮想図書館「The Uncensored Library(検閲のない図書館)」は、現実世界ではあまり報道されない情報を、ゲームコンテンツである「本」という形で実装し、読めるようにする発想です。ゲームの中にできた「検閲されない図書館」というわけです。
本図書館で扱っている5か国と、国境なき記者団のそれぞれに個別のウィングが割り当てられており、多数の記事が収蔵されています。これらの記事は、英語と、記事が書かれた元の言語で閲覧できます。図書館内の文書は、ゲーム内のブックアイテムに含まれており、同時に複数のプレイヤーがスタンドに置いて読むことができるのです。
通常、収蔵されている記事は、著者の出身国における検閲や不当な刑罰、その他政府に対する批判などについて論じています。図書館内の部屋のインテリアとして採用されている構造物は、各国に固有の状況やジャーナリズムの課題を象徴しているそうです。さらに、世界の報道の自由指数と、これに含まれる各国の報道の自由に関する現状を一覧表示する中央ルームがあり、メキシコのセクションには、記事の執筆が理由で殺害された記者の記念碑まであります。図書館に収蔵されている書籍数は、合計で200冊を超えるそうです。
この図書館を企画したのは、国境なき記者団。チームは、政府が権力者に都合の悪い情報コンテンツを監視するのを防ぐために、ブロックチェーンクラウドストレージを使用して、マインクラフト内に仮想ライブラリを配置することに決めました。システムでは匿名性が確保され、記者たちの安全が守られることも特徴となっています。
先日、NHKスペシャル ゲーム×人類 パート2で紹介されたことにより、恥ずかしながら私も知ることとなりました。The Uncensored Library(検閲のない図書館)は、国境なき記者団が、世界反サイバー検閲デーである2020年3月12日に合わせて、報道の自由がない国の検閲を回避する目的で、Minecraftサーバー上のマップとして公開した仮想図書館です。
開設には、デザイナースタジオのBlockWorks(イギリス)、 広告代理店のDDBベルリン(ドイツ)、およびデジタル広告・マーケティング・制作企業のMediaMonks(オランダ)が参加しました。同図書館では、メキシコ、ロシア、ベトナム、サウジアラビア、およびエジプトの各国にそれぞれ1つのウィングが丸ごと割り当てられており、発禁・閲覧禁止となった報道記事が収蔵されているとのこと。
図書館にアクセスする方法は、下記公式Webサイトから
www.uncensoredlibrary.com
MinecraftはニュースやWebサイト、個人のブログとは異なり、政府に関する報道内容を厳密に管理している国でもアクセス可能であるため、国境なき記者団は、この抜け穴を利用してインターネットの検閲を回避しているのです。国境なき記者団ドイツのマネジングディレクター、クリスチャン・ミール氏は声明にて、「若者は、自分の意見を述べることができずに成長する。世界で最も人気のあるコンピューターゲームであるMinecraftを媒体として使用することで、彼らに独立した情報へのアクセスを提供していく。」と話しています。
勿論、こうしたところに書いてあるから「正しい」ではなくて、X(旧ツイッター)等と同じように、それを安易に拡散するのではなく、自分の中で消化し、或いはきっかけとして更に調べてみて信じられる道へと進んでください。まずは触れられる機会が多くなることに感謝したいと思います。
2025年2月27日 放送に放送されたカンブリア宮殿「デジタルで外食に革命を!驚き サラダチェーンの全貌」の回、ご覧になられましたか?
今、都心のオフィスビルなどに次々にオープンしているらしいサラダ店のクリスプ・サラダワークス。何を隠そう、基本コンビニな私は知らなかったのです…。価格は1500円ほどと少し高めらしく、健康志向のユーザーから熱狂的に支持され、売り上げを急拡大、都心を中心に約30店舗を展開されているとのこと。これだけ出費が加算している時に受け入れられているのだから大したものです。社長の宮野さんは「経営者の勘」に頼っている外食ビジネスに疑問を持ち、最新の技術を使った外食チェーンを生み出せないかと模索し、モバイルオーダーシステムを独自開発するなどしてクリスプ・サラダワークスを作り上げました。今回の番組では、外食業界に革命をおこす最先端のハイテク経営を追っていました。
定番のクラシックチキンシーザーに、豊富な野菜と大切りの肉が食べ応えのあるビーフステーキボウル、たんぱく質が豊富なプロテインメニューまで、一度は食べてみたいメニューが季節ごとに登場。その最大の特徴は、客のほとんどがスマホからの注文でキャッシュレス比率は98%と、最新技術を駆使したシステムでスピードと便利さを追求している点だとか。これにより個々の客を識別し様々なデータを取得、それに基づきメニュー開発から働くスタッフの評価まで行い、曖昧な経験値で運営していた外食現場のDX化を成功させたのです。
クリスプを展開する社長の宮野さんは15歳で渡米し、天津甘栗の露店をヒットさせるなどしていたが、2001年9月11日に起きた同時多発テロをきっかけに帰国。その後、緑茶カフェやタコス専門店などを運営する中、外食ビジネスに疑問を持ち、最新の技術を使った店を生み出せないか模索してきました。そしてモバイルオーダーシステムを独自開発するなどしてクリスプ・サラダワークスを作り上げたのです。宮野さん曰く「ユニクロやニトリは、規模が大きくなることで価格や便利さなど消費者のメリットも大きくなるが、外食業界は“規模が大きくなると美味しくなくなる”というイメージがあるなど、まだまだ進化させる余地がある」と、未来を見据えて改革を行っているのです。
スマホから注文できることで、いくら人気があっても行列に並んだり、待ち時間が信じられないくらい発生したりなど、ありがちな人気店の悩みもありません。忙しいビジネスマンには、そうした面もより良いのでしようね。
いつもの村上龍の編集後記では、こんなことが書かれていました。
業界的にはデジタル化は進んでいない。宮野さんはそう言う。データやファクトでビジネスをするというより、勘と経験に頼って経営しているケースが多いと。クリスプ・サラダワークスは違う。データを分析したマトリックスがあり、一人の客がどんな傾向でサラダに向かっているかがわかる。マトリックスを見ると、一人ではなく全ての客のデータがある。客だけではなく、働いている人の情報もある。そこにはあらゆるデータとファクトが詰まっていて、財務状況まで公開されている。こういう企業はなかった。サラダだけにはとどまらないだろう。
村上さんが最後にあげた一言は「マトリックス」でした。そして、社長の金言は・・・
「データの力で勘に頼らない外食に」
『バーテンダー 神のグラス』というアニメをご覧になった方は居られますか?
『バーテンダー』(Bartender)は、原作:城アラキ、漫画:長友健篩による日本の漫画作品。2004年から2011年まで『スーパージャンプ』(集英社)にて連載され、同誌の休刊後に『グランドジャンプ』(同社)に移籍し、2011年1号から3号まで連載されました。『グランドジャンプ』での連載は3回で終了し、翌号(2012年4号)からは作画が加治佐修に、主人公なども変更され『バーテンダー à Paris』、『バーテンダー à Tokyo』、『バーテンダー6stp』が連載されます。完結編である『バーテンダー6stp』には本作の登場人物が数人登場し、「その後」が描かれているそうです。2024年の春、テレビアニメ化され、私も知ることとなりました。そんな物語は公式サイトで、こんな風に語られています・・・。
主役となるバーテンダー・佐々倉溜(ささくら りゅう)は六本木で修行後に単身フランスへ渡り、ヨーロッパのカクテルコンテストにて優勝。それ以降、彼が作るカクテルは「神のグラス」と呼ばれるようになります。パリの一流ホテルにてチーフバーテンダーを務めていた溜でしたが、理由は不明ながら日本に帰国し、プライベート・バー“イーデンホール”で働き始めます。バーにやってくるお客さんの様々な悩みや問題に対して、特別な一杯を提供する溜。一方、東京に開業したホテル・カーディナルでは、オーナーの来島泰三がカウンターバーに立つバーテンダーの人選に拘り、相応しいバーテンダーが見つからずカウンターバーをオープン出来ずにいました。泰三の孫・美和を含む営業企画部のメンバーはバーテンダー探しに奔走します。佐々倉に出会い、彼こそが相応しいとスカウトしますが、はぐらかされてばかり・・・。はたして、カーディナルのカウンターバーはオープンできるのか、溜の決断とは・・・。
見ていて感じたのは、人生の名言集の様な大人のアニメだということ・・・。独特な空間で語られる話が心地よく入ってきたのを覚えています。そんな物語の名言をいくつかご紹介すると・・・
★ 若いバーテンダーさんにはぜひ憶えておいて欲しいことがあります 思い出はね 自分が生きた証なんです 失敗も成功も今となってはすべてが甘美に思える 世の中にはそんな味がするお酒もあるんです
★ 縦横・点・ハネ・止め・払い 『永』の字には習字のすべての要素が入っとるんじゃ 同じようにジンフィズにはシェイクの技から酒と果汁の比率炭酸の扱いまで バーテンダーとしての基本技術がすべて入っとる
★ 体が疲れているうちは半人前です 本当に疲れなければいけないのは頭と心です
★ 人は習慣に体を委ねることで時に心の辛さを乗り越えることができます
★誰かの存在は必ず誰かを必要とし影響しあい支え合う
★ どんな酒であれ バーテンダーは酒という命の水を受け止めお客様という命に渡してゆく 命への祈りを命へとつなぐこと それがバーテンダーの本当の仕事だと私は思います
★ なぜバーテンダーの修業がボトルを磨くことから始まるか…埃を払い店の品揃えを覚えることはもちろんですが 一本一本のボトルに込められた作り手の歴史と文化をきちんと学ぶことで酒への愛情が生まれるからです
★ 常連でも初めてのお客様でも 常にそれが最初で最後の一杯だと思って作ることです
★ 医者は体をバーテンダーは客の魂を預かってるんだ だから絶対に裏切っちゃいけない
★ 覚えておけよ 溜 酒にはいつだってふたつの顔がある 毒と薬 その中から薬の顔だけ引き出してやるのがバーテンダーの仕事なんだ
★ いくら酒で命を救われてもバーテンダーのことなんかすっかり忘れちまう だがそこで飲んだ一杯は忘れない……それでいいんじゃないのか
★ 自信がなくなる迷う…それって成長した証拠なんだぜ。迷わないのは努力を忘れた奴だけだ。だからどんな天才も迷う。そして迷うことでしか壁は破れない
★ サービスには偶数のサービスと奇数のサービスがあってね。2人・4人の客ならバーテンダーは放っておくのがサービス。でも1人・3人の客には一言だけでも声を掛けるのがサービスー忘れないことだ。客の小さな孤独に気付けるかどうか。それがバーテンダーにとって一番必要な才能なんだよ
★ 人生に起こることはそれがどんなに辛く悲しい不運なことでも必ず意味がある。そう思うこと。そして神様は乗り越えられない試練を人に与えはしない。絶対に乗り越えられる。そう信じること
★ 思い出はね、自分が生きた証なんです。失敗も成功も今となってはすべて甘美に思える
★ 人は努力さえすれば必ず成長する。なぜそれが信じられないのか。もっと楽なもの、運や偶然、己の小さな才能に頼ろうとするからだ。それが人の目を蔽い隠す
★ 天才とは持って生まれた才能ではない。迷いなく努力出来る能力じゃ
★ 人はなぜ怒るか。自信のなさ、余裕のなさが心に迷いを呼ぶ。その迷いを隠そうとするから怒る
★ 必要なのは再出発。忘れるのではなく明日を信じて新しい一歩を踏み出すこと。5年かかるかもしれません。10年以上かかるかもしれません。でも大切なのは自分のペースで歩き出すこと
★ バー以外でもサービス業のスタッフが絶対にやってはいけないことがあります。"他のお客様のことを話題にすること"。そんなことをすれば自分のことも他のお客様に話すんじゃないかと信用を失いますから。
★ 聞かれたことがあります。お前はなぜバーテンダーをやっているのかと。その時答えました。孤独に傷付き行き場のない魂を救う最後の一杯。それを『神のグラス』という―私はいつかそんな一杯を作りたいと思っています。
40歳を過ぎたころ、ガスライトというカウンターバーに通った頃がありました。ゆっくりとバーテンダーと話をし、飲むカクテルはお任せにすることも・・・。今となっては遠い昔の良い思い出です。興味を持たれた方は、このアニメお勧めです。
アニメ『バーテンダー 神のグラス』公式サイト
https://bartender-anime.com/
私の好きな番組、 カンブリア宮殿で2024年11月7日に放送された【老舗豆腐メーカー 世界への挑戦】の回、ご覧になられましたか?
ヘルシー生活を意識している人なら、きっと一度は手にしたことがあるのではないかと思われるコンビニやスーパーで売られているスティック状の硬い豆腐「豆腐バー」。片手で気軽に食べられるだけでなく「高タンパク・低カロリー」の"健康メシ"として働く人を中心に幅広い世代に人気のご様子。2020年11月の販売開始以降、4年足らずで累計7500万本売れているとのこと。思えば、そんなに昔の話しでもないのですね。そんな人気商品を開発したのは去年アサヒコの社長になった池田未央さん。実は池田さん、以前はのど飴や東京土産でヒット商品を生み出してきたヒットメーカー。常識を打ち破る商品はいかにして生まれたか・・・番組ではそんなヒットの法則に迫っていました。
1995年に菓子メーカー・三星食品に入社した池田さんは、のど飴「キシリクリスタル」でヒットをとばします。転職した寿スピリッツでは東京駅土産ナンバー1に輝いた「メープルマニア」を開発。そして4度目の転職となったアサヒコで「豆腐バー」をヒットさせたのです。開発のきっかけはアメリカのスーパーで見た「硬い豆腐」。当時日本では手軽にたんぱく質を摂取できる「サラダチキン」が売れていたため、池田さんも豆腐で同じような商品が展開できると考えたのです。会社の理解が得られない中、池田はいかにして豆腐バーの商品化にこぎつけたのか・・・。セブンの「面白いね」発言や社外の反応を受けるうちに味方も増えていく・・・。
いま池田さんが推進しているのは、あらゆる商品を豆腐に置き換える「ぜんぶとうふ化作戦」。焼肉、ガパオ、生姜焼きや、プリンなど大豆を使った幅広い商品をスーパーで展開。新たな市場を開拓しているのです。また開発を進めているのは「飲める豆腐」。パウチ型でどこでも手軽に「高タンパク・低カロリー」を摂取でき日常生活だけでなく、災害食や宇宙食にも代用できるという優れもの。テレビではサツマイモのスイーツ豆腐バーが絶賛されていましたが、私もすぐさまスーパーに行ったところ見つけることができず、仕方なく豆腐スイーツバー「ガトーショコラ」を買ってきました。いつ食べるんだか・・・
豆腐の固定概念を捨てて 既成概念を超える。今でこそ普通に受け入れられていますが、それに気づけることが素晴らしいですよね。味方を増やすために池田さんは海図を書く…(企画書)で向かう方向をみんなに見せるように心がけているのだとか。進む道を示せば皆が付いてくるというのです。賛同者を増やす技術にも長けているのかもしれませんね。
社長の金言
常識を疑う 先入観を持たない 進む道を示せば仲間はついてくる
いつもの「村上龍の編集後記」ではこんな事が語られていました。
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入社3ヶ月目に米国へ出張。豆腐が硬さごとに売られていて、調理法を変えていた。帰国してすぐに「硬めの豆腐」を、社内では「意味不明」。硬くするという発想に対しては「豆腐を冒瀆する」池田さんは、豆腐は素人。だが熱意は本物。協力者が現れる。しかも次々に現れる。にがりの量や豆乳に入れるタイミング、かき混ぜ方も変え実験に明け暮れた。セブンイレブンが興味を示し、20年に「豆腐バー」を発売。7500万本を売った。控え室に女性スタッフが数人いた。夢を共有する仲間だ。夢は、「宇宙」だ。
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あのガトーショコラ味の豆腐バー・・・どんなタイミングで食べればよいのでしょうか・・・
ネジロウの社長、社会の課題を克服していく道脇裕さんが今回の主役。"異次元の発想力"を持つ道脇さんの全貌が中心となっていました。
これまで打開策が見つからなかった課題を、独自の発明で続々と解決することで"天才発明家"と呼ばれるネジロウの社長、道脇裕さん。橋や建築物、飛行機など...あらゆる場所で使われる「ネジ」が抱える「どうしても、緩んでしまう」という難題を、いとも簡単に解決し、世界を驚かせた人物。番組では2021年に道脇を取材し、企業のお困りごとを常識破りの発想で解決する姿を目の当たりにしていました。そんな道脇さんが...コロナ禍にもまた、新たな課題解決を実現していました。道脇さんは『新型コロナウイルスを"99.999%"不活化させる』という、前代未聞の装置を完成させたのです。ウイルスの脅威、人口減少、インフラの老朽化など...ニッポンが抱える社会課題に立ち向かう道脇さんが目指すものとは、一体、何なのか?世の中の"不可能を可能に変える"、天才発明家・道脇さんの挑戦に番組は再び密着していました。
道脇のエネルギー源は、ペットボトルの“レモンティー”。常に持ち歩き、1日に10本以上飲んでいるといいます。そんな生活の中でも、道脇の頭の中では、続々と発明が生まれ続けていました。そして、その発明の種を具現化するための新プロジェクトも動き出していました。それが世界最大級の規模を誇る鉄鋼総合商社「メタルワン」とタッグを組んで立ち上げた、「ネジモ」という新たな会社。道脇はこの会社で、約10万社とも言われる取引先が抱える「課題」を技術コンサルトという立場で解決していくというのです。労働人口の減少や社会インフラの維持など、ニッポンが抱える難題に挑む道脇さんの仕事ぶりは迫力あるものでした。
いまでこそ「天才発明家」と呼ばれる道脇さんですが、ここに至るまでの道のりは、決して平たんなものではありませんでした。最初に味わった苦難は小学生の時。道脇さんは、入学して1週間で教科書を読破し、理解していたといいますが、教科書の内容をなぞるだけの授業に満足できず、いつしか「授業は拷問のような時間だ」と感じて、小学校5年で自主休学を選択してしまったのだ。その後は、中学も、高校も、ろくに通わず、とにかく自分の好きなことだけをやる人生を歩んできたそうです。そんな人生を歩んできた道脇さんは、どういう経緯で「ゆるまないネジ」を生み出したのか?そして、画期的な発明をしたにも関わらず、なぜ、世間から見向きもされなかったのか?実績主義が根強く残るニッポンの産業界。その壁を乗り越えて、新たな戦いに挑む道脇さんの新戦略を番組では追っていました。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな事が語られていました。
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道脇氏に聞いた。「小さいとき友だちはいたか」彼は、友だち?と、不思議な表情をした。意味がわからないのではと思った。就学前くらいまで耳がよく聞こえなかった。そのため文字が苦手だった。聴力は徐々に戻ったが、小学校の低学年ではひたすら機械を分解した。Dr.AiRは、深紫外線を増幅させ、超高濃度紫外線空間を作り出すことにより、吸い込んだ空気を装置内に0.05秒以上かけて通過させることで測定限界値以上のウイルス除去を実現、といっても、わけがわからない。天才は、日本酒が好きらしい。天才が教えてくれた日本酒はすごくおいしかった。
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今回の道脇社長の金言
『ほとんどの問題は解決可能』
カンブリア宮殿 素材に拘り、地域発展に寄与する飯尾醸造さんの回、ご覧になられましたか
お酢業界で、異彩を放っている老舗のお酢メーカー、飯尾醸造さん。ミシュランにも選ばれる一流寿司店など、プロが絶賛するお酢だそうですが、そのプロの味が再現できる「手巻き寿司酢」など、家庭向けのお酢も開発し、熱烈なファンを獲得しています。自社で米から作り日本酒まで製造、自前でつくったお酒に酢酸菌を入れ、じっくり発酵させる伝統製法を100年以上守りぬいてきました。飯尾が貫いてきた、大手メーカーとは一線を画す、"弱者"ならではの生き残り戦略がそこにはありました。
今お酢が密かなブームに!一流料理人が絶賛する幻の米酢・・・コロナ禍以降、健康志向の高まりや自宅で調理する人たちが増えたこともあって、“ビネガードリンク”や黒酢や米酢といったこだわりのお酢が売り上げを伸ばしているそうです。そんなお酢業界で、異彩を放っている老舗のお酢メーカーが、飯尾醸造。ミシュランにも選ばれる一流寿司店が「飯尾のお酢でなければいいシャリが作れない」と大絶賛。米100%の米酢以外にも、手軽にピクルスが作れる「ピクル酢」や家庭でもプロの味が再現できる「手巻き寿司酢」といった独自の用途別製品を開発し、熱烈なファンを獲得しています。そんな飯尾醸造の拠点は、日本三景の一つ、天橋立で知られる、京都、宮津市。自社で米から作り日本酒まで製造、自前でつくったお酒に酢酸菌を入れ、じっくり発酵させるというやり方で、お酢になるまでなんと2年以上かけるのだそうで、今では全国でもほとんど見かけなくなった伝統製法を100年以上守りぬいてきたとのこと。
米酢の弱点 匂いを克服せよ・・・100年以上続く飯尾醸造は、戦後いち早く、農薬を使わない米作りから始め、料理をおいしく一変させる最高品種の米酢としての評価を得て生き残ってきました。しかし、長年、課題となっていたのが、その匂い。大量生産される一般のお酢よりも発酵させる期間が長いこともあり、その独特の香りを毛嫌いするお客さんがいたのだそうです。においの元は、ダイアセチルという物質。飯尾は研究のため、大学院にまで行きましたが、解決の道が見つけられずにいました。しかし、あるきっかけで米酢の匂いを解決してみせたのです。キーワードは「全体最適」。目から鱗の策がそこにはありました。
弱者の戦略として飯尾醸造さんが挙げたのがこの3つ
・徹底的に【本物】にこだわる
・大手が作らない商品
・応援団をつくる
特に3番目は面白くて、5代目社長が「大きな会社だとマーケットリサーチなどをするが、うちは小さいからこそ1人のお客さんに猛烈に愛されると、結果的に口コミで広まったりします」と・・・
村上龍の編集後記では、こんなことが言われていました。
高度経済成長期の昭和30年代、毒性の強い農薬がどんどん撒かれるようになり、フナやドジョウなどの生きものがいつの間にか姿を消していく。「こんな米から酢を造ったらあかん」3代目当主は、無農薬の米から酢を造ろうと決めた。「農薬を使わんとお米を作ってくれまへんか」無農薬米を作ってもらえるまでに2年が必要だった。おいしい酢はおいしい米からできる。丹後の棚田で獲れる最高の米。農薬不使用栽培の米と湧き出た伏流水だけが原料。4億円の売上高だが、増やしようがない。贅沢極まる4億円だと思う。
【贅沢な4億円】
こだわりのお酢、買ってみたくなりました。
今更のご紹介で申し訳ありませんが、NHKのBSで放送されてきた【舟を編む 〜私、辞書つくります〜】という連続ドラマにハマってきました。明日21日が最終回となってしまいますが、今は色んなネット番組でも簡単に再放送が見られるので、是非見て欲しいドラマです。「一冊の辞書に情熱と心血を注ぐ、作り手たちの奮闘物語。」そう補足されていますが
『舟を編む』(ふねをあむ)は、三浦しをんさんによる小説で、2012年、本屋大賞を受賞し、2013年、石井裕也監督、松田龍平主演で映画化され、2016年にはテレビアニメが放送されました。更に明日が最終回となりますが2024年2月より、池田エライザさん主演でテレビドラマ化されNHKで放送されたものを今回ご紹介という訳です。
私が初めて、この物語と出会ったのは松田龍平さんと宮﨑あおいさんが主演を務めた映画でした。映画は、2012年夏に撮影され、2013年4月に公開。監督は石井裕也さんで、映画版では、物語の開始時点で1995年という年代設定がされています。
2013年9月に日本映画製作者連盟により第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品となり、日本の映画賞では第37回日本アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめ6部門の最優秀賞、第68回毎日映画コンクール日本映画大賞、第38回報知映画賞作品賞、第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞などを受賞。このほか監督の石井裕也・主演の松田龍平をはじめとするスタッフ・キャストも多くの個人賞を得ています。
そう、それだけでも凄いことなのですが、今回連続ドラマとして放送された作品は、こう言っても大げさではないと思いますが、映画より更に細かい拘りのシーンがプラスされ、映画を観ている私でも、最高に面白いものに仕上がっています。本当に「言葉」を楽しめる秀作となっています。
ドラマは原作と違って主人公が馬締(まじめ)ではなく、新入り社員・岸辺みどりの視点で描かれる全く新しい『舟を編む』全10話となっています。では、ちょこっと触れると・・・【あらすじ】
大人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどり。雑誌の廃刊が決まり、突如異動になった先は辞書編集部!そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締光也を筆頭に、くせ者ぞろい。みどりは、彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいきます。物語は、そんな辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語なのです。
誰もが一度は手にしたことのあるぶ厚い本、辞書。一見淡々と言葉が敷き詰められたように見える辞書の裏には、「作り手」の想像を絶する情熱と心血が注がれています。「ヤバい」に無数の意味を持たせ、込み入った会話は簡略化。空気を読み、雰囲気で済ませてしまいがちな昨今。そんな時代だからこそ、言葉にこだわる辞書作りの魅力を通し、”言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある”という未来への希望を伝えたい。
言葉の深い意味、思わぬ言葉の本質の意味、辞書の役割や意外な価値、その時の解釈を残すことの意味。言葉は変わる それを追いかける 言葉の面白さ大切さ 辞書が作られていく中で、様々に存在する拘りは、言葉の選択から意味、辞書に使われる紙へのこだわり迄、凄すぎて感心するばかりでした。
言葉の面白さと言えば、竹野内豊さんのNHKドラマ初主演作で、朗読教室を舞台に描く2017年の「この声をきみに」も面白いものがありましたが、日本語はなんと豊かなことが、光源氏のひらがなも、本当に豊かな国に生まれた幸せだなぁと思ってしまいます。「ひらがな」も良いですよねぇ・・・。
【舟を編む】最終回は明日2024年4月21日の放送ですが、是非1回から通してご覧頂きたい素晴らしいドラマとなっているので・・・是非是非ゴールデンウィークにでも再放映サイトでご覧頂ければ幸いです。
毎回一冊の雑誌にスポットを当て、その物書きの世界、文化を深堀りしていくBSタイプライターズという番組を御存知ですか? 毎回どんな本がチョイスされるのか楽しみな同番組では、人気の専門誌・雑誌に着目し、その雑誌を通して専門分野の世界を覗き見しながら体験&トークを展開していくのです。
雑誌編集のプロである編集長、ライターなど雑誌世界に精通する関係者の方々をゲストにお迎えし、現場にいるプロならではのエピソード・裏話などを伺いながらその独自の世界観に迫ります。視聴者の知的好奇心を刺激する、役立つ情報を発信するトークバラエティーなのです!
そんな番組が2024年2月3日に取り上げたのが、日本のヒット商品を紹介する流行情報誌【日経トレンディ】。30年以上に渡って発行されているビジネス情報誌にスポットが当てられていました。
「個人生活を刺激する流行情報誌」をキャッチフレーズに、現在トレンドになっている商品、サービス、ビジネスに関する記事を中心に掲載。毎年、年末号に掲載される「ヒット商品ベスト30」は、その年の世相を反映したランキングとして注目を集めている。毎年、年末のこの特集を楽しみにしており、ブログでも紹介させて頂いたりしております。
ゲストは澤原昇編集長。日経トレンディの成り立ちから、今後注目のヒット商品まで常にトレンドを追いかけてきた日経トレンディならではの話を聞かせて頂きました。皆さん切れ者の顔をなさっており、こうした人たちが記事を起こしているのかと思いました。
全く専門外の魚の特集などでは、1ヶ月で専門家レベルになるほどの情報収集を行うなど、その背景にマルチなプロフェッショナルの集団が垣間見えてなかなか面白い回となりました。過去の発刊からは、その時代の特徴なども浮かび上がって来て、それはそれで面白く見る事が出来ました。
番組を見終えて、過去の本をお取り寄せしたくなりました。何かは秘密です・・・。