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子どもの声が犯罪(グリコ・森永事件)に使われた映画『罪の声』

2022-2-26 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

 『罪の声』は、塩田武士さんの2016年発表サスペンス小説(講談社刊)。グリコ・森永事件をモチーフとしており、2016年度週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、第7回山田風太郎賞を受賞しています。2020年に土井裕泰監督、小栗旬さんや星野源さんのダブル主演で映画化され数多くの賞を獲得し、話題になりましたよね。映画公式サイトは、こちら。

 

https://tsuminokoe.jp/index.html

 

執筆の経緯もお伝えしておくべきと思いますので、書かせて頂きますが、塩田さんは大学時代にグリコ・森永事件の関係書籍を読み、脅迫電話に子どもの声が使われた事実を知り、自らと同年代でもあるその子どもの人生に関心を抱いたそうです。将来的にはこれを題材とした小説を執筆したいと考えていましたが、塩田さんは新聞社に就職、記者となりました。

 

その後、塩田は2010年に小説家としてデビューし、担当編集者に相談をもちかけたものの、筆力の低さを理由に断られてしまったため、さらに5年を待って執筆を開始。執筆に際して、1984年から1985年にかけての新聞にはすべて目を通しているそうです。作中の犯人はフィクションですが(実際のグリコ・森永事件でも、犯人検挙には至らず未解決事件となっています)、各事件の発生日時、犯人による脅迫状・挑戦状、事件報道は「極力史実通りに再現しました」としています。気になる「あらすじ」はこんな感じ・・・

 

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京都市内で紳士服のテーラーを営む曽根俊也(星野源)は2015年夏のある日、父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには大量の英文のほか、「ギンガ」と「萬堂」の文字が書かれていた。さらにテープを再生すると、何かを語る子供の声が聞こえてきた。

 

それは31年前、大手製菓メーカーのギンガと萬堂をはじめ食品会社数社が脅迫・恐喝され、既に時効となったものの、現在も未解決のままの“ギンガ萬堂事件”(ギン萬事件)の脅迫犯の音声と全く同じものだった。これが幼い頃の自分の声だと確信した俊也は、父の代から親交のある堀田信二に事情を打ち明ける。堀田はノートを預かり、数日後に俊也を誘って、30年にわたって消息不明の俊也の伯父を知る人物と面会し、伯父の来歴や消息などについて話を聞いた。その人物はギン萬事件と伯父の関わりをうかがわせるようなことを口にした。

 

一方、ちょうど同じころ、大日新聞大阪本社で文化部記者を務める阿久津英士(小栗旬)は、年末掲載予定のギンガ萬堂事件の企画記事に応援要員として駆り出された。イギリスに出張を命じられ、1983年のハイネケン社長誘拐事件について元誘拐交渉人に取材したり、当時イギリスでハイネケン事件を調べていたという中国人を探したものの、空振りに終わる。帰国した阿久津は、事件前にギンガの株価を扱った証券雑誌の記事を見て、仕手筋のやり口を証券関係者から聞いたりするが、事件に直接結びつく話には至らなかった。

 

堀田と俊也は、得た情報をもとに犯人グループが会合を開いたという料理屋に話を聞きに行く。伯父がいたという証言は得られなかったが、板長は堀田が特徴を伝えた別の男はいたと答える。堀田はそのあとで、生島というその男が元滋賀県警察の人物で、伯父とも交友があったと俊也に打ち明けた。

 

成果の出ない阿久津は、「くら魔天狗」と名乗っていた犯人グループの無線交信を傍受録音した人物が愛知県にいたという事件当時の取材記録から、再度その情報を洗うことにした。空振りかと思われた取材は、意外な形で成果をもたらした。そこから浮かび上がった人物が常連だったという料理屋に阿久津が取材に入ろうとするころ、堀田と俊也は生島の家族の消息を知る人物を追っていた。やがて、俊也と阿久津はお互いの存在を知る・・・

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なかなか良く出来た構成で、最後まで夢中になって物語の中に入り込んでいけました。まだご覧になられていない方は、是非、ご覧頂ければと思います。一番思って欲しいのは、何も分からない子供を大人が利用したこと…。その重さに心を及ばせて頂けたならと思います。

 

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