2月26日放送の世界!ニッポン行きたい人応援団『醤油に魅せられたピュアなアメリカ人男性』の回、ご覧になられましたか?私の大好きな番組ですが、今回もとっても凝り性な外国人が登場していました。
今回招待されたのはアメリカ・ミネソタ州で暮らすエリックさん(36歳)。エリックさんは「どんな食材も美味しく変身させる」と日本の醤油に夢中で、3年ほど前からインターネットや本で独学して麹菌を使って仕込むところから、本格的な自家製の醤油づくりに挑戦していました。
麹を作る室(ムロ)まで手づくりする本格派で、本業が木工職人ということで、醤油づくりに必要な桶も、桶を作る為の工具まで手づくりで頑張っていました。そんな彼の目的は「日本で伝統的な醤油づくりと木桶づくりを学びたい!」ということでした。
まず向かったのは、石川県七尾市にある大正末期創業の老舗『鳥居醤油店」。ここは全国でも数少ない手づくりにこだわった名店で、寒い冬に行う寒仕込みから、全国でもごく僅かな鉄の和釜を使って、大豆を蒸し煮していきます。
和釜は薪を使った遠赤外線効果で大豆をふっくらと丁寧に茹でることができるとか。水気を切った大豆と小麦を混ぜたあとに麹菌を丁寧に手で混ぜ合わせ、木箱に入れて室へ。初めて本物の室を見たエリックさんは大喜びでした。
何日かおいて、できあがった麹を室から出すと、諸味蔵(もろみぐら)へ。塩水が入った木桶に麹を加えたこの状態を諸味といい、これを2夏発酵熟成させることで醤油らしい色や味わい、香りが生まれるらしいのです。
諸味を麻袋に入れ、槽(ふね)という醤油しぼり器でしぼると加熱前の生揚げ醤油ができます。蔵でしか味わえない生揚げ醤油、美味しそうでした。実は、私も醤油が大好きで、普通、ソースをかけるフライにまで醤油をかけて食べる派…。味見したかったなぁ…。
この回は2時間スペシャルで、後半は小豆島で創業は約150年という、こちらも老舗の「ヤマロク醤油」を訪問します。ここには伝統的な大きな木桶をつくる職人が居り、更には珍しい4年かけて作られている再仕込醤油も。
そんな「ヤマロク醤油」では、2013年以来、年に一度、大きな仕込み桶を製作しています。木桶仕込み醤油は全国生産量の1%未満。桶の需要が少ないため現在桶屋さんは1社のみで、2020年には大桶の製造終了を決めています。日本の木桶文化の絶滅の危機。その危機に立ち上がったヤマロクの人たちは、木桶の技術を未来に継承するため木桶づくりを始めたというのです。
小さな木桶づくりを体験し、工具とその桶を貰い、大きな木桶づくりを体験し、お別れの時には担ぐほどの大きさの木桶とお店の羽織を貰っていました・・・。
書きたい事は沢山ありましたが、こうして頂いた大きな荷物も、きっと番組が負担してエリックさんの自宅に送ってくれるんですよね…と、ちょっと、頭に浮かんでしまったり…。たまには番外編で、貰ったものをどのように持ち帰ったのかも見てみたい気がした今回でした。2時間もあっという間でしたねぇ。