先月3月26日放送の未来アイズ『株式会社 武田金型製作所 / 株式会社MGNET』の回、
ご覧になられましたか?ユーチューブで話題になった武田金型製作所の動画がこちら
日本で一番社長が多い街といわれる新潟県 燕三条地域。三条市と燕市からなる燕三条は、
古くから金属加工が盛んな地域ですが、今、危機に面していますす。ご存知の通り、
中国など新興国の成長によって輸出が減少したうえ、安価な外国製品が増加し、ものづくり
産業は年々縮小しています。また、後継者不足の問題もあって、伝統ある地域産業を、
いかにして後世に残していくかというのは大きな課題でもあるのです。
金型ひとすじ39年、車のパーツから精密機器の部品まであらゆる金型を手がけてきた、
プレス金型のスペシャリスト 株式会社 武田金型製作所 代表取締役 武田修一さん。ワイ
ヤー放電加工機を使って、暑さ0.1mmの千円札を33等分にする技術というのは、本当に
信じられない世界です。
また、燕三条の金属加工技術を広める活動や金型でつくったオリジナルの名刺入れの
販売を行う、株式会社MGNET代表取締役 武田修美さん。武田金型製作所の高い技術を
世に広める為の会社と言っても良いでしょう。
父の修一さんは誠心誠意、その高い技術で金型をつくり、息子の修美さんは、真心を込めた
製品で金型をアピールし、親子、二人三脚で金型工場を支えているのです。そう言えば、
技術を全て盛り込んだという名刺入れは、私が先日行ったT-SITEでも売られていました。
職人さんたちの伝統技術を、時代の流れに合わせ、現代の暮らしを豊かにするため、日々
更新を続け、金属加工技術をもって挑戦する武田さんたちですが、何より親子で1つの
伝統産業を守っていけるというのは素敵な話でした。
親の意志を継ぐというのは、必ずしも技術そのものである必要はなく、こうして技術を
アピールする事で、その技術を学びたいと思う人が出てくれば、救われるのではないかと
そんな事を考えさせられました。
番組の中では父親が息子に厳しい評価をしている場面もありましたが、そんな姿さえ嬉し
そうに見えるのは、親子の絆が感じられるからなのでしょうね。
3月30日放送のカンブリア宮殿『心に寄り添って営業中!小さな"感動食堂"SP』ご覧に
なられましたか?取り上げられた2つの食堂は、『未来食堂』と『こども食堂』、いずれも
女性ならではの細かい配慮がなされた素敵な食堂でした。
「未来食堂」は、以前、確か『ガイアの夜明け』にも登場したお店で、客が店を手伝う「まか
ない」、それによって手に入れられる代金無料の「ただめし」や、客の食べたいものリクエ
ストを受けて作られるメニュー「あつらえ」など、客と店が"つながる"不思議なシステムば
かりで、見事に成立していました。
徹底した"効率的な経営"で、メニューは1品だけなので、客が座ると直ぐに定食が出て食べ
られ、ランチタイムに驚異の7回転と黒字経営を続けています。"客と一体化した店づくりで、
食堂の新たな可能性を模索するだけでなく、『誰もが受け入れられて、誰もがふさわしい
場所』そんな新しい形の場所が広がって行くことを望んでおられました。
一方、「こども食堂」は経済的困窮や孤食に陥る子どもたちに向けて、100円という低料金で
温かい食事を提供する取り組み。日本の子どもの6人に1人が貧困のもとで暮らしているという
日本の現状。家族の収入が少なくてご飯を食べられなかったり、進学を断念したりしていおり、
その割合は年々増え、大人になっても抜け出せない「貧困の連鎖」を起こしています。
そんな国が解決しなければならない事を、『こども食堂』は、地域のボランティアが中心と
なって、全国で300カ所以上までの広がりを見せ貢献しているのです。発祥地は東京・大田
区の八百屋さん。その店主であり「子ども食堂」の名付け親でもある女性代表は、7年前、
小学校に「給食以外をバナナ一本で過ごす児童がいる」ことを知り、『こども食堂』を
立ち上げたそうです。
『こども食堂がいらない社会を』そんな風に話す女性代表は、『貧困でなくても食べに来て
良い』と話し、『もし限定したら、本当に必要としている子どもまで来られなくなってし
まう』と。また『行政は枠を作ってしまうので、その為に本当に必要な子どもが来られなく
なってしまう』とも話しておられ、実に思いの深い優しい方でした。
村上龍さんの編集後記では、こんな事が書かれていました。
『『普通」が消えつつあるように思う。「普通の高校生」の偏差値はどのくらいで、「普通
のサラリーマン」の年収はいくらなのだろう。多くの人が、自分は特殊で、普通ではない
と悩んでいる気がする。生きづらい社会、暖かな食事と、「普通」を提供する食堂が生まれ
ている。「こども食堂」「未来食堂」は、誰もが普通でいられる「場」を作った…』と…。
日本の子どもの貧困率は16.3%(2014年発表)で、過去最高を更新しています。ひとり親など
大人1人の世帯に限ると、54.6%で、先進国で最悪の水準(30ヶ国中、下から4番目)だそう
です。豊かな日本と一括りで語れない現状を、豊かな人たちはどのように思うのでしょうか…。
想いの深い優しさにあふれた人たちを応援したいですね・・・。
『大切な自然と命を届けたい』
大地の恵みと・・・
天空の恵みと・・・
生物の恵みと・・・
自然は、私たちに命と術を与えてくれる・・・
でも・・・時として・・・それは・・・
大切な物や・・・
大切な家族や・・・
大切な思い出までも・・・
粉々に破壊し、奪い去ってしまう・・・
仕方がない・・・
自然の驚異・・・
神の思し召し・・・
そんな簡単に割り切れるものではない・・・
でも、私たちにできること・・・
諦めないこと・・・
支え、助け合うこと・・・
勇気と努力で進むこと・・・
きっと、その先には夢や希望が待っているはず・・・
そう・・・歴史が教えてくれたこと・・・私たちは
何度だって、立ち上がってきたじゃないか
何度だって、奇跡を起こしてきたじゃないか
何度だって、涙を力にして、笑顔に変えてきたじゃないか
まだ、産まれたばかりの命の為に・・・
まだ、若い命の為に・・・
力を必要としている弱っている命の為に・・・
自分にできる小さなことから始めよう
私たちが、こうして今あるように・・・
次の人たちにも、夢と希望を届けたい
自分が夢や希望が持てなかったなら、次の人たちにこそ…
たとえ、それがどんなに小さなものであっても
詩集『道しるべ』より
相変わらずの私事ですが、私が住んでいる千葉県柏市にあの蔦屋書店のハイセンスな書店
T-SITE柏の葉店が3月2日オープンしたんですよね。T-SITE店としては、全国で4番目と
なって、代官山、湘南、それに大阪の枚方の次になります。
T-SITEは、ただ、多くの人に利用される商業施設とは異なって、近隣の人に多く利用される
ためにも、宣伝やメディアでの露出を故意に控えているのだそうで、いきなりの登場に
我が家は『何だあれっ⁉︎』の展開で大騒ぎ・・・。
息子が4月から大学近くのアパートで一人暮らしを始めるもので高速を使う為に国道16号を
走っていて気がつき、そりゃ気づいてしまえば…という事で、つい先日、家族で行ってみた
のです。
感想は、本屋の中にスターバックスがあって、店内の本を買わずにコーヒーを飲みながら、
じっくり品定めして購入を検討できるほか、お食事処やアウトドア用品、産地名品売場や
オシャレな文房具屋さんと、色々と大人が楽しめそうな物が沢山。なんと良い感じのお店
だろうと、本来なら思うはずだったのでは…と思うのではありますが、何分にも来店者が
多すぎてスターバックスの席は取れないし、本を落ち着いて見ようにも通路すらごった返し
ていて、正直ヘトヘト。
子供が楽しめるスペースもあるせいで思っていた大人のライフスタイルではなくて、家族で
来れちゃうゴチャゴチャ感満載の感じでした。…なもんで、私なんぞは、すぐに、近くの
柏の葉ららぽーとに移動したくなってしまったのですが、さすがに私以外の家族は気短か
ではないので、もう少し居座りたかったらしく、仕方なく家族が本をあさっているところを
私1人家族分の席を確保するのに狩猟動物化して待機。
席に座ってコーヒー一杯飲むと、「どれくらいで出る?」の催促をしたのでありました。
何せ神田神保町本屋街で働いている私ですから、別に本探しに困ることはないんですよね…。
結局、誰も本を買わずに1時間過ごすと柏の葉ららぽーとへ。
すると、最近、客が目減りした印象のあった柏の葉ららぽーとにも、人が溢れているでは
ありませんか。柏の葉 T-SITEで疲れた人が流れているんでしょうかね?とりあえず、
人混みが好きではないタチなので、もっと混雑が回避出来るようになったら、また行って
みたいとは思いますが、まぁ、まず、それはなかなか難しい要求だなぁと思うのでありま
した。タリーズとかカフェ・ド・クリエとか、もっとカフェがあれば席取りに翻弄されな
くても済むのかもしれませんが・・・残念!
2月19日放送の未来アイズ『京都大学 生存圏研究所』御覧になられましたか?無線エネルギー
伝送という『えっ?エネルギーを伝送?』って?驚きのお話だったんですよ。原発問題が表に
出てくると、にわかに注目を集めはじめた再生可能エネルギー。再生可能エネルギーって、
水力、風力、そして太陽光発電など、資源が枯渇しない発電方式ですが…。その電気を
「電波」で送るなんてことが出来たら…、再生可能エネルギーは、どんな場所でも使うことが
できてしまいます。そんな「電気」を「電波」で送るという研究に打ち込んでいる研究者が
今回の主役でした。
京都大学 生存圏研究所 教授 篠原真殻先生。篠原先生の夢は、『エネルギーで困ることの
ない未来』を築くこと。高度36,000kmの宇宙空間に、巨大なソーラーパネルを設置して
太陽光を集め、宇宙で電気を作るという「宇宙太陽光発電」。天候や昼夜に左右されること
なく宇宙では、太陽光が照りつけるため、高効率でエネルギーを集められます。はるか
宇宙から地球へ電力を送る、そんな凄い研究が進んでいるのかとビックリな話でした。
電線なしで電気が送れたら、災害によって断線する心配がなくなったり、災害でなくても
電気を引けない地域への送電が出来るようになれば、本当に明るい未来になりますようね。
ましてや、それが宇宙からの安定供給ともなれば、環境にも優しく夢の様なシステムです。
残念ながら昨日、アメリカのトランプ大統領が、オバマ前政権が進めてきた地球温暖化対策を
全面的に見直すための大統領令に署名し、世界第2位の温室効果ガスの排出国であるアメリカ
の温暖化対策が大きく後退するというニュースが報道されていましたが、良い取り組みをする
人がいれば、マイナスに引きずり込もうとする人もいたりして、科学の進歩に人間の進歩が
伴わないのは、本当に残念な限りです。本当に何て最悪な大統領なのでしょうか・・・
3月23日放送のカンブリア宮殿『日本の食卓を変える窯元!主婦殺到の"便利土鍋"の秘密』
御覧になられましたか?主婦の間で噂になっている75万台を売った大人気の炊飯土鍋
「かまどさん」という魔法の土鍋。実は、この土鍋15分間中火で加熱し、火を止めて20分
蒸らすだけで、釜戸を使って「はじめ、ちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子が泣いても、蓋
とるな」で炊いたような、ふっくらとした、美味しいご飯が再現できる優れもの。そんな
土鍋を生み出したのが、三重県伊賀市にある180年以上の歴史を持つ伊賀焼の窯元・長谷園。
古くは、千利休が使用する茶器などを手掛けていましたが、その後、清水焼や信楽焼などの
有名焼き物の下請けに甘んじていたらしいのです。
長谷園に大きな転機が訪れたのは、6代目彰三さんの時のこと。彰三さんは、伊賀焼に使う土を
徹底的に研究し、建築用のタイル製造に事業を拡げたのです。7代目は、会社を焼き物の
下請けとタイル事業で存続させていくつもりでしたが、1995年の阪神淡路大震災が起こって
しまいます。この地震の報道で、タイルが崩れる映像が繰り返し放送され「タイルは、重くて
地震に弱い」というイメージが広がり、売り上げの7割を占めた建材用タイルに、キャンセルが
相次いたのです。年間の売上高が6億円程度の時に18億円の借金…そんな中で長谷園は
起死回生の勝負に打って出たのです。
そんな『いがもの』と言われる焼き物をつくる窯元が、これまで世の中に無かった“機能性
陶器”など200種類を生み出すようになりました。例えば、煙が出ず、食卓で薫製を楽しめる
土鍋「いぶしぎん」や、蒸し料理が簡単に作れる「ヘルシー蒸し鍋」。IHで使える土鍋や
ピザ用鍋、カレー鍋、吸水性を活かした1人用電子レンジご飯鍋「とうちん」まで…しかも、
その全てが、家庭料理のおいしさがアップする魔法のような土鍋なのです。
食卓の常識を打ち破る凄い土鍋を次々と開発したのが、伊賀焼き最大の窯元・長谷園
7代目 長谷優磁さん77歳。『民芸品は毎日進化していると思わなければダメだ』と語る
優磁さんは、伊賀の土が、保温性に富んでいる事を活かして特許を取り続け、今も開発に
没頭する現役なのです。
世の中にない商品でヒットを連発してきた長谷園。それを可能にさせたのが優磁さんの
「作り手は真の使い手であれ」という、ものづくりのポリシーにあります。常に客の立場に
立ってニーズをつかむことで、思わず買いたくなる新商品を生んできたのです。
いつもの社長の金言は…
“時代の変化”の中に新たなチャンスがある
村上龍の編集後記では、『重要なのは「できるだろうか」という問いではない。「やる
だろうか」だ。寝ても覚めても考え続けることで、「完成」のイメージが生まれる。』
そんな事が書かれていましたが、寝ても覚めても考え続け、いつアイデアが生まれても
逃さないように、あちらこちらにメモを置いていると語られた優磁さん77歳。実に生き生きと
されていました。
3月12日から全3回にわたって放送された『私の履歴書』似鳥昭雄(ニトリホールディングス
会長)「ピンチはチャンス 失敗からの逆転人生」御覧になられましたか?
「お値段以上、ニトリ」のCMでお馴染みの「株式会社ニトリ」は、家具・インテリア・
生活雑貨の販売店として、国内386店舗、台湾24店舗、アメリカ5店舗、中国8店舗を展開。
年間売り上げ5,000億円、30期連続増収増益の快進撃を見せています。そんな巨大企業を
一代で築いたのが似鳥会長。
自分の名を漢字で書けず、極度のあがり症で落ちこぼれだった小学校時代からスタートし、
父の助言で23歳の若さで「似鳥家具店」をオープン。失敗を恐れず新しいことに挑戦し続け
た似鳥は、妻の存在もあり、攻めの姿勢で国内はもとより海外にも積極的に進出し成功を
収めています。
高校時代に父に言われた「人のやらないことをやれ」という言葉を胸に、周辺に家具屋が
なかったことから家具の販売を決意。倒産寸前の父の会社の建物を借り、1967年に「似鳥
家具店」をオープンさせます。店名の後に〇〇支店のような表記を行って、1店舗しかない
小さな家具店ではないように見せたのは有名なお話。
初めての店をオープンさせると、売上が全く伸びず、お金に困り栄養失調寸前になると、
接客上手の妻と結婚し、創業2年で1,000万円の売上。近くに大型家具店が出店し経営危機に
陥ると、アメリカ家具店の視察ツアーでインテリアに活路を見出し、洋式のトータルコー
ディネートを行うようになって復活。日本初のエアドーム建築の「南郷店」が悪天候で被害を
受けると、半額大セールで売りさばいて窮地を脱出。ピンチを次々と乗り越えていきます。
そんな中、経営コンサルタント・渥美俊一と出会い、チェーンストア経営の理論やノウハウを
勉強し始めます。この渥美俊一のペガサスクラブには錚々たるメンバーがいますので興味が
おありの方はこちらで…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A5%E7%BE%8E%E4%BF%8A%E4%B8%80
この勉強会は相当有効だったのでしょうか、当時店舗数7店、売上高30億円だった会社を
『100店1,000億円』とする目標を掲げて経営に挑んでいくのです。1993年、満を持して
本州1号店をオープンさせますが、メインバンクの北海道拓殖銀行と山一證券が破綻し、
社債を引き受けてもらっていたスイスの銀行から50億円の返済を迫られますが、またしても
住友信託銀行から融資の取りつけに成功し、危機を乗り越えていきます。あと2時間遅ければ
そこで終わっていたとか…。
2002年、東証1部に上場。2003年、目標に掲げていた100店舗を達成し、海外へ進出。
2007年、台湾に海外1号店をオープン。更なる海外進出を図るものの、またしても2008年の
リーマンショックで窮地に立たされます。ところが、これをチャンスと取り原点に戻って
値下げを宣言…1,000品目以上を値下げし、経営の危機を見事吹き飛ばしていくのです…
凄い事です。風貌こそどこにでもいそうな人の良いオジサンなのですが、がっちりマンデー
では、日経平均株価予想で3年連続ニアピンを獲得する切れ者。
番組の中で印象に残った言葉は…
●企業のトップは、こっちに行くんだというブレないメッセージを出さなければ
●世の為人の為、志がなければ、売上、利益だけでは成功しない
●2つの肝心な事…①表情が暗いとダメ②リスクに飛び出そうとする積極性
●考えても失敗が怖くて一歩を踏み出せない。成功する人としない人の差は、踏み出す
勇気があるかどうかだ
自社生産にとことん拘って安く作るだけでなく、10年20年と長く使える強い耐久性も
求めているニトリの商品。番組の中では、実際に家具を苛め抜いて耐久性を確認している
映像も見られました。この辺が新聞とは違う所ですね。安かろう悪かろうというのが、
良く言われる話ですが、ニトリに関しては、選択肢には入れるべきだなぁと、改めて思った
のでありました。
『全部が自分』
自分の意見を声に出せない
無駄な事に悩んでしまう
他の人を妬んでしまう
直ぐに苛つく
周りのせいにして怒る
見えない振りをする意地悪さ
単純に奮い立ってしまう
簡単に泣けてしまう涙もろさ
つい手を差し伸べる優しさ
心配させまいとする強さ、思いやり
笑える自分
笑えない自分
笑いたくない自分
こんなの自分じゃないと思う自分も
本当の私はこうなんだという自分も
みんな、本当は…全部が自分
それが分かれば、他人が他人に見えなくなって来る
それが分かれば、自分にも、もっと優しくなれる
それが分かれば、思いやりも、溢れるように湧き出るはず
全部が自分
全てを受け入れる事で
次のステージは、もっと理想の自分に近づけるはず…
詩集『道しるべ』より
『ほぼ日』(ほぼにち)って、ご存知ですか?
ジャスダック市場に3月16日、新規上場した『ほぼ日』は買い気配で始まりました。同日
午前は公開価格2,350円を7割上回る4,020円まで気配値が上昇。午後も2時すぎ時点で
気配値の上限である5,410円まで切り上げ、公開価格の2倍以上の水準となってしまいました。
私がその事を知ったのは、夜のワールドビジネスサテライトでの事。結局、初日は買い
殺到で値つかずとなり、翌日に公開価格2,350円の2.3倍となる5,360円で初値をつけました。
『ほぼ日』は、コピーライターとして一世を風靡した糸井重里さんが立ち上げた個人事務所が
前身です。「東京糸井重里事務所」という社名でしたが、昨年12月1日「株式会社 ほぼ日」
と社名を変更しています。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の運営や、サイト読者の
声を基に開発した「ほぼ日手帳」など、生活関連商品の販売を手掛けている会社です。
社名変更に至った経緯は同社のサイト、糸井重里氏のコメントをお読み下さい。
こちら➡ http://www.1101.com/20161201/
ついでに、2月1日にできたばかりのロゴマークが
こちら➡ https://www.1101.com/logo_mark/2017-02-01.html
この『ほぼ日』、経営戦略の大家であるハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・
ポーター教授にちなんで、独自性のある優れた戦略を実行する企業に対して贈られる
『ポーター賞』を2012年度に受賞するなど、超優良企業としても「折り紙付き」なのです。
事業概要を見てみると、『ほぼ日』の2016年8月期の売上高は38億円、経常利益は5億円と
なっています。売り上げのうち、ほぼ日手帳は26億円を占め、全体の7割近くにまで達して
います。また、販路別で見ると直販が24億円で6割を超えており、『ほぼ日刊イトイ新聞』
という主軸が、いかに強いものかがよく分かります。
上場で調達した資金は既存事業を強化するための人件費に充てるほか、新事業の投資などに
振り向けるそうです。上場会社として、株主に振り回される事なく、尚且つ株主を満足させ、
これまで築いてきた『ほぼ日』をどのように展開していくのか、今後も目が離せそうに
ありませんね。楽しみです。
3月5日の未来アイズ『エルピクセル(株)』の回ご覧になられましたか?めまぐるしい
勢いでデータが増加しているビッグデータ時代。医療の現場を例に挙げれば、CTやMRIの
画像データ量は10年前に比べ100倍もの勢いで増え続けているといいます。
今回の主役は、2014年3月に東京大学の研究室のメンバー3名でスタートしたLPixel(エル
ピクセル株式会社)。2000年の研究室の発足当時から生物学全般における画像解析技術を
牽引してきたそうで、ライフサイエンス領域の知識と、イメージングの技術の双方の領域に
精通している研究者集団とのこと。
ImPACT(内閣府)、CREST(JST)、戦略的基盤技術高度化支援事業(経済産業省)など3つの
国家プロジェクトに参画しており、自社開発テーマとして医療画像診断支援システム、
ライフサイエンス研究者向けクラウド型画像解析プラットフォーム「IMACEL」の開発
などを行なっているそうです。
画像解析という側面から解決すべく立ち上がった、東大発ベンチャーのエルピクセルでは、
研究のワンストップ・コンサルテーション、人工知能(AI)の画像解析によるガンの検出、
研究者に対する画像処理教育など、研究・臨床の現場の効率化に資する取り組みを行って
います。
中でもAIによる画像解析技術は、画像処理のスキルを持たない研究者でも画像の扱いを容易
にし、論文執筆を含めた研究活動に集中する環境を整えられるものになっています。さらに、
医療の現場では画像分類をAIに任せることで、医師と患者とのコミュニケーションを円滑に
することを狙っています。
そんなエルピクセルは、番組放送の2日前、3月3日、経済産業省主催「ジャパン・ヘルス
ケアビジネスコンテスト2017」で「優秀賞」を受賞されたそうです。昨今の科学技術の
進歩によって得られるようになったビッグデータに対して、それを分析し処理するスピード
が追い付いていない部分が大きく、それをサポートする夢の画像解析によって単純作業
から解放してくれるだけでなく、新薬の開発スピードも早めようとしています。
医療、製薬、農業などのライフサイエンス分野で「科学を加速させるAI」として、なくては
ならないものになっていくでしょうし、番組の中でも触れられていましたが、大隅先生が
言われたという『分子の内側から治療する』ということが現実のものになっていくのかも
しれませんね…。凄い事ですよね・・・本当に。