11月6日放送のBS JAPAN未来EYES豊橋技術科学大学 情報・知能工学系の回、ご覧に
なられた方、おられますか?
人とのコミュニケーションの成立や社会的関係の形成過程、人との関わりの中での認知
発達機構の解明などを狙いとした次世代ロボットの研究を行っている、豊橋技術科学大学
情報・知能工学系 教授・岡田先生が今回の主役でした。
『弱いロボットの研究』そんな言い方を番組ですると、そこからは、思わず夢中になって
見てしまいました。人の手数を減らしたり、ミスを犯したりするのを助けたり、そんな
優れたロボットではなく、『弱いロボットの研究』というのですから、『何それ?』って、
つかみは充分ですよね。
岡田先生がロボット・デザインで心がけるのは、機能の足し算ではなく、引き算の発想
だというのです。あえて欠点を持たせ、“人”と“モノ”の関係性をあえて"不完結"にし、
人に関わりを求め、寄り添う「弱いロボット」を作っているのです。開発思想の裏に
あるのは、あくまでも“人のコミュニケーション”。
ロボットが人をナビゲートするわけでもなく、人がロボットの世話をするのでもない、
ただ一緒に手をつないで並んで歩くだけのロボット。
落ちているゴミを見つけるとフラフラとゴミのそばに寄っていき、ゴミ箱がゴミが
落ちている事を気にしているように見えて、通りかかった人が思わずゴミを拾って
ゴミ箱の中に入れてしまう。そうすると、なんとなくお辞儀をするように見える
ロボット。
ティッシュを持ちながら人に近づくものの、自分から渡す事はできず、人の側から受け
取ってもらうロボット。
小さな3体のロボットが井戸端会議をしているような状況下から、通りかかった人に
問いかけをされて、強要されるのではない、話してあげたくなる不思議なロボット…。
『人が手伝ってくれなければ役に立てない他力本願なロボット』、『何故か、人の優しさを
引き出すロボット』は、全く役に立ちそうもないのですが、そこに居ないとなんだか寂しい
ような気持ちがする社会的存在を指向させる…それが意図的な"弱さ"だというのです。
周りのアシストや子供達の優しさ、工夫や学びを引き出す『弱さが持つ強み』…
岡田先生は、番組の後半で、こんな事を言われていました。
『弱さを支えながらお互いの強さを讃え合う。』
なんか、素敵な先生で、心温まり、こんなロボットがもっと世の中にあっても良いなぁと、
思ったのでありました。
ところで、最後にはこんなニュースが…
『一般向けのシャイなロボットが、近日、販売される予定!』
スマホをお持ちの方なら、誰でも使えるものなんですが、スマホをその台座の様な
ロボットの上にセットすると、スマホの真っ黒な画面の中に2つの目が登場。パソコンを
する傍らに置いていると、パソコンの横から覗くようにスマホを傾け、見つめると
恥ずかしがるようにパソコンの陰に隠れる…。なんともストレスのたまる職場で、
気持ちをほぐしてくれるロボットじゃありませんか。寂しく仕事やレポートを
書いている人にとっては、可愛い仲間になりそうで、売られたら、買ってきて、
職場のパソコンの横にでも置いてみたくなります。台所で黙々としている家内の
そばに置いてあげても良いかも知れませんね。いつごろ発売なんでしょうねぇ・・・
NHK BSプレミアで9月7日に放送されたアナザーストーリーズ「ハドソン川の奇跡
ニューヨーク不時着 世紀の生還劇」ご覧になられましたか
2009年1月15日、アメリカ中を熱狂させた「ハドソン川の奇跡」。離陸して間も無く、
鳥と航空機が衝突する「バードストライク」と呼ばれる事故が起こってしまい、
全てのエンジンが停止した旅客機。
わずか208秒という短い間で数少ない選択肢の中から、「ジェット機には絶対不可能」
と言われていた水上への着陸を覚悟…。
サレンバーガー機長は、こう話していました『それでもなぜやろうと思ったのか、
こう説明させてください。私にはある信念があります。「現実的な楽観主義」である
べきだという考えです』…戦闘機のパイロットとして7年間の経験がありましたが、
何度も死線を乗り越える中で学んだ教訓…体にすり込まれた教えでした。
結果は卓越した操縦で大破する事なく無事着水し、155人全員の生還に成功。でも、
話はここで終わらずに、もう1つの奇跡が始まります。
無事、水上への着陸を成功させたジェット機は、当然の事ながら水没という恐怖に
見舞われて行きます。全エンジンが停止したジェット機は、音もなくハドソン川に
向かっていたので、着水してからの救援体制など整えられるはずもなく、みるみる
うちに水の中へ…。
2つ目の奇跡は、ロンバルディ船長が、着水して水しぶきをあげる物体に気付き、
迅速にベストの対応をした事。不時着から僅か24分で全員の救助を終了させたのです。
番組の3つ目の視点としてアナウンサーの話が登場していますが、奇しくもこの日
アメリカ大統領が、ブッシュ氏からオバマ氏へ移行していったのだという事を教えて
くれました。ブッシュ氏の戦争が付いて回った時代から、ノーベル平和賞を受賞する
オバマ氏の時代へ移っていったのですが…この『ハドソン川の奇跡』がアメリカを
絶望の淵から救ったエピソードとして重ねられたのだとか…。
でも、タイミング的には複雑なものです…
昨日、まさかのトランプ氏がアメリカ大統領選で勝利し、暗黒の時代に逆戻りして
しまいそうな…。ここのところトランプ氏が『パンドラの箱』を開けてしまったと
報道されていますが、人種差別…銃社会…戦争…etc.不安でなりません。
『ハドソン川の奇跡』、クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演で、
この9月映画化されたそうですが、そのクリント・イーストウッドさんは、トランプ
氏を指示していたとか…残念です。
そんな重い気持ちになると改めて機長の信念が浮かび上がってきます…。
『現実的な楽観主義』
それは絶望的な状況の中でも決して悲観せず全力で立ち向かうこと・・・。
10月30日にBSジャパンで放送された未来EYES『H2L株式会社 (H2L Inc.)』の回、
ご覧になられましたか?
米TIME誌の「世界の発明50」に選出された、日本発の画期的な技術「Possessed
Hand(ポゼスト ハンド)」。使用者に手の動き(ハンドジェスチャー)で情報提示
する装置で、簡単に言うと『コンピュータで人の手を操る』ことができるもの。
開発したのは、H2L株式会社チーフリサーチャー 玉城絵美さん。工学博士でもあり、
早稲田大学人間科学学術院助教も務めています。
「ポゼスト・ハンド」は、腕に巻いた2枚のベルトから前腕の筋肉に電気刺激を与え、
手指の動きを制御します。前腕の筋肉は手指の腱につながっており、その筋肉を
収縮することによって、手指を動作させるというのです。この技術を活用すれば、
楽器を弾けない人の手が、勝手に動いて、演奏することだって可能なのです。
また、ゲームの中の世界に“触る”ことができる、世界初のゲームコントローラー
「Unlimited Hand(アンリミテッド ハンド)」も開発。この技術は、UIST2016
〔ヒューマンインターフェイス学会〕で公開されていましたがコンピュータとの
双方向通信を可能にした物凄い技術です。VRの世界に触感型の機能まで加わると、
行った事のない場所の触れた事のない物まで、体感する事が出来てしまうのです。
かつて玉城さんは『引きこもり』で苦しんでいたそうです。そんな玉城さんが、人
とのコミュニケーションに必要なのは手の動きだと考え、辿り着いた世界。弱みを
強みに活かせた素敵な例だと思います。生きようとしたからこその成果です。
ところでVRって何?って人の為に触れておきますと、VRとは、Virtual Realityの
略で、人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないものが現実のように感じられる
環境を人工的に作り出す技術の総称です。 VRで、今、1番話題になっているのは
PlaystationVRでしょうか。
このPlaystationVR、既に発売されているものですが正規の値段では入手困難で倍額
近い値段で転売されている状況です。それぐらい購買欲の高い商品という事ですね。
身体に装着する機器や、コンピュータにより合成した映像・音響などの効果によって、
3次元空間内に利用者の身体を投影し、空間への没入感・臨場感を生じさせるので、
バイオハザードなんてゲームで体験してしまうと、心臓麻痺を起こす人が出るの
ではという心配すらしてしまう凄いもの。
また、似たもので間違えられるのが最近ポケモンGOで、知られるAR。以前にARは、
このブログでもご紹介させていただきましたが、正式な英語ではAugmented Reality
と言います。日本語では「拡張現実」という意味になりますが、現実世界で人が感知
する情報(実際の景色、地形、感覚など)に、「何か別の情報」を加え、現実を
「拡張」表現する技術で、初めて箱根で体験した時は面白くてハマったものです。
おっと、かなり脱線してきましたが、このUnlimited HandがプラスされたVR、
ソニーのPlaystationVRとの共同開発も進んでいるようで、皆さんが驚異の体感を
できるのも、そう遠くないのでしょうね。PlaystationVR+Unlimited Hand+
MDR-HW700DS(立体的なサラウンド音場を再現できるヘッドホンで、映画などの
コンテンツを大迫力で楽しめるデジタルサラウンドヘッドホン)で、未知の世界に
旅に行けそうです。楽しみだなぁ・・・( ^ ^ ) /
10月29日、11月5日放送の2回にわたって放送された『一滴の向こう側』…
〔熊本は俺が守ったる〕ご覧になられましたか?
まだ記憶に浅い今年の4月。熊本を襲った未曾有の災害、熊本地震。マグニチュード
7.3の本震を含んだ、震度1以上を観測した地震の数は4000回を超え、建物の被害は
17万棟以上。地震発生から半年。復旧が中々進まない中、壊れた屋根の上を歩き回る男、
それが今回の主人公でした。
熊本地震から半年たった10月。主人公の遠山さんは塗装業の傍ら、壊れた屋根を
簡易的に修復するために屋根の上に登り、無償でブルーシートをかけていました。
地震の後に来る恐怖…それは、雨漏りで夜も眠られない事。自分に何か出来る事は
ないか?そんな思いの中から出てきたのが『熊本は俺が守ったる!』という熱い
思いでした。
そんな彼のところには、今も、様々な依頼が舞い込んできます。震災後も揺れ続ける
余震。そして、誰を頼ったら良いのかわからない人達が、自然に遠山さんを頼るように
なっているのです。そんな人達の為に、彼は惜しみなく駆けつけ、それもまた無償で
快く対応していくのです。なんと素敵な人なのでしょうか。塗装業の仕事は、滞る。
それでも彼は、皆の為に何かをせずにはいられないのです。
一昨年亡くなった、父・典紀さんは『見た目は汚いかもしれないが、心は錦』と、
雨漏りで困る人がいると、今の遠山さんと同じように無償でプルーシートを被せて
回ったそうです。そんな父親の葬儀には大勢の弔問客が訪れ、生前の父親が
どれだけの人に評価されていたかを知り、主人公に引き継がれたのでしょう。
そんな番組の後編…
震災は、子供たちの心奥深くに深い傷跡を残し、子供たちの絵から色を奪っていました。
『幼稚園に、子供たちの心に、“色”を取り戻したい』
そんな思いからの新たな動きも扱われていました。
自身の生活さえ厳しい中、困っている人を助けたい、自分の街は自分たちの手で
守ろうとしなければダメだ、そう語る遠山さんの素敵さに、ひたすら感動の1時間
でした。
10月からフジテレビ系で放送されている『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの
診断』というテレビドラマご覧になられていますか? かつて放送されていた『チーム
・バチスタシリーズ』のスタッフが再集結して制作されたものなんですが、なかなか
面白く見させて頂いております。
「解析診断部=レディ・ダ・ヴィンチ」に所属する個性豊かな7名の女性医師が、
原因不明の病気の謎を究明し患者を救うために奮闘する姿を描いたドラマで、オリ
ジナル脚本による1話完結の医療ミステリーです。
また、このドラマを見ていて重なってしまうのがNHKで放送されている『総合診療医
ドクターG(ジー〔ジェネラル〕)』。かつてNHK-BSで放送され、後に地上波
(総合テレビ)に放送枠を移して断続的に放送されている医学・医療関連のクイズ
バラエティ形式による情報番組なのですが、こうした番組を見ていていつも思うのが、
こんな医者が身近にいないものかということ…。
いくつかの小さな病院では解決できず、大きな総合病院に行くと、初診料というお金を
払わされます。そんなお金を払っているにも関わらず、患者の話もロクに聞かず、
決めつけて対処療法の薬を出しておしまい。そんな程度の低い医者が我が家の周りには
沢山います。
患者の主訴が、何が原因で起こっているものなのか、患者がいう事が正しいのか…
そんな事も分からないのに、触診はもとより、よく話を聞く事もせず、ひどい時
には患者の顔すら見もしない医者がいます。レディ・ダ・ヴィンチやドクターGでも
見て、刺激を受けてもらえたらと思ってしまう今日この頃…。
思えば家内が潰瘍性大腸炎になって、私も左足を手術してから1年あまり、松葉杖を
ついた事で負担が大きくなった右足を次に痛め、続けて腰を痛め、脊柱管狭窄症、
椎間板ヘルニア…運動できなくなると免疫力も低下して肺炎を患い…。ひどい
アレルギーに悩まされると医者の勧めるままにステロイド入りの薬を5年近く飲み
続け、気付いた時には身体が更なる悲鳴をあげていました。
運動不足は同時に肥満、内蔵脂肪、痛風、逆流性食道炎と坂道を転げ落ちるように
展開し、おかげさまで健康番組は欠かさず見るようになって、口に入る物にも神経を
使うよになりました。我が家の支出の大半は病院と健康維持に費やされてしまってい
ます。
対処療法で終わらせるのではなく、治療することに、もっと目を向けてくれる医者が
もっと患者の立場に立って診断してくれる医者が増えてくれることを、心から願う
ばかりです。知識のない人間が知識のある人間を頼って、お金を払って救いを求めて
いることを、しっかりと受け止めて欲しいものです。
今更ですが、我が家では、何か月か前から『玄米酵素水』というものに家内が
はまってしまい、にわかに、玄米が話題になってきています。まずは、その玄米と
白米の栄養素の比較から見て見ましょう。
●玄米・白米1食分(160g)当たりの栄養成分
玄米 白米
エネルギー 265Kcal 269Kcal
タンパク質 4.48g 4g
脂質 1.6g 0.48g
炭水化物 56.96g 59.36g
食物繊維 2.24g 0.48g
ビタミンE 0.8mg 不明
ビタミンB1 0.26mg 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg 0.02mg
ナイアシン 4.64mg 0.32mg
ビタミンB6 0.35mg 0.03mg
カリウム 152mg 46.4mg
マグネシウム 78.4mg 11.2mg
リン 208mg 54.4mg
鉄 0.96mg 0.16mg
玄米には主に以下の効果があると言われています。
1. 便秘解消
2. アンチエイジング
3. ガン予防、ガン治療
4. デトックス効果
玄米は白米に比べて食物繊維が“5倍”近く含まれており、 これは玄米1食分で
キャベツ120gに相当します。また、抗酸化作用がある“ビタミンE”も豊富に
含まれています。玄米に含まれる食物繊維や“フィチン”という成分は、 体内の
毒素を排出する効果、いわゆるデトックス効果もあるということで、ダイエット
にも良いと言われているわけですね。
また、色々調べていくと、玄米のマイナス面についても書かれていました。
1. ミネラルの欠乏
2. 残留農薬が多い
3. 消化に悪い
4. 不味い
特に気になる「1」のミネラルの欠乏ですが、栄養豊富なのに何故と気になって
しまいますが、「玄米には“フィチン酸”が含まれており、これは体内のミネラルと
結合して排泄されてしまうため、ミネラル欠乏症となってしまう」という事の
ようです。
ところが、この意見には間違えがあるようで、玄米に含まれているのはフィチン酸
ではなくて、フィチン〔フィチン酸+ミネラル〕という既にミネラルと結合した
もので体内のミネラルを排出する作用はないそうです。良かった良かった。
また、2番目の残留農薬が多いというのは、玄米を精米して白米にする工程で取り
除かれる米ぬかに残留農薬が多くみられるという事からなんですが、実際には、
玄米の残留農薬の危険性はハッキリしていないようで、気になる側としては
無農薬の物を選べば良いだけなので、結論からするとプラスマイナスで、プラス
と言ったところです。
と言うわけで、大いに玄米への興味が増大してきた我が家としては、玄米が中核を
占めている『マクロビオティック』を改めて見直してみようかと話しているところ
です。
ちなみに、『玄米酵素水』なるものを講演会で聞いてきた家内は、熟成させる玄米
ご飯の炊き方も覚えてきて、お赤飯の様なモチモチした玄米も食べられるように
なってきました。私は、もともと白米に6対4ぐらいの割合で玄米を入れるのが好き
でしたので、それまで『匂いが嫌だ』と言っていた家内が変貌をしてきたおかけで
食生活も更に面白くなっていきそうです。検証…続けていきますよ!!
『受け入れること』
怒る
泣く
嫌なことをする
そんな自分は、本当の自分じゃないって…
本当は明るく笑いたい
誰とでも仲良くしたい
人の幸せに力を尽くしい
でも、心の中の何かが邪魔をしている
偽善者みたいな笑顔
気持ちのない支援
意地をはって丈夫な振りをする
そんな自分は、中身のないお飾り?…
本当は、イヤなことはイヤって叫びたい
嫌いなひとに、笑顔なんて作りたくない
弱い自分を、そのまま受け入れて欲しい
そのまま受け入れる?
誰に? 誰が?
受け入れるのは、自分
拒絶するのも、自分
いつも、笑っているなんて不自然だし
どんな自分も、間違いなく自分
だから、自分で自分を責めるのはやめよう
ありのままの自分を受け入れよう
自然な、ありのままの自分を
きっとそれが、何よりの救いになるはず
詩集『道しるべ』より
先日、スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を見ました!久々の映画ネタです。
さて、実話を基にして作られた物語のあらすじはこんな感じです。
冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイ、
アベルは、FBIに逮捕されます。保険担当の弁護士 ドノヴァンは、連邦裁判所
弁護士会の弁護士全員の推薦を受け、アベル担当の弁護士として選出されます。
ドノヴァンは刑事事件を何年も担当していないことやスパイという自国の敵を
弁護し非難を受けることを心配し、即答は避けますが、アベルと会って話すことで
覚悟を決めて行きます。
敵国スパイを弁護したことで世間の目が厳しくなるなか無罪を求めて弁護する
ドノヴァンでしたが、陪審評決は全員一致で有罪。死刑判決だけはなんとか回避
しようと判事の自宅を訪問したドノヴァンは、将来アメリカ人がソ連の捕虜となった
場合の交換材料として生かしておくことを提言します。
判事からそのことに疑問を呈され、ドノヴァンは切り札としてだけでなく人道的な
面でアベルが祖国に忠誠を誓っているだけの無害な人物だと答えると、判事の心証が
変わり誰もが確信していた死刑判決を回避することに成功し、懲役刑の判決が下されます。
ドノヴァンはさらに刑を軽くしようと最高裁への上訴を決め、アベルから危険だと
忠告されながらも弁護を続けますが、マスコミが裁判をスキャンダラスに報じ、
ドノヴァン家は自宅を銃撃されるなど過激なバッシングを受けるようになって
しまいます。
一方、時を同じくしてソ連の上空でカメラによる偵察を行っていたアメリカ兵の
パワーズは、偵察機に向けて発射された地対空ミサイルが命中し撃墜。捕らえられた
パワーズはソ連の裁判で禁固10年の判決を下されます。アベルを国民と認めたくない
ソ連は、東ドイツを経由して、アメリカ人パイロットとの捕虜交換を提案し、
ドノヴァンは、民間人としてスパイ交換の交渉役を担うよう依頼されます。
そして最後の登場人物…ベルリンの壁が建設されつつあるドイツでは、アメリカ人
留学生 フレデリックが東ベルリンにいる恋人と西側へ逃走を図りますが捕らえられて
しまいます。ドノヴァンはアベルとパイロットの交換交渉を開始するため東ベルリン
にあるソ連大使館を目指し、もう1人の救いたい人、アメリカ人留学生の事を知ります。
ここから、アベルとアメリカ人2人との2対1の交換交渉が始まっていきます。映画の
中で強く意識して描かれていたのは『不屈の精神』。ソ連のスパイ、アベルの為に
頑張れたのは、アベルの『不屈の精神』を主人公が受け取ったから。そんなアベルの
弁護や2対1の難しい交換交渉に立ち向かえたのは主人公ドノヴァンの『不屈の精神』。
物語の終わりでは、自国に帰れるアベルが、そんなドノヴァンの為に再び『不屈の
精神』で応えて行きます。この辺からはクライマックスなので映画でどうぞ…。
ちなみに題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とはスパイ交換が行われたグリー
ニッケ橋を指しています。クライマックスの演出は…さすがのスピルバーグ監督で、
感動間違いなしの是非ご覧いただきたい映画でした。
うーん、SFやスペクタクル、アクションやラブストーリーも良いけれど、実話を
基にして作られた映画には、一味違った深みがあって、やっぱり良いですよねぇ…。