先日、スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を見ました!久々の映画ネタです。
さて、実話を基にして作られた物語のあらすじはこんな感じです。
冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイ、
アベルは、FBIに逮捕されます。保険担当の弁護士 ドノヴァンは、連邦裁判所
弁護士会の弁護士全員の推薦を受け、アベル担当の弁護士として選出されます。
ドノヴァンは刑事事件を何年も担当していないことやスパイという自国の敵を
弁護し非難を受けることを心配し、即答は避けますが、アベルと会って話すことで
覚悟を決めて行きます。
敵国スパイを弁護したことで世間の目が厳しくなるなか無罪を求めて弁護する
ドノヴァンでしたが、陪審評決は全員一致で有罪。死刑判決だけはなんとか回避
しようと判事の自宅を訪問したドノヴァンは、将来アメリカ人がソ連の捕虜となった
場合の交換材料として生かしておくことを提言します。
判事からそのことに疑問を呈され、ドノヴァンは切り札としてだけでなく人道的な
面でアベルが祖国に忠誠を誓っているだけの無害な人物だと答えると、判事の心証が
変わり誰もが確信していた死刑判決を回避することに成功し、懲役刑の判決が下されます。
ドノヴァンはさらに刑を軽くしようと最高裁への上訴を決め、アベルから危険だと
忠告されながらも弁護を続けますが、マスコミが裁判をスキャンダラスに報じ、
ドノヴァン家は自宅を銃撃されるなど過激なバッシングを受けるようになって
しまいます。
一方、時を同じくしてソ連の上空でカメラによる偵察を行っていたアメリカ兵の
パワーズは、偵察機に向けて発射された地対空ミサイルが命中し撃墜。捕らえられた
パワーズはソ連の裁判で禁固10年の判決を下されます。アベルを国民と認めたくない
ソ連は、東ドイツを経由して、アメリカ人パイロットとの捕虜交換を提案し、
ドノヴァンは、民間人としてスパイ交換の交渉役を担うよう依頼されます。
そして最後の登場人物…ベルリンの壁が建設されつつあるドイツでは、アメリカ人
留学生 フレデリックが東ベルリンにいる恋人と西側へ逃走を図りますが捕らえられて
しまいます。ドノヴァンはアベルとパイロットの交換交渉を開始するため東ベルリン
にあるソ連大使館を目指し、もう1人の救いたい人、アメリカ人留学生の事を知ります。
ここから、アベルとアメリカ人2人との2対1の交換交渉が始まっていきます。映画の
中で強く意識して描かれていたのは『不屈の精神』。ソ連のスパイ、アベルの為に
頑張れたのは、アベルの『不屈の精神』を主人公が受け取ったから。そんなアベルの
弁護や2対1の難しい交換交渉に立ち向かえたのは主人公ドノヴァンの『不屈の精神』。
物語の終わりでは、自国に帰れるアベルが、そんなドノヴァンの為に再び『不屈の
精神』で応えて行きます。この辺からはクライマックスなので映画でどうぞ…。
ちなみに題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とはスパイ交換が行われたグリー
ニッケ橋を指しています。クライマックスの演出は…さすがのスピルバーグ監督で、
感動間違いなしの是非ご覧いただきたい映画でした。
うーん、SFやスペクタクル、アクションやラブストーリーも良いけれど、実話を
基にして作られた映画には、一味違った深みがあって、やっぱり良いですよねぇ…。