NHK BS11月14日放送のアナザーストーリーズ『オードリーとローマの休日〜秘めた野心
貫いた思い〜』ご覧になられましたか?1952年に撮影された「ローマの休日」。監督はアカ
デミー監督賞を3回受賞している名監督ウィリアム・ワイラーで、『嵐が丘』や『ベン・ハー』
『女相続人』ほか、ご存知な名作が多数あるはず。
映画『ローマの休日』は、初主演のオードリー・ヘプバーンが世界的スターになった伝説の
映画です。私ぐらいの年代で、この映画を見た事がないという人はいないのではないかと思え
るほどの名作で、『真実の口』にグレゴーリー・ペックが手を突っ込んで、噛まれてしまう
ドッキリを仕込むシーンは、よく真似されていますよね。
今回のアナザーストーリーズでは、その現場を見た少年少女がオードリーの素顔を詳しく証言。
10歳の少年が見たオードリーの美しさ、プロ根性、秘めた野心。監督の娘が見た優しさ…。
自分の人生を自分で切り開く、信念の生き方と知られざるエピソードを紹介していました。
番組の中でも言われていましたが、当時はまだマリリン・モンローやグレイス・ケリーといっ
た、どちらかというとグラマーな女優が主流だった時代の、全く新しいタイプの女優の登場
でした。決してグラマーとは言えませんが、本当に清楚で眩しいくらいに美しくて、愛らしい
女性でした。
『ローマの休日』と言えば、オードリー演じる某国の王女が、密かに城を抜けだしてグレゴ
リー演じる新聞記者と出会い、2人して永遠の都・ローマで過ごすうち、惹かれていくという
展開。こんな話の展開は、その後も多く映画化されていますが、最後の記者会見のシーンでは
映画『ノッティングヒルの恋人』が浮かんできてしまうのは私だけでしょうか…。胸が熱く
なる素晴らしい演出でしたよね。
とっても美しく、賢く、愛らしいオードリーでしたが、凄いのは後半生の殆どを国際連合児童
基金(ユニセフ)での仕事に捧げたこと。オードリーがユニセフへの貢献を始めたのは1954年
からで、1988年から1992年にはアフリカ、南米、アジアの恵まれない人々への援助活動に身を
尽くしていました。
1992年終わりには、ユニセフ親善大使としての活動に対してアメリカ合衆国における文民への
最高勲章である大統領自由勲章を授与されたほどです。この大統領自由勲章受勲の一カ月後…
オードリー・ヘプバーンはスイスの自宅で虫垂癌のために亡くなられました。63歳という人生
の中の実に38年をこうした活動に投じ、彼女が献身することで寄付は2倍にまでなっていった
事を思うと、本当に頭が下がる思いです。
彼女の言葉『政治家たちは子供たちのことにはまったく無関心です。でもいずれの日にか人道
支援の政治問題化ではなく、政治が人道化する日がやってくるでしょう』…才色兼備で、心
まで美しいオードリー・ヘプバーン…理想の女性ですよねぇ。