今日は、交番設置記念日です。1881(明治14)年、1つの警察署の管内に
7つの交番を設置することが定められました。町の中に交番の建物を置き、
そこを中心に制服の警察官が活動するという交番の制度です。
その始まりは、1874(明治7)年で、東京警視庁が設置した「交番所」が
世界初のものでした。当初は、建物はなく、街中の交差点等に警察署から
警察官が出向いていましたが、1881年より常設の建物を建てて警官が
常駐する現在のような制度になりました。
1888(明治21)年10月から全国で「派出所」「駐在所」という名称が使われ
ましたが、「交番」という呼び名が定着し、国際的にも通用する言葉になって
いったことから、1994(平成6)年 11月1日に「交番」を正式名称とすること
になりました。
かつて、国連に市内の一画を「世界一危険な地区」と認定されるほど深刻な
治安問題を抱えていたブラジルのサンパウロで、日本の交番をモデルとした
KOBANの導入が進んでいます。欧米にも同じような制度があるにもかかわらず、
なぜサンパウロ州警察で日本の地域警察制度がモデルに選ばれたのでしょうか。
日本の交番が、犯罪を抑止・予防する上で大きな役割を果たしているだけでなく、
住民とコミュニケーションを図り、住民と連携して地域の安全を守るなど、地域に
根差して活動していることが大きな理由だったそうです。サンパウロにも日本の
交番に近い警察官の駐在所は存在していたのですが、地域住民とのコミュニ
ケーションはほとんどありませんでした。
地域警察制度を導入するためには、まずは、どのように住民とコミュニケーションを
とっていくか、またどのように地域に根差した警察官を育てていくかを学ぶ
必要がありました。欧米諸国の制度と比較しても、日本の地域警察制度は
経験も豊富で、ブラジルの文化と社会に最も適していると判断し、日本に
支援を依頼したそうです。
地域に根差した警察官…そう言えば、日本のアニメや映画の中にも、
気の良い警察官がよく登場してきますよね。話しやすく、困っている人に対して
真摯に対応してくれる優しくて頼れるお巡りさん。子供の頃、近くの水場で
捕獲した大量の蛙達を、お巡りさんに預かってもらった思い出もあります。
優しく話しかけてくれるお巡りさんでしたか、そんな話しやすいものを
感じさせることも努力の積み重ねだったのかもしれませんね。言われて
みればの気付き体験なのでした。やっぱり交番って凄いですね。