2月6日放送のガイアの夜明け『後悔しない"供養"』ご覧になられましたか?今回の番組は、冒頭から砕かれた墓石がゴミのように扱われるというシーンから始まりました。
いま、東京都内の「お墓」の平均価格は、200万円を超えると言われていましたが、我が家は田舎なのに周辺のお墓はもっと高い気がします。資金的な問題で墓を買うことができず、手元にある遺骨の扱いに悩むケースも多く見られ、そんな悩みを抱える人たちが首都圏には約100万世帯でみられるとも言われているそうです。やはりお墓参りで遠出をしたくないと思うと近場の霊園を探したいけれど、なかなかないんですよね。
これまでの「お墓」の他に、マンションのような霊園であったり、樹木葬であったり、遺骨を宇宙へ打ち上げて散骨する「宇宙葬」といった新しいケースも登場しているらしいのですが…。供養の形は多様化しているものの、故人をどう見送るか、残された家族の選択肢が広がる中、身内を亡くした人たちの中で、「葬式で弔いきれなかった」と後悔している割合は45%にも上るそうです。
ある人は、3年前に夫を癌で亡くし、闘病で大金を費やしたためお金がなく、お墓も買えないままでいました。首都圏では、自分が入るお墓を持たない家庭が約4割あるそうです。また、ある人は、父親が五男のため、自分で用意するしかお墓が持てず、7カ月間も自宅に父の遺骨を保管しておられました。大好きな父のために、墓を建てたいと願うその人の為に提案されたのが、合同のお墓と、自宅にも置ける小さなお墓。
番組では、この他、息子さんが6年にわたって介護を続けてきた寝たきりの母が、医師から「余命1週間」を宣告されると…「母との思い出が詰まった自宅から母を送り出したい」と願って、手作りの葬式をあげる話も取り上げられていました。自宅での手作り葬に、決められた葬式プランはありませんから、母親の想い出の味「ハヤシライス」を、弔問客に振る舞い、母親が好きだったクチナシの花を飾っていきます。心のこもった素敵な葬儀でした。
今、一般葬や社葬は、減少傾向にあり、家族葬、直葬(葬儀を行わない)が増えているとか。私も実は身内だけで故人を偲ぶ家族葬が、今の社会には合っている気がします。他人に気兼ねなく、仕来たりやルールに縛られない、訳の分からない高額な相場に従うことなく弔ってあげた方がと…。
こうした番組を見ると自分が意思表示できなくなる前に、エンディングノートは書かなければならないなぁと思ってしまいます。Wikipediaにはエンディングノートとは、高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノートと説明されていますが、自身が死亡したときや、判断力・意思疎通能力の喪失を伴う病気にかかったときに希望する内容を記すものとされています。
書かれる事柄は特に決まっているわけではなく任意なのですが、主に「病気になったときの延命措置を望むか望まないか」「自身に介護が必要になった際に希望すること」「財産・貴重品に関する情報」「葬儀に対する希望」「相続に対する考え方」「プロフィール・自分史」「家系図」といった中身になります。
法的効力を有する遺言とは異なり、存命中や死後の家族の負担を減らすことを目的としたもので、書籍や文具として実際にエンディングノートが販売されています。私も自分の親に渡したことがありますが、手をつけてはいないようです…。自分の意思表示ができるうちに、健康なうちに、その思いを残してもらえると、残された家族は助かると思うのですが、これはこれで、なかなか難しいようです・・・
先日、【人生の約束】そんな、ストレートなタイトルの日本映画を観ました。主演は、昨年私がハマっていた【この声をきみに】の竹野内豊さん。あのドラマの主人公も変わりゆく人の心が描かれていましたが、この映画も大切なものに気付いていく主人公の姿が描かれていました…。大雑把な展開に触れますと・・・
会社の拡大にしか興味が無く、その為に全てを捧げる日々を送っていた主人公。会社は自分の物だと思い込み、周りの人たちのことなど顧みることもなく、ただ数字を積み上げ大きくすることに喜びを見出していたのです。そんな竹野内豊演じるCEOの携帯に、ここ数日、かつての親友から何度も着信が入っていました。
その親友とは、若い頃に想いを共有し、二人で起業し、会社をここまで大きくしてきたのでしたが、会社の規模を大きくすることを最優先してきた主人公と創業の想いを大切にする親友はいつしか意見を異にするようになっていきました。会社の拡大を目指す主人公、それに対して危なさを覚え、そして、大切なものを忘れかけているんじゃないかと進言する親友。結果・・・主人公は親友を会社から追い出してしまいます。
共に起業して会社を二人三脚で成長させながらも、その会社を追い出す形で決別した、かつての親友。疎く思う反面、無言の留守番電話に胸騒ぎを覚えた主人公は、仕事の予定をキャンセルして、親友の故郷に向かいます。そこで主人公が直面したのは、予期せぬ親友の死…。
親友が最後の命を振り絞ってもう一度繋がろうとしていた『曳山』。それは、町の人々にとっては単なる祭りのひとつのアイテムではなくて、先祖や知り合い、そして自分自身の過去といった大切なものと時間や距離を超えて繋がるものでした。
人と人が繋がることが、当たり前ではなくなってしまった今の時代に、石橋冠獲得が捧げる、普遍的な「絆」と「再生」の物語。この監督さん、実は「池中玄太80キロ」シリーズをはじめ「新宿鮫」、「点と線」、「刑事一代」などのヒットドラマを手がけながら長年「1本だけ映画を撮りたい」と考えてきたそうです。
そんな想いから生まれた【人生の約束】…生きていく中で、必死に前ばかり見て進んでいく事で、いつの間にか見失い、置き去りにしてしまった大切なもの…。言葉では表しきれない心の描写…観終わって心に沁みる映画となりました。大雑把に展開には触れましたが、映画は、もっともっと中身の濃いものです。是非、見て欲しい映画です。
2月1日放送のカンブリア宮殿『世界を驚かせた日本製の鋳物ホーロー鍋バーミキュラ~倒産寸前の町工場 大逆転の秘密~』の回、ご覧になられましたか?愛知ドビーという社名はご存じなくとも、バーミキュラを知らない人はいないのではと思われるほど大ヒットしている鋳物ホーロー鍋を作った会社が今回の主役。他の番組には何度か登場していましたが、ようやくカンブリア宮殿に登場してきたといった感じです。
愛知ドビーは、創業当時“ドビー機”と呼ばれる機織り用機械のメーカーだったことが社名の由来となっているそうです。ハリーとは関係なさそうですね。繊維産業の衰退とともに、1990年代には船舶部品などの下請け工場に転換。2000年に入ると、海外の下請け工場に仕事を奪われ、次第に業績は悪化。父の苦境を見た、長男・次男は父や工場の人たちを助けたいと実家に戻り、兄弟二人三脚での立て直しが始まったそうです。
下請け工場の限界に突き当たっていたある日、次男が立ち寄った本屋で、フランス製の鋳物ホーロー鍋を紹介する本を見つけ、同じ鋳物ならば自分たちにも作れるのではないか、と思いつきます。そして、二人は、「世界一の鍋を作る」という目標を掲げ、開発に乗り出しますが、開発は失敗の連続。気がつけば3年がたち、失敗作は1万個にも及んでいたそうです。
挫けそうになりながらも、試行錯誤を続けていたある日、「これならば」と思える鍋が完成し、無水調理でカレーを作ってみると、驚きのおいしさになっていました。3年…1万個…本当に、よく投げ出さなかったものです。2人の不屈の精神が、無水調理ができる世界初の鋳物ホーロー鍋を完成させたのです。
鋳物ホーロー鍋といえば、フランス製が人気の市場でしたが、7年前に発売すると、「調味料を使わなくても野菜が驚くほどおいしくなる」と評判となり、一時15か月待ちになるほどの大ヒット商品に。さらに、IH調理器を組み合わせた炊飯器「バーミキュラ ライスポット」を2016年に発売すると、こちらも一時入手困難となるヒット商品となりました。
番組を見始めて間もなく、「こんな鍋欲しいよなぁ」と私がつぶやくと、家内は、「そんなもの要らないわよ」と一言。ところが番組を見終わる頃には、「やっぱり、この鍋欲しいわ」って。ビタクラフトを持っている家内でしたが…それだけ魅力のある鍋という事なんでしょうね。
当初はなかったように思いますが、お客様サポートセンターの様な所で、鍋を買ってくれたお客に対して、使い方の相談だけでなく、レシピの相談まで受け付けるようになっていました。番組では離乳食が作れないかという相談に対応していましたが、徹底的に客の声を聞き、開発にも役立てているのです。2016年に発売されて人気が爆発した炊飯器「ライスポット」も、「バーミキュラでお米を炊くとおいしいけれど、火加減が難しい」という客の声から産まれたヒット商品だったようです。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
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多くの中小企業は後継者不在という危機に瀕している。「愛知ドビー」は兄弟が協力し後を継ぐという理想型で再建された。だが、その道のりは、厳しい、ではなく、「ほぼ不可能に近い」だった。異業種出身の二人は、あきらめなかったのではない。あきらめることができなかったのだ。バーミキュラは、革命的な鋳物ホーロー鍋で、料理人が変わったのではないかと錯覚する。さらにレシピの種類が、鍋が持つ可能性にまだ追いついていない。兄弟は、社名を変えなかった。「愛知ドビー」創業以来の、技術力への誇りが刻まれている。
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私も社名に関してはバーミキュラにでもしてしまえばとも思いましたが、それも変えずに拘る姿も、また素敵に思えたものです。お小遣いでも貯めて、秋の家内の誕生日にでも、プレゼントしてあげましょうかねぇ…。
『運命の白い河』
運命の白い河をもとめて
私たちは旅に出た
自らの運命を自由に扱うために
海の底から ずっと歩いてきた
背が伸び 毛が生え 服を替え
時は面白いほど 軽快に流れていった
長い旅の後に 私たちは見つけた
白く輝く 運命の河を
赤を混ぜれば すぐ赤く染まる
黄を混ぜれば すぐ黄に染まる
白い河は 敏感に変化する
私たちの思い通りに変えられる
だが どうしたことだろう
誰一人として その河に触れられない
誰もが 自らの運命を変えてしまうことを恐れた
それは絵の具と同じで
二種類の混合なら良いが 多くを混ぜれば
手がつけられないほど 汚れてしまう
誰も その河に触れられず
一人去り また 一人去っていった
そして・・・
今 私一人が この河岸にいる
触れることのできない白河を見つめて・・・
詩集『道しるべ』より
今更ですが、昨年11月5日放送のNHKスペシャル 神秘の巨大ネットワーク第2集【「人体」驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る】書いたつもりで書き損なっていたので書かせて頂きますね。脂肪と筋肉、2つの言葉から何を連想するでしょうか。脂肪はただのアブラのかたまり?筋肉は体を動かすための装置?そんな思い込みが、最新研究で大きく覆されているというこの回のお話…大事ですよ。
私たちの体にある脂肪と筋肉は、なんと体の7割をも占めており、“人体最大の臓器”。そんな脂肪と筋肉が、全身に向けて“メッセージ”を伝える特別な物質を放出し、命に関わるさまざまな病気の発症と密接に関わっていることが分かってきたというお話でしたので、この回を書き逃してはいけませんよね。
最新研究から、この脂肪細胞が、「レプチン」と呼ばれるメッセージ物質を放出していることが分かってきました。この物質は、血液の流れに乗って、脳の中心部にある視床下部というところに到達し、そこの神経細胞の表面に並んだ “受容体”と呼ばれる装置で受け取られると、脳は「もう食べなくていい」と判断し、食欲を抑える指令を伝えてくれるらしいのです。
いまや世界には、およそ6億人以上もの「肥満」の人がいると言われます。勿論、私も肥満です…。そもそも食欲を抑えるメッセージ物質「レプチン」が大量に放出されて、食欲を抑えてくれるはずなのになぜ、肥満になっていくのか…?そのメカニズムは、まだよく分かっていません。これはちょっと残念ですが…。メカニズムが分からなくても、肥満解消の努力をしなくてはならない事実が話されていきます。肥満状態が進んで、やがて陥るのが「メタボリックシンドローム」。実はこの『メタボ』、その体内では、体を守る免疫細胞が“暴走”しているらしいのです。
メタボの人の脂肪細胞は、「敵がいるぞ」という警告を伝えるメッセージ物質を誤って放出していることが分かってきており、それを受け取った免疫細胞は、活性化して「戦闘モード」に変化し、自らも「敵がいるぞ」という誤ったメッセージを拡散していきます。脂肪を吸収した免疫細胞は、やがて限界に到達して破裂し、この時、敵を攻撃する為に持っている毒物が放出されてしまい、突然死をも招く動脈硬化や心筋梗塞、さらには糖尿病など、さまざまな病気を引き起こしうるというのです。
免疫細胞の暴走をどうやったら食い止められるのか。実はそのカギが、筋肉が放出する“メッセージ物質”にあると考える研究者がいます。運動をすると筋肉から放出されるメッセージ物質・IL-6に、免疫の暴走を抑える作用があるというのです。このIL-6は、もともと免疫を活性化する物質として知られていました。ところがIL-6の働きによって、メタボの人の体内で異常放出されている「敵がいるぞ」というメッセージ物質・TNFαの量を大幅に抑えるという効果も分かってきたのです。
運動で筋肉を動かすと、エネルギーを消費して過剰な脂肪を燃焼させる効果や、血流が良くなる効果があることは知られていますが、その他にも、メッセージ物質を出すことによって「体の状態を正常に保つ」という未知のパワーが秘められている可能性が、注目されているのです。
筋肉の「メッセージ物質」については必要以上に筋肉が増えてエネルギーを消費し過ぎないように、周囲の筋肉の細胞に向けてミオスタチンを放出し、「成長するな」というメッセージを伝える仕組みがあるとか、運動することで筋肉から出てくる「カテプシンB」というメッセージ物質が脳に働きかけて、なんと“記憶力が高まる可能性がある”というお話もありましたが、今回は個人的に衝撃的だった免疫細胞の破裂について、どうしても書きたかったので、その辺は省略させて頂きますね。
諸事情で運動できない状態に陥り、尚且つ肥満で困っている方、「何で?」はどうでも良いから、しっかり減量してメタボから脱出していきましょうね!! 私も肥満と闘う事うん十年・・・、サプリまで使って頑張ってはいるのですが・・・減らない食欲や飲酒との闘いは苦戦の一方で・・・
2月4日放送のNHKスペシャル【「人体」”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体】ご覧になられましたか?体の臓器同士で密接につながりを持っているという話が続いていましたが、そんな臓器との連携を図りながらながらも、その内部に高度なネットワークを築き上げてきた、「究極のネットワーク臓器」の『脳』。楽しく見させて頂きました。
私たちの脳には1,000億の神経細胞があると言われ、それぞれの細胞が電気信号をやりとりすることで情報を伝え合っています。脳はただ単純に電気信号をやり取りするだけではなく、神経細胞と神経細胞との間で「メッセージ物質」を使って情報を伝えているとか。脳の中を飛び交うメッセージ物質の中でもっとも多くの数を占めるのが、「電気を発生させて」というメッセージを次の細胞に伝える「グルタミン酸」。このメッセージ物質があるおかげで、電気信号は細胞から細胞へ次々とリレーされていくそうです。
更に、この電気の伝わり方に様々なバリエーションを生み出すため、数十から100種類ものメッセージ物質が脳の中を飛び交っているのだとか。メッセージ物質のさじ加減ひとつで、電気信号の伝わり方に無数とも言えるバリエーションが生まれ、その不安定さが、時に想像すらしない「ひらめき」を生み出す原動力になるというのです。取捨選択する脳…効率だけではない、広がりを許す脳の仕組み、面白いシステムです。
「ぼーっと」している時、私たちの脳は決して活動をやめているわけではなく、むしろ脳の広い領域が活性化している「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる不思議な状態にあることが分かってきています。このネットワークが、無意識のうちに私たちの脳の中に散らばる「記憶の断片」をつなぎ合わせ、時に思わぬ「ひらめき」を生み出していくのではないか、と注目されているのです。なんと山中先生も、シャワーを浴びてボーッとしているときに、IPS細胞のひらめきが生まれたと仰られておりました。
さらに番組では、「ひらめき」を生む上で重要となる「記憶」の秘密…脳の奥深くにある「海馬」、その入り口にある「歯状回」と呼ばれる場所で神経細胞が新たに生まれ続けていることで、新しい記憶を次々と作り出しているとか。さらに最新の研究では、この歯状回で新たに生まれる神経細胞の成長を、私たちが物を食べたりした時に「すい臓」から出される「インスリン」が役立っている事が分かってきたとか。
番組では関連する認知症の話や、それを解決する取り組みについても取り上げられていました。メッセージ物質を選別してしまう関門を突破させて認知症を改善する薬。血管の通過を許されているインスリン…詳しくは、是非番組の再放送でご確認下さい。
健康な人の脳では90歳を過ぎても細胞が生まれ続けているそうです。まだまだ、「ボケてきたなぁ」なんて、のん気な言い訳は言えないし、認知症やアルツハイマー病の対策も進んできているのだから、沢山の記憶を補充して、ひらめきを楽しみながら健康に生きていきたいですよね。
先日、大沢たかおさん主演の映画『風に立つライオン』を観ました。この映画は実在する「柴田紘一郎」さんという医師のエピソードに刺激を受けた「さだまさし」さん自身が作詞・作曲をした作品を基に、主演を務めた「大沢たかお」さんが、原作小説制作を「さだまさし」さんに依頼をしたことで、2013年に小説が出版され、映画化までされたものです。
企画段階から携わった「大沢たかお」さんは、企画がなかなか進まなかったため、自らアフリカのドキュメンタリーの仕事を引き受け、それを「さだまさし」さんに見せたりもしたそうです。映画化作品の主題歌には、セルフカバーをした「風に立つライオン」を採用し、2015年2月18日にデジタル配信を開始。売り上げの一部は、「さだまさし」さんが1995年に立ち上げた「NPO法人ピーススフィア貝の火運動」基金を通じて、ケニアの医療施設などにおくられているとのこと。
肝心の映画は、3つの時間軸で進行していきます。中身はざっと、こんな感じです・・・。
…1987年。ケニアの熱帯医学研究所の所長・村上の元へ、2人の青年医師が派遣されます。青木医師と、飛行機に乗り遅れ、3日遅れで赴任した大沢演じる島田航一郎。研究所では研究が主目的ですが、現地人の患者の診察もします。
半年後、赤十字戦傷病院へ1か月の応援要請があります。1か月の任務を終える頃には航一郎の顔から笑顔が消えていました。幼い子供が麻薬を打たれることで戦場で受ける恐怖心を消され、兵士として人に向けて銃を撃つ世界…。病院で治療を終え出ていく人に、これからどうするのかと尋ねると、また戦場へ行くと答える退院患者…
明るさをなくした航一郎は、しばらくして、村上所長の計らいでケニアのマサイ村で最大のもてなしを受けます。すると、翌朝…まだ朝日も登らないうちから「頑張れ~!!」と叫び、気持ちを入れ替えていきます。
主役の航一郎は、映画の中で再三「頑張れ~!!」と一人叫びますが、これは群れに属さないライオンは辛いんだと…自分をライオンに例え「頑張れって自分に言っているんです」と映画の中で語っていきます。まもなく航一郎は、自ら、再び赤十字病院への転籍を志願します。
目の前で両親を殺害され心の傷を負ったンドゥングという少年との出会い…。まともに会話することを拒み、殻に閉じこもっていくンドゥング…。好きな事はと尋ねると、人を撃つことだと答える可哀想な少年でした…。クリスマスがやってくると、航一郎は、サンタに扮しプレゼントを渡していきます。ンドゥングには、なんと銃の玩具…。
銃を手にしたンドゥングは、涙ながらに心の内を開け、銃を火の中に投げ捨てます。本心を話してもらえた航一郎は、ンドゥングを強く抱き締め、もう一つ用意していた聴診器をプレゼントすると、医師になれと伝えていきます。9人の命を奪った自分に、そんな資格はないと涙する少年。だからこそ一生をかけて10人の命を救えと話す航一郎。ネタバレですみませんが感動のシーンでした。でも、映画のほんの一部のネタバレですからご了承ください。
映画は、航一郎の恋人とのやり取りや、子供たちとのやりとり、命がけで施設外の往診に出かけたりと見どころは沢山あります。映画のラストでは、冒頭の東北大震災で被害を受けた石巻の廃墟とリンクしていき、全てが繋がっていくと「さだまさし」さんの名曲が流れていきます。話したくて共有したくなってしまうラストですが、それは是非ご覧頂いて欲しいので我慢します。
子供の怪我だけでなく「命」そのものを守ろうと、危険な土地で命を注ぐ医者に感動される事間違いなし…良い映画でした。
平昌オリンピックの最中、皆さんも日本人選手の勇姿をワクワクしながらご覧になられていることと思います。そんなタイミングで、東京オリンピックにつながる話って言うのも変なのかもしれませんが、つい先日、行われた全日本卓球選手権。男子の部、水谷選手対張本選手の闘いも、なかなか凄かったのですが、やはり目が離せなかったのは女子の熱い闘い。急成長を遂げた高速卓球の平野選手、みまパンチを繰り出す伊藤選手、それに日本のエースとして君臨してきた石川選手…。
つい先日の1月15日ですが、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀『挑戦を、強さに変える プロ卓球選手・石川佳純』が放送され、丁度その日から始まった【天皇杯・皇后杯 平成29年度 全日本卓球選手権大会】
2017年に行われた日本一を決める大会では、4連覇をかけた石川選手でしたが、高校生の平野選手に惨敗しました。その背景に、公式ボールの変更があったことは、番組を通して初めて知った話。ボールの材質がセルロイドからプラスチックに変わり、ボールに回転がかかりづらくなったことで、回転を生かした石川選手の卓球が通じなかったというのです。
たかが材質と思いきや、あれだけのスピードでラリーをする世界では、その回転数の違いがタイミングを狂わせてしまい、殆ど完成されたレベルまで達していた石川選手にしてみれば、引退を余儀なくされてもおかしくない程の異変だったのです。あの卓球の鬼、既に引退している平野早矢香さんは、「私だったら、続けられない」と言い切るほどの珠の材質変更だったのです。
番組では、完成度を高めてきた卓球から、新たな高速卓球へとスタイルを変えるべく挑戦し続けている石川選手の姿が流されていました。
そんなタイミングに合わせるかのように始まった全日本選手権…。昨年、石川を圧倒して高速卓球のレベルの違いを見せつけた平野選手。プロフェッショナルで新たなスタイルに変貌しようとしているエースの石川選手。注目はこの2人でしたが、出てきたのはみまパンチを繰り出す伊藤選手。
終わった見れば、伊藤選手は準決勝で石川選手を撃破し、決勝でも高速卓球の平野選手を圧倒し、なんと混合ダブルス・女子ダブルス・女子シングルスで優勝して、3冠達成の快挙を成し遂げてしまったのです。
相手のスマッシュを叩き返してしまうみまパンチやドライブ、表ラバーでのチキータと、伊藤選手も進化を着実に遂げており、石川・平野・伊藤…この3人の選手がお互いに切磋琢磨して成長していく事で、東京オリンピックでは、まさかの金銀銅ラッシュも夢じゃないかもしれない…そんな期待を抱かずにはいられなくなってしまうのです・・・。
プロフェッショナルの中では、石川選手が中国のプロリーグへの参加希望をしていましが、受け入れられなかったという話がありました。あの中国がこれ以上日本選手に強くなられては困る…そんな風に警戒し始めているというのも確かな話ですからねぇ…楽しみだぁ!!
1月23日放送のアナザーストーリーズ 運命の分岐点「007 ジェームズ・ボンド誕生の真実」の回、ご覧になられましたか?世界的に有名なスパイ映画で、主役も何代かに引き継がれ、半世紀以上にわたってシリーズ化されている娯楽大作。
第1作となる「ドクター・ノオ」を監督したテレンス・ヤング。監督としては知名度が低く、当初はお金に困っていたそうです。そんな彼が、ジェームズ・ボンドの役にショーン・コネリーが抜てきされたと知り、「大惨事だ!大惨事だ!大惨事だ!」と嘆いたとか…。
映画をご覧になった方なら『何で?』と誰も思うことでしょう。私も、数々の名優がボンド役を演じてきましたが、ショーン・コネリーが一番だと思っていたので…。ところが、当初のショーン・コネリーは英国紳士とはかけ離れた人物で、ただのマッチョだったとか…。売れない監督と単なるボディービルダーの紳士ではなかったショーン・コネリー・・・
当然、映画の成功のカギは、無名の新人俳優ショーン・コネリーを華麗な英国紳士としてのスパイに仕立て挙げていくことでした。お金に困っていた監督は、最初に報酬を受け取っていたために投げ出すこともできません。監督は、高額な服をコネリーに身につけさせ、マナーや物腰まで、監督自らがボンドを作り上げていったのです。
番組では、定番となったジェームズ・ボンドのテーマ曲の誕生秘話や、映画を華やかに彩るボンドガールたちの話も聞くことができました。実はボンドガールたちの活躍の裏側には、「姿なきボンドガール」と言われたある一人の女性の存在があったというスクープ的なお話も。
実はこの姿なきボンドガール「モニカ・ヴァン・ダ・ジル」さん。女優でありながらも、表舞台に出ることのなかった彼女の秘密は、歴代のボンドガールたちの声を吹き替えていたという事。巧みに声を使い分け、その見事さから本人にすら気付かれることがなかったとか…。
酷い話ですが、モニカさんは、映画のスタッフとしてすら名前が公開されず、引退するまで存在すら知らされることがなかったそうです。引退後、本人の口から公開された真実…。ボンドガールに相応しい話し方にこだわった2人のプロデューサーが仕組んだことらしいのですが、女性軽視だと、珍しく私の家内が激怒していたほどです。
何はともあれ、数々の裏話がありながらも、『007』というだけで、あのテーマ曲に黒髪の英国紳士、ボンドガールに様々な秘密道具と、私たちの頭にしっかり焼き付けられるまでになっているのですから大成功のシリーズですよね。歳のせいか、今更見たいとは思いませんが、「ロシアより愛をこめて」の ダニエラ・ビアンキさん…美人でしたねぇ…