さてさて前回の続き…「世界最大の鉄道会社JR東日本 その2」になりますが、今日は、10月25日放送の「JR東日本 第2弾!客に愛され、地域に愛されるポッポ屋へ!」の回から書かせて頂きますね。
国鉄と呼ばれていた時代…「駅の物販」と言えば、キオスクで売る会社員向け新聞・雑誌や牛乳・ガム等が一般的でしたが、今の駅構内には、女性が大好きな最新のスイーツからおしゃれな雑貨まで、デパートと見まがうような魅力ある店舗が並んでいます。駅での退屈だった待ち合わせ時間も、今では、色々なお店の中を覗いているだけでも充分過ごせてしまうほど…。
乗換駅にしても、ただ通過してしまうには勿体ない気さえしてしまいます。そんな駅の常識を変えたのが、JR東日本の駅ナカを作り上げてきた「エキュート」の女性チーム。立ち食い蕎麦等、男性中心の世界だった駅構内だったからこそ、女性をトップにして改革を行ったそうです。
一方、かつて鉄道会社のお荷物として切り捨てられてきた地方の赤字ローカル線でも常識破りの取り組みが行われてきました。民営化以後のJR東日本では、不採算の地方路線を地域住民とタッグを組み、魅力ある観光路線に変え、路線を維持してきたのです。危機に瀕するローカル線があれば、廃止ではなく、復活させるために観光列車を投入。
地元の人も、やってくる車両に「感謝を込めてお迎え」と旗をふる光景。1997年五能線「リゾートしらかみ」…廃止寸前だったローカル線は、日本で一番人気のローカル線となっていました。海岸線ギリギリを走る絶景と、地元ならではのサプライズは、地域の人と相談を重ねながら生まれていった観光列車だったそうです。
そんなこんなで、今や20種類もの地域色豊かな観光列車が、路線の維持だけでなく、地域再生にまで貢献しているといいます。景色の良い「リゾートしらかみ」それに超豪華な「TRAIN SUITE 四季島」…電車ならではの景色と共にゆっくり流れる時間を、生きているうちに夫婦で体験できたら良いなぁとの憧れさえ・・・
忘れもしない東日本大震災…あの時、営業中の新幹線は一本たりとも脱線することはありませんでした。近年、JR東日本が力を入れているのが、安全への投資なのです。2019年までの5年間で、その額は、実に1兆円とのこと。更に、管内80箇所で運転士向けに配備を進めるのが事故シミュレーター。また、運行中でもレールの異常を検出できる特殊センサー車両も導入を進めているそうです。
極め付けは、インパクトのある教訓となろう「過去に事故を起こした車両」を展示した「社員向けの展示館」。JR東日本が、安全関連施設に惜しげもなく資金を投じてきたのは、冨田会長が目の当たりにしてきた数々の事故経験からでした。大惨事から学び、究極に安全な鉄道を目指し、国内の鉄道事業者として圧倒的な存在感を示すJR東日本。
そんなJR東日本は、海外への“輸出”にも力を入れていました。インドネシアに日本の中古車両を大量に走らせ、ベテラン社員が現地スタッフに保守点検技術を伝承する取り組みがあれば、イギリスでは、正確で安全な鉄道運行システムを現地の鉄道に提供。さらに、駅弁文化まで発信して、日本の鉄道の魅力を伝えようとしています。国鉄時代では絶対にありえなかった展開です。
社長の金言
「小さなイノベーションが大きな力になる」
心に残る、説得力のある言葉でした。
※姉妹サイト「BLACKBOX」は、こちらです。