昨年2016年5月25日NHKの放送を見て『生き方で伝える、人生の終い方』と題して書いたこと
がありますが…今回は5月9日放送のガイアの夜明け『人生、最期まで〝我が家〟で..〜家族で
向き合う「在宅医療」〜』から…
自分の人生を最期まで、どこで、どう過ごすか...。身体が不自由になってくると自宅以外の
病院や施設にお世話になるのが普通になりつつある昨今。ところが国の調査によると「どこで
最期を迎えたいか」という問いに、「自宅」と答えた人が54.6%で最も多いとの事。その支え
が今回の話の中心となる「在宅医療」。病気の人も、社会保障費抑制の政策の中で、長期入院を
させないよう病院を出されるケースが多く、「在宅医療」の充実が求められています。
75歳以上が15.7%という佐賀県鹿島市。そこで、100年以上続く「祐愛会織田病院」。年間新規
入院患者数は3,200人、病床稼働率99%とフル回転している地域の中核病院です。病院がパンク
してしまう前に取り組みを始めたのが「自宅のベッドを病院のベッドと同じ環境にする」という
のがコンセプトの「メディカル・ベースキャンプ」。
初期治療を終えた患者に可能な限り早く退院してもらう一方で、退院後2週間は、医者、看護師、
ケアマネージャー、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種が連携して在宅患者を
ケアする仕組みとの事。 高齢者がタブレットなどの機械を操作するという難しさはありましたが、
そこは近年の技術の進歩…どんどん改善されていく事でしょう。
また、人口約30万人の三重県四日市にある「いしが在宅ケアクリニック」というところがあり
ます。ここは医師9人に看護師11人という構成で24時間365日対応の「在宅診療」を行なって
います。この小さなクリニックが今、全国の医療関係者から注目されているそうです。理由は
在宅での看取り数が年間約300件という実績。
看取りに力を入れる理由は、今後の“多死社会”が引き起こす『看取り難民』への強い危機感。
院長の石賀丈士さんは「自宅で最期を迎えたいと願っても、叶えられるのは1割程度。」だと
言われます。そこで石賀さんは、新たな仕組み作りに動き出しました。 まずは、市内の総合
病院を周り、ガン末期などの重症患者を無条件で受け入れる事を条件として、医師が在宅ケア
クリニックに回すよう要請。
狙いは、在宅医療に躊躇していた地域開業医でも、軽症患者が中心になれば、受け入れやすく
なると考えたからです。石賀さんは、在宅医療を「医師の数」「年間看取り数」により3段階に
分け、病状のレベルによって、それぞれ適切な診療所が受け入れるという「四日市モデル」を
作り、在宅医療の裾野を広げようとしていたのです。
番組では実際に1人の女性が自宅で看取られる様子が映されましたが、自宅での看取りは患者
本人だけでなく家族にとっても大きな意味があり、双方、悔いのない良い表情をされていま
した。私も、彼方此方とガタが来ていますから、何かのきっかけで、いつ動けなるかも分かり
ません。人生の終い方について、自分からの視点だけでなく、看取ってもらう側の気持ちも
しっかりと考えていかなければと思ったのでありました。