5月23日放送のガイアの夜明け『"残業"やめられますか?~15周年企画 ニッポン転換のとき
第二弾~』ご覧になられましたか?
2016年、大手企業で起こった過労自殺事件をきっかけに、働き方を見直す動きが急速に進んで
きました。「24時間戦えますか」とまで謳い上げられた日本人の働くことに対する価値観は、
「残業ゼロ」という正反対の方向…遅く残ることに罪悪感を抱かせる時代に変貌し始めています。
政府も企業の残業削減を強く打ち出し、日本はかつてない時代へ突入しようとしていますが、
企業の職場では「残業」をめぐる様々な思いが交錯しています。「残業ゼロ」を目指す企業側と、
労働時間が短くなる一方、期待していた収入が減り、その上成果は求められる現場の労働者側...。
理想と現実の差がそこにはありました。
多くの企業が「働き方改革」に向けた取り組みを進める中、全国に500店舗を 構える紳士服業界
大手「はるやま」が今年1月、あるユニークな残業削減プランを発表しました。それは、残業を
しなかった社員に、『ノー残業手当』として一定の額を支給するというもの。いわば“逆転の発想”
から生まれた取り組みですが、実際に売り場を担当する社員たちに、思わぬ波紋を広げていま
した。そう簡単にはいかない方向転換でしたが、時間の経過とともに結果が出始め、数カ月で
残業平均時間は10分の1に減少し、売上は110%を達成していったのです。
日本では、社員の残業を前提にした給与形態を採っている企業も多くあります。そのため、残業
がなくなり残業代が支給されないとなると、一家の家計にもたらす影響は少なくありません。
統計調査では、収入が減ったと回答した人が32パーセントもありました。そんな中、失われた
“残業代分”を補てんしようと、「副業」を始めた人たちもいます。世界が広がると捉えることも
できますが、何のために残業を削減したのか分からない気もします。また、企業の多くは副業を
認めていませんから、そうしたケースは、我慢するか、訴えるか、隠れて行うか…弱ったものです。
そんな中、中国地方を地盤とする中堅スーパーのフレスタという面白い会社がありました。
午後6時になるとPCの電源を自動的にオフにするという激しい取り組み。勿論、事前に申請し
ておけば強制終了させられることはないのですが、モニターの上に札を付ける形となって目立ち、
恥ずかしさと、残業している事への罪悪感を感じてしまう…と残業している人は話されていま
した。意識の改革ですよね。
こんな取り組みで浮いた残業代は社員に還元する計画で、この冬から、残業時間が少ない人ほど
賞与を増やす制度を始めるというのです。浮いた残業手当を、賞与で最大20万円支給するという
仕組み。若い人たちに向けて話されていましたが、『残業は減らすけれど、収入は確保します。』
そんな宣言は有り難いですよね。
今年から始まったプレミアムフライデー。初めは大勢が早く帰っていた会社も2ヶ月後は殆どが
帰らずに勤務。休めば、そのシワ寄せが出てしまうから、普通に仕事をしてしまった方が良いと
…。『早く帰れ』というだけでは解決できない問題に対して、どこまで企業が社員の事を考えた
対策を出せるか…そこに尽きるのでしょうか…。
ちなみに弊社では、プレミアムフライデーの『プ』の字も触れられていませんが、中小企業に
とってのプレミアムフライデーは、今後、変わっていけるのでしょうか…。今年の大イベント…
『プレミアムフライデー』…今後も動向に注目です。