10月23日放送のガイアの夜明け【「どうする? ニッポンの電力」~「再生可能エネルギー」知られざる“裏側”~】の回、ご覧になられましたか?
まだ記憶に新しい「北海道の大地震」が原因となって発生した道内全域の「ブラックアウト」。初めて起こった現象に、何が起こったのかと耳を疑ったものです。大型台風が引き起こした、静岡の大規模停電もそうであったように、毎日当たり前のように使っている電力が突如、断ち切られたとき、電気製品に頼り切っている私たちの暮らしはが大きな打撃を受けてしまいます。
東日本大震災で福島第一原発が人々に大きな被害をもたらした日本で、これからの電力をどう確保していくのか。そんな議論が始まっても、安倍首相は日本の原発は世界一安全で、コストも安いと原発中心の路線を変えようとせず、恥ずかしいかな、海外にまで売りつけようとしていました。
ところが今年7月、政府が「エネルギー基本計画」で明記したのは、「再生可能エネルギー」を主な電源とすることでした。好感度を上げる為か、太陽光やバイオマス発電といった、環境に優しい電力を拡充しようというのです。「今更??」とか「今ごろ??」とも思いましたが、そこには、思わぬ"光と影"がありました・・・。
東日本大震災以降、停止した原発分を補ってきたのが、火力発電。しかし、燃料のほぼ全てを輸入に頼り、CO2の排出量も高く、環境にとっては全く良い展開ではありません。そこで改めて大きな注目を集めたのが「再生可能エネルギー」でした。2012年には、固定価格買取制度(FIT制度)がスタートし、発電した電気を売ってビジネスにしようと、太陽光を中心に売電事業者やパネルメーカーが次々と誕生。
今回番組で取り上げられた太陽光発電所を運営する「エンブルー」という会社もその一つです。社長の三浦さんは自ら全国を飛び回り、発電に適した土地を日々探し歩いていると言います。そんな、三浦社長が直面していた問題…それは、仮に発電に適した土地を見つけ、そこで電気を生み出したとしても、それを無駄に捨てざるを得ないケースが多いという現実。
電気を作っても、届ける方法がないのです。送配電網の能力が伴わないこと…日本では、大手電力会社が基幹送電線の空き容量がないことを理由に、再生可能エネルギーの発電事業者の接続を拒否する事例が相次いでいるというのです。また再生可能エネルギー事業者に法外な「送電線の工事負担金」を要求する事例まであると…。
つまり、政府は、見せかけだけの再生可能エネルギーの奨励をしただけで、実際には政府も電力会社も原発にこだわり、再生可能エネルギーの普及に本腰を入れていない事が見て取れるのです。
原発反対と言えば小泉元首相の事が、最近は頭に浮かび、こんなセリフを思い出します。
『政府は『日本の原発は世界一、安全基準が厳しい』と言うが、米国やフランス、アイルランドと比べてどこが厳しいのか、全然示していない。廃炉の費用、賠償費用、安全対策の費用。最終処分場なんて千年万年作らない。これを入れてないんだから、原発のコストが一番安いというのは、とんでもない嘘だった。』
これまで政府や電力会社は「原発は、他の発電方法より安いから推進する」と言ってきたものの、本当のコストは高いので、「電力自由化」によって淘汰されないように、原発のコストが本当は高いことを国民に知らせないまま、原発を持たない「新規参入の電力小売会社の電気を買う人」からも「原発の廃炉費用」を負担させ、明らかに原発への優遇策をとってきました。なのに肝心な再生可能エネルギーの方には手が回されていないのです・・・。
番組では今年、日本列島を次々と襲った台風の巨大エネルギーを利用して電力を生み出そうという「チャレナジー」という会社が紹介され、このブログでも他に再生可能エネルギーの取り組みをしているケースを紹介させて頂いたことがありますが、日本の発想力も技術力も素晴らしいものが沢山あるだけに、もっともっと国のバックアップが欲しいものです。
口先だけの他人事の様な「再生可能エネルギー」奨励ではなく、それを主電源とする為の具体的な投資、制度改革など、もっとスピーディーに進めて欲しいものです。ほとんど使われていない送電線だけでも、すぐにでも、有効活用して欲しいものです。なんか書いているうちに沸々と腹が立ってくるのが情けないですよ・・・
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