10月31日放送のガイアの夜明け『立ち向かう!物流"危機"』の回、ご覧になられましたか?
「獲れたてのサンマ」「朝採れのとうもろこし」など、今やスーパーで客の目を惹きつける、
当たり前の"鮮度"をアピールする売り文句。『少しでも新鮮な商品を』と、求める消費者の
ニーズに応えようとしています。それを裏で支えているのが、商品を産地からスーパーまで
運ぶ、トラック運転手の存在です。
今回は、そんな売り文句の裏側で、真夜中に長い距離を走ったり、労働が長時間に及んだり、
という問題が起きている事を教えてくれました...。そう、ヤマト運輸などの宅配便の話を
思い出します。
過酷な労働環境から、トラック運転手になる若手の数は減少傾向にあり、運転手の、高齢化も
進んで、物流業界は「危機」に直面しているといいます。番組では、札幌市の運送会社「フジ
ネット」という会社が取り上げられていました。
メロンやとうもろこし、北海道の青果を50年にわたって運び続けてきましたが、ドライバー
の労働時間の短縮を難しくする、ある問題に悩んでいました。それは、野菜を運ぶ場合だと、
大量に出荷される野菜のダンボールをトラックに積み込むのがなんと、殆どがドライバー
たった一人…それも2時間超の重労働。やっとの思いで積み込み終えると、そこから長距離を
運転し、目的地の卸売市場に。到着すると、今度は荷降ろし作業を、また一人で…。
テレビで取材された時は、1箱10キロの荷物がなんと1,200箱でした…。本来の「走る」という
業務以外の負担が、長時間労働を招く一因となっていたのです。そうした労働環境もあって、
フジネットでは58人いたドライバーは40人にまで減少していました。
なんとかして、そんな現状を打ち破ろうと、フジネットは、国土交通省などの事業に携わる
物流の専門家を招き、国の力を利用して長時間労働を解消しようと考えました。得られた
対策は、荷物の積み込み・荷降ろしをレンタルしたパレットごと処理するという事。
バレットとは荷物を載せるための台のことですが、通常、これはそれぞれの目的地で管理
していて、それ事持って行くことができない為に、こんな負担が強いられていたのです。
そうして、人力ではなく、パレットごとフォークリフトで処理する事で、大幅に時間短縮
されるだけでなく、番組では触れられていませんでしたが、1,200箱の荷物を積んだり降ろ
したりという重労働も解消できたのです。
消費者の欲望を満たしていくために、陰で支えてくれている人たち…。本当にありがたい話
ですが、関わる人たちの生活を壊すようなことがあってはならないし、私たちも、そうして
支えてくれている人たちに感謝しつつ、得られたものを粗末にしないよう心していきたいもの
です。
…っていうか"便利"とか"消費者の欲望"とか、それを支えてくれている人たちは、ある意味
"夢"を叶えてくれている訳ですから、もっと優遇されるべきだし、それに見合う報酬や環境を
アイデアで実現していって欲しいものです。