食品添加物ついでにあと2つ。今日は亜硝酸ナトリウムについてお話します。
ソーセージなどの肉加工品に含まれている亜硝酸ナトリウムは、発がん性があると言われています。
毒物及び劇物取締法で劇物に指定されていますが、成人男性が
たった2g(2,000mg)で死に至る可能性がある、わりと強い毒です。
亜硝酸ナトリウムのADI(生涯毎日摂取しても大丈夫な量)は、『0.06mg/kg重/日』となっています。
これを当てはめると、50g程度でADIに達してしまうので、『危険』という主張が上がるようです。
それでも入れられている理由は赤みを帯びさせて美味しく見せる為というよりも、
O157や何万分の一の確率で起きるボツリヌス中毒をゼロにする為。
ボツリヌス中毒は、適切な治療を受けないと死亡率が30%以上と言われる恐ろしい食中毒です。
ボツリヌス菌は、土壌に広く分布していて、海や湖の泥の中にもいます。
瓶詰、缶詰、真空包装食品など、酸素が含まれない食品中で増殖し、強い毒素を作ります。
芽胞は特殊な構造をしている為、長時間煮沸しても死なず、致死率の高い恐ろしい細菌として知られています。
ボツリヌス菌が作り出すボツリヌス毒素は毒性が非常に強く
0.5kgで全人類を滅ぼすことができると考えられていた為、生物兵器として研究開発が行われたほどです。
ハムやソーセージには1kgあたり最大70mgまで亜硝酸ナトリウムを使って良いことになっています。
ADIは『生涯・毎日、摂取した場合の数値』となっています。なので…
ADIは、2~3日の間、10倍や100倍に当たる数値を摂取したところで、
まず影響が出るとは考えられないレベルの安全値となっているらしいのですが…
どちらの危険を選択するかは、両方を知って、天秤にかけた上で、自身で納得して選択したいですよね。
ちなみに、我が家ではできるだけ亜硝酸ナトリウムの入っていないハムなどを購入して、
加熱することでボツリヌス菌対策をしています。菌を不活性化すさせるには100℃で6時間、
芽胞で120℃・4分間の加熱が必要と言われていますが、
ボツリヌス毒素自体は100℃で1~2分の加熱で失活されるからです。
この為、ボツリヌス菌による食中毒を防ぐには、食べる直前に食品を加熱することが効果的と言われています。
亜硝酸ナトリウムを避けるならば、生ハムは食べない方が良いという事ですね。
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