1月10日放送のカンブリア宮殿『脱下請けで生き残った町工場!魔法のフライパン感動物語』の回、ご覧になられましたか?
今回取り上げられたのは、主婦の間で大注目を集めているという【魔法のフライパン】。実は、すき焼き鍋などに使われる“鉄の鋳物”で作ったもので、我が家でも丁度鉄製の物に気持ちが引かれている時でもあったので、しっかり見させて頂きました。
重くて調理器具には不向きだと言われてきた鋳物で作られる「魔法のフライパン」ですが、その重さは、一般的なアルミ製のフライパンと変わらない980gしかないという驚きの軽さ。これを実現したのが、「鋳物の調理器具の薄さは5ミリが限界」と言われる中で1.5mmという厚さを実現させた業界の常識を打ち破った“薄さ”に。この圧倒的な差別化で「魔法のフライパン」は、累計22万個を売る異例の大ヒットを実現したのです。
1960年に町工場の長男として生まれた錦見さん。大学進学に失敗して、父の経営する町工場に、仕方なく入社したそうです。当時の錦見鋳造は、自動車部品の下請けを担う小さな町工場でしたが、培ってきた鋳物の技術を武器に、40社近い企業から発注を請ける下請けとして順調に成長を遂げてきたとのこと。
ところが、バブル経済の崩壊で仕事は、みるみる激減。更に、追い打ちをかけるように、売り上げの6割を占める発注会社が、一方的な値下げを要請してきたらしいのです。錦見さんが、発注会社の無茶な要求に対して、直接交渉を試みますが、取引先から帰ってきた言葉は「嫌ならやらなくてい、おたくの代わりはいくらでもいる。」という池井戸さんの物語的な展開です。
信じられない言葉でしたが、地方の弱小町工場は“脱下請け”に挑んでいきます。その戦略は、他との差別化を実現するための【3倍】という数字でした。「人の3倍難しいことができなければ、この難局は乗り切れない」という考えをモットーとして自社商品の開発に成功したのです。『逆風に負けない会社のつくり方』そんなタイトルの本も出版されたようですよ。
【魔法のフライパン】が主婦を熱狂させる最大の特徴は、他のフライパンに比べ、熱伝導率が驚くほど高い点にあります。この効果で、食材の表面を短時間で焼くことができ、食材のうまみも逃がさないというのです。例えば、素人が作ると、ご飯がベチャっとなりやすい、チャーハンも...プロが作ったようにパラパラのチャーハンができるという訳です。
チキンソテーは、遠赤外線の効果もあって、プロ顔負けのパリパリ食感に仕上がり、驚くほどジューシーに焼きあがってしまうのです。我が家も注文してしまいましたよ。これだけの優れもので26㎝サイズで税抜き10,000円なのですから。ところが、先日の注文で3年8か月待ちの状態。アマゾンや楽天でもっと早く手に入れる事もできますが、正規の値段の3倍以上の値が付けられてしまっています。
魔法のフライパンで倒産の危機から息を吹き返した錦見鋳造は、今も挑戦し続けています。それは10年越しで開発を続けているフライパンの自動鋳造機。この機械が完成すれば、手作りでしか作れなかった魔法のフライパンの生産量が、一気に【3倍】に増え、長期待ちの状態を改善できるばかりか、アメリカ、中国、ヨーロッパなどの海外への進出を実現できるのですから。
…とは言え、感じたのは、未だに成功率3%という現実。簡単に行かないからこそ、職人技と言えるのでしょうが、「【3倍】に拘ってしまうんですよねぇ。」と苦笑いしながら話す錦見さん。村上さんに、『どうして続けられるのか』と尋ねられると『利用者が 喜ぶ顔を 想像すれば続けられる』そんな風に笑顔で答えておられました。素敵な方でした。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな風に書かれていました。
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熔けた鉄はエネルギーの塊で、気持ちが高揚する。鋳造は、人類の一大発明であり、鉄器は、歴史を変えた。バブル崩壊後、値下げ通告を繰り返すメーカーの「いやならいい、代わりはいくらでもいる」という台詞が錦見さんを奮い立たせた。「絶対に代わりがないものを」と、極薄のフライパンに挑戦した。長い道のりだったが、「鋳型に流し込む鉄のストレス」に気づくことで、魔法のフライパンが完成した。「鉄のストレス」に気づく人がいるだろうか。魔法は偶然には生じない。誰も気づかないことに気づく、それが魔法の本質だ。
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3年8か月かぁ・・・忘れた頃に届く事になりそうだなぁ・・・
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昨年12月20日放送のカンブリア宮殿『快適&便利の殿堂!ホームセンターSP~魅惑の店と驚き商品作りの舞台裏~』の回、ご覧になられましたか?
1970年代初頭、全国で幾つかの店が現れ拡大を始めたホームセンターは、様々な進化を遂げてきました。当初、日曜大工用品を中心に売るお店でしたが、その後、キッチンから掃除、洗濯などの生活用品、さらにはキャンプなどのアウトドア用品など…数多くのジャンルに品揃えを広げ、店舗は急増。80年代後半には1兆円市場へと成長し、今や4兆円市場となっているとか。
そんなホームセンターの拡大に一役買ってきたのが、新潟・三条市のパール金属。キッチン、リビング商品からキャンプ用品まで実に5万アイテムをホームセンター向けに販売し、毎年2,000もの優れたデザインや斬新なアイデアの魅力的な新商品を産み出しています。キッチンなら包丁からまな板、皿まで、そのジャンルを一括で品揃えすることで、商品を膨大に並べたいホームセンターのニーズを掴んできたんだとか。
創業者の髙波会長は、ステンレス製おたまの開発を皮切りに、様々な商品をヒットさせてきた人物で、20代の時にフランス視察で見たキャンプ文化から、バーベキュー用コンロを開発、日本に広く普及させた立役者なんだそうです。その商品開発スタイルも・・・実に、ユニークで、パール金属の開発者たちはバイヤーの要望を聞くと、すぐに思いついたアイデアをスケッチ。商品開発部のトップに見せると殆どの企画が通って、スピーディーに商品化へと進んでいきます。他のメーカーのような開発会議は一切しないのです。
毎日商品開発される提案は、その7割が商品化。「売れるか否かは出してみないと分からない。出さずに判断するのはナンセンス。」と言い切ります。デザインも自社で製作し、約300もの地元の金属やプラスチック加工業とタッグを組み、他に無い品質の商品でホームセンター市場を活性化させてきました。
口下手の営業マンだった会長さんは、休みの日に企業の手伝いを1日頑張ると、大量の注文になって返ってきたんだそうです。「大切なのは売ろうという気持ちではなくて、お客さんの役に立つ…お客さんの為に頑張ること…信頼を勝ち取ること」と話しておられました。
今、ホームセンター業界で圧倒的な強さを誇るのが、お客様目線にトコトン拘って、船団方式で出店してきたコメリ。なんと15年の間に店舗数を1,200店舗に倍増させ、年商3,400億円に駆け上がってきたそうです。船団方式とは、大きな店舗と中規模ないくつかの店舗を船団の様に地域に出店し、大きな店舗で多品目を抱え、小さな店舗はエリアの特性に見合った品ぞろえを行って、不足なものは大きな店舗から補充して損傷なく利益に繋げていくというもの。
1952年に創業した米利商店が前身で、1977年、2代目の捧賢一氏によってホームセンター事業に参入。地域ごとの農作物に合わせた圧倒的な品揃えと、農具の掛売りなど、ホームセンターの常識を壊す「農家ファースト」で多くの農家を熱狂的な顧客に変えてきたそうです。そんなコメリには、なんと年間11万足を販売する長靴など、日本一の販売シェアを持つ商品が1,000種類もあるんだとか。
そんなコメリの社長に2003年になったのが創業家の娘婿・捧雄一郎氏。「数字は追うものではなくて結果だ」と先代から言われて引き継ぎ、「他が売らないものを売れ!」「お客さんに評価されているか?・役に立てているか?」そんな事を意識して頑張って来られたそうです。ホームセンターにもかかわらず「農家の作物を売ってくれる」と農家の人の笑顔が印象的でしたし、船団方式を取って、コストを削減することで、田舎にまで出店してくれる有りがたさ。素晴らしい会社でした。
年末スペシャル御二人の社長の金言は、こうでした。
『お客のために頑張れば 必ず注文は来る』
『「楽に売れない」から価値がある』
「人の為に力を尽くせば、必ず報われる時が来る」…「物事は簡単に成し得ないからこそ、頑張ろうという気持ちに繋がる」・・・なかなか物が売れずに気が沈みかけている営業マンのみならず、挫折しそうな人であったり、負け続けて気持ちが沈みかけている人にとっても・・・
『よし! また、頑張ろう!! 』
そんな勇気を与えてくれる御二人の金言でした。
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所詮ひとり言で、何の影響力も産み出せませんが・・・つい先日・・・
安倍首相が昨年8月22日の日米電話協議の際にトランプ米大統領から依頼され、あの様々な差別を助長し、世界を混乱に陥れているトランプをノーベル平和賞候補に推薦していたという事がニュースで取り上げられていました。日米外交筋が明らかにした事ですし、これまでの行いから疑う余地もありませんが、何でまた、あんな人を推薦できるのでしょうか・・・。
核拡散防止条約の時も・・・同じでした・・・。
生物兵器、化学兵器、地雷、クラスター爆弾、これら非人道兵器は、国際的に使用が禁止されている条約がありますが、核兵器を禁止する条約は、未だ存在していません。その前段階とも呼べる核拡散防止条約についても、唯一の被爆国であり、核の恐ろしさを訴えてきた日本であり、107の国々がオーストリアの提唱した核兵器禁止文書に賛同していても、日本は賛同できず、核を否定できていません・・・。
つい先日も・・・
自民党が作り上げた腐敗しきった政府のお掃除に振り回された民主党に対して、安倍首相が「悪夢のような民主党政権」発言をし、発言撤回を求められた首相が「自民党総裁として言論の自由がある」と答弁し、撤回を拒否していました。国のトップが『言論の自由』を自身の為に口にするとは・・・。
まるでトランプのような発言に、ただゾッとしたのでありました・・・。
「なんなん?この人?こんな首相が日本のトップだなんて・・・。」
なんなん???
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男性アルバイトが回転寿司店内で不適切な動画を撮影してインターネット上に投稿したとして運営会社が謝罪したことについて、辛口で知られる落語家の立川志らくさんが、コメンテーターを務めるTBSの情報番組「ひるおび!」で「損害を金額にして請求すべき」と主張していました。
そして、回転寿司の運営会社は翌日、インターネット上で話題になった“不適切動画”を投稿した従業員2人に対する処遇を発表。翌日で退職処分にしたのと同時に、刑事、民事での法的措置の準備に入ったことを明かしました。悪質な動画による客離れを考えれば、全国展開している企業だけに、かなりの被害額になるものと思われるので、それなりの重い罰が下るよう注目していたいと思います。
同社は厳しい態度に出た理由として、「お客様、株主様、お取引先様に対し上場企業としての責任を果たし、全国で共に働く約33,000人の従業員の信用回復のため」と、「多発する飲食店での不適切行動とその様子を撮影したSNS投稿に対し、一石を投じるため」としています。
立川志らくさんのコメントが活かされたのかどうかは知りませんが、当然の対応だと思うし、モラルのない人たちに、自分が犯した罪の重さをしっかりと認識してもらいたいと思います。世の中の厳しさ、罪の重さをしっかり自覚してもらい、しっかり更生してもらいたいと思います。
今年に入ってからも、1月以来、牛丼チェーンの従業員が調理器具を股間に当てる動画や、カラオケ店の店員が唐揚げを床に擦り付ける動画など、飲食店従業員による不適切動画が連日拡散される事態が続いています。また、こうして制裁の動きが始まろうとしても、今度は、回転寿司で回るお寿司の中にお客が異物を入れる動画がSNSに投稿されたりもしています。
立川志らくさんは番組の中で「バイトはクビになったって他のバイト行けばいいけど、物凄い損害を受けるわけでしょ、イメージだけで。それはある程度、金額にして請求すべき」と指摘。その理由について「こういう事やったらものすごい自分は損をするんだってね、そうしないと、こういうイタズラっていうのは、みんな頭悪いから大丈夫だろうってやっちゃうの、こいつら。だけど『1億円の損害です』っていって取られちゃったりしたらやんなくなるでしょ。分かんない奴はそういう厳しい罰を与えないと」と説明していました。
全く同感です。我が家も、そんなに裕福な訳でもないし、気軽に行ける回転寿司は、よく利用させてもらっています。私だって、悪質な動画を見てしまうと、店に行く気持ちが遠のいてしまいます。バイトテロとまで言われる悪質な行為…ただの御ふざけでは済まないんだってことを思い知らせて欲しいし、やはり刑事罰として、しっかり【犯罪者】として罰して欲しいと思います。
今朝報じられていたお客のテロ行為も同じです。つい先日、回転寿司に行ったばかりの私は、そんな動画を見せられて、朝から不愉快な思いをさせられて…。あの異物混入のお寿司が、小さな子供や体の弱いお年寄りの口に入らず、廃棄されている事を願うばかりです。身体に良くないものを入れられたりしたらと思うとゾッとしてしまいます。
こうした怒りや不安、不愉快な気持ちを何処に持って行けば良いのでしょうか? 私まで訴えたい気持ちになりましたよ。ましてや、美味しい物を安く提供しようと頑張っている人たちに対しては、計り知れないほどの怒りに繋がっているものと思います。嫌がらせに負けないでくださいね。応援していますよ!! そうした悪質な行為に遭遇した方、何としても阻止していきましょうね!!
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1月24日放送のカンブリア宮殿『新薬でインフルエンザと戦う』の回、ご覧になられましたか?
インフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり,1月下旬から2月上旬にピークを迎え,3月頃まで続きます。そうですよね。ニュースで報じられている通り、今が流行ピークの季節!?
これまた度々ニュースで報じられているインフルエンザ新薬「ゾフルーザ」。そんな新薬を開発したのが、今回の主役、大阪に本社を構える創業140年の老舗塩野義製薬さん。私は「イソジン」で怪しい時には、欠かさずお世話になっていますかねぇ…。
創業家からではない生え抜きのサラリーマンから立ち上がった社長の手代木さんは、業界大手が注力しなかった感染症分野に力を注ぎ、「鳴かず飛ばず」といわれ、業績不振で「終わった会社」と揶揄されていた塩野義を劇的に復活させました。いつしか、「手代木マジック」と言われるようになった経営手腕について今回は特集されていました。
インフルエンザが流行っていると聞くと、急にマスクをつける人が目立つ気がしますが、感染者が早いか、予防対策者が早いか…いずれにしても満員電車の中で咳ごまれたりすると、「しまった!乗る位置を誤った…ついてねぇ・・・」と思ってしまうもの。先日、どこぞの番組でやっていましたが、家庭にインフルエンザを持ち込む率が最も高いのが、サラリーマンであるお父さんなんだとか・・・。
クリニックの先生は「感染は仕方ない。でも、他にうつさないことが大事」と言いますが、「顔を見せないのは失礼」なんて馬鹿げた事を言う人がいるものだから、感染症にかかっていてもマスクをしない人がいたりして困ったものです。
話題となっている「ゾフルーザ」は、インフルエンザと診断された患者に、わずか1回の服用で対策が取れるインフルエンザの新薬です。お馴染みの薬「タミフル」が5日間飲むのに対し、「ゾフルーザ」は1回だけ。ウイルスが急減するので、人にうつさないことが期待されています。
もともと塩野義は、1990年代他社の開発した薬の販売で実績がありました。その為か、営業は強くても、創薬力は弱かったといいます。研究者は論文ばかり書き、薬を開発しませんでした。2004年に研究開発部門トップとなった手代木さんは、「創薬型企業」を目指すことを決意します。
「薬を作るのが製薬会社本来の仕事だ!研究だけしたいなら大学に戻れ!」そして、25あった研究分野から「感染症」など3分野に絞り込んでいきます。抗がん剤の研究チームも解体。現場は猛反発しましたが「人数が圧倒的に多い大手に勝てるのか!嫌なら代案を出してくれ」と理詰めで現場を納得させたそうです。そうして2008年、48歳という若さで社長になったのです。
今、世界の製薬業界は、メガファーマと言われる巨大製薬企業が資金と人材を投入し、新薬の開発競争を繰り広げているらしいのですが、そんな中で、塩野義は国内でも10位。到底メガファーマには規模で及びません。(ちなみに国内トップは武田製薬工業さん。)
しかし、大手でも開発が難しい“新薬”が、手代木リードで14年間に7つも生まれ、営業利益率は業界1位とのこと。それは、自社開発率7割という凄さだから、自ずと利益率が高いという訳です。余談になりますが、番組の中で語られていましたが創薬の開発には1,500億円から1,700億円かかり、早くて9年遅くて16年の開発期間。薬になるのは30,000分の1から最近でも25,000分の1なんだそうです。
そんな中で、塩野義を作り変えてきた手代木マジックとは、こうでした。
・その1 選択と集中
資源を競争力の有るところに集中させる
・その2
患者さんが必要とする新薬を作り続ける
(製薬会社としての原点に回帰)
昨シーズン全米では、インフルエンザが大流行し、警戒感が強まる中、新薬ゾフルーザがアメリカFDAでも承認されました。手代木社長は「タミフル」を開発販売してきた世界最大のスイスのメガファーマ、製薬大手「ロシュ」のCEOセベリン氏との面談し、日本・台湾以外の世界での販売権を与えたそうです。
タミフルを売ってきたロシュだからこそ、ゾフルーザの良いところを見出だせるはずだし、ロシュの販売力で世界のインフルエンザ患者に新薬を届けられると判断したそうです。また、特許切れの危機に瀕した薬に対しては、ロイヤリティを減額することで期間延長となだらかな手数料に切り替え、ゾフルーザ誕生までの時間を産み出したんだとか。いずれも大した判断です。
手代木さんはこんな事も話されていました。
「何を取って何を捨てるかは経営者が決めること。両方では無茶な要求になるだけ。」と。
いつもの社長の金言は、こうでした
「勝つときは51対49で勝つ」
実際に取られてきた行動力からは想像もできない優しい表情の持ち主でしたが、「腰は低く 理想は高く」・・・1本の柱がしっかり立っている感じの、頼れる社長さんでした。
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ワタシが日本に住む理由【岡山県の里山で理想のコメを追求するアメリカ人】の回、ご覧になられましたか?
今回の主人公は、アメリカ・オハイオ州出身のデービッド・ディロングさん。元々日本には、それほど興味が無かったものの、敢えて困難なことに挑戦したい性分から、大学時代に交換留学生として初来日。その後、帰国すると留学に来ていた日本人の奥様と出会い、アメリカで新婚生活を始めることになります。見事に奥様のハートを射とめたディロングさんでしたが、奥様がオハイオでの生活に馴染めず、愛妻の為に日本で暮らすことを決意していきます。
ところが、物事は簡単には行かないもので、奥様の為に日本に来たものの、今度はディロングさん自身が言葉の壁に苦しむことになります。困難なことにチャレンジしたがりということもあって、簡単には投げ出さず、奥様のお父さんの紹介で、なんとか東京で7年間サラリーマン生活を頑張っていきます。辛さのあまりに涙を流す事もあったそうですが、やがて田舎暮らしに憧れ、千葉からはるばる、美味しいお米を作る為に岡山県鏡野町へ移住。
探し求めた理想の田んぼ付き物件での生活は、とても充実したもので、日本人ですらなかなかできない、ほぼ自給自足の生活。米・麹・味噌から味醂と言った調味料、食べ物をよそる素敵な器は勿論、驚いたのは鉄まで溶鉱炉で溶かして作ってしまう拘り職人。子供と山奥に入っていくかと思いきや、なんと山まで買っていて、獣道を切り開いて椎茸の栽培まで手掛けていました。チャレンジ精神は留まるところを知らず、次にやろうとしているのは漆なんだとか…全く驚かされるばかりで、頭は下がりっぱなしです。
それほど日本のことが好きではなかったディロングさんが、オハイオのコメより日本のコメの方が遥かに美味しいと日本の米を絶賛し、ほぼ自給自足にまでなってしまう日本の魅力。当たり前と感じている私達には見えなくなってしまったものが沢山見え、その良さに気づけるのって、ある意味羨ましくもあります。また、言葉の壁を乗り越えた奥様への深い愛情も、とても素敵なものでした。
以前にも何度かこの番組をご紹介させていただいておりますが、ご存知ない方は是非1度騙されたと思って見てみてください。日本人として暮らせていることの有り難さや、当たり前と感じていた事への感謝の気持ち・・・もっと見えてくるかもしれません。番組では毎回、日本にはまってしまった外国人に、大切な1文字を選んでもらい、最後には「日本人に対して物申したいこと」なども聞いていきます。ディロングさんの1文字は「麹」だっかなぁ…。
地域に溶け込む秘訣としては、遠慮せず、自分の思いをしっかりと伝える事。そうすれば自然と繋がりが生まれる・・・そんな日本人には苦手な部分も教えて頂けた気がします。日本人にすら実現は困難と思える自給自足の生活、今回も教えられる事ばかりでした…。ちなみにこの「ワタシが日本に住む理由」は、BSテレ東で毎週月曜日の21時から約1時間の枠で放送されています。忙しい方は、私の様に録画して、週末ゆっくり見られる時間帯でご覧ください。ストレス社会で頑張っている方も、きっと温かく優しい気持ちになれると思いますよ?
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随分と間が空いてしまいましたが、会社の確定申告に忙しかったのと、右腕がテニス肘になってしまったりしたこともあって、暫く書く事を怠けておりました。愛読者の皆様には本当に申し訳ありませんでした。・・・って、愛読者なんていないだろうかとも・・・
さてさて、1月27日放送のガイアの夜明け『メイド イン ジャパン 新たなる進撃』サンデーSPの回、ご覧になられましたか?
2019年の今年、「平成」の時代が終わることになります。東京五輪まで、あと1年となって来ていますが、【失われた20年】と言われた、平成時代の日本経済。元号が変わることで気持ちまで切り替えようとしてきた過去を思えば、新たな時代の到来を機に、再び…そんな気持ちも湧いてくるもの。
今回のガイアの夜明けでは、世界を驚かせる「サムライ企業」を追跡し、日本のお家芸、「ものづくり」に焦点を当て、見たことのない商品・サービスで世界に挑む企業を追いました。通常の放送とは違って、日曜日のスペシャル版な上に、レギュラーナレーターの杉本哲太さんに加え、吹石一恵さんが「ガイアの夜明け」放送開始から16年の歴史の中で初の女性ナレーターを務めるというオマケ付きの放送となりました。取り上げられていたのは3つの企業。
まずは、トヨタでEV(電気自動車)の開発に携わって来た鶴巻日出夫さん率いるFOMM。鶴巻さんのEVは、超小型で、水上を移動することができるという画期的なもの。日本では、その利便性よりも、2次的な課題が多く受け入れられなかったようですが、水害が多い国で役に立つと見込んで、大きな需要が予想されるタイへ売り込んでいました。
2番目に登場したのは、前代未聞のロボットで世界に挑むGROOVE X。ソフトバンクでペッパーの開発に携わった林要さんが、新たに生み出したのは、前代未聞の「仕事をしない」、“癒しと愛着”が目的の手間のかかるロボット「LOVOT」。モノで溢れかえり便利な現代だからこそ、「いかに飽きないか、つまり愛情が芽生えるかが大切」だと話されていました。大手からの無用なプレッシャーもあったようですが、頑張って欲しいです。
そして、最後に登場したのがメイド・イン・ジャパンにこだわり、年間100種類以上の商品を開発して、「100均」業界で次々にヒットを飛ばして来た小久保工業所。少子高齢化による国内市場の縮小を見据え、新たな市場としてオーストラリアに挑んでいました。日用品の価格が高いため、「100均」商品で、「質」「価格」ともに勝負できると考えたそうです。
店舗に置いて欲しいと言っても邪険な対応をしていた人が、イベントで人気となっていた商品を見て態度がコロリと変わっていく様は愉快でした。「100均」に行くと「メイド・イン・ジャパン」か、ついつい確認してしまう私ですが、この小久保工業所は、地元の工場と協力して製品を作り上げることで、地元に還元する事を意識されている素敵な会社でした。頑張れ、メイド・イン・ジャパン!!
今回は日曜日の放送と吹石さんの登用と新しい試みがなされていましたが、こういうのもたまには良いですよね。もっとも、私の場合は殆ど録画してみるパターンなので、いつ放送しても違いはないのでありますが・・・
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ドラマBizの新シリーズ「よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~」が始まりましたね!!
この作品は、周良貨氏の作で、夢野一子氏の絵によるもの。1993年から1997年にかけて「モーニング」(講談社)で連載された漫画作品が原作だそうで、都市銀行で働く女性総合職の主人公・原島浩美が、大胆な発想と行動力で業績不振の支店の立て直し等を手掛け上り詰める様子を描いた作品となっており、20年経って初めて実写化されることになったそうです。
第1話は、よつば銀行の頭取・鳩山英雄(古谷一行)が女性行員の積極的な登用を推進する『輝く女性プロジェクト』を発表し、業績不振の台東支店・営業課長に原島浩美(真木よう子)を送り込むところからスタート。
ところが、この抜擢には頭取の座を虎視眈々と狙う副頭取・島津雅彦(柳葉敏郎)のもくろみが絡んでおり、簡単に物語は進みません。一方女性が課長に着任したことに対し営業課の反応は冷ややかで、特に次期課長と目されていた加東亜希彦(丸山隆平)は冷たい視線を送っていきます。
初めての会議で無茶な約束をして動いていく主人公でしたが、着実に成果をあげていく事で回りの見る目も変わっていきます。難攻不落と思われた社長を説得する物語の山場では、遠山の金さんばりに・・・
恐れながら申し上げます!!
「会社は家族」というのなら
社長に不向きな息子ではなくて
専務に譲るべきだ
そんな事をズバッと言ってのけるのです!! 主役を演じる真木よう子さんは、いつもと違うキャラな気もしますが、坦々としたところは、いつものままで、なかなか面白く観させて頂きました。
ご覧になっていない方も、2回目からでも見られては如何ですか?女性の更なる登用が望まれる昨今、そうした意味でも観ておきたい作品かも知れませんよ。
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今年2019年1月1日にNHKで放送されたBS1スペシャル【“衝撃の書”が語る人類の未来~サピエンス全史/ホモ・デウス】の回、ご覧になられましたか?ユヴァル・ノア・ハラリさんの書かれた2冊の本をもとに、第1部「サピエンス全史」、第2部「ホモ・デウス」の2部構成にまとめられた物でしたが、とにかく視点がこれまでの解釈とは全く違って面白く、とても楽しく観させて頂きました。
【私たち人類は本当に幸福になっているのか?】そんな問いかけをされてしまうもの…。
『サピエンス全史』は、全世界で1,000万部超えの歴史的なベストセラーとなり、マイクロソフトのビル・ゲイツやFacebookのザッカーバーグ、ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ、オバマ元大統領など、世界のリーダーや著名人が絶賛しています。人類250万年の歴史を全く新しい驚きの視点から読み解き、世界中に注目されている“衝撃の書”です。
そして、日本で昨年9月に刊行された続編『ホモ・デウス(神となった人間)』も400万部を突破しているベストセラーで、「テクノロジーの進化が人類の未来をどう変えるか?」を“未来予測”しています。「人類=ホモ・サピエンスが、なぜ地球上で最大の力を得たのか?」という人類誕生の原点から、認知革命、農業革命・人類の統一という“発展”に隠された真実、さらには宗教の問題から未来までを描く壮大な物語となっています。
著者のユヴァル・ノア・ハラリさんは、1976年生まれの若き歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えており、軍事史や中世騎士文化について数多く執筆されているそうです。多くの受講者を抱えた無料のオンライン講義を行うほか、TED(Technology Entertainment Designの略称で、学術・ エンターテインメント・デザインなど幅広い分野の専門家による講演会を主催している米国の非営利団体。)でも講演を行っているとのこと。
2016年に発売された『サピエンス全史』は、日本でもビジネス書大賞2017でグランプリに輝いていますが、ハラリさんは、「この先、人類は超エリートと“無用者階級”に二分される」という刺激的な未来予測を語られていました…。
番組 第1部では“知の巨人”著者ハラリさんへの池上 彰さんのインタビューを軸に「知の巨人」らによる読み解きも交えて、人類250万年の歴史を徹底分析。私たち人類が地上の覇者になるまでの250万年にわたる 発展の歩みの分析です。ハラリさんのアプローチは、これまでの人類史とは異なり、生物学や経済学など、多くの視点を取り入れた全く斬新なものです。
例えば、ネアンデルタール人は、サピエンスより脳が大きく、力の強い種族でしたが、駆逐されてしまいました。普通に考えてあり得ない事が何故起きたのか?それは特別な力「フィクションを信じる力」だと言い切ると、具体的な例を挙げていきます。
また、農業を始めたことで食料供給が安定し、私たちは幸福を手にしたというのが通説なのですが、ハラリさんの解釈で言うと、人類は穀物を育てるために働く時間が長くなり、作物の出来不出来によって飢餓のリスクが増え、おまけに 貧富の差まで生まれたというのです。農業革命によって自分の土地を守ろうとする農耕民同士の争い事も増え、更には視点を一気に逆転させて、こんな事まで・・・
「穀物の側から見れば、サピエンスは一年中…朝から晩まで世話をして仲間を増やしてくれる存在。つまり、自分たちを世界中に広げてくれる都合のいい働き手であり、小麦が人間を家畜化した」というのです。ユニークですよね。
第2部はAIやバイオテクノロジーの最前線取材を加え、人類の未来の行方と、2019年を生きる糧となるヒントを探っていきます。「生物工学」や「ゲノム編集」「ミニマル・セル」など、注目されるキーワードから人間は神の領域に立ち入り、後半ではとうとう人間の助けとなっていたAIが、人間をのみ込んでいくと展開していきます。ハラリさんが最も懸念しているのは、人間そのものの価値が失われていくことでした…。
前後半、各50分で構成された番組でしたが、あっという間の興味深い中身でしたので、再放送の際には是非ご覧頂きたいし、まだ読まれていない方等は、出版されている本にも手を伸ばしてみたくなりますよね。
そう言えば、このハラリさん、この2冊の後に完結編ともうかがえる『21 Lessons for the 21st Century』という本を出されています。前2作で「過去」と「未来」を描いていましたが、今回は、「現代」の問題に取り組もうとされているようで、『ホモ・デウス』で描かれた望ましくない未来を、なんとか回避しようと「21世紀という時代特性を踏まえた21の教訓」が示されています。どう対処するのかというハラリさんのアイデア集というわけです。
全2作ほどの評価はないようですが、3部作と思えば、これにも目は通しておきたいですよね。読書嫌いな私ですが、読みたい本ばかり増えてしまって、全部読むのも厳しいですよねぇ・・・これが、読書嫌いらしい発言なんですかねぇ・・・。・・・全部、テレビ化してくんないかなぁ・・・
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キャリーオーバーとは、英語では「繰越し」「持越し(品)」「残っているもの」「名残」「影響」という意味があるようですが、宝くじをよく買う人にとっては、次回に当せん金を持ち越すことが頭に浮かんで、勝負どころと思ってしまいます。
また、自動車業界においては、自動車のモデルチェンジを行う際に旧型のエンジンや車台など主要構成部品を継続して使用する場合に使われるようですが、食品業界においても使われるようになっていたことを、つい最近知る事になりました。またまた添加物に関する話になってしまいます・・・。
“食品表示法”” 食品表示基準”
第3条添加物に書かれているところを抜き出すと・・・
「キャリーオーバー(食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過程において使用されないものであって、当該食品中には当該添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないものをいう。」
と書かれていますが、要するに、食品業界でいうキャリーオーバーとは、最終食品に残存しないものと見なされる加工助剤や、製造・加工の際に添加するものではなく、原料の段階で添加したものは、表示が免除されるということらしいのです。
それゃ、どんどん源流まで遡って、全てを明記しろと言われても小さな生産者は困難であることが分かるので、言いたい事は分かるのですが、それだけに生産者の姿勢が問われる部分でもある気がしてしまいます。
今回、キャリーオーバーについて書くきっかけとなったのは、新米記者の酸化防止剤無添加ワインに関する記事を読んだことがきっかけだったのですが、まさか、こんな言葉の勉強になるとは思っていませんでした。
最近、お酒売り場・・・中でもワインコーナーで多くのスペースをとるようになっている【酸化防止剤無添加】のワイン。ブランドの高級ワインなどはスーパーには売っていませんが、我が家のような貧乏家庭では、スーパーでワインを買うのが当たり前。
ワイン造りに酸化防止剤は必要不可欠なもので、酸化防止剤なしのワインを否定する話がある事も分かってはいるものの…御存知の通り、愛妻が難病なので、身体に良い物を意識していることもあり、ワインも酸化防止剤不使用のラベルを見つけると、味見をして品定めをしています。
我が家のお気に入りは株式会社アルプスさんの酸化防止剤無添加ワイン。表示されない物まで知る事は難しいので、保証などは全くできませんが、アルプスさんの酸化防止剤無添加ワインに関しては、他の無添加ワインとは比べ物にならないほど自然な美味しさを感じています。
おっと、メインな話だったはずのメインではないワインの話に脱線してしまったので、話を元に戻しますが、こうした食品表示に関する裏側というか、表示の限界を思えば、避ける事の出来ない添加物や天然であっても身体には良くないものが、好む好まざるを別にして身体に入ってしまう現実をふまえ、良い物を口にする努力だけでなく、身体から悪いものを追い出すデトックスへの努力も欠かせないことが良く分かります。
2014年の10月にこのブログでも書かせて頂いた『デトックス、そして、添加物を軽減する方法』
改めて、『良い水をしっかりと飲んでいく事』『食物繊維をしっかり摂っていく事』を意識させられたのでありました。
食べるもので身体は作られていくのですからねぇ・・・
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