少し前になりますが5月25日放送のカンブリア宮殿『誰にも負けない小豆で、他にない商品を
作れ!』ご覧になられましたか?
ほのかな甘さとカッチカチの硬さで親しまれる「あずきバー」は、発売から44年が経つ現在も
売上げを伸ばし続け、今や半期で約2億本を販売する国民的ロングセラー商品ですが、そんな
「あずきバー」を世に送り出しているのが今回の主役井村屋さん。
井村屋は、おはぎや桜餅、贈答用の水ようかん、缶に入ったゆであずき、さらに肉まん&あん
まん...と、主力商品の大半が小豆を原料としている三重県の食品メーカーです。井村屋の強みは、
小豆へのこだわりそのもの。小豆は炊き方ひとつで味が大きく変わるため、ミリ単位で大きさが
同じ豆だけを使い、重さも揃えた上で品質等5段階の選別を行い、炊く作業まで、今もベテ
ランの手作業で行なっているそうです。ちなみに弾かれたあずきはお手玉になるとのこと。
こだわりから来る「あずきバー」の硬さは、小豆本来が持つ美味しさを味わってもらうために、
アイスでは常識となっている乳脂肪を入れない事が原因で、柔らかくならないといらしいの
です。実はこの「肉まん」「あんまん」も井村屋が産みの親なんだとか。実は井村屋は、単に
小豆を使った商品でなく、他にない特色を持った商品にこだわることで生き残ってきたそうです。
羊羹屋として明治時代に創業した最初の商品も「山田膳」と呼ばれるお盆で羊羹を作ったユニ
ークな商品。数々のヒットを飛ばした2代目・井村二郎も、ぜんざいをアイスにしたらどう
かとあずきバーを考案するなど、小豆作りという創業以来の得意な部分に、特色あるアイデアを
付加することでヒットを生んできました。
そんな井村二郎の薫陶を受けたのが、現会長の浅田さん。大阪のイカリソースから転職して
きた浅田さんは、2代目の様々なアイデアを受け止め現場で奮闘してきました。例えば1973年に
井村屋が日本で展開を始めた、アメリカのパイレストラン「アンナミラーズ」もそのひとつ。
浅田さんはその店長として外食事業を任され、20店舗にまで増やした。
アンナミラーズの立ち上げの頃、赤字が続いていた時に2代目に現社長が言われた話が印象
的でした。
現社長…『今年も赤字』・『経費がかかり過ぎて』
2代目…『お前辞めたいのか?』
現社長…『辞めたくありません』
2代目…『明日から経費が1円もかからない方法がある。分かるか?』
現社長…そんな方法はないので『分かりません』と答えると…
2代目…『店をやめることや。そうしたら明日から1円も経費はかからない』
『辞めたいか』と聞いたら『辞めたくない』と答えた。だったら、経費のせいにするのでは
なくて『もっと知恵を絞れ』と・・・。
今、井村屋の新たな特色となっているのが「女性が活躍できる会社」。様々な社内制度改革
などを行う中、内閣府からも「先進企業」に認定され、4月には初の女性副社長が就任して
います。社内託児所 女性の活躍できる場を積極的に提供し、職場改善ミーティングも行って
いるとか・・・。老舗とは言え、常に進化している感じですよね。本当に歯が折れるのでは
ないかというぐらい固いあずきバーですが、硬さの中には愛情が沢山詰まっているように
思えたのでありました。
先日7月25日に放送されたガイアの夜明け『密着!会社と闘う者たち第2弾』ご覧になられ
ましたか?電通の女性新入社員が過労自殺した問題から加速した「働き方改革」。…とは言え
会社側が理不尽な働き方を強いても、社員やパート職員、アルバイトが異を唱えるのは非常に
勇気のいることです。
そんな中、勇気を出して声をあげた人たちがいます。人気飲食チェーンで働いていたアルバ
イト学生と、大手引越会社の現役社員。それぞれ、孤独ながらも本来受け取るべき賃金や
働く場を得ようと会社側と闘い続けていました。去年2月に放送した「密着!会社と闘う者
たち」の第2弾、見ていて会社のひどい対応に、あきれ…憤りを覚えた一時間でした。
「4ヵ月間連続休みなし」「1日23時間の長時間労働」…千葉県の男子大学生が、そんな信じ
られないアルバイトの実態を訴えました。舞台は、人気飲食チェーン『しゃぶしゃぶ温野菜』
の千葉県内の店舗。『しゃぶしゃぶ温野菜』は、レインズインターナショナルが全国に400
店舗以上展開するフランチャイズチェーンで、問題となったのは、そのフランチャイズ加盟店
です。
フランチャイズなので、あくまでもオーナーレベルの話になるかとは思いますが、男子大学
生は、日常的に元店長からパワハラや暴力を受けたというのです。録音機器に残されていた
のは「殺してやっから!」など怒声の数々。なんとその店長、女性でした…。
男子大学生は昨年6月、店舗の運営会社で直接の雇用者であるフランチャイズ加盟企業『DWE
JAPAN』を提訴しました。争点は、長時間労働の実態について。男性の主張では、最大で月
400時間以上働いていたと言いますが、会社側の記録データでは約月100時間程度しか働いて
いないことになっているのです…。
そこで、原告弁護団は、意外な証拠品を集めて、長時間労働の実態を立証していきます。
勤務記録には残っていなかったものの、警備会社のカードによる施錠記録や掃除などの作業
記録にいないはずの男性の記録が見つかっていました。どう見ても真っ黒。勤務時間から
時給を換算すると、なんと400円台でした…。『懲戒免職は大学卒業後の就職に響く』とも
脅されていたようですが、バイトから離れられずに一年留年してしまっていたのだから…
むしろその方が…とも…。
もう一人は、去年2月9日に放送し、反響を呼んだ番組の続編。大手引越会社『アリさんマーク
の引越社』で働く現役社員。「月340時間の長時間労働」「交通事故を起こすと、会社が保険に
加入しているにもかかわらず、高額な弁償金を自腹で払わされる」などと訴え出た問題です。
その後を追うと…。会社は、男性をシュレッダー係という職場に異動し、陰湿なイジメのような
扱い。シュレッダーのゴミ捨てを延々やらされ続けるのです。それでも改善のために耐えて
頑張っていると、今度は懲戒解雇処分にした上で、社内に「罪状」と書かれた紙を張り出す
など、信じられないような対応をしていました。
前回放送では、東京都の労働委員会で両者が和解の糸口を探っていたところまで伝えられて
いましたが、改善されるどころか悪化していたことに驚き…。シュレッダー係への配置転換
についての法廷では、裁判官からも会社を批判する厳しい言葉がありました。会社は、まも
なく和解案を出してきますが、車を使わずに仕事をしろというバカげた条件付き。
報道陣に対する姿勢や話している姿、対応は、たちの悪いヤクザ集団のようでした。あんな
会社は、潰れるべきだとも思ったのですが、それはそれで、そこで働く人たちにも困った話。
多分、社会的な制裁は避けられないと思いますが、やくざの様な人たちが排除されない限りは
会社は変わらないかと…。
それにしてもアリさんマークの引越社と闘っておられた方は、長い目で見たとき、働き方
改革には役立つのかもしれませんが、普通に働かせてもらったところで、昇給がないとか、
言いがかりをつけられて減給とか…将来の給与収入や他の事を思うと、早く見切って他の会社
へ行かれた方が、共に暮らす家族を守れるのではないかとも思えてしまって…何とも怒りやら
痛みやらで、複雑な思いでいっぱいになりました。
何か良い助け舟はないものでしょうか・・・
6月20日放送のガイアの夜明け『ニッポン式健康を世界へ』をご覧になられましたか?
平均寿命83.7歳と、世界トップを誇る日本ですが、その長生きを支えているのが、充実した
医療と国民一人ひとりの健康への意識の高さ。こうした日本の〝健康”ビジネスが、東南
アジアなどの新興国に輸出される動きが加速しているというのが今回のお話。
一つ目は、急速な経済成長を遂げるカンボジア。信号のない町を走る車が増え交通事故が
急増。救急病院には次々と患者が運び込まれますが、満足な医療は受けられません。交通
事故による死亡事故は比率で言うなら日本の4倍以上とか。更に、日本のような健康保険
制度がないため、前払いで払えないと治療を受けることすら出来ないというのです。
そんなカンボジアにやってきたのが〝日本の病院〟「サンライズジャパンホスピタル」。
事前にカンボジアから医師を呼び寄せ、日本式の医療を学ばせました。1970年代ポル・ポト
政権が知識層を虐殺したことで、カンボジアには医師が非常に少なかったのです。病院独自
の保険制度も導入して、現地の人を救うことはもちろん、同時に現地の医師も育てて、カン
ボジアの医療水準を上げようとしていました。先頭になって動いていた林先生、素晴らしく、
素敵な方でした。
もう一つは、近年、大きな経済発展を遂げてきたベトナム。外資系の外食チェーンやファス
トフードが進出したことで急激に食生活が変化し、栄養過多による生活習慣病の増加など
健康被害が社会問題化していました。これってベトナム戦争の変更版?とまで言いたくなる
ほど嫌な印象でした。特に子供たちの肥満度の割合は世界トップクラス。主要都市では、
肥満児の割合が30%以上にも上るというのです。
そこで登場するのが日本の食品メーカー味の素さん。ベトナム政府と協力し、栄養バランス
の良いニッポン式の給食を普及させようというのです。これまでの学校給食は、お粥のよう
な僅かな物で、子供の空腹を満たせず、学校公認の食べ物屋台が子供たちの健康を害して
いました。
そんな学校に、まずは、管理栄養士の役割を果たせる献立作成ソフトを提供し、同時に給食
前に”食育”を導入してもらうことで、食べ物の持つ栄養と役割を子供たちに伝えていきま
した。導入されて暫くしてからの子供の様子がテレビで紹介されていましたが、美味しそう
に食べる姿。調味料を売り込むという味の素の戦略も垣間見られましたが、そんな事より
日本の健康を小さい子供たちに伝えられるのは何ものにも代えがたい価値があること。
何より子供たちの笑顔が嬉しく思えました。
NHKの地球ドラマチック「あなたの知らないパリ~潜入!驚異の地下迷宮~」ご覧になられ
ましたか?この【地球ドラマチック】という番組は、海外のよりすぐりのドキュメンタリーを
放送する番組なのですが、『ドキュメント地球時間』(NHK教育)の後継となる番組で、
海外で制作・放送されたノンフィクション番組を日本語に吹き替えて、放送枠に合わせて
編集されています。
『BS世界のドキュメンタリー』でも海外のノンフィクションが放送されていますが、『地球
ドラマチック』で取り上げられるのは主に青少年に向けた物が中心で、2つの番組では、同一
の原作品が扱われることもあるそうです。当初は木曜の19時台に25分番組として放送されて
いましたが、2005年4月から水曜日に移動して45分に拡大。今は毎週土曜日19:00-19:45で
放送され、私は翌月曜日00:00-00:45の再放送を録画した物を観させて頂きました。
そんな【地球ドラマチック】で今回扱われたのがパリの地下。パリと言えばフランス料理を
思い浮かべてしまいますが、ミシュランもフランス。パリコレに代表されるようにファッ
ションも世界最先端。芸術も有名でルーブル美術館やオルセー美術館、オペラ座を知らない
人はいないでしょう。また建築物も素晴らしい物が多数あり、ベルサイユ宮殿、凱旋門、
エッフェル塔と観光地としては申し分ない都市です。
そんな花の都、パリの地下に広がる驚異の地下迷宮が今回の主役…。パリの街に、巨大な
“地下世界”が広がっているなんて事、行ったことのない私には初めて知ることばかりで、
とても楽しく見させて頂きました。正直、パリには行きたくないなぁとも思ったりして…
番組では、普段公開されていない4つの地下世界に特別潜入し、その成り立ちと謎に迫って
いきますが、CGも交えての映像はとても分かりやすい物でした。「オペラ座の怪人」の由来
となった不思議なオペラ座の地下に作られた湖…沼地に作られた地下何層にも及ぶオペラ座は、
水に悩まされたあげくに巨大な貯水槽が地下深くに作られたものでした。
カタコンブで知られる数百万にも上る骸骨が並ぶ地下の共同墓地が、死者の帝国として一般
公開されていくまでの話。あのセーヌ川は下水道のように不衛生でしたが、地下に作られた
巨大迷宮によって、汚染された街を救っていきます。…それが巨大迷宮と言われる下水道。
素晴らしい建造物を作る為に街の地下で掘られた行き過ぎの採石場は、あちらこちらで崩落を
招いて街の人々を危険にさらしました。その採石場もCGで見ると二層になっていたり、
等間隔で残されるはずの柱になる部分が不足していたり、入り口が塞がれて忘れられたりと
酷い話でした。
美しさの裏側に隠されていた物…面白く見ることができましたが、フランス人に対する印象が
随分と変わってしまったような気もします…。我が家は何故か、汚物の話で盛り上がって
果てはフランス人は血液型は何が多いのだろうとか、あらぬ方向に向かってしまいました…
たまには良いですね・・・こんなのも・・・
『知解行成』
"知解行成"
そんな四字熟語はないけれど・・・
知って・・・
解って・・・
・・・いるならば・・・
行いを・・・
成さなければ・・・
・・・意味がない・・・
いつからでも・・・
どこからでも・・・
誰かれ環境でもなく・・・
今すぐ・・・
・・・律する・・・
強い信念と心で・・・
詩集『道しるべ』より
国会は、今日24日午前、学校法人「加計学園」問題で安倍首相の政治的関与の有無や、
あの稲田大臣の南スーダンPKO(国連平和維持活動)部隊の日報問題をめぐり、安倍首相が
出席しての閉会中審査が行われます。
安倍首相は、ごまかさずに納得のいく説明ができるのか、稲田大臣の隠ぺい行為に対する
説明はどうなるのか…注目されていますが・・・きっと、また、すれ違いのおかしな答弁
でごまかし、押し切ろうとするのでしょうね。
自民党に投票した人たちは、今の状況をどう思われているのでしょうか…。特定秘密
保護法、共謀罪と世界中から批難を受けながらも、通してしまった現自民党・・・
悪く言うなら『恐怖政治』・・・で、腹立たしいばかりです・・・。
国民の為に、国民の思いを活かして代表として動いてもらいたいものです・・・。
7月18日放送のガイアの夜明け”食の革命者”たち~「先人の知恵」で絶品を作る!~ご覧に
なられましたか? 美味しいお話なら大歓迎ですよね。
まずは、新潟県新潟市。地元の食品企業など25社が一丸となった地元ブランド「越後雪室屋」
が立ち上げられています。雪室とは、昭和30年代頃まで使われていた、雪で冷やす“天然
冷蔵庫”のこと。なんと冷蔵庫よりも温度や湿度が安定しているそうなのです。そんな雪室に
一定期間貯蔵することで、食材の糖度が増すことなどが実証されています。こうした『先人の
知恵』を活用して食材を熟成させ、付加価値をつけて売り出しているのです。
そんな越後雪室屋の新しい取り組みが「雪室留学」。雪の降らない地域の食材を、新潟の
雪室で熟成させるという雪国発『熟成革命』。昨年11月には、高知県・四万十町の栗の糖度を
約1.5倍に上げることに成功、「雪室栗」として販売しました。そして今回、新たに挑戦する
のが、佐賀県・白石町のレンコン。
熟成に成功すれば、旬を過ぎた時期でも新たな価値をつけて販売することができ年間通しての
提供が可能になるのです。取組真っ最中の蓮根も初めはえぐみが増してしまったりしていま
したが、試行錯誤していく中で糖度も上がり、旨味も増して料理人のお墨付きを貰えるもの
に仕上がりました。
一方、鹿児島県鹿児島市では、”雪”とは真逆な印象を与える”火山”…。そこでは、今も噴火
活動を繰り返す「桜島」からの火山灰がある為に、屋外に洗濯物を干すことができず、火山
灰が付着した農作物は、葉が傷んでしまうこともあるそうで、まさに“やっかいもの”。
そんな”やっかいもの”の火山灰を使って「絶品の味」を生み出そうというのが、梛木春幸
さん。目をつけたのは、灰の中で食材を熟成させる「灰干し」。天日干しは聞いたことが
ありますが灰干しは初耳です。ところがこの灰干し…魚ならば、臭い成分のアンモニアを
含んだ水分を吸い取って、臭みがなくなるとのこと。また、うま味成分であるアミノ酸が
増幅するという驚きのデータも出ているらしいのです。
今、梛木さんが取り組んでいるのは、漁港で買い手がつかない魚たちを、この灰干しで
“売れる魚”に生まれ変わらせること。地元の食材の「新たな価値」を生み出すことで先行き
不安な漁業の未来を明るくしようというのです。
どこでもできる取り組みではありませんが、だからこそ活かせる地元ならではの特徴…
"食の革命"・・・こんな取組、食に限らず他の場でも沢山ありそうですね。嘆いたり我慢
するばかりではなく"活かす"形で前に進もうとする姿勢、素晴らしいですね。
7月9日放送の未来EYES『立命館大学情報理工学部』の回、ご覧になられましたか? 取り
扱われたのは『超音波スピーカー』という謎のスピーカー。音が広がってしまう普通のスピー
カーとは違って、超音波の『音が真っ直ぐ進む性質』を利用して、『ここだけで聞こえる
スピーカー』を生み出したのです。
西浦教授は単独では聞こえないはずの音が、音を重ねることによって聞こえることに気付き、
線だった音を点にできるのではないかと思われたそうです。文明の進化とともに、自然界の
音だけでなく機械の音や壁に囲まれることで発せられる音など、騒音も大きなストレスの
もとになっている昨今。騒音に関する苦情は年間1万6,490件にも上るそうで、住民同士の
トラブルも後を絶ちません。
日常生活の中で、自分の好きな音だけが鮮明に聞こえたら、どれほど心地よい社会になる
ことでしょう。立命館大学情報理工学部の西浦教授が取り組む「超音波スピーカー」は、
スピーカーから超音波を使いヘッドホンなどがなくても耳元でのみ音が聞こえ、音の届く
範囲を制限することを可能にしました。
この「超音波スピーカー」、立命館大学で取り入れられている様子が映されましたが、既成
概念が邪魔してか、異様な感じ…。ホールの中では、激しいよさこいダンスをする人たちと
コアトレーニングに集中する人たちが、同時に真横で活動していたのです。本来はお互いの
音が気になって練習どころではないはずなのですが「超音波スピーカー」を使うことによって
音が聞こえる空間を分けているのです。共存する他の人に音の迷惑をかけることなく使える
スピーカー。音の聞こえる範囲をコントロールするという夢の様な技術…色々な可能性が見え
てきそうです。
西浦教授の理想の未来とは何かと尋ねられると「音によるストレスを減らしたいと思う」と
答えられていました。その思いから生み出されたのが「快音化スピーカー」。この快音化
スピーカー、耳ざわりな騒音に、別の制御音を加えることで快音に変えることができるの
です。たとえば昆虫の高音の鳴き声が騒音なら、テレビ放送終了後の『砂嵐』といわれる
画面から出ているような音を基に設計した制御音を加えます。すると、不快な音ではなく
なるということが、心拍数や官能評価による実験で確認できました。
西浦教授は「文明の発展が騒音の発展ではいけない」と話されていました。疲れた時…
休みの日ぐらい…『静かに過ごしたい。』『好きな音で癒されたい。』そんな願いも、
簡単に叶えられる時代がやってくるのかもしれませんね。
NHK BSプレミアムプレミアム7月11日放送のアナザーストーリーズ 運命の分岐点 「沖縄
返還 運命の1日」ご覧になられましたか?
第二次世界大戦の講和条約で、1951年に署名された日本との平和条約では、アメリカ合衆国
の施政権下に置かれるものとされ、1952年4月に発効。アメリカは琉球政府を置き、公選の
議員で構成される立法機関を設けるなど一定の自治を認めますが、最終的な意思決定権は
アメリカが握ったままとなりました。
1950年6月朝鮮戦争、1960年ベトナム戦争がおこるなど、東西冷戦が過熱する中で、アメ
リカにとっての沖縄の扱いは施政権下においての自治から、ソ連や中国、北朝鮮などの東側
諸国に対しての抑止力を持った軍事基地、そしてフィリピンやタイの基地と並ぶベトナム
戦争の爆撃機拠点および後方支援基地としての重要性を担っていきます。
アメリカ軍はその間にも施政権の下に各地に基地や施設を建設し、問題となるアメリカ軍
兵士による悪質な事故、殺人を含む事件が頻発し県民の死傷者も相次ぎました。このころ
から県民はアメリカの施政に落胆し本土復帰(日本復帰)を訴え、県民有志は「島ぐるみ
闘争」といった抵抗運動を起こし、1960年には沖縄県祖国復帰協議会(復帰協)を結成。
1969年に行われた日米首脳会談で、ベトナム戦争終結とアメリカ軍のベトナムからの撤退を
公約に掲げ前年の大統領選挙に当選したニクソン大統領が、ベトナム戦争の近年中の終結を
考えて、安保延長と引き換えに沖縄返還を約束しますが、公選の行政主席である屋良朝苗や
復帰賛成派の県民の期待とは裏腹に、アメリカ軍基地を県内に維持したままの「72年・核
抜き・本土並み」の返還が決定し1971年沖縄返還協定調印、その後・・・。
1972年5月15日午前零時、アメリカ統治下にあった沖縄は、27年ぶりに日本に復帰しました。
東京では首相・佐藤栄作が歓喜の涙。戦争で奪われた領土が、戦争を経ずに戻った歴史的
快挙。新聞各紙が歴史的瞬間とたたえたその時、沖縄では何が起きていたのか?戦場カメラ
マンが捉えた44枚の貴重な写真から、アナザースートリーズ…知られざる運命の1日が読み
解かれていきます。
復帰当日、石川文洋がカメラで捉えた小学校での授業の様子。そこには、先生すら予想も
しなかった現実を見る子供たちの目がありました。丁度、クラスの子がアメリカ軍の車に
よる交通事故で亡くなり、日本の裁判を受ける事もないまま片づけられてしまうという事が
あったばかりで、黒板には「アメリカ軍はでていかない。きちはそのまま残る。」という
文字が書かれていました。
戦争をもって奪い返すというのではなく沖縄が日本に戻った事は本当に喜ばしい事でしたが
そんな一言では語れない沢山の事、沢山の思い、解決されない問題の山積みを感じました。
…そして、今もなお、軍事と離れられない…未だに本当の平和を取り戻せない沖縄で暮ら
される人たちの事を思うと、本当に気持ちが重くなってしまいました。見られて良かった
です。 しっかりと心に刻んでおきたいと思いました。
『物語』
命を与えられた主役が登場する
そして、課題が与えられる
最初の分岐点
課題を無視するか、手をつけるか
いずれにしても、課題の登場によって環境が変化する
そして、次の選択肢を迫られる
第2の分岐点
自力で進むか、他者と協力するか
いずれにしても、何かしら、経験として、知識となる
どちらも、決して無駄にはならない
やがて、これまでの結果が迫ってくる
最後の分岐点
この行き先は、主役でも決められない…
良い結果が良いのか、悪い結果が良いのか
そして、物語は終わっていく
生きていく中で、幾つもの物語が生まれ、記憶の図書館に飾られていく
それでも、全く同じ物語などない
だから…
名作と呼ばれなくても、納得できる物語を残したい
与えられた命だからこそ、自分で選択し、歩いて行きたい
どんな分岐点であっても、必ずゴールは同じ
主役の未来へと繋がっている…
詩集『道しるべ』より
SENSORS(テクノロジー×エンターテインメントメディア)という番組を御存知でしょうか?
先日、その番組で「シェアリングエコノミーの可能性」が取り上げられ、ゲストに橋正巳
さん(Uber Japan)と重松大輔さん(スペースマーケット)が招かれ対談が行われました。
Uberはスマホボタンから車を呼べるサービスのアプリです。最初は発案者の友達100人限定
でサービスを開始し、徐々に口コミで広がっていったそうです。Uberのドライバーさんも
同様に、好きなときに好きなだけ働けるメリットが話題となり、プラットフォーム上の需要と
供給が両方広がっていくことで、使い勝手が良くなっていったそうです。
現在は世界450以上の都市で利用可能で、どこに行っても設定を変えることなく使えるさうで
す。日本ではいわゆるハイヤーやタクシーの配車サービスを提供していますが、海外では
ライドシェアリングが非常に一般的とのこと。これは地域の住民があらかじめ登録しておく
ことで、空いている時間にドライバーとして参加できる仕組み。台数も多いため、呼んでから
3〜4分で車が来てくれてかつ、安いコストで移動できるらしいのです。
さらに普及が進んでいる地域では、同じ方向に向かう人同士のマッチングも行っており、目的
地に割り勘で行け、コストもかからないのです。他人の車に乗ったり乗せたりするのは…と
いうのもありますが、それを解消する為に評価の仕組みもありました。
乗車が終わると、乗客とドライバーは相互に評価する仕組みになっており、それが良い意味の
緊張感を生み、車内の同じ空間を共有する者同士が心地よく居られるようになる。おのずと
サービスレベルが上がっていくらしいのです。
一方、スペースマーケットは、あらゆるスペースを簡単に貸し借りできるプラットフォームの
サービスを展開しています。具体的には一般的な会議室から結婚式場、映画館やカフェ、
更には寺や廃墟ビル、島まであらゆるスペースが登録されています。サービス開始から3年に
なりますが、現在は1万以上のスペースを取り扱っているそうです。
「シェアリングエコノミー」は、個人・企業が持っている遊休資産の貸し借りを仲介する
サービスを指しています。遊休資産が内包するのは稼働していない物や場所から、人やスキル
まで幅広くあります。今までは「いけいけドンドン」でモノをたくさん作ってきましたが、
今後は作る時代から使う時代へもっと変化していくべきで、その意味でシェアリングエコ
ノミーはすべての根底にあるというのです。
シェアリングエコノミーは使ってみてはじめて良さが分かるサービスも多いそうです。日本の
歴史や文化を振り返ると、実は昔からシェアしてきた民族だというのです。昔は長屋に住んで、
物の貸借りも日常茶飯事で行われていました。「おすそ分け」という概念はその最たる例なん
だと。
それが近代化されていくなかで、知らない人同士だと不安という価値観が強くなっていきま
した。「変なところに連れていかれたら困る」「乗せた人に襲われたら…」そんな心配は
普通に抱いてしまう時代です。それをもう一度TwitterやFacebook等のテクノロジー等も
活用し、透明性を高めながらお互いに安心して共有できるものにしていこうというのです。
もう一つは「もったいない」という考え方。この概念は英語には訳せない、日本人固有の考え
方、価値観だと思います。無駄をなくしていく観点でも、日本にはシェアリングエコノミーの
素地があるのではないかと話されていました。体験の数が圧倒的に足りていないのが事実で、
初回利用のハードルさえ超えれば、必ず便利さに気づき、広がっていくはずだというのです。
シェアリングエコノミーのサービスは一方向では成り立ちません。「協働消費(collaborative
consumption)」という言葉がありますが、共に消費を作り出していく。日本は互いにケア
し合う価値観があるので、仕組み自体は向いていると…。今ではすっかり広がっているメル
カリ…他にも様々なものが登場してきていますが、安心して利用できるのなら・・・
『おすそ分け』も『勿体ない』も活かしていきたいですよね。是非是非!!!