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日本人の2人に1人がかかるという「がん」と、どう向き合うか…

2019-1-7 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

…ということで,早速ですが、12月18日放送のガイアの夜明け『がんの「超」早期発見に挑む!〜日の丸ベンチャーの底力〜』の回、ご覧になられましたか? 今や、日本人の2人に1人がかかるという「がん」。早期発見できれば治る可能性も高くなってきているようですが、日本人のがん検診率は高くありません。考えてみれば、通常の定期健診の中には、検査料が高い為か含まれてもいないし、様々な種類があめので、受けるのも大変。

 

そんな中、日本のベンチャー企業が、簡便に受けることができる画期的な検査方法を生み出していました。必要なのは、尿1滴や唾液1滴。簡単で精度も高く、しかもこれまでと比べて検査料も安いというのだから、庶民にとっては有難いお話です。

 

最初に紹介されたのは、”虫”。検査に必要なのは“尿1滴”、しかも、がんのリスクを指摘してくれるのが“虫”というのだから、素人にはチンプンカンプン。そんな研究で今回紹介されていたのが「HIROTSUバイオサイエンス」という会社。がん患者の尿には独特の匂いがあり、それを”線虫”という体長わずか1mmの”虫”に嗅がせると寄っていき、健常者の尿からは逃げるというのです。しかも、最新の研究結果によると、その的中率はおよそ9割。今のところ、胃や大腸や肺などのメジャーながんは勿論、希少なものも含めて、18種類のがんに反応することが分かっているそうです。

 

線虫は人間や犬を上回る嗅覚を持ちますが、一般にありふれた生物なので培養も簡単。殆ど飼育コストもかからないため、安くて精度の高い検査が期待できるというのです。さらに尿1滴なら、検査を受ける人の負担にもならないのです。2020年1月の実用化を目指して、詰めの研究が進んでいるそうです。画期的な検査方法を生み出した広津崇亮さんは、こう話しておられました。

 

『今は、がんは致死の病で人類にとつて最大の敵だが、それを人類が克服できる時代が来るかもしれない。だからこそ、全世界に広げるにはどうしたらいいか考えていきたい。』と。

 

2番目に紹介されていたのが、唾液1滴でがんのリスクを判断する最新の検査法で、すでに実用化されているもの。がん細胞からは、代謝物と呼ばれるごく小さな特殊な成分が分泌されているそうです。そんな唾液に含まれる代謝物を調べることで、がん細胞がある可能性を高い精度で判定できるというものです。

 

現在、1回の検査で、肺がん、乳がん、大腸がん、口腔がん、すい臓がんの5種類のがんのリスクを判定できるそうです。この検査方法を生み出したのが、慶応大学発のベンチャー「サリバテック」の杉本昌弘さん。大手ソフトウェアメーカーのエンジニアをしていましたが、15年前に出向した慶応大学でがん細胞に含まれる代謝物の存在を知り、唾液を使ったがん検査の研究を始めたそうです。

 

そんな杉本さんは、4年前、研究者仲間をすい臓がんで亡くしています。がんで命を落とす人を一人でも減らしたいと日々奮闘。その努力が実り、2017年2月、唾液を使ったがん検査の実用化に成功したとのこと。今の杉本さんの課題は、もっと採用数を増やすこと。現在の検査費用は2万円以上と高いこともあり、26の医療機関にとどまっているそうです。

 

唾液を冷凍して運搬する今の方法では手間とコストがかかり検査数を一気に増やすことができません。どんなに良い検査でも、広く一般に広がらなければ意味がありません。そこで、杉本さんは、唾液を冷凍しなくても、痛めずにすむ容器の開発を行い、更に、分析作業も自動で行う装置の開発を進めていました。これらを実現することで、2割以上のコストダウンができるというのです。杉本さんは、こう話されていました。

 

『今日も明日もガンになる人はいる 普及を早くすれば 多くの人に意味が出てくる きちんと形にして届ける 淡々とそれをやるだけです』

 

日本人の2人に1人がかかるという「がん」。軍事費に莫大な税金を注ぎ込んでいくのではなくて、こうしたベンチャー企業をもっと支援しつつ、値段が高かったにしても普通の定期健診の中で、簡便に検査を受けていけるように、国のバックアップをしていって欲しいものです。

 

 

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