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【世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した】

2018-12-28 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

マーク・ジョンソン&キャスリーン・ギャラガー(著)による【10億分の1を乗りこえた少年と科学者たち 世界初のパーソナルゲノム医療はこうして実現した】(紀伊國屋書店2018/11/1発売・税込価格1,944円)という本をご存知ですか?

 

2003年、ヒトゲノムの解読が完了し、科学は歴史的な一歩を踏み出しました。それから6年後の2009年、今度は医療において大きな一歩が踏み出されていきます。患者個人のゲノムを解析し、その結果にもとづいて診断・治療を行うという「パーソナルゲノム医療」が産声を上げたのです。

 

この本は、医師と研究者、そして患者と家族に焦点を当てながら、その新たな医療が生まれるまでを描いたドキュメンタリーでピューリッツァー賞も受賞している2人のジャーナリストタッグを組んで書き上げたものです。

 

この本の魅力は、それが豊かな科学的知識を授けてくれるからではなく、登場人物たちの悲喜こもごもを濃密な筆致で描いており、事実を淡々と積み上げていく記述ながら、最後に読者をアッと言わせるものもあるそうです。

 

舞台はアメリカのウィスコンシン州。5歳になるニコラス・ヴォルカーは、もう3年間も正体の知れない病気に苦しめられていました。少年は食事をとるたびに腸に小さな穴ができ、そこから便が漏れ出てしまうのです。感染症の危険ともつねに隣り合わせであり、それを防ぐために、年に何十回も手術室へ足を運びます。当然のことながら、死の淵をさまよったのも一度や二度ではありませんでした。

 

少年と家族を何より困らせたのは、謎の病気に対して、いっこうに診断が下されないことでした。どの病院に行っても、どの専門医に診てもらっても、彼らはみな頭を抱えるばかりで、医学文献を調べても、症例はどこにも見当たらなかったのです。ある医者はのちにこう回顧している。

 

『検査結果が返ってくるたびに、全体像がますますわからなくなっていくんです。......まさに10億人にひとりレベルの稀な症例でした。』

 

ウィスコンシンではゲノム科学に携わる優秀な研究者たちが集まりつつあり、その中心にいたのが、ハワード・ジェイコブがいました。既にラットの遺伝子研究で大きな業績をあげていた彼は、新天地でDNA解析を医療に応用するという大きな目標を掲げていました。

 

最終的には、ジェイコブの研究チームがニコラスのDNAを解析し、謎の病気に対する診断を下すことに成功するのですが、メインストーリーだけでなく、それ以外のサブストーリーからも目が離せないようで、DNA解析をきっかけとして、病気の原因とともに浮かび上がってくる新たな事実や、退院時にようやく実現したニコラスとジェイコブの初対面のシーンなど、著者たちの巧みなストーリー構成に導かれながら、ときには心を乱され、ときには拍手喝采し、飽きることなく最後まで読み進めるものに仕上がっているのだとか。

 

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ひとりの少年を救うため、計画を5年も前倒しにして世界初の試みに挑んでいったジェイコブの研究チーム。リスクもあるその試みにメンバーたちを向かわせたのは、「それに挑戦しないというなら、自分たちは何のためにここにいるのか」という熱い思いだった・・・
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私もつい先日、テレビで本が推薦されているのを知って、既に本は購入しています。今年の冬休みは、9連休になるので、じっくり読んでみようと思っています。

 

話は変わりますが、弊社も今日が仕事納め。1年間有り難うございました。
 

 

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