1月27日放送のガイアの夜明け『追跡!日の丸プロジェクト②「稼げる!驚きの"野菜"革命」』の回、ご覧になられましたか?
早いもので師走を迎えていますが、今年の夏は、命に危険が及ぶほどの猛暑、これでもかと連続してやってきた台風。年間通しても、終わる事のない地震など、自然の脅威に晒された日本でした。自然災害の影響を受けやすい農業も、水不足などで大きな被害を受け、悲しいかな野菜の価格も高騰し、買わずに我慢する事の出来ない物だけに、消費者にも影響が広がりました。
予想外の自然災害に加えて、農業は、担い手の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加も深刻化しています。それらの問題を一気に解決しようというプロジェクトが今、動き出しているというのが今回のお話。「災害に強く」て、「作物の安定供給」が可能。更に、消費者には「安い野菜」が提供できて、「誰でも簡単に稼げる」という夢のような取り組みです。
今回の主役は、福岡県に拠点を置く「グリーンリバーホールディングス」という、建設現場の足場から新幹線の工事まで手がけるベンチャー企業。2012年に太陽光発電所建設に参入し、独自の特許工法で九州のメガソーラー施工のなんと4割のシェアを持つと言います。グリーンリバー・社長の長瀬さんは「太陽光事業は建設して終わり」「発電したエネルギーも都会へ送られる」と、地元の安定的な雇用につながり、地方が活性化できる事業を模索していました。
そこで建設のノウハウを生かしてIoTを駆使した「スマートハウス」を開発。葉物野菜ならなんでも効率的に栽培できる方法を確立したのです。去年9月からは、岩手県八幡平市の放棄されたビニールハウス100棟を再生し、作物の栽培をスタート。大手スーパーや「俺のイタリアン」などの飲食店にも少しずつ供給を始めるまでに育っています。このノウハウをビジネスモデルとして全国に展開することが社長の目標でした。
7月、社長の長瀬さんは、福岡県久留米市にある5,000平米の耕作放棄地に4棟の「スマートハウス」を建設。農業経験「ゼロ」の企業を訪ねては「作物の管理はほぼ全て、グリーンリバーが担当。農業に参入する人は、日常的な作業と収穫作業をこなせばいいだけ」と参加を呼びかけました。「1日5時間程度働いて、しかも週休2日」も売り文句。「きつい、汚い、儲からない」というこれまでの農業のマイナスイメージを、一変させようというのです。
興味を示したのが、地元の建設会社や農業資材販売会社。将来の事業展開に悩んでいましたが、新しい収益の柱を打ち立てられずにいた企業です。“素人”企業を巻き込んで、いよいよ作物の栽培がスタート。想定外の環境から、ダニの被害を受けてしまうなどのトラブルもありましたが、なんとか対策を講じる事も出来、無事軌道に乗っていきます。
これまでの安定供給できる水耕栽培は、照明を当てて水平の環境で育成していた為に、コストが掛かる割に大量に生産する事が出来ず、できた農産物も値段が高くなってしまうという欠点がありました。
しかし、今回の「スマートハウス」は縦型水耕栽培農法を用いて、太陽の光で育て、水平ではなく縦に配置された野菜のマンションの様な環境で収穫も簡単。労働の軽減によるビニールハウスの高収益化が図れ、クラウドでビニールハウス内の環境制御を行う栽培管理システムまで導入されることで、新規就農者のスタートアップが支援されるのです。
「きつい、汚い、儲からない」・・・そんなイメージを覆して、誰にも優しい農業が生まれれば、耕作放棄地に困っている人も、消費者も大助かりですよね。今後も注目したい取り組みです!!
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