11月13日放送の【ガイアの夜明け】『シリーズ「東京新名所ウォーズ」第4弾~上野、深川 下町チャレンジ!』の回、ご覧になられましたか?オリンピック開催を2020年に控え、今、東京の街が各所で変貌を遂げています。そして、その波が下町エリアにも及び、活性化し始めているとのこと。古き良き伝統が受け継がれる一方、新たな試みの店やホテルが続々と登場し、地元の人とコラボして地元と共に盛り上げていくというのが今回のお話でした。
東京はご存知『上野』。アメ横に上野動物園、三菱財閥を創業した岩崎家の旧岩崎邸庭園に、世界遺産の国立西洋美術館などもある「観光資源の宝庫」です。ところが、何故か「宿泊して滞在を楽しむ地」として認識されて来なかったため、高級ホテルは少なく通過されてしまう勿体なさ…。
そんな上野でホテル事業に乗り出したのが、不動産大手の野村不動産でした。「プラウド」シリーズなどの高級マンションで有名ですが、ホテルを手がけるのは今回が初めてだそうです。目指すのは“上野のディープな魅力を伝える”ホテル。そこで、現場を任された中村さんが注目したのは、地元の伝統工芸でした。
実は、上野は代々続く工房が軒を連ねる、知られざる「職人の町」。中村さんは2年かけて工房をまわり、ホテルの装飾品や備品の製作を依頼。ホテルが宿泊客と職人を繋ぐことで、地元の産業を盛り上げるのが狙いとのこと。しかし、ホテルが求めるものと職人の拘りが食い違う事も多く、意見が衝突してしまうことも多かったようです。また、ホテルの要であるサービス面でも、接客スタッフたちの勉強不足で、職人が製作した作品への理解が不足していた為、その「こだわり」をきちんと宿泊客に伝えることはできるのか…不安はつのるばかりでした。
そこで中村さんが行ったのが、スタッフを連れての職人の工房見学。職人技を目の当たりにしていく事で、お互いに理解を深め、良い流れに変えていったのです。ホテルがオープンして宿泊客が職人の工芸品に触れると、その工芸品に触れたお客が、工芸品の購入を目的に工房を訪れるという映像が流されていました。地元とホテルの連携、素敵な流れでした。
東京は下町の代表格『深川』。富岡八幡宮をはじめとする江戸情緒が残り、風情溢れる居酒屋が軒を連ねる下町です。そこに、一際盛り上がっている店が、2年前にオープンした「深川ワイナリー東京」。その名の通り、店の隣でワインの醸造を行っていました。 深川を“ワイン”で盛り上げようと始めたのが、中本さん。
そんな中本さんが更なる展開の舞台にと目を付けたのが、地元の老舗スーパー「赤札堂」の屋上でした。かつては遊具コーナーなどがあり子どもたちで賑わっていたそうですが、少子化もあり今は使われていません。そこに、ビアガーデンならぬ“ワインガーデン”をオープンしようというのです。
今回は、店で出されるメニューを「赤札堂で実際に購入できる食材」で作るという仕掛けを盛り込んでいます。店を訪れたお客が、食材を気に入ってくれたなら、帰りに赤札堂で買い物をして帰ってもらう…ワインガーデンとスーパーの相乗効果を狙った作戦です。こういうのって実演販売と同じで、欲しくなってしまうんですよねぇ…。
また、自分のお店だけでなく、他の志ある業態も巻き込んだお祭りの屋台群のような形にして、ワインだけでなく色々な飲食が楽しめる場所をも目指していました。会社帰りや、お休みの日のお食事に…また、美味しいものがあれば帰りにスーパーで買って帰る…物語ができているのでうまく行かない訳がないですよね。
今回紹介された2つケースは「東京の下町」というお話でしたが、こんな展開、他でもうまく行くのではないでしょうか。こんな場所、もっと増殖して欲しいものです!!
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