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アインシュタイン深掘りの巻…⑦切断され消えた“天才脳”

2018-11-5 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

今年、7月29日NHKで放送された「アインシュタイン消えた“天才脳”を追え」。後日、未編集素材を大幅に加えた特別編も放送されており、それも合わせて、しっかり見させて頂きました。

 

1955年76歳で亡くなったアインシュタインですが、この時、入院先の病院で病理解剖を担当したハーベイ医師が、アインシュタインの才能の秘密に迫りたいと、なんと、密かに脳を摘出…。これを知った長男は激怒しますが,アインシュタイン自身が生前,自分の遺体が科学研究に付されることに積極的な発言をし、同意していたため,最終的には研究成果を専門誌に発表するということを条件に承諾します。

 

ところがハーベイは天才脳をどのように研究したら良いのか分からず,そのまま失踪し,40年・・・。脳はいくつにも切り刻まれ、研究と論文発表を条件に更に少なくとも18人の研究者の手に分散し、長い年月が流れる中で、その多くが行方不明に…。

 

今回のこのNHKスペシャル…きっかけは、番組スタッフが、3年前に教育関係の取材をしているときに、たまたまアインシュタインの脳が密かに摘出さたのを知ったことでした。当時の記事や科学論文などを調べていくと、200以上に切断された脳の大部分が、世界各地に散逸したまま行方不明である実態が見えてきたというのです。

 

「あれだけ偉大な天才の脳が、どこにあるのかもわからない状況で良いのだろうか…」、そう思い、脳の所在を確かめるとともに、最新の科学技術で知性の秘密にどこまで迫ることができるのかチャレンジしてみたいと考え、企画されたとのこと。番組はNHKとは思えない展開で話が進められ、とても興味深く見させて頂きました。

 

調査を続ける中で、やがて、ハーベイが残した大量の資料が今も保管されている事が分かります。 交渉の末、保管場所の詳細を明かさない事などを条件に未公開資料の撮影が特別に許されます。脳の摘出後に撮られたとみられる写真。脳は更にブロック状に細かく切断されており、 その一部始終を捉えた写真は 300枚超。

 

更にハーベイは脳を切断する際にロードマップを作成していました。どのブロックがどこに位置するのか、一つ一つ番号が振られていました。脳のブロックは全部で240。ハーベイは各ブロックの一部から薄い切片を切り取りスライドを作成していました。顕微鏡を使いどこかに特徴がないか、しらみつぶしに解析を試みていたのです。

 

残念ながら、研究成果が得られた形跡はなく、2007年ハーベイは94歳でこの世を去っていきます。ところが、彼の遺品の中に脳のブロックは一つもなく全て消え去っていたのです。脳は一体どこへ行ったのか・・・。

 

アインシュタインが晩年を過ごしたプリンストン。ここで、脳の行方に関する重大な手がかりが得られます。地元の医師フレドリック・ラポア。プリンストンの英雄アインシュタインの脳が分割されて人手に渡ったと聞き、長年行方を調べてきたというのです。調査で掴んだのはハーベイが信頼を寄せ最も多くの脳を託したという人物の情報。それは、プリンストン在住のある医師でした。

 

番組スタッフは、その医師に接触を図る事にし、取材の目的をメールで伝え、連絡を待つ事にしました。5時間後、返信があり、翌日、30分間の面会が認められます。医師との面会はカメラなしでの交渉となりますが、ちゃんとした取材には応じられないという回答が改めて伝えられ「そっとしといてほしい」という本人の気持ちが強く、取材は途切れてしまいます。

 

それでも、完全に切れた訳じゃないのからと、僅かな取材の可能性を信じ、交渉は続けられる事に・・・

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