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神秘のネットワーク最終回【エクソソーム】登場!!

2018-4-5 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

3月25日放送のNHKスペシャル人体 神秘のネットワーク最終回【健康長寿 究極の挑戦】の回、ご覧になられましたか?今回取り上げられたテーマは日本人の死因の1位・2位となっている『がん』と『心臓病』克服への道。

 

がん細胞が特殊なメッセージを分泌する『エクソソーム』と呼ばれるメッセージカプセル。大きさは、1万分の1ミリ、突起の付いた球状の物体。まるでもやっとボールです。

 

このエクソソームの内部には「もっと栄養が欲しい!血管を増設せよ!」など複数のメッセージ物質が入っていて周りの血管に命令し、がん細胞の周辺に血管を増設するよう指示を出します。臓器同士の仕組みをがん細胞が利用してしまうのです。

 

なりすましメッセージ物質を受け取った血管は、仲間が出したメッセージ物質と勘違いしてがん細胞に血管をつなげてしまうのです……。さらに付近の免疫細胞にも「攻撃するのをやめて!」というメッセージ物質を出し免疫細胞すらも操ってしまっていたのです。

 

ところでエクソソームと言えば・・・2016年10月26日、弊社主催のオリジナルセミナーでも取り上げられたもので、その際には、落谷 孝広先生、黒田 雅彦先生、湯山 耕平先生にご講演頂いております。もう1年半も前の事になるんですねぇ。さて、その国立がん研究センターの落谷先生が番組に登場し、問題のエクソソームを使ってがん細胞を撃退する方法が紹介されていました。

 

落谷先生は、がん細胞が出したエクソソームを判別して印をつけ、「これは敵です」というマーキングが出来るような技術を開発されました。マーキングされたエクソソームは、免疫細胞がどんどん食べてくれるためがん細胞はそれ以上増殖できなくなります。現在、マウスの実験では転移が90%見られなくなるまで抑えられることが確認されているそうです。

 

がんで亡くなる多くの方は、最初に出来た癌からの転移によって亡くなります。この研究が成功すれば、最初のがんからの転移が抑えられ、がんによる死亡率が格段に低くなるかもしれません。物凄い事ですよね。

 

ところでエクソソームは、がん細胞だけではなく、全ての細胞が出しているメッセージカプセルで、究極のメッセージカプセルだそうです。心筋梗塞を撃退する最新医療では、エクソソームの解明が再生の鍵になってきており、心臓の再生を加速させるようです。

 

心臓の細胞は50年かかっても3分の1程度しか回復せず、これが心臓病の治療を難しくしているとか。今、アメリカの研究によって心臓の細胞を速く再生させる技術が開発されています。心臓の出すエクソソームには、細胞を再生させるメッセージ物質が極端に少ないため、人工的に再生させるメッセージ物質を増やしてしまおうという研究なのです。

 

それにしても科学技術の進歩は驚くスピードで進化していたのですね。番組の最後で山中伸弥先生は、こんな話をされていました。『これまではそれぞれの臓器を取り出して個別に研究してきたのですが、これからは体全体のネットワークを理解しないと本当の治療にはつながらない』と…。

 

ピンピン・コロリ…健康で長生きできる時代は、確実に近づいているのかもしれませんね。
 

 

 

 

 

 

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