先日、映画64を見ました。64と言えば、ニンテンドー64というゲーム機を思い出す方も…
というか、ゲーム好きな私は真っ先に浮かんできたのですが、中身は全く違います。
物語の舞台は、わずか7日間で幕を閉じた昭和64年。この時、D県警管内で7歳の少女が誘拐
され、殺害される事件が起こったのです。当時、捜査一課特殊犯捜査係に所属していた三上
(佐藤浩市)も追尾班として初動捜査に加わり、犯人から要求された2,000万円の身代金を
運ぶ父親(永瀬正敏)の車を追いました。しかし、犯人の方が上手で、身代金はまんまと
奪われ、5日後に少女の遺体が無惨な状態で発見されます。
昭和天皇の崩御で悲しみに暮れると共に、新元号「平成」の制定で新しい時代の幕開けに
色めき立つ世間とは裏腹に、幼い少女の死と遺族の慟哭を目の当たりにしたD県警は、平成の
世に紛れた犯人を逃がすまいとこの事件を64(ロクヨン)という符丁で呼び解決を誓いますが、
遺族に吉報がもたらされないまま時は過ぎ、捜査本部は専従班に縮小され、名ばかりの継続
捜査状態となっていきました・・・。
前編・後編と4時間近い大作でしたが、とにかく出ている俳優陣が超豪華で、素晴らしく、
要所要所をしっかり固め、内容もしっかりしていたので、久々に隙のない引き締まった日本
映画を観られて大満足でした。「えっ、この役者さんも出ている!」と、何度も、その主役級
の俳優陣に驚かされながら、吸い込まれるように4時間を過ごさせて頂きました。
主要なブック・ランキングは、前年11月から同年10月に刊行された作品を対象にしていまし
たが、本作は10月末に刊行されたにも関わらず、圧倒的な支持を受けて「週刊文春ミステリー
ベスト10」及び「このミステリーがすごい!」で第1位になりました。また、第10回本屋大賞
及び『ミステリが読みたい!』で第2位となったほか、『ダ・ヴィンチ』2013年7月号で発表
された「2013年上半期 BOOK OF THE YEAR」で第1位となっています。また、2016年、
英推理作家協会より、ダガー賞・翻訳部門の最終候補に選ばれてもいます。
映画としては、前編が全国319スクリーンで公開され、全国映画動員ランキング(興行通信社
調べ)初登場3位、初週の土日2日間の成績は動員20万3,703人、興収2億5,727万1,900円。
後編は全国321スクリーンで公開され、全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)初登場1位、
初週の土日2日間の成績は動員28万2,693人、興収3億5,409万400円。
前編が、昭和64年に起こった事件の「再現」となるような「事件が発生」したところで終わ
っているので、前編・後編の両方とも、しっかり観て頂きたいと思う、是非、お薦めの日本
映画でした。