ティータイム

足のない、カラスのカーちゃん

2016-8-26 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

『カラスのカーちゃん』

 

傷ついたカラス
車に潰されたように
両足がつぶれて
歩けない…


まるで、引きちぎられたように
翼の半分がなくて
飛ぶこともできない…


道端でもがいているところを
拾われた…カラスのカーちゃん


止血して、床を作って
それでも、怖がるばかりで
何も食べようとしない


みるみる弱っていくカーちゃん
時々、ビクッとしたり
眠りに入ったり


足がないと、内臓で
身体の重みを支える事は出来ない…


仕方なく、雛にやるように
鋭く固いくちばしをこじ開けて
すり潰した餌を与えた…


しばらくすると、苦しそうに吐き出す
お腹で身体を支えているからか…


手の中で柔らかく包もうとすると
鋭いくちばしで攻撃してくる
それでも、痛みに耐えながら
「大丈夫だよ」と抱きしめた…


その時だった…


「なんで、攻撃しているのに…」と
不思議そうに見つめるカーちゃん


「賢いカーちゃんだぁ」
そう、つぶやいて再び抱きしめた
それからは、攻撃される事はなくなった


床は、出来るだけ身体全体で重さを分散するように作り直した
手の空く限り、抱きかかえて過ごした
一緒に寝てしまう事もあり、そんな時は、身体を私に預けて眠っていたカーちゃん


いつしか、わずかの会話ができるようになった

 

「お腹すいたぁ」
「おトイレしたい」
「眠たい」


ちょっと離れる時間が長いと
排泄した便などで、お腹一体、濡れて汚れてしまう…
そのまま放置すれば固まって、弱った身体を傷つける…

病院に連れて行っても、迷惑そうに見たあげく、無理だと言われた…

足もないのに歩こうとして、付け根は腫れ上がって…

翼がないのにバタバタして、また傷ついて…

 

そうして3ヶ月が過ぎていった、ある日の朝…
カーちゃんは力尽きて…永遠の眠りについた…
不思議に安らかな顔に見えた…


カーちゃんは、信頼を教えてくれた…
カラスだから、みんな、変な目で見たけれど…
もっと、鳥を助けられる病院があったなら…


カーちゃん…天国行けたよね…
ありがとう カーちゃん


   詩集「道しるべ」より
 

 

動物を傷つけてしまう人がいるけれど・・・

 動物に力を貸せる人もいてくれる・・・

  まだまだ、世の中捨てたもんじゃありませんよ。
 

 

 

 

 

 

 

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