先月5月17日にガイアの夜明けで放送された『育て!会社を背負う者たち』を
ご覧になった方はおられますか? 前半の三菱の話も面白いものでしたが、
注目したいのは後半の『他社から学ぶ?「大人の武者修行」』の方です。
なんと、あの経済産業相が助成金を支給してまで行っている制度なのです。
優良企業の仕組みや、経営意識を全く違った業種の中で「体験」し学ぶことが
できるというのです。
条件は中小企業で、次代を担う人材である事。優良企業の職場に送られた人は、
現場で一緒に汗をかきながら働くことを通して、サービスイノベーションの
極意を学び取っていくわけで、新しいタイプの社会人インターンシップ。
そうして「武者修行者」が持ち帰る『優れた企業のDNAやサービスビジネスの
極意』が、中小企業の風土を根本的に変えていくというのです。全ての経験が、
そのまま活かせるとは思えませんが、良い刺激を受けられるのは間違いない
と思います。
100にものぼる優良企業に2週間以上、それも研修・滞在・交通費の3分の2を
補助してくれるというのですから有り難いお話です。ただでさえ中小企業
ともなると、人を育てるのは難しい話。少ない人員の中で、教える経験も
少なく、良い見本も少なく、長くいると、それが正しいかどうかまで麻痺して
分からなくなってしまいます。
管理職の為のサバイバル研修等、これまでにも様々なものがありましたが、
実際の現場に入る事ほど、効果のあるものはなかったでしょう。どうも、
今回のこの制度の申込受付は昨年末で終了しているようなので、こうした
取り組みが、単発で終わらない事を願うばかりです。
あと1つ、課題として思ったのは、中小企業の場合、そうして研修で1人でも
不在となると、通常業務が回らなくなるところもあるのでは?という事から、
そうした面へのサポートも同時にしてもらえたら…なんて事も思ってしまいます。
こうした国の取り組みも、一方では、私達が納めた税金等が投じられるのはと、
賛否両論があるわけで、なかなか難しい問題なんだろうとは思います。
本では学べない『直接目で見て肌で感じて体感できる』経験、大切にして
いきたいですねぇ。