今日は、海の安全記念日です。全国水産高校長協会が2003年に制定しました。
2001年、愛媛県立宇和島水産高校の実習船が、ハワイ沖で米国の原子力潜水艦に
衝突されて沈没し、教官や生徒らが亡くなられた事故を忘れず、教訓とするための
記念日です。
船の名前は『えひめ丸』。大きさとしては約4000トン程の今より一回り小さい位の
大型実習船でした。事故当時この船には宇和島水産高校の船員、指導教官、
生徒合わせて35名が乗船していました。ハワイ沖で水揚げを終え、帰国する
最中だったそうです。その時、えひめ丸の丁度真下にデモンストレーションの為
潜水していたアメリカの原子力潜水艦『グリーンビル』がそのまま浮上し、
えひめ丸の船尾付近に激突しました。船は約5分程で沈没。生徒4名、船員3名、
指導教官2名が命を落としました。
グリーンビルは、浮上以前からソナーでえひめ丸の存在に気付いてはいましたが、
民間人16名を乗せており、クルー等はこの民間人の対応に追われて、ソナー
による確認作業が疎かになっていたそうです。なんとも…
それ以前に国内でも、1988年7月23日、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」が
遊漁船「第一富士丸」と横須賀沖で衝突する事故が発生し、遊漁船の乗客
39名・乗員9名のうち30名が亡くなる事故がありましたよね。
戦争のない平和な国であっても、その戦争の為の道具で亡くなってしまうのは
本当に残念で、あってはならない事だと思います。えひめ丸の事故については、
元首相の森さんが悲報を聞いたあとも、ゴルフを続けて後に退任になったり、
当時のグリーンビルの艦長が、事故の責任について軍法会議で審議されることなく、
減俸処分を受けただけで、後に軍を名誉除隊するなど、周りの対応にもがっかり
させられる事がたくさんありました。
命の重さを、もっとしっかり受け止めて欲しいものです。