10月30日にBSジャパンで放送された未来EYES『H2L株式会社 (H2L Inc.)』の回、
ご覧になられましたか?
米TIME誌の「世界の発明50」に選出された、日本発の画期的な技術「Possessed
Hand(ポゼスト ハンド)」。使用者に手の動き(ハンドジェスチャー)で情報提示
する装置で、簡単に言うと『コンピュータで人の手を操る』ことができるもの。
開発したのは、H2L株式会社チーフリサーチャー 玉城絵美さん。工学博士でもあり、
早稲田大学人間科学学術院助教も務めています。
「ポゼスト・ハンド」は、腕に巻いた2枚のベルトから前腕の筋肉に電気刺激を与え、
手指の動きを制御します。前腕の筋肉は手指の腱につながっており、その筋肉を
収縮することによって、手指を動作させるというのです。この技術を活用すれば、
楽器を弾けない人の手が、勝手に動いて、演奏することだって可能なのです。
また、ゲームの中の世界に“触る”ことができる、世界初のゲームコントローラー
「Unlimited Hand(アンリミテッド ハンド)」も開発。この技術は、UIST2016
〔ヒューマンインターフェイス学会〕で公開されていましたがコンピュータとの
双方向通信を可能にした物凄い技術です。VRの世界に触感型の機能まで加わると、
行った事のない場所の触れた事のない物まで、体感する事が出来てしまうのです。
かつて玉城さんは『引きこもり』で苦しんでいたそうです。そんな玉城さんが、人
とのコミュニケーションに必要なのは手の動きだと考え、辿り着いた世界。弱みを
強みに活かせた素敵な例だと思います。生きようとしたからこその成果です。
ところでVRって何?って人の為に触れておきますと、VRとは、Virtual Realityの
略で、人間の感覚器官に働きかけ、現実ではないものが現実のように感じられる
環境を人工的に作り出す技術の総称です。 VRで、今、1番話題になっているのは
PlaystationVRでしょうか。
このPlaystationVR、既に発売されているものですが正規の値段では入手困難で倍額
近い値段で転売されている状況です。それぐらい購買欲の高い商品という事ですね。
身体に装着する機器や、コンピュータにより合成した映像・音響などの効果によって、
3次元空間内に利用者の身体を投影し、空間への没入感・臨場感を生じさせるので、
バイオハザードなんてゲームで体験してしまうと、心臓麻痺を起こす人が出るの
ではという心配すらしてしまう凄いもの。
また、似たもので間違えられるのが最近ポケモンGOで、知られるAR。以前にARは、
このブログでもご紹介させていただきましたが、正式な英語ではAugmented Reality
と言います。日本語では「拡張現実」という意味になりますが、現実世界で人が感知
する情報(実際の景色、地形、感覚など)に、「何か別の情報」を加え、現実を
「拡張」表現する技術で、初めて箱根で体験した時は面白くてハマったものです。
おっと、かなり脱線してきましたが、このUnlimited HandがプラスされたVR、
ソニーのPlaystationVRとの共同開発も進んでいるようで、皆さんが驚異の体感を
できるのも、そう遠くないのでしょうね。PlaystationVR+Unlimited Hand+
MDR-HW700DS(立体的なサラウンド音場を再現できるヘッドホンで、映画などの
コンテンツを大迫力で楽しめるデジタルサラウンドヘッドホン)で、未知の世界に
旅に行けそうです。楽しみだなぁ・・・( ^ ^ ) /
10月29日、11月5日放送の2回にわたって放送された『一滴の向こう側』…
〔熊本は俺が守ったる〕ご覧になられましたか?
まだ記憶に浅い今年の4月。熊本を襲った未曾有の災害、熊本地震。マグニチュード
7.3の本震を含んだ、震度1以上を観測した地震の数は4000回を超え、建物の被害は
17万棟以上。地震発生から半年。復旧が中々進まない中、壊れた屋根の上を歩き回る男、
それが今回の主人公でした。
熊本地震から半年たった10月。主人公の遠山さんは塗装業の傍ら、壊れた屋根を
簡易的に修復するために屋根の上に登り、無償でブルーシートをかけていました。
地震の後に来る恐怖…それは、雨漏りで夜も眠られない事。自分に何か出来る事は
ないか?そんな思いの中から出てきたのが『熊本は俺が守ったる!』という熱い
思いでした。
そんな彼のところには、今も、様々な依頼が舞い込んできます。震災後も揺れ続ける
余震。そして、誰を頼ったら良いのかわからない人達が、自然に遠山さんを頼るように
なっているのです。そんな人達の為に、彼は惜しみなく駆けつけ、それもまた無償で
快く対応していくのです。なんと素敵な人なのでしょうか。塗装業の仕事は、滞る。
それでも彼は、皆の為に何かをせずにはいられないのです。
一昨年亡くなった、父・典紀さんは『見た目は汚いかもしれないが、心は錦』と、
雨漏りで困る人がいると、今の遠山さんと同じように無償でプルーシートを被せて
回ったそうです。そんな父親の葬儀には大勢の弔問客が訪れ、生前の父親が
どれだけの人に評価されていたかを知り、主人公に引き継がれたのでしょう。
そんな番組の後編…
震災は、子供たちの心奥深くに深い傷跡を残し、子供たちの絵から色を奪っていました。
『幼稚園に、子供たちの心に、“色”を取り戻したい』
そんな思いからの新たな動きも扱われていました。
自身の生活さえ厳しい中、困っている人を助けたい、自分の街は自分たちの手で
守ろうとしなければダメだ、そう語る遠山さんの素敵さに、ひたすら感動の1時間
でした。
10月からフジテレビ系で放送されている『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの
診断』というテレビドラマご覧になられていますか? かつて放送されていた『チーム
・バチスタシリーズ』のスタッフが再集結して制作されたものなんですが、なかなか
面白く見させて頂いております。
「解析診断部=レディ・ダ・ヴィンチ」に所属する個性豊かな7名の女性医師が、
原因不明の病気の謎を究明し患者を救うために奮闘する姿を描いたドラマで、オリ
ジナル脚本による1話完結の医療ミステリーです。
また、このドラマを見ていて重なってしまうのがNHKで放送されている『総合診療医
ドクターG(ジー〔ジェネラル〕)』。かつてNHK-BSで放送され、後に地上波
(総合テレビ)に放送枠を移して断続的に放送されている医学・医療関連のクイズ
バラエティ形式による情報番組なのですが、こうした番組を見ていていつも思うのが、
こんな医者が身近にいないものかということ…。
いくつかの小さな病院では解決できず、大きな総合病院に行くと、初診料というお金を
払わされます。そんなお金を払っているにも関わらず、患者の話もロクに聞かず、
決めつけて対処療法の薬を出しておしまい。そんな程度の低い医者が我が家の周りには
沢山います。
患者の主訴が、何が原因で起こっているものなのか、患者がいう事が正しいのか…
そんな事も分からないのに、触診はもとより、よく話を聞く事もせず、ひどい時
には患者の顔すら見もしない医者がいます。レディ・ダ・ヴィンチやドクターGでも
見て、刺激を受けてもらえたらと思ってしまう今日この頃…。
思えば家内が潰瘍性大腸炎になって、私も左足を手術してから1年あまり、松葉杖を
ついた事で負担が大きくなった右足を次に痛め、続けて腰を痛め、脊柱管狭窄症、
椎間板ヘルニア…運動できなくなると免疫力も低下して肺炎を患い…。ひどい
アレルギーに悩まされると医者の勧めるままにステロイド入りの薬を5年近く飲み
続け、気付いた時には身体が更なる悲鳴をあげていました。
運動不足は同時に肥満、内蔵脂肪、痛風、逆流性食道炎と坂道を転げ落ちるように
展開し、おかげさまで健康番組は欠かさず見るようになって、口に入る物にも神経を
使うよになりました。我が家の支出の大半は病院と健康維持に費やされてしまってい
ます。
対処療法で終わらせるのではなく、治療することに、もっと目を向けてくれる医者が
もっと患者の立場に立って診断してくれる医者が増えてくれることを、心から願う
ばかりです。知識のない人間が知識のある人間を頼って、お金を払って救いを求めて
いることを、しっかりと受け止めて欲しいものです。
今更ですが、我が家では、何か月か前から『玄米酵素水』というものに家内が
はまってしまい、にわかに、玄米が話題になってきています。まずは、その玄米と
白米の栄養素の比較から見て見ましょう。
●玄米・白米1食分(160g)当たりの栄養成分
玄米 白米
エネルギー 265Kcal 269Kcal
タンパク質 4.48g 4g
脂質 1.6g 0.48g
炭水化物 56.96g 59.36g
食物繊維 2.24g 0.48g
ビタミンE 0.8mg 不明
ビタミンB1 0.26mg 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg 0.02mg
ナイアシン 4.64mg 0.32mg
ビタミンB6 0.35mg 0.03mg
カリウム 152mg 46.4mg
マグネシウム 78.4mg 11.2mg
リン 208mg 54.4mg
鉄 0.96mg 0.16mg
玄米には主に以下の効果があると言われています。
1. 便秘解消
2. アンチエイジング
3. ガン予防、ガン治療
4. デトックス効果
玄米は白米に比べて食物繊維が“5倍”近く含まれており、 これは玄米1食分で
キャベツ120gに相当します。また、抗酸化作用がある“ビタミンE”も豊富に
含まれています。玄米に含まれる食物繊維や“フィチン”という成分は、 体内の
毒素を排出する効果、いわゆるデトックス効果もあるということで、ダイエット
にも良いと言われているわけですね。
また、色々調べていくと、玄米のマイナス面についても書かれていました。
1. ミネラルの欠乏
2. 残留農薬が多い
3. 消化に悪い
4. 不味い
特に気になる「1」のミネラルの欠乏ですが、栄養豊富なのに何故と気になって
しまいますが、「玄米には“フィチン酸”が含まれており、これは体内のミネラルと
結合して排泄されてしまうため、ミネラル欠乏症となってしまう」という事の
ようです。
ところが、この意見には間違えがあるようで、玄米に含まれているのはフィチン酸
ではなくて、フィチン〔フィチン酸+ミネラル〕という既にミネラルと結合した
もので体内のミネラルを排出する作用はないそうです。良かった良かった。
また、2番目の残留農薬が多いというのは、玄米を精米して白米にする工程で取り
除かれる米ぬかに残留農薬が多くみられるという事からなんですが、実際には、
玄米の残留農薬の危険性はハッキリしていないようで、気になる側としては
無農薬の物を選べば良いだけなので、結論からするとプラスマイナスで、プラス
と言ったところです。
と言うわけで、大いに玄米への興味が増大してきた我が家としては、玄米が中核を
占めている『マクロビオティック』を改めて見直してみようかと話しているところ
です。
ちなみに、『玄米酵素水』なるものを講演会で聞いてきた家内は、熟成させる玄米
ご飯の炊き方も覚えてきて、お赤飯の様なモチモチした玄米も食べられるように
なってきました。私は、もともと白米に6対4ぐらいの割合で玄米を入れるのが好き
でしたので、それまで『匂いが嫌だ』と言っていた家内が変貌をしてきたおかけで
食生活も更に面白くなっていきそうです。検証…続けていきますよ!!
『受け入れること』
怒る
泣く
嫌なことをする
そんな自分は、本当の自分じゃないって…
本当は明るく笑いたい
誰とでも仲良くしたい
人の幸せに力を尽くしい
でも、心の中の何かが邪魔をしている
偽善者みたいな笑顔
気持ちのない支援
意地をはって丈夫な振りをする
そんな自分は、中身のないお飾り?…
本当は、イヤなことはイヤって叫びたい
嫌いなひとに、笑顔なんて作りたくない
弱い自分を、そのまま受け入れて欲しい
そのまま受け入れる?
誰に? 誰が?
受け入れるのは、自分
拒絶するのも、自分
いつも、笑っているなんて不自然だし
どんな自分も、間違いなく自分
だから、自分で自分を責めるのはやめよう
ありのままの自分を受け入れよう
自然な、ありのままの自分を
きっとそれが、何よりの救いになるはず
詩集『道しるべ』より
先日、スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』を見ました!久々の映画ネタです。
さて、実話を基にして作られた物語のあらすじはこんな感じです。
冷戦中の1957年、ブルックリンで画家を装い諜報活動を行っていたソ連のスパイ、
アベルは、FBIに逮捕されます。保険担当の弁護士 ドノヴァンは、連邦裁判所
弁護士会の弁護士全員の推薦を受け、アベル担当の弁護士として選出されます。
ドノヴァンは刑事事件を何年も担当していないことやスパイという自国の敵を
弁護し非難を受けることを心配し、即答は避けますが、アベルと会って話すことで
覚悟を決めて行きます。
敵国スパイを弁護したことで世間の目が厳しくなるなか無罪を求めて弁護する
ドノヴァンでしたが、陪審評決は全員一致で有罪。死刑判決だけはなんとか回避
しようと判事の自宅を訪問したドノヴァンは、将来アメリカ人がソ連の捕虜となった
場合の交換材料として生かしておくことを提言します。
判事からそのことに疑問を呈され、ドノヴァンは切り札としてだけでなく人道的な
面でアベルが祖国に忠誠を誓っているだけの無害な人物だと答えると、判事の心証が
変わり誰もが確信していた死刑判決を回避することに成功し、懲役刑の判決が下されます。
ドノヴァンはさらに刑を軽くしようと最高裁への上訴を決め、アベルから危険だと
忠告されながらも弁護を続けますが、マスコミが裁判をスキャンダラスに報じ、
ドノヴァン家は自宅を銃撃されるなど過激なバッシングを受けるようになって
しまいます。
一方、時を同じくしてソ連の上空でカメラによる偵察を行っていたアメリカ兵の
パワーズは、偵察機に向けて発射された地対空ミサイルが命中し撃墜。捕らえられた
パワーズはソ連の裁判で禁固10年の判決を下されます。アベルを国民と認めたくない
ソ連は、東ドイツを経由して、アメリカ人パイロットとの捕虜交換を提案し、
ドノヴァンは、民間人としてスパイ交換の交渉役を担うよう依頼されます。
そして最後の登場人物…ベルリンの壁が建設されつつあるドイツでは、アメリカ人
留学生 フレデリックが東ベルリンにいる恋人と西側へ逃走を図りますが捕らえられて
しまいます。ドノヴァンはアベルとパイロットの交換交渉を開始するため東ベルリン
にあるソ連大使館を目指し、もう1人の救いたい人、アメリカ人留学生の事を知ります。
ここから、アベルとアメリカ人2人との2対1の交換交渉が始まっていきます。映画の
中で強く意識して描かれていたのは『不屈の精神』。ソ連のスパイ、アベルの為に
頑張れたのは、アベルの『不屈の精神』を主人公が受け取ったから。そんなアベルの
弁護や2対1の難しい交換交渉に立ち向かえたのは主人公ドノヴァンの『不屈の精神』。
物語の終わりでは、自国に帰れるアベルが、そんなドノヴァンの為に再び『不屈の
精神』で応えて行きます。この辺からはクライマックスなので映画でどうぞ…。
ちなみに題名の『ブリッジ・オブ・スパイ』とはスパイ交換が行われたグリー
ニッケ橋を指しています。クライマックスの演出は…さすがのスピルバーグ監督で、
感動間違いなしの是非ご覧いただきたい映画でした。
うーん、SFやスペクタクル、アクションやラブストーリーも良いけれど、実話を
基にして作られた映画には、一味違った深みがあって、やっぱり良いですよねぇ…。
先日10月16日に放送された未来アイズ、ご覧になられましたか?九州大学 味覚・
嗅覚センサ―研究開発センター センター長 都甲潔先生が出られておられました。
「味を測る」という概念、「味を測る機器=味覚センサ―(tastesensor)」を提唱。
この味覚センサ―は、自己組織化能を利用した世界初、日本発の生体模倣タイプの
最先端科学技術ということですが、既に私たちの知らない様々な所で活用されて
いるようです。
人間が舌で感じる甘味、苦味、塩味、酸味、うま味などの、“味覚を測る”ことが
でき、人によって感じ方の違う「“味”を数値化」して、それを再現することを
可能にしています。有名シェフが作る高級フレンチ、行列ができる店のラーメン、
飽きが来ないおふくろの味など、これらの味を、忠実に再現することも可能だ
というのですから、味は長年の修行からつかみとれという料理人からすれば
困ったものなのでしょうか?
人間が感じる「美味しさ」を再現し、「見える化」で食品・医薬品業界の需要を
開拓している都甲先生ですが、研究のきっかけは意外にも奥様の秘密のハンバーグ
だったとか。
人参嫌いな先生に、身体に良いものだからと味が分からないようにハンバーグに
人参を忍ばせて食べさせ、美味しいと言ってしまった都甲先生の探究心を揺さ
ぶったようです。
そんな事からか、この味覚センサーは食品偽装を解明する事も出来るし、塩分を
減らさなければいけない病を抱えた人の為に塩味を感じさせるものを塩を使わずに
実現させていく…。そんな事まで可能にしようというのです。
先生曰く『楽譜ならぬ食譜』にして伝統の味を残す事も出来るし、先味と後味まで
調べられるとの事で、味を追求する食品メーカーからしてもありがたい話。
後半の話では、味覚センサーにとどまらず、匂いセンサーにまで及んで行きましたが、
この匂いセンサーも、爆薬や災害に埋もれてしまった人を助けられるようになると
都甲先生は、熱く語っておられました。
面白い先生でしたが、素晴らしい事に力を注いでいる先生でした。九州大学の
生徒さんは、こんな先生の生の授業が聞けるのですから幸せですよね。
そんなこんなの感想を持った今回の未来アイズでした。素敵な人は、まだまだ
沢山いるものですね。
時を越えて
不思議そうに私を見ている君・・・
君はピエロのオルゴール
何もかも見透かされるよう・・・
不思議に君を見るたび違って見える
君は今 泣いている?
君の顔は 鏡?
私の心が映しだされているよう・・・
不思議そうに私を見ている君・・・
機械仕掛けのオルゴール
なのに心を映しだす
不思議と 君を見ると
本当の自分に戻ってしまう
君は今 時を消している
魔術師?
まわりの全てを消し去って・・・
君には何も話す必要がない
君は全てを知っているから・・・
君には時を選ぶ必要がない
君は時を自分のものにしているから・・・
時を越えて 今 そこにいる君・・・
君は 無口なオルゴール
自分からは何も言えない・・・何も・・・
それでも 私の話し相手になってくれて・・・
私の為に 時を越えて・・・
大切にするからね・・・
・・・君を、・・・君の優しさも・・・
何も言わずみんなの為に、尽くしている君を・・・
詩集『道しるべ』より
10月20日のカンブリア宮殿ご覧になられましたか? 安く、幅広い年齢層に対応した
豊富なデザインを揃え、毎日の様に新製品を投入しているアースミュージック&
エコロジー等のアパレルブランドで幅広い女性の支持を掴み、岡山市の片隅に
オープンしたわずか4坪の店から全国1,200店舗、年商1,100億円へ急成長を続けて
きた、ストライプインターナショナル。既に店舗数ではユニクロ+GUを超えていました。
今日決めたことを、翌日には平然と覆してしまう大胆な決断力でアパレル業界の
注目を集めているとか。ユニクロの次を狙うアパレルの風雲児大胆アイデアと
転換力で物凄い勢いで成長を遂げており、久々に見た、本当に勢いのある会社でした。
原点にあったのは小さなセレクトショップ時代のこと。石川社長の独りよがりな
経営に社員が嫌気をさし、14人のうち10人が辞めてしまった出来事でした。松下
幸之助の本に書いてあった掃除をしていたところ、ある社員の残した文章を発見。
中には『社長は、バカだ。…この会社は、必ずつぶれる…』そんな事が書かれており
衝撃を受けた石川は、相当のショックを受け、社員の話をよく聞くようになったそうです。
以後自分の判断を疑い「逆から物事を考える」習慣を身につけることで、成功を引き
寄せるヒントを掴んでいったとか。今日は大阪、翌日は愛媛…次々とオープンする店の数、
実に毎年150店舗以上。アースミュージック&エコロジーなど、27のブランドを擁し、
急激なスピードで成長を遂げているストライプインターナショナル。ユニクロのような
大型店でなく、在庫を持たない小型店でどんどん“新鮮な服”を回転させる独自の戦略で、
幅広い女性客を掴んでいます。
その成功を支えるのは、石川社長の大胆な経営判断。店の横でアイス屋を始めたかと
思えば、スマホを使った服のレンタルサービス『メチャカリ』というシステムを立ち
上げる…。ストライプが一気に知名度を上げたきっかけも、企業規模に見合わない
12億円もの広告費でCMを打つという“常識破り”の経営判断でした。
外部にアドバイスを求めるとCMには反対意見ばかりだったのに、社員に尋ねたら
『自分の会社の知名度が上がるのは嬉しい』という様な事を言われ、社員が喜ぶなら
良いじゃないかと思ったと話されていました。
石川社長の真骨頂は、前言を軽々と翻す「転換力」。立ち上げた靴下専門店がうまく
いかなければ、あっという間にかわいい雑貨店に一変させヒットさせるなど、
朝令暮改の柔軟な戦略転換で生き残る業態を作り上げてきました。現場の声を
徹底的に拾うことで大胆に戦略を変え急成長を遂げるストライプ、今後がとても
楽しみな会社です。
石川社長は、生まれ育ち、起業した街・岡山への愛情が人一倍強い経営者でした。
元気ある若手経営者などを表彰するオカヤマアワードを開催し、支援しているのです。
また、食・アートの様々なイベントも開催し活性化に力を入れています。「ビジネス
での成功を地元に還元するのが使命」とまで言い切る石川社長…素晴らしいの一言でした。
村上龍さんの編集後記では、こう語られていました。
『アパレル業界は苦しんでいる。消費者は、ネット通販、レンタルなどさまざまな
流通を知り尽くし、流行ではなく自らの好みを優先させる。出費を控え、安易に宣伝に
乗らない。ストライプインターナショナルは、一貫した戦略がないかのように見える。
だが、石川さんのロジックは切れ味鋭く、ぶれがない。戦略がないのではなく、戦略を
固定させないのだと思う。賢くなり、自由に浮遊する消費者に寄り添うように、
いろいろな領域で多様性を提供する。石川さんの、「洋服」に対する幼少からの愛情が、
その先端的な考え方を支えている。』と…。
今回の社長の金言は…
『引く』ルールが大胆さを生む
『怖い』から挑戦する
一貫した戦略がないのではなく、戦略を固定させない柔軟性…危機感も持ちながら
挑戦し続ける姿に感動しました。