3月6日放送のガイアの夜明け『ニッポン転換のとき〜住宅編『中古』に価値がある!〜“新築信仰”に挑む〜』の回、ご覧になられましたか?
都会へ出て来た人たちが抱える、「実家の相続問題」。親が亡くなったり、施設に入ったりして実家が「空き家」となって、それを相続した人が頭を抱えるというのです。駅から遠く、築年数が古い、人口が少ない地方にある...。誰も住まなくなった"古巣"を、売却したくてもできないケースが多いらしいのです。
日本全国の「空き家」はいま、およそ800万戸。それが15年後には、2,100万戸までになると言われているそうで、なんと、3戸に1戸が「空き家」の時代が、もう目の前に迫っているらしいのです。一方で、今も続く、新築の戸建てやマンション建設。それゃ誰だって【中古】って響きより、【新】しい家が良いと思いますよね。
欧米のように【歴史】ではなくて【中古】と表現してしまえば…。ちなみに、中古住宅流通のシェアが極端に低い日本は海外と比較するとこんな感じ。かなり前のデータになってしまいますが、2003年の中古流通シェアが、イギリス88.8%、米国77.6%、フランス66.4%であるのに対し、日本はわずか13.1%…。
欧米では適切な修繕さえしていれば住宅の価値が上がり財産として積み上げられていくのに比べ、日本ではいくらお金をかけて修繕しても建物の時価が築15年程度で消滅してしまいます。優れた建築技術で頑丈な住宅なのに…ですよ。私も、移転する為に住宅を売った事がありますが、悲しくなるぐらい建物に価値を見出してもらえませんでした。
日本の戦後から根強く残る「新築信仰」は今、転換を迫られています。問題解決の決め手がないなか、ある企業が新たなビジネスで、「空き家問題」の解消へ向けて動き出していました。4年連続で中古物件の販売数ナンバーワンに輝く企業。地方の空き家の再生を手がける「カチタス」という会社です。
カチタスの年間の取り扱いは3,800戸と、2位の10倍以上の規模を誇っています。カチタスが手がける物件は殆どが築30年以上で劣化の激しいものばかりですが、台所やトイレ、風呂場などの水回りは基本的に全部取り替え、リフォームして販売していることが売りだとか。価格も1,000万円台で買い取って、遠距離には欠かせない駐車場などを完備していく事で、リフォームした家の97%が、1年以内に売れるというのです。
ちなみに15年でほぼ価値がなくなってしまうと言われる中古物件…。中古住宅の売れ筋は、一般的に新築後10年までと言われているのです。1年を過ぎて誰も居住していない物件は「中古住宅」として取引されるシステム…不思議な感じがしますが、新築後2年未満であれば中古物件と言わず新古物件と記載する例も出てきているようで、なんとも困った日本の価値観が見え隠れしていますよね・・・。
ふと見回すと、我が家の周りにも空き家がちらほら・・・気にするとあちらこちらに空き家がある事に気づきます。ふと気が付くと居ないはずの家に誰かが入り込んでいたり、空になった家から不審火が出たり・・・治安の面から考えても、国や地方公共団体からの対策も望まれるところです・・・。リフォーム技術やそのアピール戦略、もっともっと頑張って欲しいですよねぇ・・・。
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先日、『おじいちゃんはデブゴン』というカンフー映画を見ました。あの『燃えよデブゴン』シリーズのサモ・ハン・キンポ―が主役という事で、懐かしさのあまりに見てしまったのです。この映画は、香港映画界の重鎮であるサモ・ハン・キンポーが20年ぶりにメガホンを取り、主演も務めたアクション映画です。
故郷の村でひとり暮らす66歳の退役軍人ディンことサモ・ハン・キンポー。初期の認知症と診断されたディンが唯一心を許していたのは、隣に住むチュンファという孫娘のような存在の少女でした。
ギャンブルで中国マフィアから借金を重ねていたチュンファの父レイは、マフィアのボスであるチョイから借金返済を待つ代わりに、ロシアのマフィアから宝石を奪うという危険な任務を与えられますが、奪った宝石を持ち逃げ。
激怒したチョイは娘のチュンファ誘拐を画策しますが、その計画をサモ・ハン・キンポーが老人とは思えぬカンフーで阻止するといった中身です。記憶は薄らいでも拳法の腕前は落ちていなかったという想定の主役は、マフィアたちを掃討するため立ち上がるのです。
まあ結構無理のある話ではありましたが、サモ・ハン・キンポーの動きは相変わらずキレキレ。レイ役で出演したアンディ・ラウを御存知の方は多いかも知れませんが、ジャッキー・チェンが中心となってカンフー映画を盛り上げていた頃の名優たちが、あちらこちらに出てきたのも嬉しい展開。
映画の後半で年老いたお巡りさん役でユン・ピョウが登場してきた時も、「これユン・ピョウじゃ?」などと、まるで宝探しのように楽しんでしまいました。レジェンドが多数ゲスト出演していますので、昔流行った頃の役者を御存知の方は、宝探しをしてみるのも楽しいかも知れません。街中のベンチに座っている3人の老人もなかなかでしたよ。
デブでキレキレと言えば、渡辺直美さんを思い浮かべてしまいますが、元祖はこちらでしょうかねぇ。同じデブでも、私のように膝や腰を痛め、殆どの肉が脂肪となってしまっている人が多いでしょうから、ひたすら感心してしまうのでありました。
膝や腰を痛めると、運動する事が困難になって太る。太ると更に膝や腰に負担がかかって動きにくくなる…そんな悪循環から抜け出す良い方法はないものでしょうか・・・。やはり、手遅れなのでしょうかねぇ・・・
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4月2日放送のNHK プロフェッショナル 仕事の流儀『史上最強の軌跡スペシャル 棋士・羽生善治』の回、ご覧になられましたか?前人未到の「永世七冠」を達成し、棋士初となる「国民栄誉賞」を受賞した羽生善治さんの特別編です。
これまでに勝ち取ったタイトル数は通算99期。佐藤天彦名人に挑む名人戦の七番勝負が4月11日から始まりましたが、羽生さんは、つい先日史上2人目となる通算1,400勝の大台に達し、更に七番勝負を制するとタイトルの獲得数が前人未到の通算100期となります。凄すぎます!
「プロフェッショナル」では、2006年・08年に羽生を主人公とした番組を放送。若くして天才と呼ばれた陰にあった「苦悩」、ライバルとの「死闘」を通して浮かび上がる勝負師としての生きざまを生々しく記録してきました。今回は、その2本を再編集し、羽生さんのインタビューを新たに交えながら、47歳の心境も語られていきます。
羽生さんの若い頃は、何十手も先まで読むことに力を注いでいたようですが、30代になってからは「手を読むことより、勝負の流れを読むことのほうが大切」ということで、考え方も変わってきているようです。
面白かったのは、安全策を講じて無難な手ばかり指していては、得るものが何もないという姿勢。たとえ勝負には負けたとしても、常識外れの果敢な挑戦をするほうが得られるものがあるというのです。
羽生さんと共に幼いころから競ってきた森内九段との対戦では、そうしたお互いのやり取りで、対戦中にお2人がこらえきれずに笑みを浮かべるシーンがありました。素敵ですよね。頼もしい限りです。
そうそう、この森内九段…昨年平成29年「秋の褒章」において、紫綬褒章を受章されています。紫綬褒章は、長年にわたり学術・芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者に授与されるもので、将棋界での褒章受賞者は14人目になるとのこと。
羽生さん、森内さん、そこに、新しい新星の藤井くん。こうした人たちが同時に見られる時代に遭遇できているのは、それだけで、ある意味幸運なのかもしれませんね。
番組の中で、羽生さんが残された名言…
『才能とは努力を継続できる力』
『プロフェッショナルとは…その人がその時点で持っている全てを出し切ることができる人』
凡人の私には、ほど遠い世界ですかねぇ・・・
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先日、映画『終の信託』(ついのしんたく)を観ました。朔立木さんによる小説を映画化したものです。単行本は当初、『命の終わりを決めるとき』というタイトルで刊行されていたそうですが、2度目の文庫化の際、『終の信託』と改題されています。ネタバレしても問題ないと思いますので物語のご紹介・・・。
主役の女医綾乃は未婚でしたが、同僚の医師と長年愛人関係にありました。しかし、中年となった綾乃は、冷たい言葉で簡単に捨てられてしまいます。失意の綾乃は、あてつけのために病院で自殺を図ります。幸いにも看護師に発見され、一命は取り留めますが、いつの間にか職員はおろか入院患者までも知るところとなって、肩身の狭い思いをすることになります。そんな綾乃に、唯一向き合ってくれたのが喘息で入院している江木でした。
江木は、慢性だった喘息が急性化していることに気付いていました。自分に死期が迫っていることを感じた江木は、綾乃に語りかけます。「妻は私が死んでも働けるような女ではありません。入退院を繰り返している私は、3年間働いていないので、医療費は大変な負担です。」、「信頼できるのは先生だけだ。最期のときは早く楽にしてほしい」と懇願するのでした。空気の良い田舎の環境を綾乃は薦めますが、家族は受けいれません…。
数か月後、江木は心肺停止となって緊急搬送されます。一命は取り留めますが、人工呼吸器に依存しなければならない状態が続きました。綾乃は江木の最期の願いを思い出し、医師として、人間として選択すべきはどちらなのかと思い悩みます。そして、綾乃は江木の妻に彼の病状を伝え、子供を呼ぶようにと伝えました。
翌日。家族の見守る中、綾乃は江木に付けられたチューブを引き抜きます。しかし、その直後、意識のないはずの江木が苦痛のあまり暴れはじめたのです。綾乃は江木を押さえつけ、鎮痛剤と鎮静剤を投与します。江木は家族と綾乃が見守る中、息を引き取りました。
3年後、綾乃は検察庁に呼び出されました。内部告発でした。問題となった行為は、鎮静剤の投与でした。延命治療を望まない患者の生命維持装置を外すことは、消極的安楽死と認められることだったかもしれませんが、脳死でもなければ植物状態でもなかった患者が一度息を吹き返したにも関わらず鎮静剤で止めを刺したことで、綾乃は殺人罪に問われているのでした。
綾乃は江木に生きていて欲しかったことや、彼の願いから、楽にして挙げたかったことなどを必死に訴え、反論します。しかし、塚原検事は、それを認めてはくれませんでした。その理由は、被害者が死に瀕していたとは言えないこと、被害者の最期の状態を見る限り、生きようとしたといえるのではないかととれること、被害者が死を望んでいたことが綾乃自身の証言しかないことなどがあげられました。
綾乃は20日にわたる勾留の後、起訴されました。江木の妻は61冊に上る江木の喘息日記を法廷に提出します。その最後のページには「延命治療を望まない」というリビング・ウィルに相当する一文がありましたが、回復の見込みが完全になかったわけでもなく、家族への説明も不十分だったとし、執行猶予付きの懲役2ヶ月の判決が下されたのでした。
主役の綾乃は草刈民代が演じ、江木を役所広司、検事役の塚原は大沢たかおが演じるという豪華な顔ぶれ。勿論、申し分のない演技でした。映画が良かったかどうかは別として、というか、不倫関係の描写はそんなにいらなかったかなとは思うものの、命や患者と向き合う医師、問題を抱える家族…とても考えさせられる中身でした。
映画の中では江木の両親や幼くして亡くなった妹の逸話などもあり、江木の心の傷の深さが…何気ない一言が、その人の人生にどれほどの影響を与えてしまうのかといった所まで考えさせられるものでした。とても悲痛な中身で重い映画でしたが、沢山の事を考えさせられる物でした。
エンディングノートなるものが随分と取り上げられるようになってきていますが、こういう物は、どうやら早めに残しておいた方が、残される人たちにとっては大切な事なんだと気づかされた気もします。私も、もう書いておいた方が良いのかなぁ・・・。
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4月5日放送のカンブリア宮殿『目の健康を売る!苦境メガネチェーン華麗なる復活劇』の回、ご覧になれましたか?
2,000年代以降、JINSやZoffなどによって、メガネの低価格化の波が押し寄せ「数は売れても利益は出ない」という状況に苦しんできたメガネ業界。そんな業界にあって「メガネを売る」より「目の健康を売る」という独自路線で、8年連続赤字という危機から復活を遂げた「メガネスーパー」が今回の主役。
低価格をうたうチェーン店が増えるメガネ業界の中で、一式平均価格35,000円という高値を維持しているメガネスーパー。店内を覗いてみると…平日の昼にも関わらず、40代以上の中高年が連日のように詰めかけています。その理由こそ、社長が独自に構築した「トータルアイ検査」にありました。
メガネスーパーでは、眼科医が使っている検査機械を導入し、お客の目の詳細なデータを把握。目にかかる負担を軽減させるメガネを提案しているのです。しかも、この検査を受けた客の多くが、目や体の疲れを感じなくなったと答えるとか。「夜間視力検査」「両眼視検査」「眼年齢検査」など、40にも及ぶ独自の検査を設けることで、飽和状態にあったメガネ市場に新しいマーケットを生み出していたのです。
更にこのメガネスーパー、身体を動かすのが大変だったり、遠くて来店できない人の為に、2年前に専門のチームを作り「眼鏡の出張訪問サービス」を行うようになったとのこと。依頼先の老人ホームなどの談話室に、メガネや補聴器など150種類の商品を持ち込み、スタッフが出張訪問。店にある機材も持ち込み、得意の手厚い「アイケア検査」を行っています。客の目の健康のためなら、たとえ依頼者が1人であっても受け付ける出張訪問サービス。高齢化社会にあるこれからに欠かせない存在となっていくのでしょうね。
いつもの村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
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星﨑さんは「鬼の経営」とか「剛腕」と評されることが多い。だが、企業再建に限らず、「力ずく」で、できることなどない。必要なのは、緻密な戦略と、辛抱強いコミュニケーション、その二つに尽きる。有名商社を含め経歴は華麗だが、地道な努力の継続だけが結果を生むと熟知している。今でも自転車でチラシを配布していて、「コツがある」と、うれしそうだった。心底、好きなのだと思う。チラシ配りだけではなく、必要だと思うことを淡々とやるのが好きなのだ。そういう人だけが、会社の強みを発見し、可能性を、現実化する。
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ポスティングを社長自らが行うなんて、なかなか見られる光景じゃありませんよ。
徹底的なアイケア…トコトンまでの目の検査がたった1,080円で受けられるというのですから、それだけでも一度受けてみる価値ありといった感じですね。
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4月3日放送のガイアの夜明け『シリーズ ニッポン家電の逆襲①「新参者」の挑戦』の回、ご覧になられましたか?
2010年に誕生した新興家電ブランド「siroca(シロカ)」が今回の主役でした。かつては、安さを武器にした“ジェネリック家電メーカー”と評されていたそうですが、近年は「丁寧に、 美しく、 拘って」をテーマに“拘り家電”を世に送り出しているようです。
コンパクトながら全自動を実現したコーヒーメーカーは45万台のヒット。更には一昨年発売した高級オーブントースターは、スイッチを入れるとあっという間に高温に達し、外はカリカリ中はしっとりのトーストが焼けて、民生機ながらカフェチェーンの「プロント」に採用される程の味を実現したとか。そんなシロカが、新たな市場で勝負に出ようというのです。それが今回の話の中心、炊飯器市場。
コメの品種別に炊き上げたり、客の好みに近づけていける大手メーカーの高級な炊飯器の他、「バルミューダ」や我が家も欲しくてたまらない「バーミキュラ」といった新興メーカーも個性的な商品を送り出しています。その激戦区でシロカは意外な会社とタッグを組み、勝負に出たのです。
そのパートナーは天保3年創業の伊賀焼窯元「長谷園」。「抜群に美味しいご飯が炊ける」と人気を集め、土鍋は数カ月待ちという既に大ヒットの商品。その究極の土鍋を使った、炊飯器を作るというのです。土鍋で炊くご飯は美味しいのですが、火加減が難しく手間もかかります。大手メーカーでは効率を重視するなどして長谷園が望むものを、そのまま受け取っては貰えないだろうと、長谷園側も敢えてシロカと組むことにしたのです。
土鍋と家電…全く繋がらないイメージですが、よくぞ作り上げたものです。開発担当が長谷園七代目当主に「よく頑張ったな」とOKを貰えた時の嬉し涙…感動ものでした。皮肉にも、出来上がった製品は、あの「バーミキュラ」と同じ価格という展開でしたが、老舗の支えを武器に、今後の展開が楽しみです。
2010年代に入り日本の家電業界は大きく変わっています。三洋電機は消滅、シャープは台湾・鴻海傘下に入り、東芝の白物家電は中国・美的グループ、テレビ事業は中国・ハイセンスへと譲渡されました。日本の家電の終わりを感じた人も少なくないでしょう。無駄に規模を拡大、必要以上の高機能化は消費者に飽きられ、さらには価格で中国・韓国メーカーに勝てません…。
そんな中、ここ数年の間に家電系ベンチャーが続々と登場し、存在感を増しています。消費者が本当に欲しい機能に特化した家電は人気を集め、価格が高くても売れているようです。どうも我が家は、その高くても買う流れには乗っていけませんが…乗れるものなら乗りたいなぁと・・・。なんか、悲しくなってきますねぇ・・・。
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3月25日放送のNHKスペシャル人体 神秘のネットワーク最終回【健康長寿 究極の挑戦】の回、ご覧になられましたか?今回取り上げられたテーマは日本人の死因の1位・2位となっている『がん』と『心臓病』克服への道。
がん細胞が特殊なメッセージを分泌する『エクソソーム』と呼ばれるメッセージカプセル。大きさは、1万分の1ミリ、突起の付いた球状の物体。まるでもやっとボールです。
このエクソソームの内部には「もっと栄養が欲しい!血管を増設せよ!」など複数のメッセージ物質が入っていて周りの血管に命令し、がん細胞の周辺に血管を増設するよう指示を出します。臓器同士の仕組みをがん細胞が利用してしまうのです。
なりすましメッセージ物質を受け取った血管は、仲間が出したメッセージ物質と勘違いしてがん細胞に血管をつなげてしまうのです……。さらに付近の免疫細胞にも「攻撃するのをやめて!」というメッセージ物質を出し免疫細胞すらも操ってしまっていたのです。
ところでエクソソームと言えば・・・2016年10月26日、弊社主催のオリジナルセミナーでも取り上げられたもので、その際には、落谷 孝広先生、黒田 雅彦先生、湯山 耕平先生にご講演頂いております。もう1年半も前の事になるんですねぇ。さて、その国立がん研究センターの落谷先生が番組に登場し、問題のエクソソームを使ってがん細胞を撃退する方法が紹介されていました。
落谷先生は、がん細胞が出したエクソソームを判別して印をつけ、「これは敵です」というマーキングが出来るような技術を開発されました。マーキングされたエクソソームは、免疫細胞がどんどん食べてくれるためがん細胞はそれ以上増殖できなくなります。現在、マウスの実験では転移が90%見られなくなるまで抑えられることが確認されているそうです。
がんで亡くなる多くの方は、最初に出来た癌からの転移によって亡くなります。この研究が成功すれば、最初のがんからの転移が抑えられ、がんによる死亡率が格段に低くなるかもしれません。物凄い事ですよね。
ところでエクソソームは、がん細胞だけではなく、全ての細胞が出しているメッセージカプセルで、究極のメッセージカプセルだそうです。心筋梗塞を撃退する最新医療では、エクソソームの解明が再生の鍵になってきており、心臓の再生を加速させるようです。
心臓の細胞は50年かかっても3分の1程度しか回復せず、これが心臓病の治療を難しくしているとか。今、アメリカの研究によって心臓の細胞を速く再生させる技術が開発されています。心臓の出すエクソソームには、細胞を再生させるメッセージ物質が極端に少ないため、人工的に再生させるメッセージ物質を増やしてしまおうという研究なのです。
それにしても科学技術の進歩は驚くスピードで進化していたのですね。番組の最後で山中伸弥先生は、こんな話をされていました。『これまではそれぞれの臓器を取り出して個別に研究してきたのですが、これからは体全体のネットワークを理解しないと本当の治療にはつながらない』と…。
ピンピン・コロリ…健康で長生きできる時代は、確実に近づいているのかもしれませんね。
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3月29日放送のカンブリア宮殿『「安い・快適・安全」 三拍子揃った旅を!バス業界に新風を吹き込む風雲児の挑戦』の回、ご覧になられましたか?
高速バスというと、運転手の過剰負担とそれによる事故のニュースが頭の中に浮かんでしまいます…。2012年、関越道で高速ツアーバスが事故をおこし、乗客7名が死亡、39名が重軽傷を負い、社会問題に発展しました。今回の主役ウィラー代表を務める村瀬さんは、事故と直接関係なかったものの、バス業界を牽引し、協会の代表を務めていたことで参考人として国会に呼ばれたのです。
大きく失墜したバスのイメージを払拭しようと、村瀨さんは、業界に先駆けて徹底した安全管理を施していきました。特に気をつけたのが運転手の体調管理。運転中のドライバーの静脈を計測し、眠気を感知すると、本部から連絡するシステムを開始。また、食事メニューも一新し、健康に特化し、保健師が体調管理までを行います。さらに、睡眠施設はホテルのように改善、健康であることが給与にも反映されるという、トコトン安全にこだわった対策を次々と打ち出していたのです。
高速バスの利用者は今や年間約1億2,000万人にものぼるそうで、その数は、飛行機の国内線(9,200万人)を上回り、この20年で約2倍に増加しているのだそうです。そう言えば、私の息子も、昨年料金が安いからと、利用して東北の方に行っていました…。
業界トップの売上を誇るウィラーは、「安い・快適・安全」を売りにして、客からの評判も高いそうです。
代表を務める村瀨さんは、バスの「匂い」や「シートの座り心地」「清潔感」を改善する為に、オリジナルシートの開発もしていました。オリジナルシートは全部で10種類もあり、寝顔を隠せるフードが付くなど、ゆっくり休める快適さを提供しています。パッと見、ベビーカーのフードのようでもありましたが、あれなら落ち着いて眠れそう…そう感じられるほど個性あるものでした。
そんなウィラーは、1泊宿泊カニの食べ放題付きで1万円かからないお得プランを打ち出す等、業界初の試みを連発すると同時に、徹底した安全対策で業界をリードし、赤字経営に苦しむバス業界で右肩上がりの成長を続けているのだとか。対策をする為には、それなりにお金や努力が必要で、ついつい疎かにしてしまいがちですが、こうした対策をしっかり打って来たからこそ、お客の安心をかちとっていけるのでしょうね。
良い流れは、どんどん広がって行って欲しいものです。
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3月10日放送のテレビ朝日『これぞ!ニッポンの神仕事~夢を叶えたリーダーたち』という番組をご覧になられた方は居られますか?
今では日本を代表する夢の国、東京ディズニーランド。その開園までに尽力したオリエンタルランド初代社長の川崎さんを紹介。これまでも何度か色々な番組で取り上げられてきた話ではありますが、その諦めない姿勢には、分かっていながらも感動してしまうのです。
東京ディズニーランドの第一発案者だった川崎さんは、京成バラ園の買い付けでアメリカに行った際に、カリフォルニア州のディズニーランドを見て衝撃を受け、それが何十年という長い闘いの始まりになっていきます。京成バラ園は、それほど大きな施設ではありませんが、お花の好きな人なら十分に楽しめる施設だと思います。それでも、あのレベルからディズニーランドのレベルには、簡単には繋がらないのが正直な感想…。
東京ディズニーランド開園までに尽力した人はもう1人います。それはオリエンタルランド二代目社長の高橋さん。東京ディズニーランドを建てるためには海を埋め立てる必要がありました。当然、海の漁業を生活の支えにしている人たちにしてみれば、有り得ない話です。話すらまともに聞いてくれない人たちを相手に、高橋さんは、海の漁業権を持っている漁師たちを説得しようと、超一流の高級料亭でおもてなしをし、お酒を共に飲みながら、コミュニケーションを通して壮大な夢を伝えていく事で、漁師たちと徐々に距離を詰めて交渉を実らせていったのです。
東京ディズニーランドが開園したのは1983年4月15日。開園には、ディズニー社の会長をはじめ、川崎さんと高橋さんが同席し、8年後に川崎さんは永眠されました。ディズニー社から第二パーク構想の打診があり、今のディズニーシーが作られたそうですが、これには今は亡き高橋さんの思いと重なる部分があるというお話。それは漁師たちと交渉を行っていた時、高橋さんが「漁師の皆さんに海を返す」と言ったことと繋がっていくというのです。何とも良い話ではありませんか。
東京ディズニーランドの中のワールドバザール。ここの2階のショーウィンドウには、高橋さんの名前と創業者という文字が英語で書かれています。これはディズニー社に多大なる貢献を与えた人物に贈られるディズニージェンドに高橋さんが選ばれた際に、ディズニー社からの申し出で特別に作られたものだそうです。今度行った際には、有り難く見させて頂こうと思います。
米国ディズニー社は、日本版ディズニーランドの直接経営には非常に消極的で、フランチャイズ契約を結ぶことで実現した日本版ディズニーランド。この契約では、米国ディズニー側がパークの設計、運営の指導、クオリティー及び版権の管理を行うと共にフランチャイズ契約料を受け取り、オリエンタルランド社側が、パークの建設費や運営費等すべての費用を負担するという方式を採用しました。この契約は、細かな見直しをのぞけば現在までほぼ一貫して同じだそうです。
東京ディズニーランド開業後、パリディズニーランド、香港ディズニーランドが開業していますが、2017年現在、一番新しい上海ディズニーランドを含め世界で6つあるディズニーリゾートのうち、パーク運営会社にディズニーが出資しないフランチャイズ形式の運営を行っているのは、東京ディズニーリゾートのみとなっています。これもなかなかすごい事ですよね。
番組では、この他、トヨタ自動車のハイブリッドの開発の話も取り上げられていましたが、こちらまで書いていると長くなるので省略させて頂きますね。あっ、でも、責任者の良い言葉があったのでそれだけご紹介させて頂きます。
3つの信念
1.早く決めてあげる
2.バックアップ案は作らない(失敗が早く分かる)
3.責任は俺が全てとる
分かっていても、なかなかできない事。勇気のいる話ですよね。それでも実際に動いていく人たちにとっては、とても大切な事…ですよね。
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3月22日放送のカンブリア宮殿『大復活スペシャル2017"奇跡の大逆転"の舞台裏』ご覧になられましたか?
予約不要で、患者を断らない循環器内科医、三角先生。体に優しい「心臓カテーテル治療」で日本一の症例数を誇るすご腕ドクターは、世界に類を見ない"6元同時治療室"での神業で命を救い続けています。もう一人は、「眼」の最先端現場に立つ坪田先生。「老眼革命」や「ドライアイ」、さらには角膜治療の第一人者で、現代人の眼を守るため、最新治療を次々と編み出している先生です。
まず、1人目は三角先生。心筋梗塞など心疾患による死者数は年間20万人近く、日本人の死亡原因では2番目に多い心疾患。この三角先生のいる千葉西総合病院の診療科は予約不要で、緊急時にはその日のうちに治療までしてしまうということ。その裏には、「心臓は待ってくれない」という信念があるからだとか。
心臓カテーテル治療は年間約3,000例、8年連続で日本一の症例数となっています。それを可能にしているのは、宇宙船のコックピットのような、治療室。宇宙戦艦ヤマトが好きだったから、それをヒントにという所、なかなかユニークでした。
中央に位置する指令席からは、扇状に配置された6つの治療室が見渡せるのです。これら複数の部屋で同時に治療が進行し、三角先生はモニターを通して、それを指揮し、治療に当たっていくのです。
実はこの千葉西、私の母親が心臓を患った時も、緊急手術で助けてくれた病院。私の父親も同じく、この病院でカテーテルの手術を何度か受けています。ただ、同じ病院内でも他の診療科の先生は…正直、あまり良い印象を持っていません。
施設は凄く立派できれいな病院ですが、患者にきちんと寄り添えない先生もかなりいます。私や私の家内に関しては、行かなければ良かったという方が多く、実体験なのです。ただし、「心臓を患った時は、この病院がそばにある」という安心があるのは、恵まれている事だと思います。
2人目の先生は、ドライアイを提唱し、アイバンクの先駆者である南青山の眼科医、坪田先生。元々はメガネなしで暮らしていたほど目が良かったという方が患者として登場。今は老眼のほか、遠視、乱視、白内障も患っており、それを一気に治すという夢のような手術が紹介されていました。
保険が効かないので、両目で120万円の手術費用というのに驚きましたが、こんな手術、保険が適用されたら私も是非受けてみたいです。この方は、術後わずか20分で、「わ、見える!」あれほど困っていた眼の悩みが一発で解決されていたのです。そのうれしそうな笑顔こそ、何よりの答えだった気がします。
今回特集で取り上げられたお2人とも、アメリカでの臨床・研究経験が豊富で、何より患者の事を第一に考え治療に当たってくれるという事。長く医者を続けていく中で、パターンにハメて、患者の話もろくに聞かず診断し、目も合わさないで診察を終えてしまうような先生が多くいるような気がします。
なぜ、医者になったのか、何のために診察し治療に当たっているのかを、忘れないで欲しいものです。最後に三角先生と坪田先生の金言をご紹介して終わりたいと思います。
・「簡単な治療はない」
・誰もやらないことに 挑む価値がある
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