ガイアの夜明け2月28日放送の『外食の“新勢力”あらわる』ご覧になられましたか?
東京・千代田区のオフィス街のビルの地下に一際賑わう食堂「未来食堂」。お客が席に着く
やいなや、注文もしていないのに目の前に料理が並ぶ。この店のメニューは1種類、900円の
日替わり定食のみ。メニューを1種類に絞ることでオーダーを聞く手間もなく、仕込みも
楽になり食材ロスもなくなるというのです。
お客にとってはメニュー選びに時間もかからず、素早く食事ができるメリットがあります。
更に未来食堂の人気の秘密がもうひとつ。それは「50分働けば一食タダ!」という “まか
ない”システム。
働くには予約が必要ですが、働くことを想定して食べに行けば食費はかからないし、お店に
とっても忙しい時間だけ人の補充をする事ができるから、人件費も安くなるというWinWinの
関係。飲食業界の常識を覆す仕組みで、未来食堂は小さいながらも月平均100万円を売り上げ
ているとのこと。
2つ目は東京・文京区小石川。住宅や町工場が立ち並ぶ一角に人気のイタリアンレストラン
「青いナポリ」。このお店、飲食店をやるには通行量が極めて少ない場所にあるにもかか
わらず客がいっぱい。実はここ、もとは古びた印刷工場。
そんなとても飲食店には向かないと思われる物件を魅力的に改装し、悪い立地にもかかわ
らず年間9万人をも集客しているとのこと。「バッドロケーションは、僕たちにとって最高
の物件」そう語る社長の佐藤さん。“3等4等立地”と言われ、他の外食企業が見向きもしない
場所であっても、実は閑静な町並みや緑に囲まれた環境などに恵まれた物件であれば、集客
出来る秘策があるというのです。
番組では入れ替わりの激しい物件に出店するところも取り上げていましたが、入って来ても
すぐに閉店の続くような店舗は、普通ならマイナス思考になって入る気にはなれないもの
ですが、そんな事を全く気にせず、ターゲットを地元に落とし込むことで成功に結びつけて
いました。2年後3年後の様子も見てみたい気がしました。
そして3つ目は、名古屋市内のはずれ、幹線道路沿いに「昭和食堂」という居酒屋さん。
家族連れのお客が会計を済ませ店を出ると、何やら店名のロゴがラッピングされたワゴン車に
乗り込んでいきます。
実はこれ「送迎サービス」。予約をすれば団体客の宴会には、マイクロバスで指定の場所に
送迎してくれるというのです。昭和食堂は、約40台もの自前の送迎車を擁し、急成長を
続けているそうです。本当にこれで採算が取れているのかと思ってしまいますが、団体客を
呼ぶことで成立しているのでしょうか…。
あえて通常の考えの逆を行って成功を収める。そこには、分かっていても他にはマネのでき
ない神対応が沢山埋もれているのでしょうね。一度、どんなものか覗いてみたいと思ったの
でありました。特に昭和食堂さん…居酒屋だけに気になるところです・・・
3月2日のカンブリア宮殿『地方から奇跡のビジネス革命を起こした女性社長SP』ご覧に
なられましたか? 録画設定しながらテレビが不調で、後半しか録画出来なかった私ですが…
そんな後半に登場したのが、宮城県気仙沼市に移住して来た女性社長の御手洗さん。先週
土曜日で、東日本大震災からちょうど6年が経ちますが、未だ復興途上にある事は殆どの
方々がご存知のはず。
そんな気仙沼に全国でも珍しい手編みニットの会社「気仙沼ニッティング」という会社が
あるそうです。スタッフ2人の小さな会社ですが、60人の地域のお母さんたちが編み手
として活躍。
看板商品のカーディガンは完全オーダーメイドで、15万円とかなり高額な設定になって
いますが、200人待ちという人気だそうです。この会社は5年前、御手洗さんが気仙沼に
乗り込み、まったくのゼロから立ち上げた会社。
御手洗さんは民主化直後のブータンで、首相のもと産業育成に携わっていたそうです。
震災を機に帰国し、短期的でその後に繋がらない支援ではなくて、被災地で人々が誇りを
もって働ける中長期的な事業の必要性を感じたそうです。
「何もない状態でも、編み物なら、針と毛糸さえあれば始められる―」。チクチクしない
オリジナルの毛糸やデザインにこだわり、素人同然の編み手も“一流”に育てあげています。
「被災地だから」という背景に依存せず、真に喜ばれる商品で100年続く事業を目指した
のです。
そして今、小さな地方の町で、地域の人々の力を掘り起し、大きなインパクトを与える
ビジネスの形に、世界から注目が集まっています。ビジネスの潮流は、「世界を良い方向に
導くもの」に舵を切っています。
『働く人も買う人も幸せでなければならない』…そう語っていた御手洗さんですが、
当たり前の事でありながら、なかなか出来ていないのが現実。
社長の金言は
『幸せの総量を増やす会社』でした。
1着15万円と高額ながらも、購入者と製作者が出来上がるまでの間、手紙のやり取りを行い、
出来上がる頃には心で繋がるまでの関係になれる。…そんな思いのある1着なら、決して、
高くはないのかもしれませんね。
私の履歴書2/26と3/5の2回にわたって放送された『大村智』先生の回 「世紀の大発見で
2億人の命を救った男」ご覧になられましたか?日本人で3人目となるノーベル生理学・
医学賞を受賞した大村先生のお話です。
1935年、農家を営む家の長男として生まれた大村先生。山梨大学卒業後は夜間クラスの理科
教師を務めますが、働きながら勉強に打ち込む生徒を見て、なんと、自身も勉強し直すことを
決意するのです。
北里柴三郎が設立した「北里研究所」で抗生物質の研究員になると、そこで秦藤樹教授の
見つけた抗生物質の成分を分離して構造を突き止める日々を送ります。その後、アメリカへ
留学し、満足いく研究環境の中で化合物の構造解析を進めますが、秦教授の定年により北里
研究室を継ぐことに。
アメリカでの研究レベルを日本で維持するために「オオムラ・メゾット」という共同研究の
契約方式を考案。アメリカの製薬会社メルクと手を組み、動物薬に注力した大村は、土壌の
微生物から有用な物質を探し出す地道な作業をはじめます。
1975年、北里大学薬学部の教授だった大村先生は、のちにノーベル賞受賞に繋がる線虫を
殺す物質「エバーメクチン」を発見します。3億円での売却を求められますが、よくそれを
断ったものです。
しかし、1977年に経営悪化で研究室の閉鎖が決定されると、何とか存続させるため研究費を
自前で賄う独立採算を申し出ます。1978年、「エバーメクチン」の特許が成立し、これが
200億円ものお金を生み出していくのです。3億円なんて問題外でしたね。
そんなこんなで、研究費用の問題から一時解放されますが、今度は北里研究所が作った大学や
病院の費用が問題となり、いつ倒産してもおかしくないことが発覚します。そこで大村先生は、
教授職を辞し、北里研究所の理事として副所長に就任。経営を基礎から勉強し、研究所再建の
ための大胆な改革を次々と実行していきます。
1989年、「エバーメクチン」特許料収入で大型総合病院「北里大学メディカルセンター」が
完成。2008年には学校法人・北里研究所への統合を成功させ、北里大学特別栄誉教授となった
現在も「新物質の発見」に取り組み、その信念を次世代へ継承する活動を行っているとのこと。
様々な場面での判断力、また、その行動力に頭が下がるばかり。本当に凄い先生でした。
先日、映画『はなちゃんのみそ汁』を観ました。この作品は乳ガンを患う千恵さんの闘病と
その最中に産まれたはなちゃん、ご主人の信吾さんの生活を綴ったブログ『早寝早起き
玄米生活』の書籍化された作品をさらに映画化したものです。以前、日本テレビ系列
「愛は地球を救う」ドラマスペシャル』として、2014年8月30日にも単発でドラマとして
放送されています。
新聞記者の信吾さんは、音大生の千恵さんと出会い、結婚も考え始めた矢先、乳ガンが発覚
します。それでも信吾さんは千恵さんを支えようと誓い、二人は結婚。左乳房が摘出され、
抗ガン剤を用いた治療が始まり、苦しみぬきながらも治療は成功します。しかし、医師から
再発のリスクを説明され、子どもを産むとガンが再発する可能性が高くなることを告げられ
ます。
千恵さんは、あきらめかけたものの、父親からの『死んでも良いから産め』という一言。
夫の子供が欲しいという気持ちを感じ取り、長女・はなちゃんを出産していきます。一旦は
治ったガンでしてが、何度となく再発し娘に自分が居なくなった後の健康への願いを込めて
『はなちゃんのみそ汁』が作られていくのです。
父親からの『死んでも良いから産め』という言葉は、子供がいれば生きようとする力が強く
なるという深い思いのあったことについて、千恵さんが話すシーンは、母親の強さを実感
しました。また、映画の中では『ガン』という言葉が悪いと千恵さんが語るシーンがあり
『ポン』にしてくれと言われて会話が進むところがありますが、泣きながらも笑えてしまう
…重苦しいばかりの映画ではなくて、涙あり笑いあり、人の温かさや強さを感じられる素晴
らしい作品として仕上がっていました。
後半のステージでうたわれる歌は一青窈さんの『満点星』でしたが、曲を構成している歌詞も
素晴らしく、是非お勧めの感動ものの映画でした。沢山、笑いながら泣かせて頂きました。
2月21日放送のガイアの夜明け『その“便利”、必要ですか?』ご覧になられましたか?
ネット通販激増の陰で、個人宅への荷物が急増しています。我が家もアマゾンに楽天と
通販サイトでの買い物は随分利用させてもらっています。
そんなネット通販拡大のせいで、今、運送会社を悩ませているのが「再配達」とのこと。
会社員が帰宅する18時過ぎには、再配達を依頼する電話が鳴りっぱなしになるそうです。
それでも中には、時間を指定しておきながら、配達員が訪ねると誰も出て来ないケースも
多いらしく、ブチ切れて荷物を投げたり蹴飛ばしたりする配達員の映像も、気持ちが分から
ない訳でもありません。
つい先日のヤマト運輸の残業代未払いの話。約7万6千人の社員を対象に、未払いの残業
代の有無を調べ、支給すべき未払い分をすべて支払う方針を固めたというニュースがあった
ばかり。必要な原資は数百億円規模にのぼる可能性があるとのこと。
サービス残業が広がる宅配現場の改善に向け、まずは未払い分の精算をしたうえで、労使が
協力してドライバーの労働環境の正常化を進めるそうです。個人宅への宅配は、最大手の
ヤマト、そして佐川と日本郵便の3社で9割を占めるそうですが、その1つ、日本郵便でも、
やはり再配達は大きな課題となっているそうです。
宅配ポストのシェア4割を誇る住宅設備メーカーのナスタと大和ハウス工業も合わせた
日本郵便との3社で“次世代ポスト”『宅配ボックス』開発が今、進んでいるとの事。確かに
大きな荷物の入る専用ポストがあれば良いのかもしれませんが、そんな事より、働いたら
働いた分だけちゃんと手当が支払えるだけの料金を依頼する側が気持ちよく受け入れる
べきではと思ってしまいます。全部が全部、専用ポストなど設置できるわけでもないし…
再配達に関しては再配達依頼料を取り、依頼しない人は集荷センターまで自分で回収に
行くことで残業手当の相当額を客から回収すれば残業資金は作れるでしょうし、時間指定
した上で不在の場合は、更なる割増料金を取るべきではとも思ってしまいます。再配達も
無料というふざけた常識から手直しすべきと思った今回のお話でした。
ちなみに、よくネット通販を利用している私に妻が言ったのは、配達員が可哀想だから
ポチポチ注文ボタンを押さないようにと・・・。でも、それでは何の解決にもなりません
よね。ネット通販会社の仕事も運送会社の仕事も、両方ダメージを受けてしまうのですから。
・・・って、どう思います???
『ラストナイツ』という映画を週末に見ました。日本では年末定番の『忠臣蔵』を題材
にした洋画で、忠臣蔵を封建的な架空の帝国に置き換え、騎士たちが活躍する映画に
仕上げた作品で、紀里谷和明監督のハリウッド初進出作品だったようです。
似た様なタイトルで『ラストサムライ』という映画もありましたよね。確かトム・クルー
ズが主演で、日本人も多く出演しており、明治初頭の日本を舞台に、時代から取り残され
た侍達の生き様を描いたものでした。
話は元に戻して、この『ラストナイツ』…日本では2015年11月14日に公開され、14日・
15日の国内映画ランキングで12位となった…という事がwikipediaには、書かれていま
したが海外での評価も低く、日本でもあまり話題にはならなかった様です。
私の中ではわりと評価の良かった『ラストサムライ』よりは、こちらの方がしっくりきま
したが…。何て言えば良いのでしょうか、忠臣蔵を元にして作られているせいか、多少の
違和感はあったものの、勧善懲悪という、日本人にはお馴染みの水戸黄門や遠山の金さん
みたいな展開が、鑑賞後の気分も良く馴染めたのでしょうね。
紀里谷和明監督と言うと、歌手の宇多田ヒカルさんと2002年に結婚し、5年ほどで離婚
した人…映画作品では『キャシャーン』…そんな事がよく知られているのかも知れま
せんが、映画の中ではありがちな残酷なシーンや見苦しいシーンは想像できる形で
映されていないので、不快な思いも殆どなく見られました。
厳しい評価に終わった本作でしたが、娯楽作品としての映画作り、これからに期待したい
です。
先週2月26日放送の未来アイズ『京都大学 霊長類研究所』の回、ご覧になられましたか?
チンパンジーの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使ってヒトの病気の治療法などを探る
研究を行っている、京都大学 霊長類研究所 助教 今村公紀先生が出演されておられました。
今村先生の研究グループは、2016年、世界で初めてニホンザルのiPS細胞の作製に成功
した実績があるそうです。今後は、特に脳に注目し、ヒトとの遺伝子の差が約1%しか
ないというチンパンジーが、がんやアルツハイマー病をほとんど患わない事に注目し、
細胞や組織を詳細に比較してヒトに活かそうというのです。
京都大学iPS細胞研究所でアルツハイマー病の再生医療を研究するグループとも連携しな
がら研究を進めているそうで、今村先生は、ノーベル医学生理学賞受賞者のあの山中伸弥
先生の研究室に所属し、iPS細胞の発見を間近で体験していたそうです。
自らの研究室には、ノーベル賞受賞式の新聞の切り抜き等が掲示されていました。「山中
先生から独自の研究分野をつくることの大切さを学んだ。霊長類のiPS細胞研究という
自分の分野を確立したい」と話す今村先生。新聞の切り抜きが自身の活力の源にでもなって
いるかのようでした。
大きな発明が周囲にいる人への刺激になって、また新しい物を生み出して行く…
素適な話ですね。
2月5日放送の未来アイズ『東京農工大学大学院工学研究科』世界初の「シルク製人工
血管」の回、ご覧になられましたか? 6ミリ未満という微細の人工血管をシルクで作る
ことに成功した、東京農工大学大学院工学研究科 名誉教授・特任教授 朝倉哲郎先生が
出ておられました。
シルクは人体を構成するタンパク質で出来ているため、人間の体内に入れても拒絶反応が
少ない事から、これまでも医療の現場では縫合糸として利用されてきました。
シルクの分子構造を解明し、シルクの糸を水溶液にする事が出来た事で、これまでは
困難とされてきた、6ミリ未満という人工血管を作る事が可能になり、更に、シルクの
人工角膜にまで広がりを見せていました。
人体に入れても時間が経てば自然分解される性質を利用し、世界初のシルク製の人工
血管は、人体で自然分解されたのち、自分の細胞で作られた新たな血管に再生される
かもしれないというのです。番組では、そんな映像まで見ることができ、その可能性が
確認され始めている事がよく分かりました。
36年強い意志を持ってシルクの研究・開発に臨む朝倉先生。研究室のスタッフは、
それぞれ専門の知識を持った大ベテランの集まりでした。大学内には数多くの蚕の
標本などもあり、楽しく見させて頂きました。
今後、多くの場面で有効活用されるであろう6ミリ未満の人工血管…科学技術の進歩
には、本当に驚かされるばかりです。番組最後にナレーションで言われる決め台詞
そう、“未来”はすぐそこにある ピッタリでした・・・