
2025年1月30日 放送のカンブリア宮殿【「やってみれば」精神で復活】の回、ご覧になられましたか。今回の社長が携わるドムドムハンバーガーの創業は1970年。実はマクドナルド(創業1971年)やモスバーガー(創業1972年)より古い、大型ハンバーガーチェーンとしては日本最古の歴史を持つ会社なのです。かつては400店舗を誇っていましたが、業績が低迷し、気が付けば最盛期の10分の1以下まで店舗数は減少し、業界内では"絶滅危惧種のバーガーチェーン"と揶揄されるほどになっていました。
そんなドムドムが攻めの商品開発で見事に再生を果たし、業界内で存在感を示しているのです。一番の強みは常識破りとも言われる個性派メニューを次々に開発していること。例えば、「丸ごと!!カニバーガー」はカニを一杯丸ごと入れた商品で、見た目も味もインパクト大。他にも個性派メニューを世に送り出し、ドムドムは息を吹き返したのです。再起の立役者と言えるのが元専業主婦だった藤﨑さん。藤﨑さんは、絶滅危惧種のバーガーチェーンをどう立て直したのか?その再生術に迫る回でした。
個性的なメニューは口コミもさることながら、SNS映えで評判となり、若者を中心に支持を呼んでいます。例えば…さつまいもにサーモンを挟んだ「おさつサーモンバーガー」。社長自ら考案した「手作り厚焼きたまごバーガー」など、どれも既存のバーガーチェーンにはなかった商品で、見た目のインパクトもさることながら、「美味」と客からも評判になり、ヒットに繋がっています。
話題をさらう商品の開発は社長の藤﨑さんを含めてわずか2人。「おいしい」ことを大前提に、思い切った自由な発想で次々に新商品をプロデュースしています。「たくさんの意見を聞くと尖ったものができない」(藤﨑)という考えから、少数精鋭で商品開発に取り組んでいるのです。業界の常識にとらわれないインパクト大の商品開発を目指しています。
東京オフィスには社長の藤﨑さんをはじめ、営業部長、商品開発担当者など、わずか6人しか社員は常駐していません。さらに藤﨑さんのスマホは全ての店舗の店長とLINEグループで繋がっています。直接社長と話す機会が多いのと、藤﨑さんのオープンな性格もあり、コミュニケーションが取りやすく、風通しの良さに繋がっているそうです。この風通しの良さこそがドムドムハンバーガーの強さでもあるのです。
都内の短大を卒業した藤﨑さんは21歳で結婚、23歳で母となり専業主婦として子育てに追われる生活でした。39歳の時、夫が心筋梗塞で倒れ、家計を支えるために渋谷109のアパレルショップで働くようになります。しかしバイトでは生活が厳しく44歳で新橋に家庭料理店をオープン。常連客から「ドムドム」の商品開発に協力してほしいと依頼を受け、51歳でドムドムに入社。入社後わずか9カ月で代表取締役就任を打診されていくのです。その「わらしべ長者」の様な展開から、他の番組に登場したこともありましたよね。渋谷109の話しだけでも、なかなか面白いですよね。
村上龍の編集後記
「わらしべ長者」に似ている。藁1本でアブを捕らえ、赤んぼうにあげると、母親がミカンをくれる、大長者になる。2005年、39歳で、夫が倒れ、渋谷109で働く。109でいっしょに働いた女性と、44歳で新橋に居酒屋を出す。常連客が経営権を譲り受けた会社の専務「商品開発を手伝って欲しい」正式に入社してスーパーバイザーを務めたが、現場の声に耳を傾けず、コミュニケーションが不足した会社は危ない。親会社に直談判すると「社長に」現場の提案を「いいんじゃない」と全肯定して鼓舞する。わらしべ長者も、明るかった。
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2025.11.20 16:57