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“衝撃の書”~【サピエンス全史】【ホモ・デウス】から【21 Lessons for the 21st Century】へ

2019-1-18 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

今年2019年1月1日にNHKで放送されたBS1スペシャル【“衝撃の書”が語る人類の未来~サピエンス全史/ホモ・デウス】の回、ご覧になられましたか?ユヴァル・ノア・ハラリさんの書かれた2冊の本をもとに、第1部「サピエンス全史」、第2部「ホモ・デウス」の2部構成にまとめられた物でしたが、とにかく視点がこれまでの解釈とは全く違って面白く、とても楽しく観させて頂きました。

 

【私たち人類は本当に幸福になっているのか?】そんな問いかけをされてしまうもの…。

 

『サピエンス全史』は、全世界で1,000万部超えの歴史的なベストセラーとなり、マイクロソフトのビル・ゲイツやFacebookのザッカーバーグ、ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ、オバマ元大統領など、世界のリーダーや著名人が絶賛しています。人類250万年の歴史を全く新しい驚きの視点から読み解き、世界中に注目されている“衝撃の書”です。

 

そして、日本で昨年9月に刊行された続編『ホモ・デウス(神となった人間)』も400万部を突破しているベストセラーで、「テクノロジーの進化が人類の未来をどう変えるか?」を“未来予測”しています。「人類=ホモ・サピエンスが、なぜ地球上で最大の力を得たのか?」という人類誕生の原点から、認知革命、農業革命・人類の統一という“発展”に隠された真実、さらには宗教の問題から未来までを描く壮大な物語となっています。

 

著者のユヴァル・ノア・ハラリさんは、1976年生まれの若き歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えており、軍事史や中世騎士文化について数多く執筆されているそうです。多くの受講者を抱えた無料のオンライン講義を行うほか、TED(Technology Entertainment Designの略称で、学術・ エンターテインメント・デザインなど幅広い分野の専門家による講演会を主催している米国の非営利団体。)でも講演を行っているとのこと。

 

2016年に発売された『サピエンス全史』は、日本でもビジネス書大賞2017でグランプリに輝いていますが、ハラリさんは、「この先、人類は超エリートと“無用者階級”に二分される」という刺激的な未来予測を語られていました…。

 

番組 第1部では“知の巨人”著者ハラリさんへの池上 彰さんのインタビューを軸に「知の巨人」らによる読み解きも交えて、人類250万年の歴史を徹底分析。私たち人類が地上の覇者になるまでの250万年にわたる 発展の歩みの分析です。ハラリさんのアプローチは、これまでの人類史とは異なり、生物学や経済学など、多くの視点を取り入れた全く斬新なものです。

 

例えば、ネアンデルタール人は、サピエンスより脳が大きく、力の強い種族でしたが、駆逐されてしまいました。普通に考えてあり得ない事が何故起きたのか?それは特別な力「フィクションを信じる力」だと言い切ると、具体的な例を挙げていきます。

 

また、農業を始めたことで食料供給が安定し、私たちは幸福を手にしたというのが通説なのですが、ハラリさんの解釈で言うと、人類は穀物を育てるために働く時間が長くなり、作物の出来不出来によって飢餓のリスクが増え、おまけに 貧富の差まで生まれたというのです。農業革命によって自分の土地を守ろうとする農耕民同士の争い事も増え、更には視点を一気に逆転させて、こんな事まで・・・

 

「穀物の側から見れば、サピエンスは一年中…朝から晩まで世話をして仲間を増やしてくれる存在。つまり、自分たちを世界中に広げてくれる都合のいい働き手であり、小麦が人間を家畜化した」というのです。ユニークですよね。

 

第2部はAIやバイオテクノロジーの最前線取材を加え、人類の未来の行方と、2019年を生きる糧となるヒントを探っていきます。「生物工学」や「ゲノム編集」「ミニマル・セル」など、注目されるキーワードから人間は神の領域に立ち入り、後半ではとうとう人間の助けとなっていたAIが、人間をのみ込んでいくと展開していきます。ハラリさんが最も懸念しているのは、人間そのものの価値が失われていくことでした…。

 

前後半、各50分で構成された番組でしたが、あっという間の興味深い中身でしたので、再放送の際には是非ご覧頂きたいし、まだ読まれていない方等は、出版されている本にも手を伸ばしてみたくなりますよね。

 

そう言えば、このハラリさん、この2冊の後に完結編ともうかがえる『21 Lessons for the 21st Century』という本を出されています。前2作で「過去」と「未来」を描いていましたが、今回は、「現代」の問題に取り組もうとされているようで、『ホモ・デウス』で描かれた望ましくない未来を、なんとか回避しようと「21世紀という時代特性を踏まえた21の教訓」が示されています。どう対処するのかというハラリさんのアイデア集というわけです。

 

全2作ほどの評価はないようですが、3部作と思えば、これにも目は通しておきたいですよね。読書嫌いな私ですが、読みたい本ばかり増えてしまって、全部読むのも厳しいですよねぇ・・・これが、読書嫌いらしい発言なんですかねぇ・・・。・・・全部、テレビ化してくんないかなぁ・・・

 

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