8月9日放送のカンブリア宮殿『災害・救急・最新技術の裏側で大活躍!"便利さ"で生活を支える 知られざるゼンリンの秘密』の回、ご覧になられましたか?
地図と言えばGoogleマップ…それが現代の若者の感覚でしょうが、ちょっと年寄ならば、地図と言えばゼンリンと答えるはず…。そんなゼンリンの創業は1948年、創業者の大迫正富が設立した小さな出版社から始まったそうです。
当時、作っていたのは、大分・別府の観光ガイドブック。その付録として製作した「別府温泉街を一望できる地図」が一躍人気となって、会社を出版社から地図製作会社に変更。当時、誰も作っていなかった「住宅地図」を作り始めたというのです。よく、そこまで思い切れたものです。
転換は大成功。その住宅地図は、役所や宅配業者から引っ張りだこになるほどの人気商品となっていくのです。やがて「日本全国に便利な地図を届けたい」と考えるようになると、地図のカバーエリアを広げていきます。
2代目社長になり、高度成長期を迎えて町の形が著しく変化する時代に入ると、手書きの地図製作では変化するスピードに追いつけない為、日本では誰もやっていなかった「地図の電子化」に踏み切っていきます。これが、のちにカーナビ地図やネット地図(Googleマップ等)という“新しい便利さ”に繋がり、ゼンリンをトップシェアに押し上げていくのです。
日本全国、一軒一軒の住人の名前、建物名などが記載される詳細な住宅地図を作っているのは、国内にゼンリンしかいません。だから、Googleマップやヤフー地図で使われている地図も、カーナビで使われている地図も、ベースとして使われているのは、ゼンリンの地図なんだとか・・・。
そして現在の4代目社長も、「今、誰もやっていない“便利さ”」に挑戦しています。その一つが「空の地図」の製作。ドローンが自動走行するための地図を作り、やがて訪れるであろう「空の産業革命」で、新たな便利さを提供できると考えているのだとか。
番組の冒頭では、全国の道の駅を制覇した“道の駅マニア”がバイブルにしているという「道の駅旅案内全国地図」が紹介されていました。地図上に、道の駅の特産品や旬の時期、周辺の観光スポットなどを載せた便利な地図で、私も是非手に入れたいと思ったものです。
インターネットで地図を無料で見ることができる時代だからこそ「ただ地図を作り続けるだけでは将来はない」という危機感を持ち、新たな取り組みに積極的にチャレンジしています。『常に前を見て考えていないと最新の機器にも気がつけない』だからこそ、最新の技術を取り入れてこれたのです。
『道の駅』の地図も魅力的ですが、停電しても使える紙の地図は、消防や被災地の現場で役立つもので、大きな災害時にはゼンリン事態が災害対策本部を設置して無償で地図を提供するそうです。ドローン宅配を実現する空の空間地図も、つい先日、地域限定で実現させています。今年6月には小学生向け自由研究用商品まで生み出し、地図のクリアファイルや地図探検など多岐にわたっています。
そんな現社長の金言は【“世の中の便利さ”を 常に考え続ける。】でした。狭い視野では見出せなかった今のゼンリン。今後はどのように進化していくのか…楽しみな企業の一つですよね。
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