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三振を恐れてホームランは打てない

2018-7-2 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

6月21日放送ノカンブリア宮殿『新家電戦争の大本命!"なるほど&低価格" アイリス流モノづくり』の回、ご覧になられましたか?今から8年ほど前にも登場しているアイリスオーヤマ。またまた面白く見させて頂きました。ホームセンター向けの"便利で低価格な商品"で成長を遂げてきたアイリスオーヤマが、いつの間にか家電製品で大躍進を遂げているというのが今回のお話。

 

ヒットを飛ばすのは、大手メーカーが競い合っている多機能商品とは一線を画した”消費者目線に立った”家電、つまり本当に消費者が欲しい機能にこだわりぬいた「なるほど家電」なのです。その成功もあり、この10年でグループ年商は2,000億円から4,200億円に倍増。すくった分だけカロリーが出る炊飯器等の消費者が欲しがる家電…その技術力を支えているのは、シャープやパナソニックなど元大手家電メーカーのベテラン技術者たちでした。

 

アイリスは、経営が厳しくなった家電メーカーがリストラした人材を一気に採用し、家電に参入。わずか8年で家電の売り上げを660億円に急拡大させたのです。ヒットを生める理由は、ホームセンター向け生活用品時代から長年培ってきた、アイリス独自の「引き算」の開発。新製品を毎年投入するとき、新機能を加え続ける大手メーカーとは違い、まずは最初に「客が買いたくなる価格」を設定。その価格で売るために不必要な機能は引いていき、本当に必要な機能に磨きをかける。「他にない機能」と「低価格」で客を掴んでいくのですからヒットしない訳がありません。

 

東日本大震災のときにも、被災した宮城の農家とタッグを組み、新たなコメ事業にも参入していました。コメの旨味を最大限生かす独自の低温製法を開発、新米の美味しさを1年間持続させる画期的な商品を作り出し、ヒットさせているのです。年に1度、アイリスオーヤマの宮城の工場にできる長蛇の列。地元住民らに、アイリスの商品を安く販売する「アイリス祭」というイベントを開催しているのです。

 

元々大阪から宮城へ移ってきた大山社長。…6月末で社長の座を退任し、余裕ができた時間で第二の故郷である宮城の為に貢献したいと話されていました。震災で被災した若手経営者向けに開催する「経営未来塾」もそのひとつ。卒業生はすでに150人を超え、漁師と加工工場を結びつけたビジネスを興す者が出るなど、結果が出始めていました。

 

村上龍の編集後記では、こんな事が書かれていました。
『最大の強みは、徹底した情報共有にあると思う。独自の経営は、厳密なコミュニケーションに支えられていて、他は真似できない。「なるほど」と簡単には納得しない姿勢が、「なるほど」と思わせる商品を生みだし続けている。』

 

大山さんの話されていた『リスクなくしてリターンなし…ピンチになればなるほど積極的に、常に先がどうなるかを予測しながら開発している…三振を恐れてホームランは打てない』・・・穏やかな表情からは信じられないほどの強さが、そこにはありました。社長の座から離れてしまう事で、今後のアイリスオーヤマはどうなっていくのでしょうか・・・。


 

 

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