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相手の立場に立って初めて見えてくる支援の在り方

2018-1-12 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

昨年12月14日放送のカンブリア宮殿『「もったいない」を「ありがとう」に変える奇跡の食料支援』の回、ご覧になられましたか?

 

まだ食べられるのに捨てられている食べ物、いわゆる「食品ロス」が日本では年間約632万トンにも上るそうです。日本人1人当たり、毎日お茶碗約1杯分(約136g)のご飯の量を捨てている計算とのこと。一方で、日本人の6人に1人が相対的貧困状態にあるという現実。そんな時代に、処分される食品を集めて、困っている人々や団体に届ける取り組み…それが「フードバンク」です。

 

以前、ガイアの夜明けだったかで取り上げられたのではないかとウル覚えの私ですが、確かに1度テレビで取り上げられたことのある会社「セカンドハーベスト・ジャパン」さんが今回の主役。正確には、その代表であるチャールズ・マクジルトンさんが主役で、この人なくしては語れない今回のお話でした。

 

チャールズさんが東京・山谷の修道院に下宿していた頃、毎週行われていた炊き出しを手伝うことがきっかけとなって、いつしか自身も隅田川沿いで普通の仕事をしながらホームレスを体験。それも、1年3ヶ月にわたって…。そんな中、ある日、おにぎりが投げ込まれて「嬉しくない」という気持ちを理解したと言います。動物園の生き物ではない…対等な立場に立った支援でなければ受け入れられない事が分かったのです。

 

そうして2002年、日本初のフードバンクを設立。「あげる側ともらう側に上下関係はない」、「必要としている人のプライベートには過剰に踏み込まない」それがチャールズさんの哲学でした。恵まれない人を助けるという目的だけではなく、誰もが食べ物にアクセスできるセーフティーネットの構築を目指しているそうです。

 

また、チャールズさんはこんな事も言っておられました。【資金が足りない】【配布場所が足りない】【人員はいるが、スペースが足りない】【どの国にも困窮している人達がいるけれど、自分の国にもいることに目を向けない】・・・

 

今や食料支援の代表的な存在となったセカンドハーベスト・ジャパン。支援企業の数もスタート当初はわずか2社だったそうですが、現在は1,400社にまで増えているとか。支援の輪が偏りなく全国に広がるだけでなく、上下関係のない自然な支援の在り方も広がっていくと良いですよね。いつもの村上龍の編集後記ではこんな風に書かれていました。

 

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今の日本で、空腹を抱えている人々がいることをイメージしづらい。ファストファッションを身につけ、スマホを操ったりしている。スマホを買うお金があったら食事を何とかしろと思う人も多いだろう。だが、どんな時代でも、空腹は辛く、社会を不安定にする。マクジルトンさんには壮絶な過去があり、だから、なのか、しかし、なのか、考え方も行動もフェアだ。「可哀想だから助ける」のではなく、「ここに暖かい食事があるから、よかったらどうぞ」と呼びかける。「共に生きる」という意味を、シンプルに示している。

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 「共に生きる」・・・大切な気持ちですよね。

 

 

 

 

 

 

 

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