9月17日放送の未来EYES『九州大学 工学研究院 化学工学部門』の回、ご覧になられました
か?日本が抱えている大きな問題…“ゴミ処理問題”。そんな、ゴミがあっというまになくなっ
てしまう、魔法のような研究をしているのが今回の主役、九州大学の渡邉先生。
温度が10,000℃以上にも達するこのエネルギーを利用して、フロンやハロン、PCBといった
有害物質を出さずにゴミ処理を行うという研究。そんな現象を可能にするのは、「プラズマ」
という粒子の集まりで、驚くべきはそれに必要な材料が「水」だけだということ。さらには
ゴミ処理の際に出るエネルギーまで活用しようとしているのですから超エコなお話でした。
実用化したいのは『水プラズマを発生させる装置』で、テレビではこれを使ってアルミ缶が
消えていく様子が映されました。溶けるのではなく分子レベルまで分解されて気体になって
しまうようなのです。将来は町の真ん中にプラズマの装置を置き、そこでゴミが水プラズマ
装置に入れられると、ゴミは消滅し、同時に水素などを取り出して電気などのエネルギーまで
作ってしまう。本当に夢の様なお話です。
渡邉先生は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で未来の車がゴミを燃料に空飛ぶ姿を
見て科学の道に入っていったとか…。それにしても実現できれば本当に凄い事ですよね。番組
の後半では応用物理学会の後で、プラズマのスペシャリストたちが集まって飲み、語り合って
いるシーンも映されましたが、こんな夢の様な話の実現を考えている先生たち…子供がはしゃ
いでいるようにも見えて、何とも頼もしい限りでした。
そう言えば、今、弊社もお手伝いをさせて頂いている第55回日本生物物理学会大会が明日まで
を会期として行われているんですよ。【物理学会】の話が出てきたのでつい…。
たまたまですが、昨日の朝日新聞の1面に【急増する「ごみ出し困難世帯」5万世帯が支援
受ける】という記事が掲載されていました。ごみ出しが困難な高齢者や障害者の自宅まで
普通ごみの回収に行く支援だそうで、独身時代にゴミ当番で嫌な思いをしている私の事情とは
異なったけれど、本当にゴミは多くの問題を抱えています。新聞の記事には、こうした支援の
おかげで部屋の中で倒れている住人が救助されたケースも書かれ、急激に増えている「ごみ出し
困難世帯」に人手や資金不足に自治体も頭を痛めているという話でした。
私が嫌な思いをしたゴミ当番では、朝の分別用の用具出しは良いにしても、働いている人間に
昼間の見回りやゴミ回収後の用具回収は会社を休まない限り不可能なお話。集会で困難な状況を
伝えると『あなたはゴミを捨てないのですか?』と嫌みの一つ。『捨てるんなら当番をするのは
当然だろ』という話でした。幸い、隣の住人が親切な方だったのでできない部分をサポートし
てくださいましたが、ゴミ一つで色々な問題があるものです。
話が長くなりましたが、この水プラズマによるエコタウンの実現、大いに期待したいものです。