9月12日(火)放送 のガイアの夜明け『大改革!"ニッポンの宿"』ご覧になられましたか。
外国人観光客の急増などで、日本のホテル・旅館業界は活況を呈しているらしいのですが、
地方の小さな旅館は、逆に客足が遠のき廃業に追い込まれている所も多いというお話。そん
な中、あえてそれらに目を向け、再生を仕掛け、全国津々浦々まで広がるネットワークを
築こうとしている企業…それが、小規模旅館向けの業務支援システムなどを手掛ける
「リバティー」という会社。
映画「テルマエ・ロマエ」などのロケ地としても有名な、伊豆の有名温泉旅館「大滝温泉・
天城荘」。30メートルもの落差がある大滝を眺めながら入浴できる露天風呂を擁し、バブル
期には年間10億円近くの売り上げがあったとか。ところが、ネット上での情報発信の遅れ
などが響き、とうとう約3億2,000万円の負債を抱え倒産してしまいました。
その天城荘の買収、再生に乗り出したのが、「リバティー」。天城荘の最大の課題は、従業
員と上手くいっていなかった創業者の曾孫・後継者若女将の田中(25歳)さんの育成でし
た。「真の再生とは人の再生」というリバティーの福原社長は、知り合いのベテラン女将の
ところに若女将を勉強させに行かせます。
このベテラン女将の言葉…「本来なら、自分で全部やらなければならないところを、不可能
だから、他の人に手伝ってもらっているんです」…そんな姿勢の女将だから、お客の出迎え
も荷物運びから掃除まで率先して行っていました。口だけ出して、なかなか手の動かない
人には、本当に最高のお手本でした。
おかげて、若女将も自分のあり方を見つけられたようで、よく動くようになり、自然と
従業員たちも付いてくるようになっていきました。福原社長が、あえて創業者の曾孫である
若女将をそのまま残し再生していった理由は、「地方にある小さな旅館には、そこにしか
ない特徴を持った人たちが関わっているのだから、そんな人たち・小さな旅館は、日本に
とって大切な財産として残したい」…そんな思いがあったようです。
一方、かつて銀行や仏壇店だった建物をリノベーションし、おしゃれなホテルへと再生して
いるのが、京王グループの不動産会社「リビタ」。そのユニークな試みが今、感度の高い
人々や外国人客に受けているといいます。その名も「ザ・シェア・ホテルズ」。
1泊3千円台という石川県金沢市の1号店は、築50年の仏壇店を改装。地下にはキッチン
スペースがあり、宿泊者同士の交流の場にもなっていました。外国人観光客に人気で、
海外の旅行サイトで口コミが広がっているといいます。
この「リビタ」は、中古マンションや戸建てのリノベーションを得意とし、累計2,500戸超を
手がけてきた会社だとか。その“不動産再生”のプロが、去年3月、遊休不動産を活用した
ホテル事業に乗り出したのです。
8月30日オープンに向け準備が進められている4号店。金沢市の築45年のオフィスビルを
改装し、和テイストのホテルに見事に再生していきます。外国人でも気軽に楽しめる和カフェ
では椅子に座って飲める抹茶や金沢名物の和菓子…見ていて、行きたいと思わせてくれる
憧れの光景でした。
これまで目を向けられなかった場所にあえて着目し、「客を呼ぶ」旅館やホテルへと再生
する会社、どちらも魅力的な取り組みでした。