先日、NHKの『ブレイブ 勇敢なる者』という番組の『Mr.トルネード~気象学で世界を
救った男~』の回を観させて頂きました。また、面白い新番組が始まったと思いきや、既に
放送された物の再放送という事でした。(^ ^;)
主役の藤田哲也さんは、竜巻の強さの基準「Fスケール」を考案したことで有名で「ミスター
・トルネード」と言われるほど、その世界では大きく貢献していましたが、それだけでも凄い
事なのに、それ以外にも偉業を成しえていたのです。
先日、映画『白い嵐』に登場した「ダウンバースト」という現象まで、藤田さんによって命名
されたことを知った時は、本当に驚きで興奮する自分を抑えることができませんでした。周囲
に認められなかったダウンバーストに関しては10年もの論争を経て立証されたようです。
当初、下降気流に関しては日本で注目されず、数百万ドルかけてシカゴ大学と米軍が導き出し
た答えを、藤田さんは50ドルという驚きの経費で導き出したことがシカゴ大学に伝わると渡米
を促されたのです。(日本は…いつもこうして優秀な人材が出て行ってしまう…。)
竜巻研究を持ちかけられると竜巻の発生からの全貌を明らかにし、Fスケールを考案。徹底
した観察力は『気象学のシャーロック・ホームズ』と言われ、数値データを図面に置き換え
る能力は『気象界のディズニー』とも言われたとか。
特に航空分野では、イースタン航空がニューヨーク・JFKで着陸直前に墜落した原因を「ダウ
ンバースト」と名付け指摘しましたが、殆ど賛同されませんでした。藤田さんは当時、その
立証に全力を注ぐのではなく、航空機事故の脅威となる「マイクロバースト」の解明を急がな
ければとその事に没頭。
ドップラー・レーダーを使ってマイクロバーストの観測に成功すると、訓練やシミュレーター
に対策を組み込み、空港にドップラー・レーダーを配備し、警報装置や探知システムを追加
していく事で、研究が事故回避に役立てられ、航空気象学に大きな貢献をしていったのです。
アニメーションを多用した番組は、ドラマ仕立てでドキュメンタリーが描かれ、隙のない展開。
とても面白く観させて頂きました。この『ブレイブ 勇敢なる者』という番組、不定期でいつ
放送されたのか…されるのか…全く情報が掴めませんが、今度放送される時は、見逃さずに
行きたいと思います。
最後には藤田さんからのメッセージも流されていたので、これは、この場に書き残しておこう
と思います。
『特に若い人は、恥ずかしがらず、言いたいことを言うべきです。半分は間違っているかも
しれない。だが、残りの半分は正しいかもしれない。もし、50%が正しければ、価値ある
人生を送ったということです。幸運を祈ります。』
勇気を与えてくれるメッセージですよね。しっかり観察し、しっかり考え整理する。基本が
あってこその大胆さなのでしょうか。