先日、朝日新聞に『木材生まれの夢の素材…強度は鋼鉄の5倍』そんなセルロースナノファ
イバーに関する記事が掲載されていました。これは、パルプなどの加工処理に用いられる
セルロース繊維をナノメートルサイズまで微細化して再生成したもので、天然素材から採取
できる超微細な繊維状物質。
セルロースナノファイバーは、植物細胞壁を解きほぐし、その構成要素の繊維を取り出して
作られるそうで、繊維の太さは十数ナノメートル単位の微細さで、従来のパルプ繊維の1,000
分の1という細さとの事。従来の製紙原料(パルプ)と変わらなず、作られた紙は、通常の
紙と同じく、折りたたむ事が出来、燃やせ、軽い、といった性質を持っています。ただし、
その繊維の細さが可視光線の波長よりも格段に細かく、光の散乱をあまり生じさせないため、
透明素材にすることが可能なんだそうです。
また、セルロースナノファイバーは鉄鋼材料に並ぶ強靭さを持ち、石英に並ぶ熱膨張率の
低さを持つとの事。植物由来の繊維であるため鉱物よりもはるかに軽くなります。セル
ロースナノファイバーを補強材料に用いることで、素材の性能を格段に引き上げることが
できる分野が少なくないという事で、様々な可能性を秘めているようです。
鉄鋼材料に使用すれば、強度を保ちつつ格段の軽量化が実現でき、透明樹脂に混ぜ込めば、
透明さを失わずに、強度の向上や柔軟性の向上、熱による変化の低減といった性質を追加
することができます。自然由来の素材から得られる点で環境負荷も比較的少ないという事で、
正に木材生まれの夢の素材!! どんな形で活かされていくのか楽しみですねぇ。