10月20日のカンブリア宮殿ご覧になられましたか? 安く、幅広い年齢層に対応した
豊富なデザインを揃え、毎日の様に新製品を投入しているアースミュージック&
エコロジー等のアパレルブランドで幅広い女性の支持を掴み、岡山市の片隅に
オープンしたわずか4坪の店から全国1,200店舗、年商1,100億円へ急成長を続けて
きた、ストライプインターナショナル。既に店舗数ではユニクロ+GUを超えていました。
今日決めたことを、翌日には平然と覆してしまう大胆な決断力でアパレル業界の
注目を集めているとか。ユニクロの次を狙うアパレルの風雲児大胆アイデアと
転換力で物凄い勢いで成長を遂げており、久々に見た、本当に勢いのある会社でした。
原点にあったのは小さなセレクトショップ時代のこと。石川社長の独りよがりな
経営に社員が嫌気をさし、14人のうち10人が辞めてしまった出来事でした。松下
幸之助の本に書いてあった掃除をしていたところ、ある社員の残した文章を発見。
中には『社長は、バカだ。…この会社は、必ずつぶれる…』そんな事が書かれており
衝撃を受けた石川は、相当のショックを受け、社員の話をよく聞くようになったそうです。
以後自分の判断を疑い「逆から物事を考える」習慣を身につけることで、成功を引き
寄せるヒントを掴んでいったとか。今日は大阪、翌日は愛媛…次々とオープンする店の数、
実に毎年150店舗以上。アースミュージック&エコロジーなど、27のブランドを擁し、
急激なスピードで成長を遂げているストライプインターナショナル。ユニクロのような
大型店でなく、在庫を持たない小型店でどんどん“新鮮な服”を回転させる独自の戦略で、
幅広い女性客を掴んでいます。
その成功を支えるのは、石川社長の大胆な経営判断。店の横でアイス屋を始めたかと
思えば、スマホを使った服のレンタルサービス『メチャカリ』というシステムを立ち
上げる…。ストライプが一気に知名度を上げたきっかけも、企業規模に見合わない
12億円もの広告費でCMを打つという“常識破り”の経営判断でした。
外部にアドバイスを求めるとCMには反対意見ばかりだったのに、社員に尋ねたら
『自分の会社の知名度が上がるのは嬉しい』という様な事を言われ、社員が喜ぶなら
良いじゃないかと思ったと話されていました。
石川社長の真骨頂は、前言を軽々と翻す「転換力」。立ち上げた靴下専門店がうまく
いかなければ、あっという間にかわいい雑貨店に一変させヒットさせるなど、
朝令暮改の柔軟な戦略転換で生き残る業態を作り上げてきました。現場の声を
徹底的に拾うことで大胆に戦略を変え急成長を遂げるストライプ、今後がとても
楽しみな会社です。
石川社長は、生まれ育ち、起業した街・岡山への愛情が人一倍強い経営者でした。
元気ある若手経営者などを表彰するオカヤマアワードを開催し、支援しているのです。
また、食・アートの様々なイベントも開催し活性化に力を入れています。「ビジネス
での成功を地元に還元するのが使命」とまで言い切る石川社長…素晴らしいの一言でした。
村上龍さんの編集後記では、こう語られていました。
『アパレル業界は苦しんでいる。消費者は、ネット通販、レンタルなどさまざまな
流通を知り尽くし、流行ではなく自らの好みを優先させる。出費を控え、安易に宣伝に
乗らない。ストライプインターナショナルは、一貫した戦略がないかのように見える。
だが、石川さんのロジックは切れ味鋭く、ぶれがない。戦略がないのではなく、戦略を
固定させないのだと思う。賢くなり、自由に浮遊する消費者に寄り添うように、
いろいろな領域で多様性を提供する。石川さんの、「洋服」に対する幼少からの愛情が、
その先端的な考え方を支えている。』と…。
今回の社長の金言は…
『引く』ルールが大胆さを生む
『怖い』から挑戦する
一貫した戦略がないのではなく、戦略を固定させない柔軟性…危機感も持ちながら
挑戦し続ける姿に感動しました。