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難聴を救う思いやりから生まれた『コミューン』

2016-5-19 NEW!
カテゴリ:つぶやき

 

またまた今週5月15日BSジャパン 放送の【未来EYES】の話。

今回のテーマは『音で日本を救うスピーカー』でした。補聴器を使わず、声を

聞くためのスピーカー「コミューン」で難聴の方の未来を変えようとする

中石さんが今回の主役。

 

「コミューン」は、難聴の方に補聴器を付けてもらうのではなく、難聴の人が

補聴器を付けなくても、聞こえやすくするスピーカーシステム。ただ音を拡大

するだけでなく、雑音を削り落とし、よりクリアな音にして拡大するという

特殊なスピーカーで、ただボリュームを上げるだけのスピーカーとは月とスッポン。

 

開発の原動力は耳の聞こえ難くなった祖母との思い出。仲の良かった祖母は、

耳が聞こえ難くなる事で、孫との会話が成立出来なくなり、次第に遠ざかって

しまう様に感じさせていたのではないかと中西さん…。もし、ハッキリと聞こ

えるシステムがあれば、もっと良い時間が沢山持てたのではないかという

優しい気持ちが中石さんの原動力でした。

 

それでも、老人ホームや公共施設に行っても、なかなか賛同してもらえず、

改良を積み重ね2,000万円という資金を消耗し、苦労を重ねて立ち上げてきた

中石さん。そんな中石さんはユニバーサルサウンドデザイン代表取締役ですが、

出張続きで「週2回、家に帰れればいい」と話されていました。

 

難聴の原因には先天性、後天性、加齢によるものがあるそうです。若い世代に

多いのは騒音性難聴。現在、全国の難聴者数は1,400万人以上。心配なのは

聞こえ難いことが人や社会とのつながりを妨げることだと中石さんは熱く語って

おられました。

 

「コミューン」は現在、全国の病院、公共機関、学校などに約3,000台が置かれ、

都庁や厚生労働省などの行政機関にも導入されているそうですが、もっと

もっと多くの施設に置かれて欲しいものです。

 

つい先日行われた新商品「コミューンSE」の発表会の後には、広島大学

宇宙再生医療センターの弓削類センター長が登壇し、同社と共同で難聴の人の

聴こえ、脳の関係を研究する「聴覚リハビリテーション研究グループ」の

発足を発表されたそうです。

 

発音の聞き分けへの有用性検証では、コミューンを使用した場合に脳への

伝達への改善に有効性がみられたと弓削先生は言われていました。

「聴こえてくるものが音としてではなく言葉として脳にちゃんと伝わっている」

と評価し、脳の言語聴覚分野の活発化により脳の萎縮抑制への効果も予想

されると説明。今後は難聴者、感覚性の失語症者に対するリハビリテーションの

ツールとしても研究を行っていくとの事でした。

 

祖母への思いやりから始まったプロジェクトは、聞こえやすくするだけでなく、

更なる広がりを見せていたのです。

 

身近な人への思いやりが多くの人の救いに繋がっていく、そんな素敵なお話でした。
 

 

 

 

 

 

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