講演要旨
プログラム
1.プレナリーレクチャー / プログラムPDF
2.シンポジウム / プログラムPDF
4.日本細胞生物学会 若手最優秀発表賞選考会 / プログラムPDF
5.一般口演 / プログラムPDF
6.ポスター発表 / プログラムPDF
7.男女共同参画・若手研究者育成委員会企画ランチョンワークショップ / プログラムPDF
8.細胞生物若手の会 / プログラムPDF
9.ケミカルバイオロジー学会 / プログラムPDF
10.企業共催ランチョンセミナー / プログラムPDF
1.プレナリーレクチャー
PL1 Chemical Biology on the Genome
Shankar Balasubramanian (University of Cambridge)
日時:6月15日(水)15:30-16:30
PL2 How human cells decide to enter the cell cycle
Tobias Meyer (Stanford University)
日時:6月16日(木)13:20-14:20
PL3 Scramblase and Flippase that regulate the phosphatidylserine-exposure
長田 重一(大阪大学)
日時:6月16日(木)14:30-15:30
2.シンポジウム
シンポジウム一覧 Symposium Program
No | 日時 | タイトル | オーガナイザー |
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S1 | 6月15日(水) 午前 |
高次生命機能を司るメンブレントラフィック: 分子基盤からその破綻による疾患発症の理解に向けて High order functions of membrane traffic: from molecular mechanisms to diseases |
福田 光則(東北大学) 中山 和久(京都大学) |
S2 | 6月15日(水) 午前 |
染色体諸機能の連携と機能統合体としての理解 | 深川 竜郎(大阪大学) 岡田 由紀(東京大学) |
S3 | 6月15日(水) 午後 |
幹細胞の維持と分化の制御機構 Regulatory mechanisms of stem cell maintenance and differentiation |
瀬原 淳子(京都大学) 藤原 裕展(理化学研究所) |
S4 | 6月15日(水) 午後 |
植物システムを支える運命の分岐点 | 遠藤 求(京都大学) 丸山 大輔(名古屋大学) |
S5 | 6月15日(水) 午後 |
温度生物学の創成(展開を目指して) | 原田 慶恵(京都大学) 今本 尚子(理化学研究所) |
S6 | 6月16日(木) 午前 |
ショウジョウバエを用いた疾患研究の最前線:遺伝学とケミカルバイオロジーの融合 Cutting edge of studies on human diseases by using Drosophila model: fusion of genetics and chemical biology |
山口 政光(京都工芸繊維大学) 津田 玲生(国立長寿医療研究センター) |
S7 | 6月16日(木) 午前 |
3次元構築の中のがん細胞 | 三木 裕明(大阪大学) 井上 正宏(大阪府立成人病センター) |
S8 | 6月16日(木) 午前 |
ライフステージ・ライフイベントと幹細胞制御 | 西村 栄美 (東京医科歯科大学) 豊島 文子(京都大学) |
S9 | 6月16日(木) 午前 |
生命動態の定量化~数理科学とデータ科学からの提案 | 鈴木 貴(大阪大学) 浅井 潔(東京大学) |
S10 | 6月16日(木) 午後 |
細胞生物学の生命動態研究 Dynamic Approaches to Living System in Cell Biology |
青木 一洋(京都大学) 本田 直樹(京都大学) |
S11 | 6月16日(木) 午後 |
代謝と細胞動態 - 細胞動態・運命決定を司る内なるチカラ | 高橋 智聡(金沢大学) 小野寺 康仁(北海道大学) |
S12 | 6月16日(木) 午後 |
免疫システムの時空間的制御 | 椛島 健治(京都大学) 濱崎 洋子(京都大学) |
S13 | 6月16日(木) 午後 |
セルジャンクションを介する細胞と場の協調 | 山城 佐和子(京都大学) 上村 匡(京都大学) |
S14 | 6月17日(金) 午前 |
細胞集団の振る舞いが生み出す新たな生物機能とそのロジック New biological principles emerged from cell-cell communications |
三浦 正幸(東京大学) 井垣 達吏(京都大学) |
S15 | 6月17日(金) 午前 |
オートファジーの分子機構最前線~遺伝学・構造学・イメージングを駆使して~ | 小松 雅明(新潟大学) 本田 郁子(東京大学) |
S16 | 6月17日(金) 午後 |
オルガネラ局域の間取り図 Planning of functional zones in organelles |
後藤 聡(立教大学) 吉田 秀郎(兵庫県立大学) |
S17 | 6月17日(金) 午後 |
上皮極性研究の多面的展開 | 池ノ内 順一(九州大学) 米村 重信 (理化学研究所) |
S18 | 6月17日(金) 午後 |
細胞生物学に役に立つ最新技術の展開 | 渡邊 直樹(京都大学) 横田 秀夫(理化学研究所) |
S19 | 6月17日(金) 午後 |
非古典的な小胞体ストレス応答が制御する生命現象 | 西頭 英起(宮崎大学) 今泉 和則(広島大学) |
S20 | 6月17日(金) 午後 |
がんの細胞生物学とケミカルバイオロジー | 青木 正博(愛知県がんセンター研究所) 浅井 章良(静岡県立大学) |
シンポジウム概要
S16月15日(水)午前〔使用言語 英語〕
S26月15日(水)午前〔使用言語 日本語、演題公募あり〕
染色体諸機能の連携と機能統合体としての理解 |
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オーガナイザー:深川 竜郎(大阪大学)、岡田 由紀(東京大学) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「染色体オーケストレーショ ンシステム」 |
講演者:岩崎 博史(東京工業大学)、石井 浩二郎(大阪大学)、深川 竜郎(大阪大学)、藤田 幸(大阪大学)、板東 優篤(東京大学)、鐘巻 将人(国立遺伝学研究所)、丹野 悠司(東京大学) |
染色体は生命の本質である。転写・複製・組換えなど個別の染色体機能に関する研究は長年の研究を経て充分に深まりつつある一方、これら個々の染色体諸機能の連携に関する研究は乏しく、機能統合体として染色体の諸機能を解き明かすことが今後の染色体生物学の大きな課題である。本シンポジウムでは、新学術領域研究「染色体オーケストレーションシステム」(白髭班)の取組みを中心に、セントロメアやコヒーシン複合体の再構築など染色体の諸機能に関する最前線の研究とそれらの連携・展望について紹介・議論したい。 |
S36月15日(水)午後〔使用言語 英語〕
幹細胞の維持と分化の制御機構 Regulatory mechanisms of stem cell maintenance and differentiation |
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オーガナイザー:瀬原 淳子(京都大学)、藤原 裕展(理化学研究所) |
共催:京都大学 SPIRITS「生命のロバストネスを支える分子・細胞基盤の統合的理解」 |
講演者:Marcos González-Gaitán(University of Geneva)、Lukas Sommer(ETH, Zurich)、久保田 義顕(慶應義塾大学)、Carmen Birchmeier(MDC, Berlin)、藤原 裕展(理化学研究所)、Pantazis Periklis(ETH Zurich) |
このシンポジウムのねらいは、幹細胞について、主に発生および再生、細胞および分子レベルでのメカニズムを中心に、今日の問題を取り上げ、さらに今後の問題を提起することです。幹細胞は固有の系譜、特徴的な細胞分化や形態形成メカニズム、異なる増殖因子・ニッチ要求性などを持っています。シンポジウムでは、幹細胞とその分化についていくつかの話題を紹介することにより、幹細胞の維持や分化機構の普遍的な特徴について議論したいと思います。
The aim of this symposium is to address current issues and to bring the future perspective in tissue stem cell research, with main emphasis on development and regeneration and on mechanisms both at cellular and molecular levels. Tissue stem cells have their own cell lineages, distinctive mechanisms of fate choice in morphogenesis and homeostasis, different requirements of growth factors and niches in their regulation, and so on. By introducing several topics on tissue stem cells and their differentiation, we want to discuss general features of mechanisms for stem cell maintenance and differentiation. |
S46月15日(水)午後〔使用言語 日本語〕
植物システムを支える運命の分岐点 |
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オーガナイザー:遠藤 求(京都大学)、丸山 大輔(名古屋大学) |
講演者:丸山 大輔(名古屋大学)、佐藤 良勝(名古屋大学)、山下 晃弘(東京大学)、及川 和聡(新潟大学)、久保 稔(奈良先端科学技術大学院大学)、鳥井 孝太郎(京都大学) |
多細胞生物は単なる細胞の集合体ではない。一つの細胞から増殖した細胞が適切な細胞へと運命決定されることで、個体という多様な細胞集団が協調的に機能するシステムを作り上げている。本シンポジウムでは、特に植物における細胞運命がどのように制御されているのかに注目し、細胞運命転換に前後するオルガネラの挙動ならびに転写産物の網羅的関する話題を提供する。さらに、酵母や動物との比較を行うことで、細胞運命決定の仕組みにおける普遍性ならびに植物の特異性について議論したい。 |
S56月15日(水)午後〔使用言語 日本語、演題公募あり〕
温度生物学の創成(展開を目指して) |
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オーガナイザー:原田 慶恵(京都大学)、今本 尚子(理化学研究所) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「温度を基軸とした生命現象の統合的理解(温度生物学)」 |
講演者:富永 真琴(岡崎統合バイオサイエンスセンター)、今本 尚子(理化学研究所)、梅田 真郷(京都大学)、岡部 弘基(東京大学)、高木 昌宏(北陸先端科学技術大学院大学)、山田 幸司(医薬基盤研究所) |
温度は、分子の存在状態と反応性を規定する最も基本的な物理量である。生物においては、エネルギー産生、生体分子の生合成、細胞内外の情報伝達などの生命現象すべてにおいて、温度に影響される生化学的反応が必須の役割を果たしている。さらに、温度は、血圧、代謝、生体リズムをはじめとする様々な生理機能に影響を与えることから、生体の恒常性維持においても最も重要な因子の一つである。これらを踏まえて、学問領域「温度生物学」の創成を目指している。本シンポジウムでは、細胞膜や細胞内の温度センシング分子、脂質ラフト、エネルギー代謝、細胞内温度計測技術などの話題を取り上げ、温度が関わる様々な事象を細胞生物学的観点から議論したい。 |
S66月16日(木)午前〔使用言語 英語、演題公募あり〕
ショウジョウバエを用いた疾患研究の最前線:遺伝学とケミカルバイオロジーの融合 Cutting edge of studies on human diseases by using Drosophila model: fusion of genetics and chemical biology |
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オーガナイザー:山口 政光(京都工芸繊維大学)、津田 玲生(国立長寿医療研究センター) |
共催:日本学術振興会 研究拠点形成事業 B.アジア・アフリカ学術基盤形成型 |
講演者:井上 喜博(京都工芸繊維大学)、山口 政光(京都工芸繊維大学)、津田 玲生(国立長寿医療研究センター)、Joung-Sun Park(Pusan National University)、永井 義隆(国立精神・神経医療研究センター)、Luca Lo Piccolo(Kyoto Institute of Technology) |
比較ゲノム研究により、ヒト疾患原因遺伝子の約75%がショウジョウバエにも保存されていると考えられている。これまでショウジョウバエはヒト疾患研究において、遺伝学や発生生物学的知見の膨大な蓄積を背景に、分子レベルでの発症メカニズムの解明に貢献してきている。さらに、近年では化学生物学(ケミカルバイオロジー)の進展に伴い、ショウジョウバエ疾患モデルを用いた個体レベルでの研究により、機能未知の化合物から疾患治療薬候補を探索する動きが出て来ている。本シンポジウムでは、糖尿病や神経変性疾患モデルショウジョウバエを用いた最近の研究の紹介を中心に、創薬への応用も視野に入れた議論を行う場としたい。
It has been shown that about 75% of causative factors of human diseases are conserved in Drosophila melanogaster. Based on the accumulation of lots of knowledge in genetics and developmental biology, the Drosophila models have been playing important roles for the study of human disease formation. Currently, various trials to search for the candidate drugs against diverse diseases have been performed by oral administration of various chemical compounds to the Drosophila models. These approaches are expected to link to the therapeutic drug development. In this symposium, we try to highlight the recent studies with Drosophila models for diabetes and neurodegenerative diseases, and discuss on their application for drug development. |
S76月16日(木)午前〔使用言語 日本語〕
3次元構築の中のがん細胞 |
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オーガナイザー:三木 裕明(大阪大学)、井上 正宏(大阪府立成人病センター) |
講演者:井上 正宏(大阪府立成人病センター)、菊池 章(大阪大学)、佐藤 俊朗(慶應義塾大学)、藤田 恭之(北海道大学)、三木 裕明(大阪大学) |
多細胞生物の個々の細胞は3次元構築の中に存在している。「細胞生物学」研究に汎用される培養皿に慣れきっている私たちは、この単純な事実を忘れがちである。がんもこの3次元構築の中で増殖して量的なサイズを増して行くと共に、質的に異なる構築物へ浸潤・転移してゆく。近年、細胞外マトリックスゲルを利用した3次元の器官培養により、これまで覆い隠されていた細胞の本態が顔を覗かせるようになった。本シンポジウムではこれら「3次元構築の中のがん細胞」の挙動にまつわるさまざまな研究を紹介し、がんの本態を探る一助としたい。 |
S86月16日(木)午前〔使用言語 日本語、演題公募あり〕
ライフステージ・ライフイベントと幹細胞制御 |
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オーガナイザー:西村 栄美 (東京医科歯科大学)、豊島 文子(京都大学) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「ステムセルエイジングから解明する疾患原理」 |
講演者:岩間 厚志(千葉大学)、北島 智也(理化学研究所)、河合 宏紀(東京大学)、豊島 文子(京都大学)、西村 栄美(東京医科歯科大学) |
多くの臓器・組織において、幹細胞システムによる細胞の持続的な供給は、組織の再生や恒常性維持に必須の役割を果たす。近年、老化、ストレス、成長、妊娠など、ライフステージやライフイベントに伴う幹細胞システムの応答機構や、その破綻による疾患の発症機序が明らかとなりつつある。本シンポジウムでは、哺乳類の幹細胞システムに焦点を当て、各ライフステージにおける、様々な組織幹細胞システムの制御機構と、幹細胞の生理的・病態変化による個体・臓器のエイジングの理解を包括的に捉えることを目指す。科研費新学術領域(岩間班「幹細胞老化と疾患」)の紹介も交え、細胞生物学会との共催によるシナジーを生かして議論したい. |
S96月16日(木)午前〔使用言語 日本語〕
生命動態の定量化~数理科学とデータ科学からの提案 |
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オーガナイザー:鈴木 貴(大阪大学)、浅井 潔(東京大学) |
共催:数学協働プログラム |
講演者:郡 宏(お茶の水女子大学)、井上 康博(京都大学)、齋藤 卓(愛媛大学)、西塚 哲(岩手医科大学)、吉田 亮(統計数理研究所)、鈴木 貴(大阪大学) |
細胞に関わる生命動態は、分子、細胞、組織のレベルでどのように記述され、予測することができるのであろうか。同期をはじめとする多細胞間のダイナミクス、形態形成における多細胞間の力学的な相互作用の役割、胚発生機序を明らかにするデータ分析法、神経系信号処理機構の解明、薬剤耐性や細胞内シグナル伝達経路に関する癌研究などにおいて、実験科学と協働した、理論、シミュレーション、データ分析を用いた生命動態の定量化研究がどのように模索されているかを探る。 |
S106月16日(木)午後〔使用言語 英語、演題公募あり〕
細胞生物学の生命動態研究 Dynamic Approaches to Living System in Cell Biology |
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オーガナイザー:青木 一洋(京都大学)、本田 直樹(京都大学) |
講演者:青木 一洋(京都大学)、澤井 哲(東京大学)、落合 博(広島大学)、大田 佳宏(東京大学)、Mary Teruel(Stanford University)、林 茂生(理化学研究所) |
生命システムの本質を解明するには、ダイナミックで複雑な現象の中に存在する秩序を理解することが必要である。近年のライブイメージングや遺伝子編集技術の進展に伴い、これまで解析が困難であった生命現象の動的な振る舞いを多次元的に可視化し、その実測データをもとに数理モデルを構築きるようになってきた。本シンポジウムでは、「生命動態システム科学拠点」の4拠点から若手研究者を、さらにStanford大学からMary Teruel博士を招待し、最新の生命動態研究について紹介していただく。
To elucidate the principles of biological systems, it is necessary to understand the ordered dynamics in complicated biological phenomena. With the advancement of live imaging and gene editing technologies, it has become possible to quantitatively visualize multi-dimensional data in the processes of biological phenomena, and further to build mathematical models to recapitulate the biological systems. In this symposium, we will invite young leading scientists from four “Platforms for Dynamic Approaches to Living System” and Dr. Mary Teruel from Stanford University, and ask to introduce the latest findings on dynamic living systems. |
S116月16日(木)午後〔使用言語 日本語〕
代謝と細胞動態 - 細胞動態・運命決定を司る内なるチカラ |
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オーガナイザー:高橋 智聡(金沢大学)、小野寺 康仁(北海道大学) |
講演者:高橋 智聡(金沢大学)、小野寺 康仁(北海道大学)、清野 進(神戸大学)、粂 昭苑(東京工業大学)、西川 恵三(大阪大学)、近藤 祥司(京都大学) |
分子生物学の技術および知見の発展が、細胞の運命決定や機能・動態の制御、それらの破綻におけるシグナル伝達や転写制御の根幹的な役割を詳らかにするにつれ、それとは対比的に、代謝の役割やその重要性は表舞台から遠ざかってきた。多くの分子生物学的な細胞動態の解析において種々の代謝反応やその酵素が未だに内部標準に用いられていることは、代謝は細胞の機能や運命を特徴付けることのない、あくまで「裏方」に過ぎないものであるという意識を如実に物語っている。しかしながらここ数年、その状況は大きく変わってきた。代謝はもはや、細胞・組織における「維持管理(ハウスキーピング)」的な役割を果たすのみならず、シグナルや転写と渾然一体となって細胞の動態・運命を支配する力強い底流であることが、様々な場面で明らかにされつつある。本シンポジウムでは上記のような視点からの研究を様々な分野から取り上げ、活発な議論へと発展させたい。 |
S126月16日(木)午後〔使用言語 日本語〕
免疫システムの時空間的制御 |
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オーガナイザー:濱崎 洋子(京都大学)、椛島 健治(京都大学) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「免疫四次元空間ダイナミクス」 |
講演者:高濱 洋介(徳島大学)、椛島 健治(京都大学)、石井 優(大阪大学)、福井 宣規(九州大学)、長澤 丘司(大阪大学)、岡田 峰陽(理化学研究所) |
免疫担当細胞は、骨髄や胸腺などの中枢リンパ組織で発生し、リンパ節や脾臓など末梢リンパ組織を絶えず循環している。そして、ひとたび感染がおこれば様々な細胞と相互作用しながら機能分化し、感染組織に移動して標的に作用する。このように、免疫応答は多様な細胞群と臓器が織りなす全身性のネットワークにより成り立つダイナミックな時空間事象であり、このシステムの破綻は、免疫不全、自己免疫疾患、アレルギー、慢性炎症など、様々な疾患につながる。本シンポジウムでは第一線の免疫学研究者が、リンパ組織を形成するユニークな細胞群、最先端のイメージング技術を用いた免疫担当細胞間の相互作用や免疫病態に関する知見を、専門外の研究者にも理解いただけるよう紹介し、免疫システムの“妙”を味わい、かつ細胞生物学的議論を深めることを目指す。(新学術領域研究「免疫四次元空間ダイナミクス」共催) |
S136月16日(木)午後〔使用言語 日本語〕
セルジャンクションを介する細胞と場の協調 |
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オーガナイザー:山城 佐和子(京都大学)、上村 匡(京都大学) |
講演者:平島 剛志(京都大学)、山城 佐和子(京都大学)、吉川 大和(東京薬科大学)、泉 裕士(生理学研究所)、新田 昌輝(京都大学)、進藤 麻子(名古屋大学) |
上皮細胞間あるいは細胞−基質間のジャンクションは、外界と上皮細胞を仕切る最前線で、接着のみならず細胞内外の情報伝達や、細胞の動力を外界に伝える場として機能する。これらの機能によりジャンクションは、組織・器官・個体の協調したダイナミックな形態変化や成長を支えている。本シンポジウムでは、上皮のダイナミクスにおけるセルジャンクションの働きに注目し、ジャンクション構成因子の探索や機能阻害、微細形態の観察、細胞内あるいは組織全体の定量イメージング、そして器官の3次元構築のモデリングまで、細胞生物学の分野での伝統的および新興のアプローチの特徴を生かした、若手研究者による最新の研究を紹介する。 |
S146月17日(金)午前〔使用言語 英語〕
細胞集団の振る舞いが生み出す新たな生物機能とそのロジック New biological principles emerged from cell-cell communications |
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オーガナイザー:三浦 正幸(東京大学)、井垣 達吏(京都大学) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「細胞競合」 |
講演者:三浦 正幸(東京大学)、井垣 達吏(京都大学)、塚谷 裕一(東京大学)、宮﨑 亮(産業技術総合研究所)、戎家 美紀(理化学研究所)、佐々木 洋(大阪大学) |
細胞間のコミュニケーションは、多細胞生命システムの構造や機能を生み出す原動力となっている。細胞が集団となることで、細胞同士が協調あるいは競合しながら独自のネットワークを構築し、細胞単体の機能からは想像もできないような新たな挙動や生物機能が生み出されうることがわかってきた。本シンポジウムでは、様々な生物種・モデル系における細胞間コミュニケーションの役割や機能に注目し、動的で頑健な生命システムを支える細胞集団挙動の多様性と共通原理を議論したい。
Cell-cell communication plays a key role in developing the structure and function of multicellular systems. Cells establish a unique network by forming a group, which can generate new biological behaviors and functions through cell-cell cooperation and competition. In this symposium, we will focus on the roles and functions of cell-cell communications in multiple model systems and discuss their diversity and common principles in regulating dynamic and robust biological systems. |
S156月17日(金)午前〔使用言語 日本語、演題公募あり〕
オートファジーの分子機構最前線~遺伝学・構造学・イメージングを駆使して~ |
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オーガナイザー:小松 雅明(新潟大学)、本田 郁子(東京大学) |
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで」 |
講演者:本田 郁子(東京大学)、中戸川 仁(東京工業大学)、野田 展生(微生物化学研究所)、濱崎 万穂(大阪大学)、佐藤 美由紀(群馬大学)、鈴木 邦律(東京大学)、奥 公秀(京都大学) |
オートファジー(自食作用)は、複雑な膜動態を伴ったオートファゴソーム形成、そしてオートファゴソームとリソソームとの融合による細胞質成分の分解の過程からなる。オートファジーを司る分子群は、その誘導を担うシグナル系タンパク質、分解基質の認識やオートファゴソーム形成等オートファジーの中核を担うATG タンパク質群、そしてリソソームをはじめ他のオルガネラ膜との仲介を担うSNARE分子など実に多岐に渡る。本シンポジウムでは、急速にその理解が進んでいる「オートファジーの分子機構」についてとことん議論をしたい。遺伝学、構造学、イメージングなど多様な手法を用いオートファジーの分子機構の解明にチャレンジしている若手研究者の公募演題をピックアップする。 |
S166月17日(金)午後〔使用言語 日本語〕
オルガネラ局域の間取り図 Planning of functional zones in organelles |
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オーガナイザー:後藤 聡(立教大学)、吉田 秀郎(兵庫県立大学) |
講演者:蜷川 暁(京都大学)、中野 明彦(東京大学/理化学研究所)、花田 賢太郎(国立感染症研究所)、吉田 秀郎(兵庫県立大学)、石川 裕之(千葉大学)、後藤 聡(立教大学) |
今まで、小胞体やゴルジ体のシス・メディアル・トランス槽といったコンパートメント内に特定の機能を担うサブコンパートメント(区画)が存在するかについてはあまり議論されてこなかった。しかし、近年、タンパク質や脂質は種類に応じて特定の区画(局域)へ選別輸送され、そこで特異的な修飾を受け、さらにその修飾が目印となってそれぞれ異なる局域へと輸送される例が明らかになりつつある。本シンポジウムでは、これまで独立に研究を行ってきた修飾と小胞輸送、脂質、オルガネラ接触部位、品質管理の研究者が「局域」という新概念の下に結集し、従来の「小胞体—ゴルジ体」という枠組みを超えた、オルガネラ内の「間取り図」の再定義を試みる。 |
S176月17日(金)午後〔使用言語 日本語、演題公募あり〕
上皮極性研究の多面的展開 |
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オーガナイザー:池ノ内 順一(九州大学)、米村 重信 (徳島大学/理化学研究所) |
講演者:菊池 浩二(熊本大学) 、山下 和成(横浜市立大学)、立石 和博(大阪大学)、吉浦 茂樹(理化学研究所)、米村 重信 (徳島大学/理化学研究所)、大谷 哲久(生理学研究所) |
上皮細胞の細胞極性は、多細胞生物が上皮細胞を介して外界と物質を交換する上で必須であるのみならず、組織の構築や幹細胞の非対称分裂など様々な局面で重要な役割を担う。一方で、上皮細胞極性の喪失は、細胞の癌化と密接に関連しており、極性の形成や維持に関わる分子機構の理解は、医学や創薬の観点からも重要である。近年の上皮細胞極性に関わる進化的に保存された分子群(極性タンパク質)の同定は、極性という掴みどころのない生命現象を分子レベルで解析する糸口を与えた。しかしながら、上皮細胞の接着と極性形成の関連や個々の極性タンパク質やそれらに結合するタンパク質の機能に関して、本質的な理解には至っていない。このワークショップでは、上皮細胞の極性形成について、それぞれの演者の実験系から得られた最新の知見をご紹介していただく。 |
S186月17日(金)午後〔使用言語 日本語〕
細胞生物学に役に立つ最新技術の展開 |
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オーガナイザー:渡邊 直樹(京都大学)、横田 秀夫(理化学研究所) |
講演者:渡邊 直樹(京都大学)、横田 秀夫(理化学研究所)、伊川 正人(大阪大学)、岡田 康志(理化学研究所)、佐藤 守俊(東京大学) |
近年のイメージング技術の目覚ましい発展により、生きた生命現象の制御のしくみが さまざまな角度から高い時間・空間分解能をもって捕捉されるようになった。本シ ンポジウムでは、先鋭的なイメージング技術を取り入れた研究をとりあげ、生命動態のイメージング解析の技術的発展における 今後の方向性について模索する。 |
S196月17日(金)午後〔使用言語 日本語〕
非古典的な小胞体ストレス応答が制御する生命現象 |
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オーガナイザー:西頭 英起(宮崎大学)、今泉 和則(広島大学) |
講演者:上原 孝(岡山大学)、永田 和宏(京都産業大学)、本間 謙吾(東京大学)、片桐 豊雅(徳島大学)、金本 聡自(広島大学)、西頭 英起(宮崎大学)、関根 悠介(ケンブリッジ大学) |
小胞体ストレス応答(unfolded protein response)については受容体から転写因子まで分子レベルで詳細に明らかになった一方で、近年の研究によりゴルジ体やミトコンドリア、さらにはオートファジーなどの他のオルガネラとの関わりにおいて全く予期しなかった小胞体の役割が明らかになっている。また、小胞体ストレス受容体の新規機能も発見され、これらは様々な生命現象、疾患病態と深く関係する。本シンポジウでは、このような“非古典的な小胞体ストレス応答”に関する最新の知見を紹介していただき、新たな生命現象の理解に繋げたい。 |
S206月17日(金)午後〔使用言語 日本語〕
がんの細胞生物学とケミカルバイオロジー |
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オーガナイザー:青木 正博(愛知県がんセンター研究所)、浅井 章良(静岡県立大学) |
講演者:平田 英周(The Francis Crick Institute)、榮川 伸吾(岡山大学)、井本 正哉(慶應義塾大学)、酒井 敏行(京都府立医科大学)、浅井 章良(静岡県立大学)、青木 正博(愛知県がんセンター研究所) |
がんの分子遺伝学的・細胞生物学的な理解が進み、多数の分子標的治療薬が実際に臨床現場で使用される時代になった。しかしそれらの恩恵を受けられる患者の割合はまだ少なく、またがんはそれらに対する耐性を獲得しやすいことから、さらなる治療薬の開発や薬剤耐性を回避・克服する方法の開発が求められている。本シンポジウムでは、細胞生物学やケミカルバイオロジーの知見・手法を駆使した治療薬の開発や標的同定、開発された分子標的治療薬の細胞レベルおよび生体レベルでの作用機序の解析、さらには薬剤耐性獲得機序の解析やその回避・克服戦略の構築に至るまで幅広く議論したい。 |
3.ワークショップ
4.日本細胞生物学会 若手最優秀発表賞選考会
5.一般口演
一般演題から約200題を口頭発表に選抜します。口頭発表に選ばれた演題は、ポスター発表をすることができません(口頭発表もしくはポスター発表のいずれかとなります)。
6.ポスター発表
ポスター発表は、会期中の前半(1日目)と後半(3日目)に分けて行います。
7. 男女共同参画・若手研究者育成委員会企画ランチョンワークショップ
大会3日目にランチョンセミナー形式で開催いたします。
8.細胞生物若手の会
会期前日の6月14日(火)に大会会場にて開催します。
※詳細については、下記のサイトをご覧ください。
http://saibouwakate.kenkyuukai.jp/about/
9.ケミカルバイオロジー学会
10.企業共催ランチョンセミナー