ライフサイエンスと社会との関係について考える
日 時: | 12月1日(火)18:45~20:45 |
会 場: | 第14会場(神戸国際会議場 1階 メインホール) |
ここ数年、STAP細胞を巡る問題や薬剤の臨床研究における不正、論文不正など、ライフサイエンス分野で、再びいくつもの研究不正の事例が発生している。そのような事態に対し、国や学術団体はさまざまな報告書やガイドラインを発表してきた。中でも、論文発表におけるデータの改ざんなどの不正行為の防止については、今年(2015年)4月から文部科学省によるガイドラインが施行され、基礎研究者であってもデータの保存や組織的な教育・研修を受けることが必須となっている。研究の現場では、こうした規則に対する対応にかなりのエネルギーを割いているのが現状と思われる。確かに、研究論文の信頼性を保つための具体的な対応は重要であろう。
しかしながら、規則を守ることに力を割かれるばかりでよいのだろうか。もっと前向きに、研究者として、研究の価値、面白さ、そして難しさなどを社会に発信し、社会的課題も含めた研究に関するさまざまな側面について前向きに対話していくことが必要ではないか。そして、それによって信頼関係を築いていくことが重要ではないか。
本フォーラムでは、まずこれまでの出来事の経緯と対応を簡単に振り返った上で、ライフサイエンス・コミュニティと社会とのより良い関係構築のために、何ができ、何が必要かについて、学会外部の研究者、メディア関係者などを交えて議論します。 ガイドラインの説明会でもなく、過去の問題の反省会でもなく、若手の方が今後のキャリアを積んでいくために参考になるような、ライフサイエンス研究(および研究者)と社会との関係を前向きに考える会を目指します。
オーガナイザー:
加藤和人(大阪大学医学系研究科)
小林武彦(東京大学分子細胞生物学研究所)
パネリスト:
須田桃子 (毎日新聞科学環境部)
中村征樹 (大阪大学全学教育推進機構・文学研究科、日本学術会議連携委員)
井野瀬久美恵 | (甲南大学文学部、日本学術会議副会長、ICSU(国際科学会議)「CFRS(科学研究における自由と責任に関する委員会)」委員) |
阿形清和 (京都大学大学院理学研究科)
ロバート・ゲラー (東京大学大学院理学系研究科)
詫摩雅子 (日本科学未来館)