BMB2015(第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会 合同大会)
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シンポジウム

シンポジウム初日(PDF) シンポジウム2日目(PDF) シンポジウム3日目(PDF) シンポジウム4日目(PDF)
CSHA Session (PDF)

BMB2015では、プログラム委員による企画シンポジウム20テーマを開催いたします。
シンポジウムは全て英語講演です。

※セッション番号について:開催日+シンポジウム(S)+会場
 (例)2S2:第2日目・シンポジウム・第2会場


1S212月1日(火) 9:00-11:30 第2会場(神戸ポートピアホテル 偕楽1 本館地下1階)

糖質生物学・脂質生物学(グライコミクス)分野

糖鎖を作る・読む・壊す分子システム

オーガナイザー: 加藤晃一(岡崎統合バイオサイエンスセンター) / 宮田 真路(名古屋大学)

古典的な糖鎖修飾の重要性は認識されているが、一方で未だに数多くの機能未知な糖鎖関連遺伝子が取り残されている。最近のゲノムワイド関連解析の発展により、これらの糖鎖関連遺伝子が様々な疾患の原因になっていることが分かってきた。そこで本シンポジウムでは、新規な糖鎖の生合成、認識、分解にかかわる分子システムを理解し、その作動メカニズムと高次生命現象の関係を探求することを目指す。


1S312月1日(火) 9:00-11:30 第3会場(神戸ポートピアホテル 偕楽2 本館地下1階)

細胞応答(プロテインキナーゼ、ホスファターゼ)分野

細胞間コミュニケーションによる自律的なパターン形成

オーガナイザー: 西田栄介(京都大学) / 戎家美紀(理化学研究所)

多細胞体では複数の細胞が互いにコミュニケーションしながらひとりでに時空間パターンを形成する。多くの場合、できたパターンに沿って細胞分化や形態変化が起こるので、細胞パターン形成は多細胞システムの根幹の一つと言える。細胞間コミュニケーションの手段は分泌因子や細胞間の接触などさまざまであり、生じるパターンも幾何学的なものから一見してルールがわからないものまで多様である。多細胞体における細胞パターン形成の多様性と普遍性を議論したい。


1S412月1日(火) 9:00-11:30 第4会場(神戸ポートピアホテル 偕楽3 本館地下1階)

神経科学(神経系の発達と分化)分野

脳とこころの発達の分子メカニズム

オーガナイザー: 松崎文雄(理化学研究所) / 下郡智美(理化学研究所)

脳の発生は胎児期に遺伝的な支配を受けながら形態形成することから始まり、生後には外部環境の影響を受けつつ形態と機能を変化させ、“こころ”を持つ成体脳へと成熟してゆく。この一連の流れの間にどのような事が脳内で起きているのか、その分子メカニズムはどこまで解明されているのか、可視化などの最先端技術を使って明らかになっている最近の知見をもとに、脳の発達ダイナミクスの研究の現状と将来を展望する。


1S1412月1日(火) 9:00-11:30 第14会場(神戸国際会議場 メインホール 1階)

細胞の構造と機能(オートファジー)分野

オートファジー

オーガナイザー: 水島昇(東京大学) / 濱崎万穂(大阪大学)

オートファジーはリソソームを分解の場とする細胞質成分の分解システムである。現在、オートファジーそのものの多様性とそれを司る分子群の実態の理解が急速に進んでいる。また、オートファジーの多彩な生理機能やヒト疾患との関係も次々と明らかになり、オートファジー制御化合物の探索なども進んでいる。オートファジー研究は新しいステージに入っていると言える。本シンポジウムでは多角的視点から現在のオートファジーを議論する。


1S1512月1日(火) 9:00-11:30 第15会場(神戸国際会議場 国際会議室 3階)

発生・再生(初期発生、器官形成、形態形成)分野

ゲノムとエピジェネティックコードから発生と進化のメカニズムを探る

オーガナイザー: 武田洋幸(東京大学) / 田村宏治(東北大学)

これまでに多くの生物のゲノムが解読され、さらにエピジェネティック修飾の実態も精力的に解明されつつある。これら膨大な情報を駆使して、我々は発生生物学、進化生物学の長年の課題に挑戦している。特に本シンポジウムでは、ゲノム進化と生物の形態変化、エピジェネティック修飾の成立機構とそれによる発生重要遺伝子群の発現調節について最新のデータを元に討論したい。


2S212月2日(水) 9:00-11:30 第2会場(神戸ポートピアホテル 偕楽1 本館地下1階)

細胞の構造と機能(核と細胞小器官の構造と機能)分野

オルガネラバイオロジー:細胞の構造と機能の新しい姿

オーガナイザー: 遠藤斗志也(京都産業大学) / Gia Voeltz(コロラド大学)

オルガネラ研究は新しい段階に入っている。オルガネラは細胞の機能上の要請や外部環境の変化に応じて、その構造、形態、量、その結果としての機能を変え、ダイナミックに変化する。オルガネラは細胞内を膜で区画化することで生化学反応を分離するだけではなく、オルガネラ間コンタクトを介して積極的に代謝物質や情報を交換し、協力して細胞機能を維持しようとする。本シンポジウムでは、様々なオルガネラに関する最新の研究から見えてきた新しいオルガネラ像について議論したい。


2S312月2日(水) 9:00-11:30 第3会場(神戸ポートピアホテル 偕楽2 本館地下1階)

タンパク質(構造生物学、機能予測)分野

結晶化に悩む皆さんへ

オーガナイザー: 白水美香子(理化学研究所) / 岩田想(京都大学/理化学研究所)

X線結晶構造解析と溶液NMRが生体高分子の原子分解能の生体高分子の構造解析の主力として長く用いられて来たが、近年、本来の膜環境に向けた溶液/固体 NMR法や、電子顕微鏡による単粒子解析法、さらに自由電子レーザーを用いた構造解析法などにより、結晶になりにくいサンプルや生体膜のように扱いの難しい環境下での構造解析が可能になりつつある。これらを含む新しい構造解析手法とそれらの今後の展望について討論する。


2S412月2日(水) 9:00-11:30 第4会場(神戸ポートピアホテル 偕楽3 本館地下1階)

バイオテクノロジー、新領域、進化(ケミカルバイオロジー)分野

タンパク質可視化・制御の新技術:細胞局所から個体まで

オーガナイザー: 浜地格(京都大学) / 清中茂樹(京都大学)

遺伝子工学と蛍光タンパク質の開発により、細胞内におけるタンパク質可視化技術は劇的に加速し、その可能性をさらに広げつつある。これと相補的な方法として、細胞内タンパク質を有機小分子で可視化および制御するケミカルバイオロジーを基盤とした技術開発も進んできている。また、動物個体においてもタンパク質の発現制御や可視化を可能とする技術の発展も顕著になってきた。本シンポジウムでは、細胞内局所から個体レベルまでの階層で、タンパク質可視化および機能・局在制御に関する最新の研究を紹介し、議論したい。


2S1412月2日(水) 9:00-11:30 第14会場(神戸国際会議場 メインホール 1階)

疾患生物学(がん)分野

血管リンパ管の新生とリモデリングの生命科学

オーガナイザー: 宮園浩平(東京大学) / 高倉伸幸(大阪大学)

血管・リンパ管新生は、臓器および器官の組織細胞との相互作用によって、組織特異的なリモデリングにより誘導される。血管やリンパ管の維持機構の破綻が、様々な血管病の成因となり、血管・リンパ管制御による、種々の疾患の治療法の開発が行なわれつつある。本セッションでは、血管とリンパ管の形成の分子機序の解析から明らかになってきた生命科学について、発生学、病理学、病態学などの多岐にわたる観点で討論する。


2S1512月2日(水) 9:00-11:30 第15会場(神戸国際会議場 国際会議室 3階)

ゲノムと遺伝情報(RNAプロセシング、輸送、翻訳、非コードRNA)分野

RNAと生命現象

オーガナイザー: 塩見美喜子(東京大学) / 阿形清和(京都大学)

21世紀に入り、次世代シーケンシングの技術とその生物情報学的なデータ解析によってRNAの多様性と潜在力は俄に露呈した。個々のRNAの細胞内における活躍ぶりも徐々に明らかになってきている。RNAは細胞内空間でどのように生まれ、どういった分子と出会い、相互作用することによって自身の機能を発揮しているのか?その機能は生物間で保存された、あるいは生物個体に特有な生命現象をどのように制御しているのか?本シンポジウムではRNAが司る生命現象に焦点をあて、最新の研究成果と共にRNAが秘める魅力を共有する場としたい。


3S212月3日(木) 9:00-11:30 第2会場(神戸ポートピアホテル 偕楽1 本館地下1階)

タンパク質(フォールディングと品質管理)分野

新生鎖が奏でる細胞機能制御

オーガナイザー: 田口英樹(東京工業大学) / 稲田利文(東北大学)

mRNAの情報がポリペプチドへと翻訳されるセントラルドグマの終端には未開拓の大きな分野が潜んでいる。翻訳中の新生ポリペプチド鎖(新生鎖)はタンパク質が完成する途上の単なる中間体ではない。リボソームをハブとして新生鎖自らのフォールディングや品質管理を制御するだけではなく、完成タンパク質にはない生理学的な機能を有する場合もある。これまで接点がなかったRNAの品質管理やタンパク質のフォールディング/品質管理研究が渾然一体となり、新たなバイオロジーが出現しつつある。本シンポジウムでは、新生鎖研究を切り拓く内外の研究者により、新たな分野の拡がりを共有したい。


3S312月3日(木) 9:00-11:30 第3会場(神戸ポートピアホテル 偕楽2 本館地下1階)

酵素・レドックス・生体エネルギー(その他)分野

生体の酸化・親電子性物質ストレス応答の分子基盤

オーガナイザー: 小松雅明(新潟大学) / 山本雅之(東北大学)

私たちの体には、酸化ストレスや環境毒物由来の親電子性物質ストレスに曝されると、様々な生体防御遺伝子群を活性化して応答する能力が備わっている。転写因子Nrf2とその抑制性制御因子Keap1がこの生体防御系の中心的役割を担っているが、この制御系の本質は、プロテアソーム系を介した転写因子の分解による抑制を基盤とする脱抑制応答機構にある。さらに、本制御系はオートファジータンパク質分解系とも密接に連関する。本シンポジウムでは、目覚ましい勢いで解明されつつあるKeap1-Nrf2制御系の分子メカニズムを中心に、現在の到達点を討論したい。


3S412月3日(木) 9:00-11:30 第4会場(神戸ポートピアホテル 偕楽3 本館地下1階)

神経科学(感覚、生物時計、光周性)分野

細胞と時間

オーガナイザー: 岡村均(京都大学) / 相賀裕美子(国立遺伝学研究所)

生物は時間という位相の中で生きている。生体リズムは地球が生命にもたらした贈物で有り、細胞には一日という外的時間に対応して内的リズムを刻む機構がある。一方、細胞周期は生命にとって根源的な現象で有り、哺乳類を含め現存するあらゆる生き物は、地球創世記から延々と繰り返された細胞と増殖と分裂の産物であると言える。本シンポジウムは、時間フレームが生体の形成や維持の基本的な現象である細胞増殖や分化にどのように展開しているのかを、分子レベルで考察する。


3S1412月3日(木) 9:00-11:30 第14会場(神戸国際会議場 メインホール 1階)

バイオテクノロジー、新領域、進化(遺伝子工学、核酸工学、ゲノム編集)分野

ゲノム編集で細胞・生物をカスタマイズする

オーガナイザー: 山本卓(広島大学 ) / 堀田秋津(京都大学)

目的の遺伝子を自在に改変するゲノム編集技術は、2013年始めのCRISPR/Cas9の開発によって、全てのライフサイエンス研究者のための技術となった。本シンポジウムでは、ゲノム編集技術によって可能となってきた細胞や生物のモデル作製に焦点を当て、最新の研究成果を紹介するとともに、ゲノム編集を用いたライフサイエンス研究の今後の展開について議論する。


3S1512月3日(木) 9:00-11:30 第15会場(神戸国際会議場 国際会議室 3階)

発生・再生(生殖細胞、受精)分野

生殖細胞の発生・分化・エピゲノム制御とその試験管内再構成

オーガナイザー: 斎藤通紀(京都大学) / 林 克彦(九州大学)

生殖細胞は、精子もしくは卵子に分化し、それらの融合により新しい個体を形成する細胞系譜で、体細胞系譜とは一線を画した細胞形質制御機構を有する。本シンポジウムでは生殖細胞の発生機構と分化制御、エピゲノム制御、多能性幹細胞による試験管内再構成に関する第一線の研究者を招聘し、生殖細胞研究の最前線とその医学への応用を議論したい。


4S212月4日(金) 9:00-11:30 第2会場(神戸ポートピアホテル 偕楽1 本館地下1階)

植物、農生物学、食品科学(植物のオルガネラ、細胞、器官形成)分野

植物細胞は忙しい:駆け巡るオルガネラの動的制御機構

オーガナイザー: 西村いくこ(京都大学) / 田村謙太郎(京都大学)

個体の静かな佇まいからは想像できないほど、植物の細胞内では様々なオルガネラがダイナミックに運動している。原形質流動と呼ばれるこの現象は1774年に初めて記載されている。イメージング技術の進展により、オルガネラの運動機構とそれぞれの運動の生理学的意義が徐々に明らかにされつつある。本シンポジウムでは。植物オルガネラの動的なふるまいとその役割について最先端の知見を集結して議論する。


4S312月4日(金) 9:00-11:30 第3会場(神戸ポートピアホテル 偕楽2 本館地下1階)

細胞の構造と機能(細胞周期、細胞分裂、細胞極性)分野

器官形成における多細胞動態の階層を超えた理解に向けて

オーガナイザー: 菊池章(大阪大学) / 永樂元次(理化学研究所)

器官形成は細胞の増殖や分化、形態変化、移動などが同時に起こる極めてダイナミックな現象である。この複雑な現象を理解するには分子、細胞、組織の各階層の知見を蓄積するだけではなく、階層間をつなぐ原理を新たに発見する必要がある。本シンポジウムでは、器官形成過程における多細胞動態に注目した研究を紹介するとともに、階層を超えた器官形成の理解によって、機能的な立体組織を自在に形成するための新たな技術が創成される可能性についても議論したい。


4S412月4日(金) 9:00-11:30 第4会場(神戸ポートピアホテル 偕楽3 本館地下1階)

糖質生物学・脂質生物学(リン脂質)分野

リピドミクスから見えてきた脂質の新機能 –基礎から臨床まで-

オーガナイザー: 新井洋由(東京大学) / 青木淳賢(東北大学)

生体膜リン脂質から特異的に分解あるいは修飾され生成された生理活性脂質は、情報伝達物質として標的分子を介し多彩な生命現象および病態の発症・進展に関与する。近年開発されてきたリピドミクスは、従来の生理活性脂質に加えさらに多彩な脂質分子が従来の予想を超えた機能を発揮していることを明らかにしている。本シンポジウムでは日本のお家芸の一つである生理活性脂質研究をリードする研究者に基礎から臨床応用研究まで幅広い最新の話題を提供してもらう。


4S1412月4日(金) 9:00-11:30 第14会場(神戸国際会議場 メインホール 1階)

ゲノムと遺伝情報(クロマチン、エピジェネティクス)分野

エピジェネティック記憶の維持と可塑性

オーガナイザー: 眞貝洋一(理化学研究所) / 中山潤一(名古屋市立大学)

DNAやヒストンの化学修飾は、エピジェネティック情報の根幹として機能している。発生・分化過程で確立される細胞種特異的なエピゲノムは細胞複製を超えて維持される。一方、生殖細胞系列を通じて子孫へ伝えられる際、エピゲノムの情報はリセットされる。また、環境刺激によりエピゲノムは変わりうるが、そのような変化は老化や疾病の原因にもなりうる。本シンポジウムでは、このようなエピジェネティック記憶の維持、再構築や可塑性に焦点を絞り、最新の話題を提供することで、その原理や生命機能における役割に関して議論したい。


4S1512月4日(金) 9:00-11:30 第15会場(神戸国際会議場 国際会議室 3階)

疾患生物学(代謝疾患、生活習慣病、メタボロミクス、老化)分野

組織リモデリングと疾患

オーガナイザー: 小川佳宏(東京医科歯科大学) / 柳田素子(京都大学)

組織リモデリングは、組織の傷害に対する生理的な修復機転であるが、高度に進行性の場合には、臓器の機能不全あるいは個体死がもたらされる。組織リモデリングの経時変化は複雑であり、臓器や病態により大きく異なるため、詳細な分子機構は不明である。一方、組織リモデリングの終末像としての組織線維化の多くは不可逆的であり、臨床的にもアンメットニーズが高い。本シンポジウムでは、臓器や病態を越えて組織リモデリングと疾患に関する研究の最近の進歩と将来展望を議論したい。