プログラム/Program
:日本語セッション
:英語セッション
:日英セッション
日韓合同シンポジウム
JKIMS Mycobacterial infections
結核症は単一の病原体による感染症としては、世界中で最も多くの死者を出している感染症のひとつであり、今なお公衆衛生上の大きな問題となっている。OECD加盟国の中で特に日本と韓国は、結核症の感染者数、発症率および死亡率ともに高い値を示している。最近になり複数の新規抗結核剤が開発されたが、結核症を減少させるためには、結核症や結核に対するさらなる対策が必要である。近年結核菌群以外の抗酸菌が起因となる非結核菌抗酸菌症が世界的に激増し、日韓両国においても問題となっている。第14回日韓微生物学シンポジウムのメイン企画である本セッションでは、韓国と日本の5名の研究者に抗酸菌症の両国での疫学情報と抗酸菌に関する最新の研究成果を紹介していただきます。本企画が、抗酸菌の現状、課題、今後の展望や日韓での共同研究の可能性を議論する場となることを期待します。
Soyoun Shin (The Korean Institute of Tuberculosis, Head of Laboratory Medicine Center)
Eun-Kyeong Jo (College of Medicine, Chungnam National University)
森本 耕三 (公益財団法人結核予防会 複十字病院)
岩本 朋忠 (神戸市環境保健研究所)
渡邉 峰雄 (北里生命科学研究所)
国際シンポジウム
IS1 細菌ゲノム研究の最前線
共 催:Microbial Genomics
シーケンス技術の進歩により、微生物のゲノム研究は飛躍的な進展を遂げている。シングルセルゲノミクスから、メタゲノミクス、大規模な菌種横断的ゲノム比較解析、系統地理学的解析などの解析手法や研究戦略も確立され、様々な微生物学分野において、次々と新知見が報告されている。本シンポジウムでは、微生物ゲノム研究の最前線で活躍する研究者に最新の研究成果をご紹介頂き、我が国における本分野の更なる発展の機会となることを期待したい。なお、本セッションは、オーガナイザーの1人であるNicholas Thomson博士がEditor-in-chiefを努めるMicrobial Genomics誌の支援を受け、同誌との共催企画として実施する。
Nicholas Thomson (The Wellcome Trust Sanger Institute (UK))
小椋 義俊 (九州大学)
本郷 裕一 (東京工業大学)
Sang Sun Yoon (Yonsei University College of Medicine (Korea))
B. Jesse Shapiro (University of Montreal (Canada))
IS2 Breaking the Barrier Between Commensalism and Pathogenicity
ヒトの体表、管腔内にはたくさんの微生物が微生物叢を形成している。その構成微生物の生態系:数や多様性は宿主の食生活、年齢、遺伝的背景、あるいはそこに侵入してくる新たな外来生の微生物等によって影響を受けるだろう。Commensal microbeの持つ恒常性の破綻はどのようにして起こるのだろうか? SynbiosisからDisbiosisへ至る過程、関わる因子、その関係性は未知の領域である。本シンポジウムでは常在微生物叢の恒常性維持に関わる、あるいは常在微生物叢から病態微生物叢への変化を招く要因について4人の異なる専門分野の方に講演をお願いした。それぞれの切り口を通してBarrier Between Commensalism and Pathogenicityについて考えてみたい。
Eric Oswald (Laboratoire de Bacteriologie-Hygiene CHU Toulouse-Purpan)
GwangPyo Ko (Seoul National University)
Andrew Hryckowian (Stanford University School of Medicine)
小松澤 均 (鹿児島大学)
シンポジウム
S1 ヒトマイクロバイオーム研究:最近の進展
ヒトの体内・体表には多種多様な細菌が在住し、複雑な微生物生態系(細菌叢)が形成されている。中でもヒト腸管内の細菌バイオマスは膨大で、それらが有する様々な生理活性が宿主の健康に影響を及ぼすと考えられている。近年、NGSによるフローラ解析技術および情報解析技術の進展、さらにはレファランスとなるゲノムデータの充実により、宿主に影響を及ぼす特定の菌種や遺伝子が同定され、その作用メカニズムが次第に明らかとなってきた。また、ノトバイオート動物の利用によって、腸内共生細菌の宿主による認識や応答機構、疾病との関わりについての知見が蓄積されつつある。本シンポジウムでは、腸内細菌叢の機能解析や宿主の応答機構、臨床研究に関する最近の話題を提供いただき、今後の腸内フローラ研究の現状と今後について考える場を提供したい。
大野 欽司 (名古屋大学)
金 倫基 (慶応大学)
黒川 顕 (遺伝研)
後藤 義幸 (千葉大学)
竹田 潔 (大阪大学)
S2 細菌分泌系と病原性
病原細菌は宿主細胞に毒素や機能性タンパク質(エフェクタータンパク質)を輸送することにより、宿主に定着し、免疫を回避し、生存・増殖可能なニッチを形成する。多くの細菌で感染の要となるのは、このような分泌系である。近年、役割や構造の異なるタイプの分泌系が次々と見つかっており、現在では IX 型まで認知されている。分泌系の構造的実体は III 型分泌系で始めて捉えられ、現在原子レベルに至る詳細な全体構造が明らかとなりつつある。一方、IV 型や VI 型についても高解像度電子顕微鏡の技術革新とともに詳細な構造解析が近年加速的に進んでいる。本シンポジウムでは、躍進を遂げている病原細菌分泌系研究の現状を紹介するとともに、分泌系が機能することによって実現される宿主細胞への操作など、細菌分泌系が果たす多様な役割についての議論を深め、細菌感染における分泌系研究の方向性を模索したい。
久堀 智子 (岐阜大学)
加藤 淳也 (イェール大学(米国))
Debnath Ghosal (カリフォルニア工科大学(米国))
中山 浩次 (長崎大学)
鈴木 仁人 (国立感染症研究所)
Linda Kenney (シンガポール国立大学)
S3 人獣共通感染症の病原体:進化、伝播、病原性
共 催:公益社団法人日本獣医学会
高田 礼人 (北海道大学)
朝長 啓造 (京都大学)
関崎 勉 (東京大学)
下地 善弘 (農研機構)
Anura Rambukkana (エジンバラ大学)
S4 注目すべき細菌感染症の事例検討ーまだ我々が理解できていないことー
細菌学の進歩は我々の細菌感染症に対する理解を深めるのに役立ってきた。しかし、古くから知られている病原細菌の感染症であっても、実際にはいまだに制圧されているわけではなく、時に大規模な、あるいは深刻な事例が発生することがある。4つの病原細菌を取り上げて、それぞれに対して<事例紹介と疑問点の提示>と<細菌学研究の進歩と疑問点への解説>とを担当する演者、計8名によってセッションを進めていく。このセッションを通して、社会的な問題となる細菌感染症の一端を認識し、今後の対応・対策を進めていく上で知っておく必要があること、さらに未だ説明が困難な事象等について整理をしていく。事例調査と基礎研究とをつなげ、今後の研究展開を模索する時間としたい。
神谷 元 (国立感染症研究所)
蒲地 一成 (国立感染症研究所)
門間 千枝 (東京都健康安全研究センター)
藤永 由佳子 (金沢大学)
山本 倫久 (大阪大学)
明田 幸宏 (大阪大学)
伊豫田 淳 (国立感染症研究所)
西川 喜代孝 (同志社大学)
S5 培養できない微生物を培養するーその戦略と意義
共 催:日本微生物生態学会
現代の微生物学の源流は19世紀後半に「病原性微生物を純粋に分離培養し、その微生物が病原性を持つことを証明する」ための研究に遡ることができる。古典微生物学が現代微生物学へと大きく変貌した決定的な瞬間はペトリ皿を用いた寒天培地による固体培養法の確立である。1890年代に完成したこの方法はそれまでのほとんどすべての固体培養法を駆逐し、今日に至るまで世界中の実験室で用いられ続けている。しかし、自然界には寒天上でコロニーを形成しない微生物、液体培地で生育しない微生物が圧倒的大多数存在することは今や疑いようのない事実となった。なぜ微生物はコロニーを作らないのか?どうすれば微生物を培養できるのか。その答えは未だ見つかっていない。しかし、様々な研究によってその原因と思われる事象が少しずつ明らかになってきた。培養という古典の世界、大量シークエンシングという最先端の世界に果たしてどのような出会いがあるのか。本セッションではそうした研究の前線を紹介したい。
天児 和暢 (九州大学)
岩瀬 忠行 (東京慈恵会医科大学)
坂本 光央 (理化学研究所)
鎌形 洋一 (産業技術総合研究所)
鈴木 志野 (海洋研究開発機構)
玉木 秀幸 (産業技術総合研究所)
S6 細菌由来病原因子と宿主との攻防 〜基礎から治療応用まで〜
病原細菌が産生する毒素、酵素、エフェクターは、病態発症の主要な病原因子である。これらは、それぞれが巧妙なターゲッティング機構を有し、効率よく標的分子へ作用することにより宿主の恒常性の撹乱を引き起こす。一方、宿主側はこれら病原因子の作用を回避すべく、幾重にも防御機構を張り巡らせている。即ち、病原因子の作用機構や宿主防御機構の分子レベルでの解析・解明は、宿主の新たな生理機能や防御機構の発見・理解につながる。更に、これら基礎研究から得られた知見を応用した革新的な細菌感染症治療法の開発も期待されている。
本シンポジウムでは、毒素、酵素、エフェクター等の細菌由来病原因子の作用機構や宿主防御機構解析の最新研究、及び病原因子に対する阻害剤開発や細菌群の制御方法を含めた新しい細菌感染症治療戦略についても紹介したい。
松田 重輝 (大阪大学)
平安 恒幸 (金沢大学 先進予防医学研究センター)
土門 久哲 (新潟大学)
安藤(北尾)公英 (岐阜大学)
安藤 弘樹 (岐阜大学)
S7 環境・動物・食品に分布する耐性菌がヒトの感染症に与える影響を考える
共 催:公益社団法人日本化学療法学会、一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本臨床微生物学会
耐性菌は入院中の患者から分離されるものと考えてきた。しかし、最近の研究から耐性菌は健常人や環境、動物、食品からも分離されることが分かってきた。しかし、環境や動物、食品に分布する耐性菌がヒトにどのような影響を与えているのかは明確ではない。本シンポジウムでは、ヒトから分離される耐性菌が環境や動物、食品に由来するのか、あるは逆にヒトが保有する耐性菌が環境や動物、食品に影響を与えている可能性について議論する。その結果を踏まえ、どのようにすれば耐性菌の蔓延を抑止できるのか会場の皆様と考えてみたい。
柴山 恵吾 (国立感染症研究所)
鈴木 聡 (愛媛大学)
楠本 正博 (農業・食品産業技術総合研究機構)
四宮 博人 (愛媛県衛生研究所)
矢野 寿一 (奈良県立医科大学)
S8 生体防御研究の新展開 〜宿主免疫 vs 病原体の多彩な攻防戦略〜
90年代後半のToll様受容体(TLR)の発見を皮切りに、僅か十数年の間に、病原体関連分子パターン(PAMPs)とパターン認識受容体(PRRs)の概念に基づく自然免疫研究が飛躍的に進んだ。その研究により、宿主免疫系による新規な病原体の認識及び排除の機構のみならず、それに対抗する病原体の免疫回避戦略機構も数多く明らかにされた。しかしながら、PRRs-PAMPs理論をはじめとするこれまでの膨大な見識を持ってしても、未だ多くの感染症の病態形成を十分に説明できるに至っていない。近年、既存の概念に依らない新たな病原体認識と排除の仕組みが次々と明らかになってきている。本シンポジウムでは、様々な感染微生物の防御的及び制御的免疫応答を研究する講師陣を招き、新たな免疫系による病原体認識・応答機構について講演していただく。この知見を基にした多元的視点から細菌感染に対する生体防御機構を再考し、今後の展望を議論したい。
山本 雅裕 (大阪大学)
木村 大輔 (長崎大学大学院)
茂呂 和代 (理化学研究所)
荒瀬 尚 (大阪大学)
S9 細菌感染症研究における様々な網羅的RNA解析手法
次世代シーケンサー(Next-Generation Sequencing: NGS)を用いた網羅的RNA解析技術は、RNA発現解析法として用いられるだけでなく、得られたRNA配列をin silicoで解析できることから極めて応用範囲が広い。NGSを用いたRNA配列の解析は、細菌ゲノムにおけるsRNAの同定や、転写因子やsRNAの結合部位の解析、及びRNAの半減期の測定に至るまで、幅広く応用されるようになり微生物研究においてなくてはならないツールとなってきている。また、マイクロアレイでは不可能であった宿主に感染した状態における細菌の網羅的遺伝子発現解析も可能となってきた。本シンポジウムでは、これらの網羅的なRNA解析法を用いた様々な解析手法について、その原理と応用法を、細菌感染症分野における最新の研究成果を交えて紹介する。
石川 周 (神戸大学)
浜本 洋 (帝京大学)
宮腰 昌利 (群馬大学)
大貝 悠一 (鹿児島大学)
秋光 信佳 (東京大学)
ワークショップ
WS1 JKISM workshop for young researchers-1
この度、初めての試みとして、第14回日韓国際微生物シンポジウム(JKISM 2018)を日本細菌学会総会と合同で開催することになりました。この合同会議は、日韓両国の微生物研究者が交流を深め、共同研究の可能性について議論する機会をより多く提供することを目的としています。JKISM 2018のための特別プログラムとしては、抗酸菌感染症に関するシンポジウムとともに、2つのワークショップ(WS1とWS6)を企画しました。この2つのワークショップの大きな狙いは、日韓両国の若手研究者間の交流促進であり、様々な微生物研究領域で活発な研究を進めている両国の若手研究者に、それぞれの最新の研究成果を発表していただきます。日本側からは、最近の黒屋奨学賞受賞者に発表をお願いしています。
Minsang Shin (Department of Microbiology, School of Medicine, Kyungpook National University)
Kun Taek Park (Inje University)
Sung Jae Shin (Yonsei University College of Medicine)
津川 仁 (慶應大学)
住友 倫子 (大阪大学)
古田 芳一 (北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター)
WS2 病原真菌の薬剤耐性(AMR)研究の新展開
病原微生物の薬剤耐性化は世界的に増加し、医療現場では深刻な問題となっている。他方、新規薬剤の開発は減少傾向にあり、将来薬剤耐性菌による感染症のグローバルな拡大(Pandemic)も懸念され、2015年にはWHOによって薬剤耐性(AMR)アクション・プランが採択されていた。真菌領域では、以前からCandida albicans等の薬剤輩出ポンプによる多剤耐性,non-albicans Candidaの能動的ステロール取込によるアゾール系薬剤耐性、Aspergillus fumigatus等のCYP51変異によるアゾール系薬剤耐性などが報告され、それらメカニズムやその対策等が進められている。一方で,近年Candida aurisの出現等新たな薬剤耐性真菌も次々と分離されている。本ワークショップでは、真菌の薬剤耐性化について、耐性化メカニズムや対策、新薬剤耐性菌の現状などを紹介するとともに、今後の研究の方向性などを議論する。
Miguel Teixeira(Vhiversidade de Lisboa)
田邊 公一 (龍谷大学)
萩原 大祐 (筑波大学)
宮崎 泰可 (長崎大学)
長 環 (福岡歯科大学)
WS3 選抜ワークショップ(分類・疫学・感染症、生態-1)
片平 雄之(九大院・医・細菌)
吉田 光範(感染制御部・感染研)
鳥居 恭司(東京農業大)
岡田 和久(阪大・微研・日タイ感染症)
村田 亮(酪農大・獣医・感染病理)
関 みつ子(日本大・医・病態病理学系微生物学分野)
渡邉 健太(山口大院・連合獣医・病態予防獣医学)
渡辺 宏紀(筑波大・院・生命環境)
WS4 選抜ワークショップ(遺伝・ゲノミクス・バイオテクノロジー、病原性−1)
演者名:
有水 遥子(九州大・院医・細菌)(九大院・医・病態修復)
中村 佳司(九大院・医・細菌)
須藤 直樹(感染研・細菌第一部)
美間 健彦(岡山大・院医歯薬・病原細菌)
芦田 浩(東京医科歯科大・細菌感染制御)
西村 隆太郎(北里大・感染制御)
清水 隆(山口大・獣・獣医公衆衛生)
竹本 訓彦(国立国際医療研究セ・病原微生物)
WS5 選抜ワークショップ(生体防御、抗菌物質・薬剤耐性)
演者名:
阿部 隆一郎(阪大・微研・日タイ感染症セ)
梅田 薫(大安研・微生物)
前田 有紀(阪市大院・理)
岡田 真歩(広島大・院・生物圏科学・食品衛生学)
松井 英則(北里大学・北里生命科学研究所)
港 雄介(ミネソタ大・医・微生物免疫)
澤 智裕(熊本大・院生命科学(医)・微生物)
高橋 圭太(岐阜薬大・薬・感染制御学)
WS6 JKISM workshp for young researchers-2
この度、初めての試みとして、第14回日韓国際微生物シンポジウム(JKISM 2018)を日本細菌学会総会と合同で開催することになりました。この合同会議は、日韓両国の微生物研究者が交流を深め、共同研究の可能性について議論する機会をより多く提供することを目的としています。JKISM 2018のための特別プログラムとしては、抗酸菌感染症に関するシンポジウムとともに、2つのワークショップ(WS1とWS6)を企画しました。この2つのワークショップの大きな狙いは、日韓両国の若手研究者間の交流促進であり、様々な微生物研究領域で活発な研究を進めている両国の若手研究者に、それぞれの最新の研究成果を発表していただきます。日本側からは、最近の黒屋奨学賞受賞者に発表をお願いしています。
Jiyeun Kate Kim ( Kosin University College of Medicine)
Jae-Ho Jeong (Chonnam National University Medical college)
Chul-Su Yang (Hanyang University)
井口 純 (宮崎大学)
中根 大介 (学習院大学)
松尾 美樹 (鹿児島大学)
WS7 魅力ある研究素材としての第四期NBRPコレクションの紹介とABS情報の最前線
文部科学省が推進する生物基盤整備事業(NBRP)は第4期に入り、31のプロジェクトが採択され運用されている。今期のプロジェクトの中で細菌学会の会員の研究推進に関連の深いと思われる事業(病原細菌、細胞性粘菌、およびゾウリムシ)を取り上げその研究素材としての魅力と展望を紹介する。また研究の国際化に伴って名古屋議定書がどのような進展を見せているかは研究者にとって知っておくべき重要な情報であり、遺伝研でその先陣を切って情報収集にあたっているABS対策チームの最新の情報を紹介していただく予定でいる。
江崎 孝行 (岐阜大学)
鈴木 睦昭 (国立遺伝学研究所)
上村 陽一郎 (理化学研究所)
藤島 政博 (山口大学)
WS8 細菌学若手コロッセウムinつくば 優秀発表
細菌学若手コロッセウムは、今後の細菌学の礎を築く若手研究者が切磋琢磨する場を提供することを目的とした学術集会である。細菌・アーキア・真菌を研究している若手研究者が合宿形式で集い、各自のデータを口頭発表する。率直な疑問・意見をぶつけあうことで、新たな研究者ネットワークを構築し、研究者としての成長を目指している。2017年8月に細菌学若手コロッセウムinつくば が日本細菌学会の助成により開催された。このワークショップでは、細菌学会員の皆様へのフィードバックとして始めに会の活動を報告させていただき、若手コロッセウムinつくばでの特に優れた発表を紹介したい。
川村 優樹 (筑波大学)
西嶋 傑 (産業技術総合研究所)
井上 紗智 (筑波大学)
藤本 あい (徳島大学)
山本 尚輝 (早稲田大学)
WS9 選抜ワークショップ(生態-2、生理・構造)
演者名:
遠矢 真理(国立国際医療研セ・病原微生物)
長瀬 賢史(金沢大・保健・病態検査)
島本 整(広島大・院・生物圏科学・食品衛生)
平山 悟(感染研・細菌第一)
川岸 郁朗(法政大・生命・生命機能)
寺島 浩行(名大・院理)(阪大・院理)
一色 恭徳(城西大・薬・病原微生物)
安木 真世(阪府大院・生命)
WS10 選抜ワークショップ(病原性−2)
演者名:
大西 浩平(高知大・総研セ・遺伝子)
藤 博貴(京大院・医・微生物)
佐伯 歩(北大・歯・口腔分子微生物)
栗原 悠介(福岡大学 医学部 微生物免疫学講座)
花村 有希(岐阜薬大・薬・感染制御学)
Nguyen Quoc Anh(徳島大院・医歯薬学研究部・予防環境栄養)
広瀬 雄二郎(阪大院・歯・口腔細菌)
西内 由紀子(大阪市大・医・刀根山結研)
WS11 保菌から考える肺炎球菌感染症
肺炎球菌は、国や地域を問わず市中肺炎の原因菌として上位に位置する感染症の起炎菌であり、肺炎だけでなく髄膜炎や敗血症などの重症感染症にも関わる。 このため肺炎球菌ワクチンが開発・利用されているが、ワクチンに含まれない莢膜型の肺炎球菌感染症が問題となりつつある。 肺炎球菌感染症は、上咽頭に保菌している肺炎球菌により発症することからも、保菌を除去することが重要となる。 しかし肺炎球菌については古くから研究対象として調べられているが、特に保菌メカニズムについては未だに不明な点が多いのが現状である。 本シンポジウムでは、肺炎球菌の保菌に焦点を当て、肺炎球菌の保菌の疫学情報、宿主免疫、病原性、ワクチンへの関与などについて、 臨床と基礎の研究者にそれぞれの情報を提供いただき、肺炎球菌の保菌メカニズムについて今後の展開を含めた討論の場としたい。
森本 浩之輔 (長崎大学)
中村 茂樹 (国立感染症研究所)
保富 宗城 (和歌山県立医科大学)
木村 聡一郎 (東邦大学)
WS12 細菌の生存戦略?:Toxin-Antitoxin機構の実体に迫る
細菌が有するToxin-Antitoxin機構は,これまで多細胞生物におけるプログラム細胞死と類似の意味合いで捉えられてきたが,最近の研究成果により,ストレス環境下における生存戦略の一つであることが示唆されている。すなわち,飢餓状態や抗菌薬存在下において,Toxin-Antitoxin機構の働きにより,代謝活性の低下したPersister細胞の出現が促され,緊縮応答によってストレス環境を乗り切ることが報告されている。このような細菌の生存戦略は,難治性感染症の原因にもなり得る。そこで本ワークショップでは,1)Toxin-Antitoxin機構の多様性と生存戦略,2)新規Toxin-Antitoxin機構の探索技術と分子メカニズム,3)Toxin-Antitoxin機構を標的とした臨床技術について,最新の研究成果を紹介し,Toxin-Antitoxin機構の実体の解明と制御の可能性に迫りたい。
山口 良弘 (大阪市立大学)
加藤 文紀 (広島大学)
野田 尚宏 (産業技術総合研究所)
川野 光興 (川崎医科大学)
WS13 機能の直接可視化によって解き明かすバクテリア膜蛋白質デバイスの動作原理
精巧な膜蛋白質 -膜受容体・ポンプ・トランスポーター・イオン駆動モーターなど- は生命活動の根幹を担い、その機能と活性は個体レベルでの疾病にも密接に関わっている。本ワークショップでは、バクテリアにおける膜タンパク質を研究対象とし、先進光学顕微鏡や低温電子顕微鏡・ナノチャンバー等の近年に大きく進展した技術を通じて明らかとなった、数々の最新の成果を紹介する。究極的には、膜蛋白質を高機能のデバイスとして捉え、1個の分子(あるいは超分子複合体)のふるまいをつまびらかに解き明かすことが機能メカニズムの徹底解明につながっていくと思われる。膜蛋白質がどのように動作し、そして制御されているのか、だれもが理解したいと感じている命題に分子レベルで肉迫する。
小嶋 誠司 (名古屋大)
西坂 崇之 (学習院大)
渡邉 力也 (東京大)
曽和 義幸 (法政大)
米倉 功治 (理研・SPring-8)
WS14 スピロヘータ感染症研究の活性化に向けて
近年、わが国では、梅毒罹患者の急激な増加が問題になっている。また、レプトスピラやボレリア感染症の発生も続いており、スピロヘータ感染症は、わが国の保健衛生に対し、依然として脅威である。しかし、これらの感染症の研究、特に基礎研究に携わる者は、決して多くはなく、活発に研究が行われているとは言えない。そこで、スピロヘータ感染症の基礎研究の活性化を目的として、本ワークショップを企画した。また、スピロヘータは、属の違いにより生活環境や感染機序が大きく異なるために、異属間の研究交流は少ないように思われる。そこで、トレポネーマ、レプトスピラ、ボレリアおよびブラキスピラの主要4属のスピロヘータの研究者に講演を依頼した。ここでの交流が、今後のスピロヘータ感染症研究の新しい展開に繋がることを期待している。
永野 恵司 (愛知学院大学)
高野 愛 (山口大学)
末吉 益雄 (宮崎大学)
トーマ クラウディア (琉球大学)
齋藤 光正 (産業医科大学)
WS15 細菌たちのコミュニケーション
本ワークショップは,化学物質,光,応力など,様々な刺激(情報)をマイクロメートルスケールの微小空間でやり取りする,細菌たちのコミュニケーションに焦点を当てる.水中,固液界面,バイオフィルムなど,細菌を取り巻く環境は実に多様である.それぞれの生息環境に合わせるように巧みな連絡手段を獲得した細菌は,他の細菌や環境との相互作用によって生態系を形成,維持,拡大させる.その一連のメカニズムに対する深い理解は,感染症予防,バイオレメディエーション,再生可能エネルギーなどに関する新しいアイデアを生むと期待される.ワークショップでは,固体表面への接着,表面滑走運動,バイオフィルム形成につながる細胞間コミュニケーションなどについて紹介頂く. 本ワークショップの講演は基本的に英語で行いますが,スライド中の専門用語には可能な限り日本語を併記し,各講演後には日本語でのご質問・ご意見を歓迎致します。
演者名:
Kun Zhao (Tianjian Vniversity)
中根 大介 (学習院大学)
水谷 雅希 (大阪市立大学)
豊福 雅典 (筑波大学・チューリッヒ大学)
Andrew S. Utada (筑波大学)
中村 修一 (東北大学)
モーニングレクチャー
ML1 系統樹入門
ML2 わが国の梅毒の現状
エクストラレクチャー
EL1 論文投稿・出版のABC -- 出版社から若手研究者へのアドバイス
講習会
微生物統合データベース「MicrobeDB.jp」講習会
*スペースに限りがあるため、先着30名様に限定させて頂きたいと思います。あらかじめご了承下さい。
【MicrobeDB.jpの特長】
●世界中で産出されている微生物ゲノム、メタゲノム情報を全て収録
細菌ゲノム(約17,000株)、菌類ゲノム(約28株)、メタゲノム(約17万サンプル)、菌株情報(約17,000株)を収録し、検索語に対応した多様な結果を提示します。
●遺伝子情報と環境情報が統合された唯一のデータベース
遺伝子情報と環境情報を統合することにより、特定環境での遺伝子や種の動態、特異的遺伝子の環境分布、などを検索するだけで俯瞰することができます。
●最先端の解析パイプラインを実装
最先端のゲノム・メタゲノム解析パイプラインを実装しており、収録しているデータは全てこの解析パイプラインで再解析したものです。このことにより、世界中から産出されたデータを同じクォリティで比較する事が可能となっています。
●各種解析ツールも充実
約200種類にもおよぶ解析ツールを実装しており、検索するだけで比較ゲノム解析、比較メタゲノム解析などが可能となっています。また自身で保有するデータをアップロードする事で、全データとの比較解析も可能としています。
【利用例】
- 遺伝子や系統がどのような環境に存在するのかを検索する。
- 特定の環境における微生物群集構造、遺伝子組成などを検索する。
- 自身が保有するデータとデータベースに収録済みデータとで、比較ゲノム解析や比較メタゲノム解析を実施する。