ご挨拶

 

総会長  林 哲也
九州大学大学院医学研究院 細菌学分野 教授

 

 

 第91回日本細菌学会総会を、福岡市博多区の福岡国際会議場において、平成30年3月27日(火)から29日(木)の3日間の予定で開催いたします。今回の総会は、日韓国際微生物シンポジウムとの関係で例年とは少し異なりますので、この場をお借りして、その点について説明させて頂くとともに、現時点でのプログラム等についても紹介させて頂きます。
 日韓国際微生物シンポジウムは2年に一度、日本と韓国で交互に開催されてきました。平成30年は第14回のシンポジウムを日本で開催する年となります。同シンポジウムを日本で開催する場合、ここ最近は、総会の前日に総会とは独立して開催されることが恒例となってきましたが、今回は、初めての試みとして、同シンポジウムを日本細菌学会総会に組み込んだ形で実施することになりました。その内容に関しても、このシンポジウムが日本と韓国の間での共同研究の契機となることを期待して、特定のテーマに焦点を置いたシンポジウム(今回は抗酸菌感染症)を企画し、さらに日韓の若手研究者の間でネットワークが生まれること期待し、若手研究者交流ワークショップを企画しました。若手研究者交流ワークショップでは、日本側からは最近の黒屋奨励賞受賞者の方々に研究を発表して頂きますが、これまで黒屋奨励賞受賞者が本賞受賞者として本学会総会で発表する機会はありませんでしたので、多くの会員の方に各受賞者の研究について知って頂く良い機会にもなると考えています。
 全体としては、上記の日韓シンポジウム関連企画を含め、12題のシンポジウム(2.5時間)と15題のワークショップ(2時間)を企画しました。シンポジウム・ワークショップについては、会員の方々から応募頂いた多くの企画の中から可能な限り採択することとし、第90回総会で好評であった選抜ワークショップも、発表時間を少し短縮した形で全分野について実施します。シムポジウムに関しては、比較的幅広い聴衆が対象となりうるテーマを取り上げたものとし、ワークショップに関しては、比較的焦点の絞られたトピックスを取り上げたものという切り分けを行いました。また、これらのシンポジウム・・ワークショップ以外に、今回の試みとして、2つのモーニングレクチャーを企画し、細菌の感染症関連のトピックスとして「最近話題となっている梅毒の動向」を国立感染症研究所の大西真先生に、またテクニカルセミナーとして「系統樹の正しい書き方」を九州大学理学部の手島康介先生にお話して頂きます。さらに、最終日になりますが、MICRIBIOLOGY AND IMMUNOLOGY誌を出版しているWiley-Blackwell社の協力により、「魅力的な英語論文の書き方」に関するセミナーを企画することとなりました。
 本総会が、こういった一連の企画を通して、細菌学会会員の皆様だけでなく、幅広い細菌学関連分野で活動をされている多くの方々にとって「役に立つ」有意義な学術集会となるよう鋭意準備を進めております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

© 2017 The 91st Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology.