第89回日本生化学会大会
会頭 山本 雅之
(東北大学大学院医学系研究科)
第89回日本生化学会大会を2016年9月25日(日)~27日(火)の3日間、仙台国際センターおよび東北大学にて開催することとなりました。仙台での大会は、「生化学の創造的復興」をテーマに掲げ、「生物の環境ストレス応答」や「疾患の生化学」といった古典的な研究テーマでありながら近年大きな展開が見られる研究分野をクローズアップし、その発展を支える生化学の重要性を再認識するとともに、「ビッグデータサイエンス」のような今日的なテーマにも取り組もうと準備を進めています。生化学の新たな展開を生みだせるような大会にしたいと祈念しております。
本大会では、新たな企画として「Meet the Expert」と「日本医学会連合の共催シンポジウム」を開催します。Meet the Expertは、生化学の分野で大きな業績をあげた生化学会会員6名の先生を講師として迎え、それぞれの研究について、いつもの講演よりもっと身近に、少しフランクにお話いただく大変貴重な機会です。朝8時からの開催になりますが、ぜひ皆さんお集まり下さい。また、日本医学会連合の共催シンポジウムでは、日本糖尿病学会および日本血液学会と共に、「病気と生化学」と題してそれぞれ糖・脂質代謝、鉄代謝に関するシンポジウムを開催します。特別講演では、グロビン遺伝子転写調節のDouglas Engel教授(ミシガン大学)、毒性生化学のThomas Kensler教授(ピッツバーグ大学)をお招きして、最先端の生化学研究についてご講演いただきます。
本大会は1995年以降、大変久しぶりとなる仙台での開催になります。東北地方は2011年の東日本大震災によって大きな損害を生じましたが、2015年12月には仙台市営地下鉄東西線が開通して、仙台駅から会場へのアクセスが一層便利になりました。会場近くには仙台市博物館や宮城県美術館がございます。例年とは異なる都市での開催になりますので、ぜひサイエンスと合わせて仙台の街や文化もお楽しみ下さい。
仙台の地で皆様にお会いし、共に「生化学の創造的復興」を成し遂げることを楽しみにしております。