日本人類遺伝学会 大会長 東京大学大学院医学系研究科 人類遺伝学・教授 徳永 勝士 |
日本遺伝子診療学会 大会会長 東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻神経内科学・教授 辻 省次 |
第59回日本人類遺伝学会・第21回日本遺伝子診療学会 合同大会にご参加下さり、大変ありがとうございます。
近年の技術革新に伴い人類遺伝学・ゲノム医学分野の先端研究が急速に進展しており、これら基礎研究から得られた知見を医療へと還元し臨床へ応用することが期待されている現在、医療現場や社会との接点が極めて重要になっています。日本人類遺伝学会と日本遺伝子診療学会では、このような状況を踏まえ、基礎研究から臨床応用までを見据えた幅広い交流の場となるよう、合同で大会を開催いたしました。
本大会では、「Diversity and Networking」をテーマに掲げ、合同大会にふさわしい異なる分野の交流、連携やネットワーキングを促進する多彩な内容を目指しました。まず、次世代シークエンサーを活用して薬理ゲノミクスや精神疾患の遺伝研究をリードするProf. David Goldstein(Duke University)、Stevens-Johnson症候群とHLAの強い関連の分子機構の解明に大きく貢献したProf. James McCluskey(The University of Melbourne)、そして次世代シークエンサーを駆使して多種多彩なゲノム解析研究を推進するDr. Jun Wang(BGI)をプレナリーレクチャーにお招きいたしました。
シンポジウムの企画につきましては、おかげさまで多数の会員からさまざまなご提案をいただき、私どもお世話をする側から企画を考える余地がほとんどなかったのが実情です。また、2016年に京都で行われる国際人類遺伝学会に向けて、本大会では英語のセッションを増やしたいという目標もある程度達成されました。さらに、一般演題のご応募が400題に達したことも私どもの嬉しい驚きでした。
このほか本大会では、第14回東アジア人類遺伝学会連合との共催シンポジウムも開催します。中国、韓国における人類遺伝学研究に触れる良い機会となるよう期待しています。
本大会がご参加下さった皆様にとって、日本人類遺伝学会と日本遺伝子診療学会の両学会が包含する幅広い分野および関連する領域における多様な研究の現状を知るとともに、将来の発展に向けた新たな発想と交流、大きなネットワーク形成の場になることを願っています。