「免疫チェックポイント阻害剤の栄光と憂鬱」
1997年にBrunetらによって発見されたCTLA-4並びに1992年に本庶らによって発見されたPD-1は代表的な腫瘍によるT細胞抑制シグナルである。AllisonらによりCTLA-4阻害抗体による腫瘍排除が初めて動物モデルで示された後、2010年代には免疫チェックポイント阻害剤の治療有効性が様々ながんにおいて報告され、いまや免疫チェックポイント阻害剤はがん免疫治療の花形である。
華々しいデビューを遂げたチェックポイント阻害剤は、同時にパンドラの箱ともいうべき腫瘍免疫環境へと研究者を導く案内役ともなった。多様な免疫細胞が混在する腫瘍を目の前にして、臨床家を悩ませるのは、どの患者にチェックポイント阻害剤を使うべきかという道標(バイオマーカー)がないことである。そしてそれを求める道は、PD-1/PD-L1の発現から始まり、免疫シグネチャー、DNAミスマッチ修復異常、体細胞変異総数、果ては一細胞解析に至るまで複雑に入り組んでいる。更に化学療法や放射線治療等との複合療法のような多くの選択肢がある中で我々は如何に論理的に治療方針を決めていけばよいのだろうか。あるいはAIに丸投げすべきなのか。
本セミナーでは、シークエンス技術を活用した様々な免疫ゲノム解析についても注目しつつ、免疫チェックポイント阻害剤を基軸として大きく展開した腫瘍免疫研究の現状と問題点、将来の展望について議論を進めたい。
東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター
柴田 龍弘
<セミナー共催企業>
タカラバイオ株式会社 NanoString Technologies, Inc./ アズワン株式会社 バイオストリーム株式会社 バイオ・ラッド ラボラトリーズ株式会社 プロテインシンプル ジャパン株式会社 メルク株式会社
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